JPH04223876A - レンズ研削用砥石 - Google Patents

レンズ研削用砥石

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JPH04223876A
JPH04223876A JP40707290A JP40707290A JPH04223876A JP H04223876 A JPH04223876 A JP H04223876A JP 40707290 A JP40707290 A JP 40707290A JP 40707290 A JP40707290 A JP 40707290A JP H04223876 A JPH04223876 A JP H04223876A
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JP
Japan
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grinding
superabrasive grains
abrasive grain
grain layer
pores
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JP40707290A
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Masakatsu Inaba
稲葉 正勝
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学ガラス製のレンズ
表面を研削するためのレンズ研削用砥石に係わり、特に
、切粉排出性および研削液の供給性を向上するための改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】光学レンズを製造する方法としては、従
来より、溶融ガラスを粗成形した後、カーブジェネレー
ター等の砥石を用いて粗研削を行ない、次いで遊離砥粒
を用いたラッピングを施し、さらにポリッシングにより
仕上げ研摩する方法が長く採られてきた。
【0003】この加工方法では、単純な構成の加工装置
により高精度の光学レンズが製造できる利点があるが、
反面、作業者の技能依存度が高く、生産性が低いという
問題を有している。
【0004】また、非球面レンズを製造する場合には、
球面研削や平面研削のように、レンズと研摩体とを相対
運動させるともずり的なラッピング加工が不可能である
ため、研削加工の段階で表面精度を高め、後工程での加
工量を極力少なくすることが重要である。
【0005】このため最近では、技能依存度を減らして
自動化・省力化を図り、かつ非球面レンズの加工を可能
とする目的で、前述の粗研削加工の代わりに精密研削加
工によって光学ガラスに高精度の形状を付与し、ラッピ
ングを省いて、直接ポリッシングを行なう方法が有力視
されつつある。
【0006】一部では既に、ダイヤモンド砥粒を含有す
るレジンボンド砥石あるいはビトリファイドボンド砥石
により、レンズの精密研削を行なうことが試みられてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のレジン
ボンド砥石あるいはビトリファイドボンド砥石では、結
合相の硬度が低く、摩耗しやすいため研削面の形状変化
が大きく、頻繁に形状修正を行なわねば十分な精密研削
精度が維持できない問題があった。
【0008】そこで本発明者らは、結合相として前記2
種の砥石よりも耐摩耗性の高いNiめっき相を用いた電
着砥石により、光学レンズの精密研削を行なう方法を発
案し、実際に種々の砥石を作成して実験を行なった。
【0009】その結果、光学ガラスの精密研削において
良好な仕上げ面粗さ(例えばRz:0.7μm以下)が
得られ、研削効率も良好であったのは、超砥粒の平均粒
径が10〜30μm 、かつ砥粒層中の超砥粒の含有量
が25〜50vol% の範囲の砥石であった。
【0010】ところが上記砥石では、研削初期において
は良好な性能が得られるに対し、研削を続行するうちに
砥石の目詰まりにより急速に研削効率が低下し、しかも
被削面に比較的深い条痕が付く欠点があり、結果的にド
レッシング等を比較的短い間隔毎に行なわねばならず、
研削面の形状が変化しにくいメリットが相殺されてしま
うことが判明した。
【0011】本発明者らはこの現象について詳細な検討
を行ない、その結果、以下の知見を得るに至った。
【0012】(a)  電着砥石では結合相が硬質であ
るから、脱落した超砥粒が結合相と被削面の間に挟まる
と、この超砥粒が被削面の側に深く食い込み、条痕を形
成する。
【0013】(b)  結合相が緻密で、研削面にチッ
プポケットが少ないことから切粉が排出されにくく、目
詰まりによって切れ味が早期に低下する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、光学レンズの製品形状と対
応した曲面を有する基体と、前記曲面に超砥粒を金属め
っき相で固着してなる電着砥粒層とを具備するレンズ研
削用砥石であって、電着砥粒層中の超砥粒の平均粒径は
10〜30μm、超砥粒の含有量は25〜50vol%
とされるとともに、金属めっき相は多数の気孔を有する
多孔質構造にされていることを特徴とする。
【0015】なお、超砥粒の少なくとも一部には予め金
属被覆が形成され、これら超砥粒の金属被覆の間に気孔
が形成されていてもよい。また、砥粒層中には、超砥粒
以外の粒子が分散されていてもよい。さらに、前記気孔
の少なくとも一部は、無方向性の3次元網目構造をなす
連通気孔であってもよい。
【0016】
【作用】このレンズ研削用砥石によれば、超砥粒の平均
粒径が10〜30μm、超砥粒の含有量が25〜50v
ol% であるため、光学ガラスに対して良好な仕上げ
面粗さおよび切れ味が得られる。
【0017】また、研削により生じた切粉および脱落砥
粒は、砥石回転に伴い研削面に開口した気孔内に保持さ
れ、さらに研削面から順次排出されるため、砥粒層の目
詰まりが防止できるとともに、脱落砥粒が被削面と研削
面との間に挟まって被削面を傷付けることが少なく、被
削面に深い条痕を形成するおそれが低減できる。
【0018】さらに、湿式研削を行なうことにより、開
口した気孔に研削液が保持されて研削面に供給されるか
ら、被削面の冷却および潤滑が良好で、研削抵抗を低減
できるうえ、研削面の過熱を防ぎ、研削面の熱膨張に起
因する研削精度の低下を防止することが可能である。
【0019】
【実施例】図1は、本発明に係わるレンズ研削用砥石の
第1実施例を示す縦断面図である。図中符号1は円板状
の基体で、その上面中央には回転軸2のフランジ部4が
同軸に固定される一方、基体1の下面には、加工すべき
レンズの曲面形状に対応した曲面1Aが形成されている
【0020】この曲面1Aは球面、非球面のいずれでも
よく、また図示のような凹曲面に限らず、凹面加工用と
して曲面1Aを凸曲面にしてもよい。
【0021】基体1の材質としては、Al合金,SUS
合金,Cu合金等の金属のみならず、曲面1Aを導電体
で構成すればセラミックス等の非導電体も使用可能であ
る。 ただし、基体1の冷却効率を高め、かつ昇温による研削
面の変形を低減するには、熱伝導性が高く、熱膨張率が
低い材質が好ましく、この観点からすればCu合金が特
に適している。
【0022】曲面1Aには、全面に一定厚の電着砥粒層
6が形成されている。この電着砥粒層6は、図2に示す
ように金属めっき相12でダイヤモンドまたはCBN等
の超砥粒8を多層状に固着したもので、個々の超砥粒8
の表面にはそれぞれ金属被覆10が形成され、これによ
り一部の超砥粒8の金属被覆10同士の間にはそれぞれ
独立した気孔14が形成されている。
【0023】超砥粒8の平均粒径は10〜30μm、好
ましくは15〜25μmとされ、その含有量は25〜5
0vol%とされている。超砥粒8の平均粒径が10μ
m 未満の場合には光学ガラスを研削すると目詰まりが
激しく、十分な研削効率が得られないことが本発明者ら
の実験で確認されている。一方、平均粒径が30μmよ
り大では、超砥粒8により被削面に形成される条痕が深
く、レンズ研削に必要な仕上げ面精度(例えばRz:0
.7μm以下)が得られない。
【0024】一方、超砥粒8の含有量が25vol%未
満では研削面における超砥粒8の分布密度が小さすぎ、
金属めっき相12と被削面とが摩擦して研削抵抗が増す
。 また、含有量が50vol%より大では超砥粒8の分布
密度が大きすぎ、目詰まりが生じやすくなる。
【0025】金属被覆10としては、Ni,Co,Cu
など無電解めっき法により皮膜形成が容易な金属、また
はCr3C2等の導電性セラミックスが使用可能であり
、その厚さは1〜10μm 程度であることが望ましい
。1μm 未満では強度が不足して超砥粒8から剥離す
るおそれがあり、また10μm より厚いと製造コスト
がかかるだけで無駄である。
【0026】砥粒層6の金属めっき相12はNi,Co
 等の金属で形成され、特にCo 含有量が10〜60
wt%のNi−Co合金が好適である。この組成からな
る合金によれば、単純なNi めっき相の場合に比して
、金属めっき相12の耐疲労性および剛性を高めること
ができ、気孔14を形成した分の砥粒保持力の低下を補
って超砥粒8の脱落頻度を低減し、長期に亙って良好な
切れ味を得ることができる。
【0027】Co 含有量が10wt%未満では、十分
な耐熱性および耐疲労効果が得られない。また、60w
t%以上では、Coが高価であるから製造単価の上昇を
招く。
【0028】金属めっき相12にMnが0.005〜1
.0wt%含有されていると、さらに好適である。この
場合には、金属めっき相12が一層硬質化し、上記効果
がより顕著になる。Mnが0.005wt%未満では効
果が得られず、1.0wt%を越えてもそれ以上の改善
は見られない。
【0030】砥粒層6全体に占める気孔14の割合(気
孔率)は、30〜60vol%であることが望ましい。 30vol%未満では本発明の効果が得られず、60v
ol%を越えると砥粒保持力が低下して脱落する超砥粒
8が増加し、使用に耐えなくなる。
【0031】なお、このような砥石を製造するには、電
解槽に満たした電解めっき液中において、基体1の曲面
1Aに、金属被覆10を形成した超砥粒8を分散させつ
つ、陽極と基体1との間に通電して曲面1Aに順次金属
めっき相12を析出させ、超砥粒8を固着すればよい。
【0032】この場合、曲面1A上だけでなく、曲面1
Aと導通した超砥粒8の金属被覆12上にも金属めっき
相12が析出していくので、超砥粒8の間に部分的に気
孔14を残した状態で多孔質の金属めっき相12が形成
される。金属めっき相12の気孔率を調整するには、金
属被覆12を形成する超砥粒8の割合を調整するか、電
着めっき条件を変更すればよい。
【0033】上記構成からなるレンズ研削用砥石におい
ては、以下のような優れた効果が得られる。
【0034】(イ)  超砥粒8の平均粒径が10〜3
0μm 、含有量が25〜50vol% であるため、
光学ガラスに対して良好な仕上げ面粗さおよび切れ味が
得られる。
【0035】(ロ)  研削により生じた切粉および脱
落砥粒は砥石回転に伴い研削面に開口した気孔14内に
保持され、さらに研削面から順次排出されるため、砥粒
層6の目詰まりが防止できるとともに、脱落砥粒が被削
面と研削面との間に挟まって被削面を傷付けることが少
なく、被削面に深い条痕を形成するおそれが低減できる
【0036】(ハ)  湿式研削を行なうことにより、
開口した気孔14に研削液が保持されて研削面に供給さ
れるから、被削面の冷却および潤滑が良好で、研削抵抗
を低減でき、しかも被削面の昇温による熱膨張に起因す
る研削精度の低下を防止することも可能である。
【0037】(ニ)  金属めっき相12が多孔質であ
るため、各超砥粒8は若干弾力的に支持されており、各
超砥粒8の被削面への食い込み時の当たりが柔らかにな
る。 これにより、超砥粒8の過剰な食い込みを低減し、仕上
げ面粗さが向上できる。
【0038】(ホ)  超砥粒8に金属被覆10を形成
しているから、超砥粒8の研削熱が金属被覆10を通じ
て金属めっき相12に逃げやすく、この点からも超砥粒
8の冷却効率が高い。
【0039】なお、図3に示す第2実施例のように、砥
粒層6内に超砥粒8以外の粒子16を添加してもよい。 例えば粒子16として、テトラフロルエチレン等のフッ
素樹脂粒子,グラファイト粒子,二硫化モリブデン粒子
,六方晶窒化ホウ素粒子,フッ化黒鉛などの潤滑性粒子
を使用すれば、研削面にこれら潤滑性粒子が順次露出す
ることにより、砥粒層6と被削材との摩擦抵抗を低減し
、研削抵抗が低減できる。
【0040】また、粒子16としてガラス,雲母,プラ
スチック,低強度セラミックス等の脆性粒子を使用した
場合には、これら脆性粒子が研削面で衝撃により壊れて
脱落し、その後にチップポケットが形成されるため、切
粉排出性および研削液の供給性が一層向上できる。
【0041】いずれの場合にも、粒子16の分散量は、
砥粒層6全体の5〜40vol%であることが望ましい
。 この割合が5vol%未満であると十分な潤滑効果が得
られず、反対に40vol%より多いと砥粒保持力が低
下して使用に耐えない。
【0042】粒子16としては、その他に各種フィラー
やウィスカー等も使用できるし、複数種を混合して使用
してもよい。さらに、粒子16に金属被覆を形成しても
よく、その場合には、超砥粒8の金属被覆10を形成し
なくても、ある程度の気孔を粒子16間に形成すること
が可能である。
【0043】また、上記実施例では基体1が円板状であ
ったが、本発明は円板状に限られることはなく、例えば
図4および図5に示す第3実施例のように、回転軸2に
対して非対照な形状に変更してもよい。この場合には、
研削液が被削面に供給されやすく、冷却性および切粉排
出性が一層高められる。
【0044】次に、図6は本発明の第4実施例を示し、
このレンズ研削用砥石では、金属めっき相12の内部に
、その全域に亙って無方向性の3次元網目構造をなす連
通気孔20が形成されていることを特徴とする。他の構
成は前記実施例と同様である。
【0045】連通気孔20の網目の平均セル径D1は、
超砥粒8の平均粒径D2の3〜100倍、より望ましく
は5〜30倍とされている。なお、ここでセルと称する
のは、網目状の連通気孔20で囲まれたほぼ球状をなす
部分のことである。平均セル径D1が平均粒径D2の3
倍未満では、電着時に個々のセル内への超砥粒8の侵入
が困難になるため、各セル内における超砥粒8の分散密
度が不均一になり、砥粒層6の表面での切刃密度のばら
つきが生じて砥石の切れ味が不安定になる。また、10
0倍より大では、砥粒層6の表面に開く連通気孔20の
密度が小さく、チップポケットの分布密度が低下して十
分な切粉排出性が得られないうえ、連通気孔20を通じ
ての研削液の流れが悪化し、研削液の供給効率が低下す
る。
【0046】砥粒層6の厚さは任意であるが、望ましく
は前記平均セル径D1の2倍以上とされる。2倍以上で
あれば、砥粒層6の平面方向への研削液の流通がよくな
る。
【0047】この第4実施例の砥石によれば、砥粒層6
の内部に3次元網目状の連通気孔20が均一に形成され
ているため、砥粒層6が適度の弾性を有し、個々の超砥
粒8の切り込み時の衝撃をその周囲の金属めっき相12
が弾性変形して緩和する。この作用により、硬質で脆性
を有するレンズ素材の研削を行なった場合にも、被削材
のチッピングを防止して、仕上げ面粗さおよび精度が向
上できる。
【0048】また、砥粒層6の表面に開口した連通気孔
20がチップポケットとして作用し、研削部に生じた切
粉を砥石の回転につれて排出するため、切粉排出性が高
く目詰まりしにくい。したがって、ドレッシングの頻度
を減らし、ドレッシングによる砥石寿命の短縮が防止で
きる。
【0049】また、湿式研削を行なう場合、連通気孔2
0を通じて、研削液が自由に砥粒層6の内部へ出入りす
るため、その一部が研削部へ流れだし、効果的な研削液
供給が行なえる。同時に研削液が砥粒層6の熱を内部か
らも奪うので、冷却効果が極めて高く、砥粒層6の過熱
による焼け付きなどが防止できる。
【0050】なお、上記第4実施例のレンズ研削用砥石
を製造するには、まず、基体1の砥粒層形成面以外に絶
縁マスキングを行なうとともに、図7に示すように、無
方向性の3次元網目構造をなす一定厚で砥粒層形成面と
同形状の樹脂多孔質体22を基体1の砥粒層形成面に固
定する。固定方法としては、マスキング用の絶縁テープ
などを用いて樹脂多孔質体22を基体1に貼付するか、
砥粒層形成面に対応した曲面形状をなすメッシュ状の支
持治具を用いて、基体1の砥粒層形成面に樹脂多孔質体
22を密着させた状態で固定する。
【0051】樹脂多孔質体22は、図7に示すような構
造をなし、その網目の平均セル径は、前述したセル径D
1と等しい。これには前述した理由の他に製造上の理由
もある。すなわち、この種の樹脂多孔質体22のセル径
にはある程度のばらつきがあるため、前記値が3倍未満
では、内部に超砥粒8が進入しにくい小さいセルが多数
生じ、超砥粒8の分布密度のばらつきが増す。また、1
00倍より大では、めっき時にセルによる超砥粒8の保
持力が小さくなり、超砥粒8を基体1の砥粒層形成面に
保持する効果が低下する。
【0052】樹脂多孔質体22は、発泡剤を用いて樹脂
を高度に発泡させたもので、成形が容易でコストの安い
ポリウレタンフォーム等が好適である。具体的には、株
式会社ブリヂストン製の 「エバーライトSF」 はセ
ル同士の連通性が高く、好適である。  次に、樹脂多
孔質体22を固定した基体1を電解めっき液に浸漬し、
樹脂多孔質体22の内部に超砥粒8を分散しつつ基体1
の砥粒層形成面に金属めっき相12を析出させ、樹脂多
孔質体22の内部に超砥粒8が多層状に分散された砥粒
層6を形成する。超砥粒8は、樹脂多孔質体22の個々
のセル内に均一に入り込み、一部が基体1の砥粒層形成
面に接触した状態に保持されたうえ、基体1の外周面に
析出する金属めっき相12に取り込まれていく。そして
、所望の厚さの砥粒層6が形成されたら、通電を停止し
、基体1を装置から外して水洗する。
【0053】次に、樹脂多孔質体22を除去して、砥粒
層6の内部に網目状の連通気孔20を形成する。その方
法としては、基体1を加熱炉に入れて樹脂多孔質体22
を焼却する方法、あるいは濃アルカリ溶液等に基体1を
浸漬して樹脂多孔質体22を溶解する方法などが採られ
る。
【0054】この製造方法によれば、樹脂多孔質体22
内での超砥粒8の保持密度は、平均セル径D1に応じて
ほぼ一定に維持されるため、いずれの部位の砥粒層6も
、砥粒含有率、砥粒積層度および金属めっき相12の厚
さが均等化される。したがって、従来は製造困難だった
高精度の多層状砥粒層が容易に形成でき、従来の単層状
砥粒層に比して砥石寿命を大幅に延長することが可能で
ある。
【0055】さらに、ポリウレタンフォーム等の樹脂多
孔質体22は、気孔率およびセル径が広範囲に調整可能
であるから、砥石の用途に応じて任意のセル径および気
孔率を有する連通気孔20が容易に形成できる。
【0056】なお、上記の製造方法においても、予め超
砥粒8に導電性皮膜を形成しておくことにより、金属め
っき相12の内部に連通気孔20以外の独立気孔を形成
することも可能である。この場合、金属めっき相12は
、基体1の砥粒層形成面にのみ析出するのではなく、基
体1に対して導通している超砥粒8の導電性皮膜上にも
順次析出し、超砥粒8同士が金属めっき相12によって
架橋されるため、超砥粒8の間に部分的に独立気孔が残
り、金属めっき相12がさらに多孔質になる。
【0057】このような砥石によれば、網目状をなす連
通気孔20の他に、金属めっき相12中に独立気孔が多
数形成されるため、前記第4実施例の作用が一層顕著と
なり、砥石の冷却作用および切粉排出性をさらに向上す
ることが可能である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるレ
ンズ研削用砥石によれば、超砥粒の平均粒径が10〜3
0μm 、超砥粒の含有量が25〜50vol% であ
るため、光学ガラスに対して良好な仕上げ面粗さおよび
切れ味が得られる。
【0059】また、研削により生じた切粉および脱落砥
粒は砥石回転に伴い研削面に開口した気孔内に保持され
、さらに研削面から順次排出されるため、砥粒層の目詰
まりが防止できるとともに、脱落砥粒が被削面と研削面
との間に挟まって被削面を傷付けることが少なく、被削
面に深い条痕を形成するおそれが低減できる。
【0060】さらに、湿式研削を行なうことにより、開
口した気孔に研削液が保持されて研削面に供給されるか
ら、被削面の冷却および潤滑が良好で、研削抵抗を低減
でき、しかも被削面の昇温による熱膨張に起因する研削
精度の低下を防止することも可能である。
【0061】一方、超砥粒に金属被覆を形成した場合に
は、超砥粒の熱が金属被覆を通じて金属めっき相に逃げ
やすくなるため、超砥粒の冷却効率をさらに向上できる
【0062】また、砥粒層中に超砥粒以外の粒子を添加
した場合には、その粒子の物性に応じた作用を砥粒層に
付与することができる。
【0063】さらに、砥粒層の内部に3次元網目状の連
通気孔を形成した場合には、砥粒層が適度の弾性を有し
、個々の超砥粒の切り込み時の衝撃をその周囲の金属め
っき相が弾性変形して緩和するため、硬質で脆性を有す
る被削材の研削を行なった場合にも被削材のチッピング
を防止して、仕上げ面粗さおよび精度が向上できる。
【0064】また、湿式研削を行なう場合、連通気孔を
通じて、研削液が自由に砥粒層の内部へ出入りするため
、その一部が研削部へ流れだし、効果的な研削液供給が
行なえる。同時に研削液が砥粒層の熱を内部からも奪う
ので、冷却効果が極めて高く、砥粒層の過熱による焼け
付きなどが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるレンズ研削用砥石の一実施例を
示す縦断面図である。
【図2】同実施例の砥粒層の断面拡大図である。
【図3】本発明の第2実施例の砥粒層の断面拡大図であ
る。
【図4】本発明の第3実施例を示す平面図である。
【図5】第3実施例の縦断面図である。
【図6】本発明の第4実施例の砥粒層の断面拡大図であ
る。
【図7】第4実施例の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
1  基体 1A  曲面 2  回転軸 4  フランジ部 6  砥粒層 8  超砥粒 10  金属被覆 12  金属めっき相 14  気孔 16  粒子 20  連通気孔 22  樹脂多孔質体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  光学レンズの製品形状と対応した曲面
    を有する基体と、前記曲面に超砥粒を金属めっき相で固
    着してなる電着砥粒層とを具備するレンズ研削用砥石で
    あって、前記電着砥粒層中の超砥粒の平均粒径は10〜
    30μm、超砥粒の含有量は25〜50vol%とされ
    るとともに、前記金属めっき相は多数の気孔を有する多
    孔質構造にされていることを特徴とするレンズ研削用砥
    石。
  2. 【請求項2】  前記超砥粒の少なくとも一部には予め
    金属被覆が形成され、これら超砥粒の金属被覆の間に前
    記気孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載
    のレンズ研削用砥石。
  3. 【請求項3】  前記砥粒層中には、さらに超砥粒以外
    の粒子が分散されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載のレンズ研削用砥石。
  4. 【請求項4】  前記気孔の少なくとも一部は、無方向
    性の3次元網目構造をなす連通気孔であることを特徴と
    する請求項1,2または3記載のレンズ研削用砥石。
JP40707290A 1990-12-26 1990-12-26 レンズ研削用砥石 Pending JPH04223876A (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5272988A (en) * 1975-12-12 1977-06-18 Osaka Daiyamondo Kogyo Kk High-performance grinding wheel
JPS6080562A (ja) * 1983-10-07 1985-05-08 Disco Abrasive Sys Ltd 電着砥石
JPS637459B2 (ja) * 1980-10-23 1988-02-17 Fujitsu Ltd
JPS637458B2 (ja) * 1980-12-16 1988-02-17 Intaanashonaru Bijinesu Mashiinzu Corp

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