JPH04222558A - 多重カプセルフレーバーデリバリーシステムおよびその調製方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は新しいフレーバーデリバ
リーシステムおよびその調製方法に関し、種種の製品、
例えば可食製品、例えばチューインガム組成物、菓子、
薬品、食料品、例えば飲料および何らかのベーカリー食
品、磨歯組成物および義歯接着剤および包装用途に使用
することができる。より詳しくは、本発明は、高濃度の
フレーバーで経験される刺激またはオフノートを有する
ことなくフレーバーの高水準の供給と強度を示すことを
容易にするフレーバーデリバリーシステムの調製方法に
関する。

【０００２】フレーバーデリバリーシステムは当該技術
分野でよく知られており、物理的性状により、液体、乳
液、ペーストまたは固体に分類される。これらは性状が
異なるだけでなく、各々の性状に応じた潜在的用途もま
た、その製造方法と同様に異なっている。

【０００３】長年に渡り、フレーバー物質の調製に関し
て多大な研究が行われている。特に、より強いフレーバ
ー強度を有すると同時に、長時間に渡りフレーバーの放
出が持続するようなフレーバー物質が求められている。

【０００４】このような研究の１つの結果として、遊離
のフレーバー油をガムベースに添加した場合には、初期
フレーバー油の僅か約５〜４０％のみが咀嚼時にガムよ
り放出されるということが解った。残存フレーバー油の
８０％もがガムベースに非可逆的に結合し、咀嚼により
放出が不可能であると考えられる。

【０００５】特にフレーバー油に関するこの難点を克服
する為に、フレーバー油をカプセル化したり、乾燥成分
を使用してガムベースの結合作用を抑制するなど、種々
の試みがなされてきた。また、フレーバー剤の放出を遅
延させると同時に長時間に渡り均一なフレーバーの放出
が可能であるような遅延放出フレーバー剤の開発に係る
研究も多く行われてきた。即時／遅延放出の明らかな利
点は全消費時間に渡り均一なフレーバー刺激を与える能
力であり、これは、従来の調味料やフレーバー油をチュ
ーインガム組成物中に直接配合することでは、これまで
に達成できなかったことである。

【０００６】噴霧乾燥法はフレーバーをカプセル化また
は固定するための最も広く使用されている方法の１つで
ある。この方法では、フレーバー油を通常、水中に分散
させた膜形成剤と混合し、次に乳化して安定な乳濁液を
形成する。乳化が必要な理由は、膜形成剤を溶解するの
に必要な水に、フレーバー油が溶解しないためである。 高い固体含有量で低粘度の乳濁液を得ることが、許容で
きる製品を調製するために重要である。高温における安
定性もまたフレーバー油の揮発を回避するために必要で
ある。フレーバーが化学的に不安定な場合、低導入温度
（即ち約１５５℃）を維持し、かつ、乾燥機中の滞留時
間を最小限に留めることが有利である。風乾条件は、乳
濁液および製品の特徴、例えば、所望の製品の粒径等に
応じて変化する。乳濁液から水を除去するための熱の使
用を変更する試みも行われている。そのうちの幾つかで
は、熱風ではなく脱水溶媒が乾燥媒体として使用されて
いる。凍結乾燥もまた実施されている。

【０００７】フレーバーの固定は押し出し法によっても
可能であり、この方法では、フレーバー油を水溶性の糖
または糖混合物と共押し出しし、乾燥し、粉砕して使用
する。これらの製品は、水との接触時のフレーバー即時
放出のための乾燥混合物に応用できる。このような製品
は通常、フレーバー油１０〜１５重量％を含有する。

【０００８】フレーバーの延長に関わる従来技術に関し
ては、Ｗｅｉ等の米国特許４，５９０，０７５号におい
て充分に論じられている。特許取得者は、カプセル化フ
レーバーを調製し、これをある量の非封入疎水性フレー
バー油とともに懸濁剤へ添加した後にチューインガムを
形成する方法（Ｍａｒｍｏ等の米国特許３，９２０，８
４９号）；ポリ酢酸ビニルのような高分子量物質中への
フレーバーの封入（カプセル化）（Ｏｇａｗａ等の米国
特許３，８２６，８４７号）；ヒドロキシエチルアクリ
レートのような水不溶性親水性重合体とのフレーバーの
交叉結合によるフレーバー複合体の調製（米国特許３，
７６１，２８６号）；マイクロカプセル化したフレーバ
ー粒子を調製しそれをチューインガムの表面上のスラリ
ー中へ分散する方法（米国特許３，９６２，４６３号）
を論じている。更に、Ｙａｎｇ等の米国特許４，６９５
，４６３号は、交叉結合親水コロイド多価アルギネート
またはカラジーニネートのマトリックス中へのフレーバ
ーの固定によるフレーバーデリバリーシステムを開示し
ている。

【０００９】更にＳｈａｒｍａ等の米国特許４，５９７
，９７０号では、甘味料やフレーバーのような活性成分
のためのデリバリーシステムが調製されており、これで
は、可食脂肪酸またはワックス、レシチンおよびグリセ
リド成分を含有する疎水性マトリックスが使用されてい
る。この系は、含有されている活性成分の保護障壁とな
り、制御された放出特性を与えるとされている。カプセ
ル化マトリックス中の物質の組合せは、アスパルテーム
のような非均質コア物質に湿潤能を付与すると同時に、
改善された熱安定性も付与するため、高温加工性が向上
する。これらの性質は活性成分の放出の遅延と引き換え
にしばしば達成されている。

【００１０】Ｄａｒｒａｇｈ等の米国特許３，８６７，
５５６号でもまた、脂肪またはワックス物質中へ揮発性
フレーバーがカプセル化されている。特許取得者は、初
期の、即ちガムベース中へのカプセル化では熱に対して
過剰な不安定性が認められ、そして、その製品は主にベ
イクド製品中への配合を意図していたため、アラビアゴ
ムのような水溶性物質の第２のコーティングを適用し、
これにより、高温安定性を得ると同時に、水分との接触
により迅速に崩壊するようにした。Ｄａｒｒａｇｈ等の
製品でも同様にフレーバー放出の遅延が認められた。

【００１１】また、Ｍｅｒｒｉｔｔ等の米国特許４，５
１５，７６９号および４，３８６，１０６号は、ゼラチ
ン、天然ガム（または’７６９号においてはアルブミン
）または可塑剤を含有する部分親水性マトリックス中へ
のフレーバー物質のカプセル化を開示している。この複
合カプセル化剤をフレーバー剤とともにある乳濁液中に
入れ、その後、乾燥して固体マトリックスとし、次にこ
れを粉砕してベース粉末としている。次に、水と接触し
た際にフレーバー損失を防止し、フレーバーの放出を遅
延させるとされている水不溶性物質でベース粉末をコー
ティングしている。Ｍｅｒｒｉｔｔ等は、フレーバー複
合体の物理的咀嚼により外側のカプセル物質が破壊され
る際のフレーバーの発散を達成することのみが目的であ
った。Ｍｅｒｒｉｔｔ等はまた、その発明に関わる参考
文献を多数検討している。

【００１２】Ｂａｋａｌ等の米国特許４，０８７，５５
７号は、甘味放出の遅延およびそれによる甘味放出の延
長を達成するための、チューインガムベースのエステル
ガム成分への人工甘味料の直接の配合に関するものであ
る（コラム２、３１〜４２行）。この特許では、特定の
フレーバー、特に、酒石酸、コハク酸等の食用酸のエス
テルガム成分への直接の配合が意図されているが、フレ
ーバー油のような従来のフレーバーは、人工甘味料含有
エステルガムを包含するガムベース成分を互いに混合し
、冷却した後に、別途配合することが示されている。フ
レーバー成分は、従来の方法、即ち人工フレーバーの直
接配合および／またはアラビアゴムのような親水性物質
でコーティングされたフレーバーの配合により、この特
許に従って調製されたチューインガムへ配合される（Ｂ
ａｋａｌ等、実施例６参照）。従ってＢａｋａｌ等は、
当該技術で目標とされるフレーバーの供給と延長に関す
る問題は解決していない。

【００１３】フレーバー複合体、特にフレーバー油の複
合体を調製するためのその他の試みもある。即ち、Ｓｗ
ｉｓｈｅｒの米国特許３，０４１，１８０号は、フレー
バー油をグリセリンおよびコーンシロップ固体とともに
押し出してカプセル化押し出しフレーバー油を形成する
方法を開示している。固体を乾燥して粒状の固体を得る
。Ｍｉｌｌｅｒ等の米国特許４，６１０，８９０号は、
砂糖、澱粉加水分解物および乳化剤を用いた押し出しフ
レーバー油の調製のための別の方法を開示している。

【００１４】Ｙａｎｇの米国特許４，４４８，７８９号
および４，５６９，８５２号は、フレーバーを重合体と
加熱しながら混合して均質な製品を調製することにより
得られる新しいフレーバー剤、親水性重合体を開示して
いる。組合せて粉砕することにより、製品はチューイン
ガムおよび菓子製品用のフレーバーとして使用できる。

【００１５】Ｇｉｅｌの米国特許４，２７１，２０２号
は、総粒子単位重量当り、高い割合でフレーバー油を含
有できるような、固体フレーバー物質の形成のための噴
霧乾燥方法に関するものである。油の含有量を高くする
ことが可能であるため、このような噴霧乾燥製品は種々
の飲料やその他の食品で使用されている。しかしながら
、この方法および同様の知られた方法で調製された噴霧
乾燥フレーバーは、典型的に、比較的制限されたシェル
フライフを有することも解っている。さらに噴霧乾燥工
程で必然的に必要とされる高温のために、柑橘系フレー
バーのような熱に敏感な種々の油性フレーバー類のフレ
ーバーや芳香が損なわれることも解っている。さらにま
た、噴霧乾燥で形成された固体は一般的に吸湿性を有す
るため、取り扱いや保存が困難である。

【００１６】以上の方法の外に、Ｇｅｒｇｅｌｙの米国
特許４，４５２，８２１号は長時間に渡り延長されたフ
レーバー芳香および／または薬学的活性成分の供給を可
能にするとされる、菓子製品、特にチューインガムに関
するものである。これは、フレーバー、芳香または薬学
的活性成分を、官能基を有するワックス、ただし固溶液
の均質な混合物を形成するワックス、の中の固溶液また
は混合物として存在させることにより達成される。ワッ
クスは実際には官能基を含んでおらず、フレーバー、芳
香または薬学的活性成分とは実質的に非混和性である。

【００１７】上記したフレーバーの変性の為の試みは全
て、フレーバーが本来有するフレーバーの強度や完全さ
の利点が進歩した放出持続特性と同時に得られるような
フレーバーデリバリーシステムを提供することに失敗し
ている。殆どの例においては、この種の変性フレーバー
がチューインガム組成物に配合される場合、ガムベース
、および、特にエラストマー成分がフレーバーを封鎖し
てしまうため、咀嚼中のフレーバー放出が妨げられる。 更に従来からガム処方中に使用される可塑剤および軟化
剤は、水分の取り込みを増大させ、それに伴いフレーバ
ーの移行や損失も増大させる傾向を有するため、咀嚼時
に放出されるはずのフレーバーの含有量が更に減少し、
結果的に、放出時間や刺激も減少するのである。

【００１８】上記から解ることは、フレーバー油と親水
性膜形成物質の組合せから噴霧乾燥粒子を形成すること
を含めて、広範囲の方法が試みられているものの、制限
された許容性を有する製品しか得られていなかった。フ
レーバー油を大量に配合した場合、得られる粒子は過剰
に刺激のある苦い味を示し、オフノートが感じられる。 逆に、このような苦味を回避するためにフレーバー強度
を低下させると、粒子のフレーバー濃度が低下し、所望
のフレーバー刺激を得るためには、特定の製品に大量の
粒子を添加しなければならないという不都合が生じる。 即ち、これらの試みの何れを用いた場合においても、そ
れに関わらず、フレーバー刺激の持続性は制限されてし
まう。

【００１９】本出願と同時係属中の米国特許出願４５２
，６６０号において、一次または第１の甘味料の内側ま
たはコアコーティング、および、ある量の甘味料を溶解
して含有する親水性重合体の溶液から調製した第２の外
側コーティングに基づいた多重コーティング系を用いた
甘味料デリバリーシステムを開示している。コアは疎水
性または親水性の物質から調製して良く、外側コーティ
ングは基本的に親水コロイドである。この例における系
はアスパルテームのような処理の困難な強力甘味料の保
護および進歩した先行供給をもたらすために開発された
ものであり、進歩した先行性および長時間持続する供給
性能と組合せられた主要活性成分の保護という利点がも
たらされる。

【００２０】本発明はフレーバー強度、感覚、持続性お
よび放出を進歩させ、かつ活性成分のより高度な安定性
および保護をもたらすようなフレーバーデリバリーシス
テムの開発の為の必要性に応じるために、出願４５２，
６６０号の甘味料デリバリーシステムの性質をフレーバ
ーの場合に適用することを試みるものである。

【００２１】

【本発明の要点】チューインガムおよびその他の製品中
に配合した場合に改良されたフレーバー強度、低下した
苦味、進歩したフレーバー持続性および放出特性を含む
進歩した特性の組合せを与えるフレーバーデリバリーシ
ステムを開示する。

【００２２】最終形態のデリバリーシステムは粒状の自
由流動物質であり、可食組成物に増強されたフレーバー
および甘味を与えることを目的としており、このデリバ
リーシステムは下記成分： ａ）　　粒状形態のフレーバーを含有するコア；および
ｂ）　　このコアをカプセル化するマトリックス（ｅｎ
ｃａｐｓｕｌａｔｉｎｇｍａｔｒｉｘ）、ただし、この
マトリックスは強力甘味料を含有する親水性重合体の外
側コーティングを有し、外側コーティングは親水性重合
体および甘味料の溶液から調製され、甘味料は重合体溶
液中、溶液の約０．１〜約５０重量％、好ましくは約３
〜約１５重量％の量で存在し、外側コーティングはコア
重量の約２〜約１００重量％、好ましくは約１５〜約５
０重量％の量で存在するものとするを含有し； ｃ）　　このカプセル化するマトリックスがコア中のフ
レーバーを保護し、得られるフレーバーデリバリーシス
テムに苦味を生じさせることなく高濃度でのフレーバー
の配合を可能にし、そして一貫した味の放出を助長する
ものである特徴を有する。

【００２３】本発明のデリバリーシステムは実質的に全
てのフレーバー調製品のためのデリバリーシステムを意
図しており、フレーバー、および特に噴霧乾燥されるフ
レーバー油、および脂肪またはワックスの外側コーティ
ングとともに粒状形態の調製されるフレーバー、および
液体ゼラチンでカプセル化されたフレーバー油を用いて
調製されるマイクロカプセルを包含する。コアの厳密な
組成は変化してよい。

【００２４】特に、このデリバリーシステムは噴霧乾燥
されるフレーバーに係るものである。「噴霧乾燥フレー
バー」という用語は、天然または合成のフレーバー剤、
例えば油またはエッセンスを澱粉、アラビアゴム、砂糖
、マルトデキストリン、コーンシロップ、ポリオールな
どのような粒状の担体媒体に吸着させたものから作成さ
れる粉末製品を包含する意味を有する。これらの噴霧乾
燥物質は何らかの従来の噴霧乾燥法ならびに押し出し、
粉砕またはコアセルベーション法により形成してよい。

【００２５】親水性の外側コーティングは親水コロイド
を含んでよい。親水コロイドは一般的に、ガム、ペクチ
ン、アルギネート、粘液、膜形成炭水化物およびこれら
の混合物よりなる群から選択してよい。

【００２６】親水性外側コーティングは、最終デリバリ
ーシステム内でフレーバー含有コアと緊密に接触して残
存すると考えられている甘味料の保護作用および存在に
由来する、フレーバーの先行性放出および少ないフレー
バーの苦味またはオフノートの複合した利点を有する。 好ましくない苦味を生じることなくより多量のフレーバ
ーをカプセル化して良く、一貫した味の放出も促進され
るため、フレーバーの強度と供給が増大する。これらの
増大された量のフレーバーは水分および、チューインガ
ムの場合はその他の成分のような劣化要因から保護され
、これにより先行性および持続性のフレーバーの供給が
向上する。

【００２７】本発明フレーバーデリバリーシステムの別
の特徴および利点は、得られた粒子が両方の有効成分の
放出の望ましい延長を促進すると考えられる生物付着性
の性質を示す点である。即ち、ガム膜形成剤は口腔をコ
ーティングし、これにより生物付着性の挙動を示すと考
えられている。

【００２８】本発明のデリバリーシステムは添加物とし
て種々の食品および菓子製品中で使用して良く、フレー
バーおよび甘味の組合せられた刺激をもたらす。同様の
保護が両方の有効成分に与えられるため、経験されるフ
レーバーおよび甘味料の両方の放出の持続性および強度
が増強される。

【００２９】デリバリーシステムは種々の菓子類、例え
ばハードおよびソフトキャンディー、チューインガム、
特に低カロリー低水分処方のもの、並びに薬学的製剤に
おいて錠剤コーティングの一部として、そして「擦って
臭いをかぐ（スクラッチアンドスニッフ）」新しい製品
、および芳香包装材料などに配合してよい。

【００３０】本発明のフレーバーデリバリーシステムは
単独か、または従来のフレーバー、例えば液体フレーバ
ー、その他の噴霧乾燥フレーバー等、並びに、任意の甘
味料と組合せて、種々の可食製品中に使用してよい。

【００３１】別の実施態様においては、本発明はガムベ
ース、本発明のフレーバーデリバリーシステムおよび場
合により甘味料、充填剤、およびその他の添加物を含有
するチューインガムを包含する。砂糖入およびシュガー
レスの両方のガムが包含されており、高ガムベース低炭
水化物含有のガムも含まれる。

【００３２】従って、本発明の第１の目的は苦味を呈す
ることなくフレーバー油を高濃度で供給できるフレーバ
ーデリバリーシステムを提供することである。

【００３３】本発明の別の目的は改良されたフレーバー
の強度および持続性を与える上記フレーバーデリバリー
システムを提供することである。

【００３４】本発明の別の目的はコア内のフレーバーに
改良された安定性を付与する上記したフレーバーデリバ
リーシステムを提供することである。

【００３５】本発明の更に別の目的は、フレーバーおよ
び甘味の両方の改良された供給のための人工甘味料を含
有するフレーバーデリバリーシステムを調製することで
ある。

【００３６】本発明の更に別の目的は、本発明のフレー
バーデリバリーシステムを含有するチューインガム組成
物または他の可食製品、薬学的製品または口腔衛生製品
を提供することである。

【００３７】その他の目的および利点は、詳細な記載を
検討し、それに伴う図面を参照することにより、当業者
が容易に知り得るものである。

【００３８】

【詳細な記載】従って、本発明は、その最終形態におい
て、改良されたフレーバー強度および低減された苦味、
並びに改良されたフレーバーの持続性および放出特性を
示す粒状自由流動物質であるフレーバーデリバリーシス
テムに関する。デリバリーシステムは、下記成分：ａ）
　　粒状形態のフレーバーを含有するコア；およびｂ）
　　このコアをカプセル化するマトリックス、ただし、
このマトリックスは強力甘味料を含有する親水性重合体
の外側コーティングを有し、外側コーティングは親水性
重合体および甘味料の溶液から調製され、甘味料は重合
体溶液中、溶液の約０．１〜約５０重量％、好ましくは
約３〜約１５重量％の量で存在し、外側コーティングは
コア重量の約２〜約１００重量％、好ましくは約１５〜
約５０重量％の量で存在するものとするを含有し；ｃ）
　　このカプセル化するマトリックスがコア中のフレー
バーを保護し、得られるフレーバーデリバリーシステム
に苦味を生じさせることなく高濃度でのフレーバーの配
合を可能にし、そして一貫した味の放出を助長するもの
である特徴を有する。

【００３９】前述したように、コアは種々の方法で調製
して良く、直接、または固体担体組成物中に配合するか
これと共に用いるかして、粒状の形態に調製できるよう
な全てのフレーバーを含有してよい。コアは種々の知ら
れたフレーバー剤を用いて調製して良く、フレーバーは
疎水性および親水性の担体またはカプセル化物質に含有
されていてよい。コアのフレーバー含有量は変化して良
く、コアの約５〜約９０重量％の広範囲の量であってよ
いが、好ましくは約５〜約３０重量％である。

【００４０】適当なフレーバーは合成のフレーバー液、
例えば合成フレーバー油およびフレーバー芳香物質およ
び／または油；および／または液体、オレオ樹脂または
植物、葉、花、果実等から誘導された抽出物およびこれ
等の組合せを包含してよい。好ましくはフレーバー成分
は、スペアミント油、シンナモン油、ウインタグリーン
油（メチルサリチレート）およびペパーミント油、クロ
ーブ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、セ
ーダーリーフ油、ナツメグ油、オールスパイス、セージ
油、メース、ビターアーモンド油およびカシア油から選
択してよい。また、種々の人工、天然または合成の果実
フレーバー、例えばバニラおよび柑橘油、例えばレモン
、オレンジ、グレープ、ライムおよびグレープフルーツ
および果実エッセンス例えばアップル、ナシ、ピーチ、
グレープ、ストロベリー、ラズベリー、チェリー、プラ
ム、パイナップル、アプリコットなども包含される。

【００４１】親水性カプセル化剤を用いる場合は、適当
な物質は糖およびポリオール、並びに種々の親水コロイ
ド、例えばガム、ペクチン、アルギネート、粘液、膜形
成炭水化物およびこれらの混合物を包含する。担体また
はカプセル化物質が疎水性である場合は、適当な疎水性
物質は脂肪およびワックスを包含する。

【００４２】適当な脂肪には、脂肪酸、例えば水添また
は部分水添の油を包含し、代表的な物質は、パーム油、
パーム仁油、大豆油、綿実油、ピーナツ油、菜種油、米
糠油、ヒマワリ油、ベニハナ油およびこれらの混合物を
包含する。脂肪として有用なその他の物質はモノグリセ
リド、ジグリセリド、トリグリセリド、ポリグリセロー
ルエステル、ソルビトールエステルおよびこれらの混合
物から選択してよい。

【００４３】適当名ワックスは、天然ワックス、合成ワ
ックスおよびそれらの混合物を包含し、特に、パラフィ
ンワックス、蜜蝋、カルナウバワックス、カンデリラワ
ックス、ラノリンワックス、ベイベリーワックス、黍砂
糖ワックス、ペトロラタム、カーボワックス、鯨蝋ワッ
クス、米糠ワックス、微結晶ワックスおよびこれらの混
合物よりなる群から選択される物質を包含する。

【００４４】当然ながら上記したものは、コアのカプセ
ル化材料中に含有させるのに適する物質を説明したもの
であってこれを限定したわけではなく、本発明はその範
囲内において名前を挙げない同等の物質をも意図してい
る。

【００４５】より詳しくは、同時係属中の出願３９３，
４４２号に記載のコアのような種々の複合コアを調製し
て良く、それにおいては、フレーバーおよびロジンのよ
うな樹脂の混合溶液は、脂肪またはワックスを含有する
カプセル化マトリックス内に噴霧凝結することにより、
その後カプセル化される。別の調製例は、Ｂａｒｒによ
る米国特許４，５９７，９５９号に記載のマイクロカプ
セル製剤を用いるものであり、その内容は参考のため本
明細書に組み込まれる。

【００４６】典型的には、液体フレーバーの液滴を形成
し、次にこれを、ゼラチン、およびアラビアゴムのよう
な付着性バインダー、およびグルタルアルデヒドのよう
なゲラチン交叉結合剤、およびケイ酸ナトリウムから調
製したマイクロカプセル中に入れる。フレーバー物質は
マイクロカプセルの８５〜９５重量％を構成して良く、
カプセル壁物質が残りの部分を構成する。当然ながら、
上記のコア処方は本発明の説明のみを目的としたもので
あり、これを限定するものではない。

【００４７】特定の実施態様においては、コアは噴霧乾
燥のみ、または固体担体組成物と組合せて、種々のフレ
ーバー組成物を用いて調製してよい。種々の従来の物質
を用いてよいが、糖およびポリオールが噴霧乾燥フレー
バーのために使用されている最も一般的な固体担体であ
る。特定の粉末フレーバー組成物は何れにおいても本発
明では重要ではない。一般的に、噴霧乾燥フレーバー組
成物は、約５０〜９５重量％の量で存在する担体を有し
、残りはフレーバー油またはエッセンスで構成される。 デリバリーシステムのコアは粉末フレーバー組成物であ
る。フレーバー組成物の他に、甘味料、薬剤、充填剤等
の付加的な成分も添加してよい。

【００４８】コアを包囲する物質は、カプセル部を形成
する親水性マトリックスである。親水性マトリックスは
強力甘味料を含有する親水性重合体の外側コーティング
を有し、外側コーティングは親水性重合体および甘味料
の溶液から形成され、甘味料は重合体溶液中、溶液の約
０．１〜約５０重量％、好ましくは約３〜約１５重量％
の量で存在し、外側コーティングはコアの約２〜約１０
０重量％、好ましくは約１５〜約５０重量％の量で存在
する。

【００４９】本発明のコアおよびカプセル化マトリック
スの両方とも、親水コロイドを用いて調製してよい。適
当な親水コロイドは一般的に、ガム、ペクチン、アルギ
ネート、粘液、膜形成炭水化物およびこれらの混合物よ
りなる群から選択してよい。特に親水コロイドは、アラ
ビアゴム、トラガカント、カラヤ、ガッティ、寒天、ア
ルギネート、カラジーナン、フセラン、サイリウムおよ
びこれらの混合物よりなる群から選択される物質であっ
てよい。親水コロイドはまた、ポリビニルピロリドン、
ゼラチン、デキストラン、キサンチン、カードラン、セ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、低メトキシペクチン、プロピレング
リコールアルギネート、ポリデキストロース、変性澱粉
、マルトデキストリンおよびこれらの混合物から選択し
てもよい。

【００５０】甘味料は天然および合成の強力甘味料から
選択してよく、好ましい実施態様においては、アミノ酸
系甘味料、スクロースのクロロ誘導体、ジヒドロフラビ
ノール、ヒドロキシグアイアコールエステル、Ｌ−アミ
ノジカルボン酸ジェムジアミン、Ｌ−アミノジカルボン
酸アミノアルケン酸エステルアミド、ジペプチド甘味料
、グリチルリチン、サッカリンおよびその塩、エースサ
ルフェーム塩、サイクラメート、ステビオサイド、タリ
ン、ジヒドロカルコン化合物および本発明において甘味
料として有用な同様な種類の甘味料との混合物よりなる
群から選択される第１の固体の天然または人工の強力甘
味料を少なくとも１つ含有してよい。

【００５１】外側コーティングが活性有効成分のための
進歩した保護を与えると同時に、苦味や刺激を伴うこと
なく高濃度でフレーバーを含有できるために極めて増強
された先行性のフレーバー供給も得られることが本発明
の利点の１つである。これは少なくとも部分的にはフレ
ーバー含有コアの近隣の強力甘味料の存在に由来するも
のと考えられる。しかしながら同時に、カプセル化する
マトリックスは、通常コア物質の外側コーティングとし
て使用される脂肪／ワックスコーティングより実質的に
少ない量で適用され、存在しているものの、それがより
効果的であるために進歩が得られるのである。

【００５２】本発明の更に別の実施態様においては、フ
レーバー放出を調整し、より大きいフレーバー保護を与
える一方でより大きい先行性フレーバーを示すことので
きるフレーバーデリバリーシステムの調製方法が包含さ
れる。この方法は、 （ａ）　　フレーバーを含有する粒状コアを形成するこ
と； （ｂ）　　得られた粒状コアを流動床型工程によりカプ
セル化するマトリックスでコーティングすること、ただ
し、カプセル化するマトリックスは強力甘味料を含有す
る親水性重合体の外側コーティングを含有し、外側コー
ティングは親水性重合体および強力甘味料の溶液から調
製され、強力甘味料は重合体溶液中、溶液の約０．１〜
約５０重量％の量で存在し、外側コーティングはコアの
約２〜約１００重量％の量で存在するものとし；そして
（ｃ）　　最終の複数コーティングされた粒子を回収す
ることを包含し； （ｄ）　　このカプセル化するマトリックスがコア中の
フレーバーを保護し、得られるフレーバーデリバリーシ
ステムに苦味を生じさせることなく高濃度でのフレーバ
ーの配合を可能にし、そして一貫した味の放出を助長す
る方法である。

【００５３】本発明のデリバリーシステムを調製するに
は、先ず、コアフレーバー粒子の調製を行なう。これは
調製するコア粒子により変化してよい。例えば、コアは
アラビアゴムまたはゼラチンのような担体を用いて調製
したもののような噴霧乾燥フレーバーを含有してよい。 フレーバーコアはまた、脂肪および／またはワックスを
用いて調製しても良く、この場合は工程に噴霧凝結が包
含される。

【００５４】本発明の複合体を調製するためには、次に
、強力甘味料と親水性コーティング物質の水溶液の形成
により、カプセル化物質の溶液を調製する。即ち、親水
性コーティング物質の水溶液は、例えば、親水性コーテ
ィング物質を脱イオン水中の溶液中に入れることにより
調製する。次に得られた溶液に甘味料を添加して水溶液
混合物を形成する。外側コーティングの調製の間を通じ
て、温度は約５０〜約６０℃に維持する。

【００５５】次に本発明のデリバリーシステムのコアを
含有する粒子をカプセル化するマトリックスまたは外側
コーティングでコーティングする。外側コーティングの
コア粒子への適用はこの主の物質に関するＣｅａ等の米
国特許４，３８４，００４号に記載の同様の方法により
行って良く、従って、流動床コーティング法を含む種々
のコーティング方法が有用である。好ましいコーティン
グ方法は流動床工程であり、これにおいてはコア物質の
粒子を強力な上昇気流の生じる装置内に浮遊させ、その
中で粒子を移動させる。気流は微細に霧状化されたコー
ティング物質の領域を通過し、これにより通過中の粒子
がコーティングされ、その後コーティングされた粒子は
上昇気流から離れて流動条件の対流内を下方に移動して
加熱流動ガス流に入り、そこで乾燥される。粒子を再度
上昇気流内に入れて更にコーティングするか、またはコ
ーティング装置から回収する。この方法および装置の例
はＷｕｒｓｔｅｒ工程として知られており、米国特許３
，０８９，８２４号、３，１１７，０２７号、３，１９
６，８２７号、３，２４１，５２０号および３，２５３
，９４４号に開示されており、これら明細書は参考の為
本明細書に組み込まれる。

【００５６】外側コーティングの適用は殆どのカプセル
化工程で用いられる温度より低温で行って良いため、処
理された粒子に与える損傷が少ない。特に外側コーティ
ング工程は１００〜１２５°Ｆの水準の導入口温度で行
って良く、これにより、コーティング工程中の粒子の加
熱は比較的穏やかに行われる。当然ながら、温度は変化
して良く、最適温度の選択は当業者の知る範囲である。

【００５７】前述したように、外側コーティングは均一
に霧状化されることのできる液体の形成により使用する
ために調製される。即ち、水溶性親水コロイド物質を水
溶液として調製してよい。所望により、可塑剤のような
その他の成分も添加して最終コーティングの性質を進歩
させてよい。適当な可塑剤は、セバシン酸のグリセロー
ルエステル、ジエチルフタレート、グリセリルトリアセ
テート、トリブチルシトレート、アセチル化モノグリセ
リド、モノジグリセリドのクエン酸エステル、アジペー
トエステルおよびその他のものを包含する。可塑剤は本
発明の範囲内で知られた有効量で添加してよい。

【００５８】本発明のデリバリーシステムは多くの摂取
可能な製品、例えば菓子等、並びにチューインガム組成
物、薬学的製剤および義歯用製品中に配合できる。

【００５９】本発明で得られる製品は、粉末または顆粒
形態である。粒径はデリバリーシステムには重要ではな
く、担体、例えばチューインガム、菓子または薬剤のよ
うなそれが配合されるものに応じて、所望の特定の放出
速度および口中感が得られるように調節できる。製品は
種々の用途のためにそのまま使用でき、例えばベイクド
製品のトッピングまたは義歯接着剤の添加剤として使用
できる。コーティングマトリックスは、フレーバーの他
に、甘味料、薬剤および保護、制御放出または味マスキ
ングのためのコーティングを必要とするその他の粒状物
質のようなコア物質に対して有用である。

【００６０】別の実施態様においては、フレーバー粒子
を直接カプセル化マトリックス混合物と混合し、次に、
シート状に広げて冷却し、その後摂取可能な製品中で使
用するために適する粒径に粉砕することができる。しか
しながらこの方法では、粉砕によりフレーバー粒子の周
囲のコーティングの一体性が破壊される傾向があり、カ
プセル化マトリックスおよびフレーバー粒子そのものの
間の緊密な接触によりもたらされる保護が損なわれるた
め、不都合な点もみとめられる。即ち、これは本発明の
実施において有用ではあるが、前述した流動床コーティ
ング法を用いることが好ましい。

【００６１】上述したように、親水性コーティングはフ
レーバー粒子と粒状製品中に存在するその他の成分また
は試薬との間の相互作用を防止するための保護障壁、並
びに、高濃度では苦みを呈する特定のフレーバーの含有
量を増大させる手段の両方を与えるものである。親水性
コーティングが特定の厚みである必要は無いが、フレー
バー粒子を有効にコーティングできるものでなければな
らない。付加的なコーティングが必要とされる場合は、
デリバリーシステム粒子を気流中に残存させ、更に外部
コーティング溶液による噴霧を行うことができる。

【００６２】本発明のデリバリーシステムは多くの可食
製品中に有用である。中でも特に、チューインガム、菓
子、薬学的製剤、並びに、ベイクド製品のようなその他
の食品が、本発明のデリバリーシステムによりもたらさ
れる増強されたフレーバー／甘味による利益を受ける可
食製品である。

【００６３】新しいデリバリーシステムを用いるチュー
インガム組成物に関しては、使用するガムベースの量は
、使用するベースの種類、所望のコンシステンシーおよ
び最終製品を製造するのに用いる他の成分のような種々
の要因に応じて、大きく変化する。一般的に、最終チュ
ーインガム組成物の約５〜約４５重量％の量が、チュー
インガム組成物中に使用するのに許容されるが、好まし
くは約１５〜約２５重量％である。ガムベースは当該分
野で知られているいずれの水不溶性ガムベースであって
もよい。ガムベース中の適当な重合体の例は、天然およ
び合成のエラストマーおよびゴムを包含する。例えば、
ガムベース中に適する重合体は、チクレ、ジェルトン、
グッタペルカおよびクラウンガムのような植物起源の物
質を包含するが、これに限定されない。ブタジエン−ス
チレン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、
ポリエチレン、ポリイソブチレンおよびポリ酢酸ビニル
およびこれらの混合物のような合成エラストマーが特に
有用である。

【００６４】ガムベース組成物はゴム成分を軟化させる
ためにエラストマー溶媒を含有してよい。このようなエ
ラストマー溶媒は、ロジンまたは水添、二量化または重
合ロジンまたはその混合物のような変性ロジンのメチル
、グリセロールまたはペンタエリスリトールエステルを
包含してよい。本発明で使用するのに適するエラストマ
ー溶媒の例は、部分水添ウッドロジンのペンタエリスリ
トールエステル、ウッドロジンのペンタエリスリトール
エステル、トール油ロジンのグリセロールエステル、ウ
ッドロジンおよび部分水添ウッドロジンのグリセロール
エステル、および、ロジンの部分水添メチルエステル、
例えば、α−ピネンまたはβ−ピネンの重合体；ポリテ
ルペンを含むテルペン樹脂およびこれらの混合物を包含
する。溶媒はガムベースの約１０〜約７５重量％、好ま
しくは約４５〜約７０重量％の量で使用してよい。

【００６５】ラノリン、ステアリン酸、ステアリン酸ナ
トリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセ
テート、グリセリン等のような可塑剤または軟化剤、並
びに天然ワックス、石油ワックス、例えばポリウレタン
ワックス、パラフィンワックスおよび微結晶ワックスの
ような種々の伝統的な成分も有用である。これらの成分
もガムベース中に配合して様々な所望のテクスチャーお
よびコンシステンシー特性を得てよい。これらの付加的
な物質は一般的に、単独または組合せて、最終ガムベー
ス組成物の約３０重量％まで、好ましくは約３〜約２０
重量％の量で使用される。

【００６６】チューインガム組成物はまた、従来の添加
剤として、甘味料、二酸化チタンのような着色剤、レシ
チンおよびグリセリルモノステアレートのような乳化剤
、水酸化アルミニウム、アルミナ、ケイ酸アルミニウム
、炭酸カルシウム、およびタルクおよびこれらの組合せ
のような付加的な充填剤も含有してよい。これらの充填
剤も種々の量でガムベース中に使用してよい。充填剤を
使用する場合、その量は好ましくは最終チューインガム
の約４〜約３０重量％である。

【００６７】デリバリーシステム中のフレーバーの副次
的フレーバーを使用する場合は、本発明は、天然および
人工のフレーバー、ミント類、例えばペパーミント、メ
ントール、人工バニラ、シンナモン、種々の果実フレー
バーのような良く知られたフレーバーを、単独または混
合して使用することを意図している。フレーバーは一般
的に個々のフレーバーにより変化する量で使用され、そ
して例えば、最終チューインガム組成物の約０．５〜約
３重量％の量であってよい。フレーバーはデリバリーシ
ステム、チューインガム組成物そのものまたはその両方
の中に存在してよい。

【００６８】独立して添加してよい適当な甘味料は、天
然および合成の甘味料の両方を包含する。即ち、甘味料
は以下の限定しない例より選択してよい。即ち：糖類、
例えばスクロース、グルコース（コーンシロップ）、デ
キストロース、転化糖、フラクトース、およびこれらの
混合物；スクラロースおよびその誘導体のような塩素化
スクロース；およびサッカリンおよびその種々の塩、例
えばナトリウム塩またはカルシウム塩；サイクラミン酸
およびその種々の塩、例えばナトリウム塩；アスパルテ
ームおよび甘味を有するものとして知られている種々の
誘導体のようなジペプチド系甘味料；ジヒドロカルコン
化合物；グリチルリチン；Ｓｔｅｖｉａ　Ｒｅｂａｕｄ
ｉａｎａ（ステビオサイド）；および、糖アルコール、
例えばソルビトール、ソルビトールシロップ、マンニト
ール、キシリトール等。また、甘味料として、米国再発
行特許２６，９５９号に記載されている非醗酵性糖代替
物（水添澱粉加水分解部物）も使用してよい。また、西
独国特許２，００１，０１７．７に記載されている合成
甘味料３，６−ジヒドロ−６−メチル−１，１，２，３
−オキサチアジン−４−オン−２，２−ジオキシド、特
にそのカリウム塩（エースサルフェーム−Ｋ）、ナトリ
ウム塩およびカルシウム塩も使用してよい。

【００６９】本発明で使用する着色料は二酸化チタンの
ような顔料も包含し、約１重量％迄、好ましくは約０．
６重量％迄の量で配合してよい。また、着色料は食品、
薬品および化粧品用に適するその他の染料、即ちＦＤ＆
Ｃ染料も包含してよい。上記した使用範囲に許容される
物質は好ましくは水溶性である。代表例には、ＦＤ＆Ｃ
青２番として知られるインジゴイド染料、即ち、５，５
′−インジゴチンジスルホン酸の２ナトリウム塩が包含
される。同じく、ＦＤ＆Ｃ緑１番として知られる染料で
あるトリフェニルメタン染料、即ち４−〔４−Ｎ−エチ
ル−ｐ−スルホベンジルアミノ）ジフェニルメチレン〕
−〔１−（Ｎ−エチル−Ｎ−ｐ−スルホニウムベンジル
）−２−５−シクロヘキサジエンイミン〕のモノナトリ
ウム塩も使用してよい。ＦＤ＆ＣおよびＤ＆Ｃおよび相
当する化学構造に関しては全てＫｉｒｋ−Ｏｔｈｍｅｒ
　Ｅｎｃｙｃｌｏｐｅｄｉａ　ｏｆＣｈｅｍｉｃａｌ　
Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ　第５巻８５７−８８４ページに
記載されており、この文献は参考のために本明細書に組
み込まれる。

【００７０】本発明のチューインガムはスティック型、
平板ガム、厚切りガム、短冊状ガム、硬質コーティング
ガム、錠剤ガム、並びにセンター充填ガムのような知ら
れた形態のいずれに成型してもよい。

【００７１】本発明はまた改良されたフレーバー強度お
よび持続性フレーバー供給特性を有するチューインガム
組成物の調製方法も包含し、この方法は一般的に下記段
階： （１）　　本発明のフレーバーデリバリーシステムを調
製すること； （２）　　段階（１）で調製したフレーバーデリバリー
システムをガムベースと残りのチューインガム成分の均
質な混合物に添加すること；および （３）　　得られた混合物を適当なチューインガム形状
に成型することを包含する。

【００７２】より詳しくは、本発明のチューインガム組
成物の調製方法は以下のとおりである。先ずガムベース
を溶融（約８５〜約９０℃）し、７８℃に冷却し、予備
加熱（６０℃）されたシグマ刃付き標準混合ケトルに入
れる。乳化剤（レシチン）を添加混合する。次に、一部
の糖アルコール（ソルビトール）および軟化剤（グリセ
リン）を添加し、更に３〜６分間混合する。混合ケトル
を冷却し、更に甘味料（マンニトール）および残りのソ
ルビトールおよびグリセリンを添加し、混合を継続する
。この時点でフレーバー未添加のガムの温度は約３９〜
４２℃である。次に、コア物質を含有するフレーバーデ
リバリーシステムを添加し、ベースに配合し混合を更に
１〜１０分間継続する。最終ガム温度は３９〜４３℃で
ある。次にチューインガム組成物をケトルから取出し、
ロール処理し、裁断し、チューインガムピースに成型す
る。

【００７３】以下の実施例は本発明の更に好ましい態様
を示すものであり、本発明の有効な範囲を制限するもの
ではない。特段の記載が無い限り、明細書を通して全て
のパーセントは最終デリバリーシステムの重量を基にし
たものである。

【００７４】〔実施例１〕本発明のデリバリーシステム
を上記した方法に従って調製した。詳しくは、従来の噴
霧乾燥法によりコア５００ｇを調製し、カプセル化物質
２０重量％を含有させ、そして残りの成分としては担体
としてアラビアゴムを用いた。

【００７５】脱イオン水にアラビアゴムを添加して溶液
を形成することにより強力甘味料を用いてカプセル化マ
トリックス２８５．７ｇを調製した。次に得られた溶液
にエースサルフェーム−Ｋを添加して水性のコーティン
グ溶液を形成した。最終コーティング溶液はアラビアゴ
ム１０％、エースサルフェーム−Ｋ２０％および脱イオ
ン水６５％を含有した。

【００７６】次にカプセル化マトリックスを流動床法に
よりコアに適用した。即ち、コーティングはこの時点で
噴霧凝結装置（Ｇｌａｔｔ　ＧＰＣＧ−１）流動床顆粒
化装置に供給するための状態となっており、この装置内
で、粉末噴霧乾燥フレーバーの流動床をコーティングす
るのに用いられる。フレーバー粒子を冷却空気の顆粒化
気流中に浮遊させ、そのなかにコーティングを噴霧した
。より低温の空気および流動フレーバー粒子と接触する
ことにより、溶融したコーティングはフレーバー粒子上
に固着し、上昇気流から離れた。ノズル圧力および温度
は、最終液滴粒径を調節するために調整した。

【００７７】得られた製品は乾燥した粒子または凝集塊
であり、ほぼ楕円形または球形のデリバリーシステムで
あった。デリバリーシステム粒子は特定の用途のために
大きさを調整するか、または、更にカプセルコーティン
グを行うために顆粒化装置内に残存させた。乾燥した時
点で、得られた粒子は、最終デリバリーシステムの重量
を基にしてエースサルフェーム−Ｋを７．２７％、フレ
ーバーを１２．７３％含有していることが解った。

【００７８】〔実施例２〕本発明の別のデリバリーシス
テムを前に記載した一般的方法により調製した。詳しく
は、この例においては噴霧凝結によりコア５００ｇを調
製し、これにはペパーミントフレーバー２０重量％を含
有するカプセル化物質を使用し、残りの成分は、出願３
９３，４４２号に従って脂肪／ワックス混合物＋乳化剤
とした。

【００７９】上記実施例と同様に、アラビアゴム含有カ
プセル化マトリックス２８５．７ｇを、脱イオン水６５
％、アラビアゴム１５％およびエースサルフェーム−Ｋ
　２０％を含有する混合物として強力甘味料エースサル
フェーム−Ｋを用いて調製した。次にカプセル化マトリ
ックスを流動床コーティング法によりコアに適用し、コ
ーティングを噴霧乾燥装置（Ｇｌａｔｔ　ＧＰＣＧ−１
）流動床顆粒化装置に供給した。フレーバー粒子を顆粒
化装置内に浮遊させ、溶融コーティングを供給し、フレ
ーバー粒子上に固着させ、乾燥した粒子または凝集塊を
形成した。得られた粒子は乾燥時に最終デリバリーシス
テムの乾燥重量を基にしてエースサルフェーム−Ｋ　７
．２７％およびフレーバー１２．７３％を含有していた
。

【００８０】〔実施例３〕更に別のデリバリーシステム
を調製したが、この例では、ベース４，５９７，９５９
号に記載のとおりに調製したマイクロカプセルフレーバ
ービーズを含有するコアを調製した。この例においては
、ビーズはフレーバー８５％を含有しており、残りの成
分はゼラチンのコーティング組成物であった。

【００８１】次にビーズをアラビアゴムおよびエースサ
ルフェーム−Ｋから調製したマトリックスにコーティン
グして５００ｇの量とした。マトリックスには、脱イオ
ン水６５％、アラビアゴム１５％およびエースサルフェ
ーム−Ｋ　２０％が含有されていた。次にカプセル化マ
トリックスを前述した流動床法によりコアに適用し、乾
燥時に、得られた粒子は最終デリバリーシステムの乾燥
重量を基にして、フレーバー６２．９６％およびエース
サルフェーム−Ｋ　１４．１８％を含有していることが
解った。

【００８２】〔実施例４〕本発明に従って、そしてチュ
ーインガム組成物の調製に関して前記したとおりに、２
種類のペパーミントフレーバーガム組成物を調製した。 ガム組成物は各々、当量の遊離液体フレーバーを含有し
ており、試料Ａには上記実施例１のカプセル化フレーバ
ーを含有させ、対照試料Ｂには、噴霧乾燥フレーバーお
よび遊離のエースサルフェーム−Ｋを含有させた。ガム
組成物試料の各々の組成を以下の表１に示す。

【００８３】

【表１】 ＊　　　噴霧乾燥フレーバー中には液体フレーバー２０
％を投入した＊＊　エースサルフェーム−Ｋ　２８５０
ｐｐｍ、液体フレーバー　５０００ｐｐｍ　投入バッチ
サイズ：２０００ｇ。

【００８４】両方の組成物はバッチサイズ２００ｇに調
製し、最終的には消費用に成型した。次にガム試料を比
較味覚試験に付し、熟練パネルにより知覚される粗放刺
激の量を評価した。比較試験結果を図１に示す。

【００８５】図１から解るとおり、本発明のカプセル化
フレーバーを含有するガム（試料Ａ）は遊離のエースサ
ルフェーム−Ｋおよび未コーティングの噴霧乾燥ペパー
ミントフレーバーを含有する対照ガム組成物よりも低い
粗放刺激を長時間にわたり一貫して示した。前述したと
おり、両方の組成物は当量のフレーバーおよびエースサ
ルフェーム−Ｋ甘味料を用いて調製されており、そのこ
とから、本発明のデリバリーシステムが粗放刺激を低下
させる能力を有することが明らかである。この粗放刺激
の低下は、より大量のフレーバーを含有することが可能
になる利点を伴うものであり、これにより咀嚼期間中の
フレーバー知覚が向上するのである。

【００８６】本発明はその精神または本質的特徴から外
れることなく別の形態で実施したり、他の方法で実施し
てよい。従って本発明の開示は全ての点において説明の
為のものであり、請求範囲に記載された本発明の範囲を
限定する意図はない。同等の意味と範囲における全ての
変形は本発明に包含される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のフレーバーデリバリーシステムを用い
て調製したペパーミントフレーバーチューインガムおよ
び対照例として従来の噴霧乾燥ペパーミントフレーバー
を用いて調製したチューインガムにおける、フレーバー
の粗放刺激を比較したグラフである。

Claims (22)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ａ）　　粒状形態のフレーバーを含有
   するコア；および ｂ）　　このコアをカプセル化するマトリックス、ただ
   し、このマトリックスは強力甘味料を含有する親水性重
   合体の外側コーティングを有し、外側コーティングは親
   水性重合体および強力甘味料の溶液から調製され、強力
   甘味料は重合体溶液中、溶液の約０．１〜約５０重量％
   の量で存在し、外側コーティングはコア重量の約２〜約
   １００重量％の量で存在するものとするを含有し；ｃ）
   　　このカプセル化するマトリックスがコア中のフレー
   バーを保護し、得られるフレーバーデリバリーシステム
   に苦味を生じさせることなく高濃度でのフレーバーの配
   合を可能にし、そして一貫した味の放出を助長するもの
   である可食組成物に増強されたフレーバーおよび甘味を
   付与するための自由流動粒状デリバリーシステム。
2. 【請求項２】　　コアが噴霧乾燥された天然または人工
   のフレーバーまたはエッセンスである請求項１記載のデ
   リバリーシステム。
3. 【請求項３】　　噴霧乾燥フレーバーが、スペアミント
   フレーバー、ペパーミントフレーバー、シンナモンフレ
   ーバー、果実フレーバー、果実エッセンス、コーラフレ
   ーバー、コーラ抽出物およびこれらの混合物よりなる群
   から選択される請求項２記載のデリバリーシステム。
4. 【請求項４】　　フレーバー組成物がコアの約５〜約９
   ０重量％の量で存在する請求項１記載のデリバリーシス
   テム。
5. 【請求項５】　　フレーバー組成物がコアの約２０〜約
   ３０重量％の量で存在する請求項１記載のデリバリーシ
   ステム。
6. 【請求項６】　　外側コーティングが親水コロイド、多
   糖類、ポリオールおよびこれらの混合物よりなる群から
   選択される請求項１記載のデリバリーシステム。
7. 【請求項７】　　外側コーティングがガム、ペクチン、
   アルギネート、粘液、膜形成炭水化物およびこれらの混
   合物よりなる群から選択される請求項６記載のデリバリ
   ーシステム。
8. 【請求項８】　　外側コーティングがアラビアゴム、ト
   ラガカント、カラヤ、ガッティ、寒天、アルギネート、
   カラジーナン、フセラン、サイリウムおよびこれらの混
   合物よりなる群から選択される請求項６記載のデリバリ
   ーシステム。
9. 【請求項９】　　外側コーティングが、ポリビニルピロ
   リドン、ゼラチン、デキストラン、キサンチン、カード
   ラン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
   ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
   セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カ
   ルボキシメチルセルロース、低メトキシペクチン、プロ
   ピレングリコールアルギネートおよびこれらの混合物よ
   りなる群から選択される請求項６記載のデリバリーシス
   テム。
10. 【請求項１０】　　外側コーティングがコアの約１５〜
    約５０重量％の量で存在する請求項１記載のデリバリー
    システム。
11. 【請求項１１】　　甘味料が外側コーティングの約３〜
    約１５重量％の量で存在する請求項１記載のデリバリー
    システム。
12. 【請求項１２】　　（ａ）　　フレーバーを含有する粒
    状コアを形成すること； （ｂ）　　得られた粒状コアを流動床型工程によりカプ
    セル化するマトリックスでコーティングすること、ただ
    し、このカプセル化するマトリックスは強力甘味料を含
    有する親水性重合体の外側コーティングを含有し、外側
    コーティングは親水性重合体および強力甘味料の溶液か
    ら調製され、強力甘味料は重合体溶液中、溶液の約０．
    １〜約５０重量％の量で存在し、外側コーティングはコ
    アの約２〜約１００重量％の量で存在するものとし；そ
    して（ｃ）　　最終の複数コーティングされた粒子を回
    収することを包含し； （ｄ）　　このカプセル化するマトリックスがコア中の
    フレーバーを保護し、得られるフレーバーデリバリーシ
    ステムに苦味を生じさせることなく高濃度でのフレーバ
    ーの配合を可能にし、そして一貫した味の放出を助長す
    るものであるより大きい先行性フレーバーを与える一方
    フレーバーの放出を調節し、より大きいフレーバー知覚
    をもたらすことのできるフレーバーデリバリーシステム
    の調製方法。
13. 【請求項１３】　　下記段階：（１）　　請求項１２記
    載の方法でフレーバーデリバリーシステムを調製するこ
    と；（２）　　段階１で調製されたフレーバーデリバリ
    ーシステムをガムベースと残りのチューインガム成分と
    の均質な混合物に添加すること；および （３）　　得られた混合物を適当なチューインガム形状
    に成型すること、を包含する、改良されたフレーバー強
    度および持続性のあるフレーバー放出特性を有するチュ
    ーインガム組成物の調製方法。
14. 【請求項１４】　　チューインガム組成物に配合される
    請求項１記載のデリバリーシステム。
15. 【請求項１５】　　菓子組成物に配合される請求項１記
    載のデリバリーシステム。
16. 【請求項１６】　　薬学的組成物の配合される請求項１
    記載のデリバリーシステム。
17. 【請求項１７】　　食品に配合される請求項１記載のデ
    リバリーシステム。
18. 【請求項１８】　　磨歯組成物または義歯用接着剤に配
    合される請求項１記載のデリバリーシステム。
19. 【請求項１９】　　請求項１記載のデリバリーシステム
    を含有するハード菓子。
20. 【請求項２０】　　請求項１記載のデリバリーシステム
    を含有する口腔衛生製剤。
21. 【請求項２１】　　請求項１記載のデリバリーシステム
    を含有する口腔用薬学的製剤。
22. 【請求項２２】　　請求項１記載の甘味料デリバリーシ
    ステムを含有するベーカリー製品。