JPH0422402Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は、レコードプレーヤのトーンアーム
に着脱自在に取付けられるヘツドシエルあるいは
シエル付カートリツジの収納ケースに関する。

［考案の技術的背景］ ヘツドシエルやシエル付カートリツジ（以下、
ヘツドシエルと総称する）を収納するケースは従
来より種々提供されている。従来の収納ケースと
しては、ケース本体の台座板上にヘツドシエルの
シリンダー挿入用の開口を設けるとともに、その
開口部の台座板裏面にシリンダーピン固定用の板
バネを設け、開口部にシリンダーを挿入した後、
ヘツドシエルを回転させて、シリンダーピンをス
プリングに固定し、これにより台座板からヘツド
シエルが抜け出ないようにしたものがある。しか
しながら、この収納ケースにあつては、ヘツドシ
エルのシリンダーは単に台座板の開口に嵌合され
ただけであるので、ヘツドシエルに前後方向のが
たが生じやすく、また、スプリングがへたりやす
く確実にケース本体にヘツドシエルを固定するこ
とができない。他方、ケース本体の台座部にシリ
ンダー部挿入用の円筒体を設け、この円筒体でシ
リンダー部を固定するとともに、ケースカバーの
ヘツドシエルの上部が位置する所にヘツドシエル
の頭押えを設け、ケース本体にケースカバーを被
せることにより、ヘツドシエルを固定することも
試みられているが、これによると、ヘツドシエル
の大きさによつて頭押えの大きさを変える必要が
あり、各種大きさの頭押えを用意するか、ヘツド
シエルの型式によつて個々に収納ケースを用意す
る必要があつた。

［考案の目的］ そこで、この考案の目的は、ヘツドシエルの大
きさや形状に左右されることなく、種々のヘツド
シエルを確実に固定することができる構造の簡単
な収納ケースを提供することにある。

［実施例］ 以下、この考案を添付図面に示されている一実
施例を参照しながら詳細に説明する。

この収納ケースは、例えばABS樹脂で作られ
たケース本体１と、このケース本体１の開放部を
覆う例えばアクリル樹脂のような透明の合成樹脂
で形成されたケースカバー２とを備えている。こ
の実施例においては、ケース本体１は、ヘツドシ
エル３のシリンダー４が挿入される開口５を有す
る台座部６と、下端が台座部６の一側辺に位置
し、上方に向つて台座部６から離れるように傾斜
が付けられた背面部７とを有史している。台座部
６は、少なくとも上記シリンダー４の下端からシ
リンダーネツク部８までの距離に等しい高さに形
成されており、その両側壁９には係止ピン１０が
水平に植設されている。台座部６の開口５は、中
空円筒体１１の一端を台座部６の上面からわずか
に突出するように挿入することにより形成されて
いる。上記円筒体１１の内面には、ヘツドシエル
３のシリンダーピン１２が通るための軸方向に延
在する縦溝１３が形成されている。また、この円
筒体１１には、シリンダー４全体を開口５内に挿
入したとき、シリンダーピン１２の上部に位置す
るように水平に延在する開放溝１４が形成されて
いる。なお、この円筒体１１の外周の上記開放溝
１４を含む一側面には、ほぼの扇形をなすカム状
の突出部１５が形成されている。

第３図を参照すると、ケース本体１の側面に
は、挿入口１６が穿設されており、この挿入口１
６からケース本体１内に向けてストツパーピン１
７が挿嵌されるようになつている。このストツパ
ーピン１７は、第２図および第４図に示されてい
るように、矩形の垂直壁１８と、この垂直壁１８
の上端から水平に延在する水平壁１９とを含み、
垂直壁１８は挿入口１６に嵌合できる大きさを有
し、水平壁１９は開放溝１４に嵌合できる大きさ
を有している。垂直壁１８の一方の側面には水平
壁１９方向に延在するフツク部２１が連設されて
おり、このフツク部２１の先端には外方に突出す
る鉤形部２２が形成されている。垂直壁１８の他
方の側面には、垂直壁１８の一方の側面方向に傾
斜して延在する帯状のバネ部２３の一端が取付け
られている。このストツパーピン１７は例えばポ
リカーボネイトのような合成樹脂で構成され、ス
トツパーピン１７に設けられるこれらの部材は好
ましくは一体的に形成される。垂直壁１８の前面
は、バネ部２３側の上部角部からフツク部２１側
の下部角部にわたされた対角線から、フツク部２
１側の上部角部に向つて傾斜する切欠傾斜面２４
が形成されている。

ケースカバー２は、前面２５と、上面２６、２
つの側面２７および後面２８とを有している。両
側面２７の下部にはケース本体１の水平ピン１０
に嵌合する嵌合溝２９がそれぞれ設けられてい
る。両側面２７の後面側は上面２６側から下方に
向つて内方に傾斜をもつて切欠かれており、この
傾斜面３１は、ケース本体１の側面に設けられた
傾斜段部３２と当接し、ケース本体１にケースカ
バー２を取付けたとき全体が立方体を構成するよ
うになつている。なお、参照符号３３はケースカ
バー２をその閉位置において保持する弾性変形可
能な開閉釦である。

次に、この収納ケースにヘツドシエル３を収納
する場合について説明する。まず、予めストツパ
ーピン１７をケース本体１の側壁９の挿入口１６
からケース本体１内に挿入するのであるが、この
場合、バネ部２３の先端が第３図に示されている
ように突出部１５の側面に当接するため、水平壁
１９は縦溝１３を遮ることのない位置に保持され
る。そして、ケースカバー２を開けた状態におい
て円筒体１１の開口５にヘツドシエル３のシリン
ダー４をそのシリンダーピン１２を縦溝１３に嵌
合するようにして挿入する。これにより、シリン
ダー４の回転が規制される。シリンダー４をその
シリンダーネツク部８が開口５の上端に当接する
まで挿入した後、ケースカバー２を水平ピン１０
を支点にして閉方向に回転させると、ケースカバ
ー２の傾斜面３１がストツパーピン１７の切欠傾
斜面２４と係合し、側壁９から突出している垂直
壁１８をバネ部２３に抗してケース本体１内に押
込んでいく。ストツパーピン１７のこの内方への
移動により、水平壁１９はさらに内方へ移動して
縦溝１３内に突出し、ヘツドシエル３のシリンダ
ーピン１２の上部に位置する。これによりヘツド
シエル３の開口５から抜け出ることができなくな
り、確実にケース本体１に固定される。この時、
バネ部２３の先端は、突出部１５の外周に沿つて
摺動しながら強制的に曲げられ、弾性的に突出部
１５の外周と係合している。

ケースカバー２をケース本体１から外すと、ケ
ースカバー２によりストツパーピン１７の垂直壁
１８の内方への押圧が解放され、バネ部２３の弾
性力によつてストツパピン１７は外方に突出す
る。したがつて、ストツパピン１７の水平壁１９
の先端は縦溝１３上から離れ、ヘツドシエル３を
容易に抜き取ることができる。なお、ストツパピ
ン１７は、フツク部２１の鉤形部２２が側壁９の
裏面と係合しているのでケース本体１から離脱す
ることはない。

［効果］ 以上のようにこの考案の収納ケースは、ケース
本体１にケースカバー２を嵌合させるだけの動作
で、ヘツドシエル３をケース本体１に固定するこ
とができる。また、ケースカバー２をケース本体
１から開けるだけで、ストツパーピン１７のバネ
部２３によりヘツドシエル３の固定を解除するこ
とができる。したがつて、操作が非常に簡単であ
り、かつ部品点数も少なくてすむので、安価で提
供できる。さらに、ストツパーピン１７は鉤形部
２２によりケースカバー２を外しても、ケース本
体１から離脱することがないので、反復使用も最
初と全く同じ操作でよい。さらには、収納ケース
の外観もすつきりしており、側壁面に突出部がな
いので多数の収納ケースを密に重ねることがで
き、輸送あるいは店頭デイスプレーも効率よく行
なうことができる。

なお、上述実施例では、ケースカバー２をケー
ス本体１に重ね合わせるようにしているが、ケー
ス本体１を立方体の中空の台座で構成するととも
に、ケースカバーは底部のみ開口した立方体で構
成し、中空台座でケース本体１の開口部を上部か
ら塞ぐように構成してもよいことは容易に理解で
きるであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の収納ケースの一実施例を示
す斜視図、第２図は円筒体とストツパーピンの形
状を詳細に説明する斜視図、第３図は円筒体とス
トツパーピンの係合状態を示す水平断面図、第４
図は第２図に示されているストツパーピンの前方
斜視図である。 図中、１はケース本体、２はケースカバー、１
１は円筒体、１７はストツパーピン、２３はバネ
部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドシエルのシリンダーが挿入される開口が
   上面に設けられた台座部を有するケース本体と、
   このケース本体を覆うケースカバーと、ケース本
   体の側面から挿入されるストツパー部材とを有
   し、前記開口は前記ケース本体内に延在する円筒
   体で構成され、該円筒体にはその内面軸方向に延
   在するシリンダーピン挿入用の溝と、前記ストツ
   パー部材の先端が挿入される前記開口の軸心方向
   に設けられた挿入口とが形成されているととも
   に、前記ストツパー部材には前記円筒体の周面と
   係合するバネ部材が連設されていて、前記ストツ
   パー部材は前記ケースカバーを前記ケース本体に
   装着する際、そのケースカバーにより押圧されて
   前記バネ部材に抗して前記円筒体のシリンダーピ
   ン挿入用溝内に突出することを特徴とするヘツド
   シエルの収納ケース。