JPH0422432Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はデイスククランプ装置に係り、特にフ
ロツピーデイスクドライブに用いるに好適なデイ
スククランプ装置に関する。

〔従来の技術〕

第３図は従来のデイスククランプ装置を示す断
面図である。

固定設置されているスピンドル（図示せず）に
対向させてハブ１が摺動自在に配設されている。
ハブ１はボールベアリング２を介してハブスリー
ブ３に支承され、該ハブスリーブ３はシヤフト４
に外挿されている。シヤフト４はシヤフト取付板
５に遊嵌され、頂部に設けられた鍔によつて落下
しないように係着されている。

さらに、ハブスリーブ３の上部にはＥリング６
が固定設置され、ハブスリーブ３に外嵌された付
勢部材が抜け出るのを防止している。ハブスリー
ブ３のＥリング６側には止め板７が外嵌され、ボ
ールベアリング２側には止め板７が外嵌され、両
止め板間にスプリング９が配設されている。ま
た、Ｅリング６と止め板７間にはクランプレバー
１０が嵌め込まれている。

ハブ１は、全周に複数ケ所のスリツト（例えば
８個）が半径方向に形成され、これによつて放射
状に複数個（８個）のハブセグメントが形成され
ている。

以上の構成において、挿入口より挿入されたデ
イスクがスピンドル上にセツトされると、ロツク
機構が解除され、装置前面に設けられた操作レバ
ー（図示せず）の回動操作に連動してクランプレ
バー１０が下降する。クランプレバー１０は止め
板７を介してハブスリーブ３を押下させ、ハブ１
をスピンドル内に挿入する。

このとき、デイスク内の記録媒体が偏心してい
ると、ハブ１の外周に設けられているテーパー面
が記録媒体の中央開口部の内周面に接触し、ハブ
１の下降と共にデイスクを中心位置に移動させ、
デイスクのセンタリングを行なう。このようにし
てセンタリングされたデイスクに対してはハブ１
のフランジ部１ａが接触する。この状態でハブ１
自体は下降しなくなるが、クランプレバー１０は
更に一定の距離を下降する。この下降する力はス
プリング９、ボールベアリング２を介してハブ１
に伝達され、フランジ部１ａを介してデイスクの
ハブ挿入口の内周部に圧接し、デイスクはスピン
ドルとハブ１とによつてクランプされる。この状
態でデイスクはスピンドルにより回転駆動され、
デイスクに対する情報の書き込み、読み出しが行
なわれる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来のデイスククランプ装置にあつて
は、ボールベアリングの内輪と外輪の遊びによつ
て第３図の矢印図示の如くにガタが生じている。
この結果、第４図の如き縦置き型の場合、ハブ１
にθの傾斜が生じるため、ハブ内径のセンターが
下側にずれ、クランプ時に記録媒体の内周縁を噛
み込み恐れがある。

また、第５図の如き水平置き型の場合、ハブ１
がセンタリングのためにスピンドル１４に対し記
録媒体１２を押圧する際、ハブ１にガタがあるた
め、記録媒体１２を押す側が上がり、記録媒体を
噛み込む恐れがある。

本考案は上記従来技術の実情に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、ハブのガタに
よる記憶媒体の噛み込みを防止したデイスククラ
ンプ装置を提供するところにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するため、本考案は、シヤフ
ト部分に外嵌され、スプリングにより弾発される
軸受を介してハブを回転自在に支承し、シヤフト
部分の一端が取り付けられた昇降部材によりスピ
ンドルに対して昇降動作をおこなわせ、磁気記録
媒体をスピンドルとハブ間に挟持せしめてスピン
ドルの回転を磁気記録媒体の伝達するデイスクク
ランプ装置において、上記シヤフト部分の他端側
に、磁気記録媒体の非挟持時にハブが当接してこ
れを支持する支持部を設けるとともに、上記ハブ
側に、上記支持部に軸受の内輪が当接しない状態
で軸受の外輪を支持する軸受支持部を設けた構成
にしてある。

〔作用〕

上記手段によれば、非挟持時にハブがシヤフト
部分に直接当接して支持されているので、シヤフ
ト部分に対して自由に傾くことがなく、ハブの傾
き、もしくはガタが原因となる記録媒体の噛み込
みを回避できる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本発明の一実施例の正面断面図であ
り、第２図は本発明の他の実施例を示す正面断面
図である。尚、第１図及び第２図においては、第
３図と同一の部分は同一の引用数字で示したので
重複する説明は省略する。

第１図に示すように、シヤフト４に外挿された
シヤフト部分としてのハブスリーブ３のスピンド
ル側端の鍔部分に支持部として段差部３ａを設け
ると共に、この段差部３ａに嵌合する形状の段差
部１ｂをハブ１の内周部に設けて本考案は構成さ
れる。即ち、段差部３ａに段差部１ｂが直接当接
して載置され、ハブ１が半径方向に移動しにくく
なるように構成されている。

以上の構成により、装置が縦置きにされても、
ハブ１の段差部１ｂの内周部がハブスリーブ３の
段差部３ａの外周部に当接するため、ハブ１が傾
斜するのを阻止することができる。この結果、ハ
ブ１がスピンドルに入る際の片あたり現象が生ぜ
ず、磁気記録媒体を噛み込むことが無い。

さらに、水平置きにされた場合でも、ハブ１の
段差部１ｂの最内周部がハブスリーブ３の段差部
３ａの最外周部に当接してハブ１の移動が規制さ
れる。この結果、第５図に示したようなハブ１の
傾きが抑制され、磁気記録媒体の噛み込みは生じ
ない。

また、第２図に示すように、ハブスリーブ３の
スピンドル側端に、スピンドル側に向かつて径が
太くなるテーパ部３ｂを設けて支持部とすると共
に、このテーパ部３ｂに嵌合する形状のテーパ部
１ｃをハブ１の内周部に設けることもできる。

このような構成により、縦置き時にハブ１が傾
斜するのを防止できると共に、テーパ部３ｂの中
心がスピンドルのセンターに一致しているため、
これにテーパ部１ｃの嵌合するハブ１のセンター
もスピンドルのセンターに一致することとなり、
水平置きにした場合でも、ハブ外周部のテーパ部
による磁気記憶媒体の噛み込みを防止することが
できる。

尚、以上の実施例においては、ハブスリーブ３
に支持部として段差部３ａまたはテーパ部３ｂを
設けるものとしたが、ハブスリープ３を有しない
ものにあつては、シヤフト４のスピンドル側端に
支持部として段差部またはテーパ部を設ければよ
い。

なお、シヤフト部分は、回動するハブ１を支持
する略固定側全体を意図しており、シヤフト４、
ハブスリーブ３、その他シヤフト４に嵌装される
部材が考えられる。

〔考案の効果〕

以上説明した通り、本考案のデイスククランプ
装置によれば、ベアリングの遊びに起因するハブ
の揺動を必要最小限に抑え、ハブの外縁による磁
気記憶媒体の噛み込みを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面断面図、
第２図は本考案の他の実施例を示す正面断面図、
第３図は従来のデイスククランプ装置を示す正面
断面図、第４図は縦置きにした場合のハブの傾斜
を説明する断面図、第５図は水平置きにした場合
の磁気記憶媒体の噛み込みを説明する断面図であ
る。 １……ハブ、２……ボールベアリング、３……
ハブスリーブ、３ａ，１ｂ……段差部、３ｂ，１
ｃ……テーパ部、４……シヤフト、５……シヤフ
ト取付板、６……Ｅリング、７，８……止め板、
９……スプリング、１０……クランプレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤフト部分に外嵌され、スプリングにより弾
   発される軸受を介してハブを回転自在に支承し、
   シヤフト部分の一端が取り付けられた昇降部材に
   よりスピンドルに対して昇降動作を行わせ、磁気
   記録媒体をスピンドルとハブ間に挟持せしめてス
   ピンドルの回転を磁気記録媒体に伝達するものに
   おいて、上記シヤフト部分の他端側に、磁気記録
   媒体の非挟持時にハブが当接してこれを支持する
   支持部を設けるとともに、上記ハブ側に、上記支
   持部に軸受の内輪が当接しない状態で軸受の外輪
   を支持する軸受支持部を設けたことを特徴とする
   デイスククランプ装置。