JPH0422138B2 - - Google Patents

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JPH0422138B2
JPH0422138B2 JP4575485A JP4575485A JPH0422138B2 JP H0422138 B2 JPH0422138 B2 JP H0422138B2 JP 4575485 A JP4575485 A JP 4575485A JP 4575485 A JP4575485 A JP 4575485A JP H0422138 B2 JPH0422138 B2 JP H0422138B2
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JP
Japan
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yarn
fire
resistant
core
fabric
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JP4575485A
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JPS61205134A (ja
Inventor
Tsutomu Oohayashi
Saburo Baba
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Hiraoka and Co Ltd
Original Assignee
Hiraoka and Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hiraoka and Co Ltd filed Critical Hiraoka and Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐火性布帛積層物に関するものであ
る。更に詳しく述べるならば本発明は、基布とし
て、ガラス繊維嵩高糸条からなる低嵩密度布帛を
用いた耐火性布帛積層物に関するものである。 〔従来の技術〕 従来、ステンレススチール繊維、又は、ガラス
繊維からなる布帛にシリコーンゴム層を積層して
得られる火花遮断シートが、特開昭52−24904号、
および特開昭55−142647号などにより知られてい
る。また、ガラス繊維からなる基布に難燃性シリ
コーン樹脂層を積層した耐火性シートが特開昭54
−68470号などにより提案されている。 しかし、上記のシリコーンゴム層を有する耐火
性シートには、溶接火花の遮断効果は認められる
が、火災にさらされると、シリコーンゴムが燃焼
するという欠点が認められている。また、前記の
難燃性シリコーン樹脂層を有する耐火性シート
は、耐火性にすぐれているが断熱性が不十分であ
り、このため火災などで発生する高熱を十分に遮
断することが難かしいという問題点がある。 上記の問題点解決のために、無機繊維基布の少
なくとも片面に難燃性シリコーン樹脂層を形成
し、かつ、いずれか片面にガラスマツト層を積層
一体化して得られる耐火性シートも提案されてい
る。この耐火性シートはかなりの耐火性と、断熱
性とを有している。 しかしながら、上述のような従来のガラス繊維
基布を用いた耐火性シートにおいては、ガラス繊
維基布は0.2〜1.0mm程度の厚さと、0.8〜1.0g/
cm3の嵩密度とを有する、薄く硬いものであつた。
従つて、このような基布にシリコーン樹脂を塗
布、又は、含浸して得られる耐火性シートも、薄
く、硬く、ドレープ性や巻きつけなどの加工性が
低く、所謂「骨の出る」積層物であつた。 またガラス繊維マツトに、シリコーン樹脂塗布
(又は含浸)シートを貼り合わせる場合、厚いマ
ツトと、薄く硬いシートの粘着操作が難かしく、
また、貼着の用いられるシリコーン接着剤の所要
硬化時間が長く、従つて生産性が低く、しかも、
得られる積層物が極めて重いものになるなどの問
題点があつた。またシリコーン樹脂を弗素含有樹
脂に置き換えることにより耐火性はより向上させ
得るが弗素含有樹脂は一般にシリコーン樹脂より
も硬く前述と同様の問題点が助長されるので、こ
れらの問題点の解決が必要であつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は重さが適度で、かつ、柔軟で変形性に
富み、所謂「骨の出ないもの」であつて、しかも
良好な耐火性と断熱性を有する耐火性布帛積層物
を提供しようとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の耐火性布帛積層物は、少なくとも1本
の糸条からなる芯糸のまわりにガラス短繊維層が
形成されている鞘−芯型嵩高糸条により構成され
ている低嵩密度布帛を基布とし、この基布の少な
くとも1面上に形成された耐火性弗素含有樹脂被
覆層を有するものである。 本発明の耐火性布帛積層物において、少なくと
も1本のガラス短繊維紡績糸条と、それに引揃え
られ、および/又は、合撚された少なくとも1本
の他の糸条とからなる添え糸型嵩高複合糸条によ
り基布が構成されていてもよい。 また、本発明の耐火性布帛積層物において、少
なくとも1本の糸条からなる芯糸のまわりにガラ
ス短繊維層が形成されている鞘−芯型嵩高複合糸
条と、それに引揃えられ、および/又は、合撚さ
れた、少なくとも1本の他の糸条からなる添え糸
とかか形成された鞘−芯−添え糸型嵩高複合糸条
により構成されている低嵩密度布帛を基布として
用いてもよい。 本発明の耐火性布帛積層物において、その基布
を構成する糸条として、 (イ) 少なくとも1本の糸条からなる芯糸のまわり
に、ガラス短繊維層が形成されている鞘−芯型
嵩高複合糸条、または、 (ロ) 少なくとも1本のガラス短繊維紡績糸条と、
それに引揃えられ、および/又は、合撚され
た、少なくとも1本の他の糸条からなる添え糸
とから形成された添え糸型嵩高複合糸条、 (ハ) 少なくとも1本の糸条からなる芯糸のまわり
にガラス短繊維層が形成されている鞘−芯型複
合糸条と、それに引き揃えられおよび/又は合
撚されている少なくとも1本の他の糸条とから
なる添え糸から形成された鞘−芯−添え糸型嵩
高複合糸条。 が用いられる。 これらの嵩高複合糸条に用いられるガラス短繊
維は、任意の長さ、好ましくは、3〜10cmの長さ
と、任意の太さ、好ましくは、1〜10μmの直径
とを有するものである。 鞘−芯型複合糸条の場合、ガラス短繊維層は、
芯糸のまわりに、紡績糸条状に形成されていても
よい。この場合、鎖−芯紡績法を用いることがで
きる。或は、芯糸のまわりに、ガラス短繊維紡績
糸を纒合してもよい。 また、添え糸型複合糸条の場合、少なくとも1
本のガラス短繊維紡績糸と、少なくとも1本の糸
条からなる添え糸とが、引揃えられ、又は、合撚
され、1本の複合嵩高糸条を形成する。この添え
糸はガラス短繊維紡績糸条とは異るものである。 更に、鞘−芯−添え糸型複合糸条の場合、少な
くとも1本の鞘−芯型複合糸条に、少なくとも1
本の糸条からなる添え糸が引揃えられ、又は、合
撚されて1本の複合糸条を形成する。添え糸は、
少なくとも1本のガラス短繊維紡績糸条と、少な
くとも1本の他の糸条とからなるものであつても
よい。 添え糸は前述のように単一糸条からなるもので
もよく、或は2本以上の糸条により構成されてい
てもよい。また、1本の添え糸が用いられてもよ
く、或は2本以上の添え糸が用いられてもよい。
2種以上の糸条からなる添え糸が用いられる場
合、そのうちの少くとも1種がガラス短繊維紡績
糸、又は、鞘−芯型複合糸条に引き揃えられ、残
余の添え糸が合撚されていてもよい。 芯糸、および添え糸は、ともに嵩高複合糸条の
引張り強度を所望のレベルに維持するために有効
なものである。 複合糸条に用いられる芯糸および添え糸は、少
なくとも1本の長繊維糸条からなるか、或は、短
繊維紡績糸条からなる。これらの糸条は、無機繊
維、例えばガラス繊維、カーボン繊維、或は金属
繊維を含んでいてもよく、また有機繊維、例えば
ビスコースレーヨン、ポリエステル、ポリアミド
(芳香族ポリアミドを含む)、ポリアクリロニトリ
ルなどの合成重合体からなる繊維を含んでいても
よい。一般に芯糸および添え糸に含まれる少なく
とも1本の糸条が有機繊維からなり、それにより
複合糸条に、所望の引張り強度を与え、製織編に
耐えるものにすることができることが好ましい。
この有機繊維などの可燃性繊維が用いられる場
合、可燃性繊維糸条が不燃性無機繊維により被覆
され燃焼しにくくされていることが好ましい。し
かしたとえ可燃性繊維糸条が燃焼しても、一般に
はその含有率が低いため、実用上耐火性布帛積層
物の耐火性を著るしく低下させることはない。す
なわち、嵩高複合糸条中の芯糸および添え糸の含
有率に格別な限定はないが、一般には、嵩高複合
糸条重量に対し0.5〜20%であることが好ましく、
1〜7%であることがより好ましい。 芯糸および添え糸の太さについて格別の限定は
ないが、一般に50〜1000デニールの範囲内にある
ものが好ましい。特に、有機繊維紡績糸条の場合
は、50〜300デニール程度の芯糸、又は添え糸が、
また、無機繊維糸条の場合は500〜1000デニール
程度の芯糸、又は添え糸が使用しやすい。 本発明に用いられる嵩高複合糸条の太さにも格
別の限定はないが一般に1000デニール以上である
ことが好ましく、2000〜5000デニールの範囲内に
あることが更に好ましい。 本発明の耐火性布帛積層物に用いられる基布の
厚さや重量については、それが十分な耐火、断熱
性を示す限り格別の限定はないが一般に、厚さ
1.5mm以上であつて、0.7g/cm3以下の嵩密度を有
する織物、又は編物であることが好ましい。基布
の厚さは2.0〜7.0mmの範囲内にあることがより好
ましく3.0〜5.0mmの範囲内にあることがより一層
好ましい。また基布のより好ましい嵩密度は0.6
〜0.3g/cm3の範囲である。 本発明の耐火性布帛積層物において、低嵩密度
基布の少なくとも1面上に耐火性弗素含有樹脂の
被覆層が形成される。 本発明に用いられる耐火性弗素含有樹脂は、弗
素含有重合体を含むもの、或は弗素含有重合体
と、難燃性、又は不燃性充填剤とを含むものから
選ばれる。このような充填剤てしてはチタン酸ア
ルカリが有効である。 本発明に用いられる弗素含有樹脂は、ポリテト
ラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−
パ−フルオロオレフイン共重合体(例えばテトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体)、テトラフルオロエチレン−パ−フルオ
ロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラ
フルオロエチレン−パ−フルオロアルキルビニル
エーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−パ
−フルオロアルキルエチレン共重合体、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオ
ライド、ポリビニルフルオライド、およびクロロ
トリフルオロエチレン−エチレン共重合体などか
ら選ばれた少なくとも1種を含んでなるものであ
ることが好ましい。これらは厚さ0.16mmでUL規
格V−1に合格するものであることが必要であ
り、特に同規格V−0に合格するものであること
が好ましい。上記弗素含有樹脂は弗素含有ゴムに
変性されてもよい。 これらの弗素含有樹脂の耐候性は極めて良好で
あるけれども、基布を保護する目的で、これらの
樹脂中に紫外線吸収剤を配合してもよい。また、
着色剤やその他の性能付与剤を配合してもよいこ
とは勿論である。そして、これらの樹脂からなる
被覆層は微多孔質であつてもよい。 耐火性弗素含有樹脂被覆層は上記のような弗素
含有樹脂および/又は弗素含有ゴムのみから形成
されていてもよいが、これらの材料に、その重量
に対し30〜300%、好ましくは100〜250%の他の
充填材、例えば白金粉末、白金化合物、水酸化ア
ルミニウム、酸化アルミニウム、カーボンブラツ
ク、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、炭酸マ
ンガン、シリカ系充填材、チタン酸カリウム系充
填材、石綿センイ、雲母およびその他の無機耐熱
材料を混合したものであつてもよい。 充填剤には弗素含有樹脂で形成される樹脂層の
補強作用を果すものがあり、例えば、酸化チタ
ン、マイカ、アルミナ、タルク、ガラス繊維粉
末、石綿微細繊維、シリカ粉末、クレイ等の各種
無機物が挙げられるが、得られる耐火性布帛積層
物に表面平滑性を損うことのないように、一般に
50μm以下の微粉末状のものを使用するのが好ま
しい。 また無機充填剤の中でも、特に製品の耐熱性を
増進するものとして、チタン酸アルカリを用いる
ことが有効である。すなわち、チタン酸アルカリ
は弗素含有樹脂中に配合されて使用されるもの
で、本発明の耐火性布帛積層物に十分な防炎特性
を保持せしめるものである。 チタン酸アルカリについて更に詳しく説明す
る。 本発明で使用されるチタン酸アルカリは、一般
式M2O・nTiO2・mH2O(式中MはLi、Na、K等
のアルカリ金属を表わし、nは8以下の正の実数
を表わし、mは0又は4以下の正の実数を表わ
す。)で表わされる周知の化合物であり、更に具
体的には、Li4TiO4Li2TiO3(0<n<1、m=
0)で表わされる食塩型構造のチタン酸アルカ
リ、Na2Ti7O15・K2Ti6O15・K2Ti8O17(n<6、
m=0)で表わされるトンネル構造のチタン酸ア
ルカリ等を包含する。これらのうち、一般式
K2O・6TiO2mH2O(式中mは前記と同じ)で表
わされる六チタン酸カリウム及びその水和物は、
最終目的物の耐火、断熱性をより大きく向上させ
る点で好適である。六チタン酸カリウムに限らず
チタン酸アルカリは、一般に粉末又は繊維状の微
細結晶体であるが、このうち、繊維長5μm以上、
アスペクト比20以上特に100以上のものは、本発
明の耐火性布帛積層物の強度の向上に好ましい結
果をもたらす。また、特に繊維状チタン酸カリウ
ムは、比熱が高いうえに断熱性能に優れ、本発明
の耐火性布帛積層物の性能を具現するのに特に好
ましい。 また、本発明の被膜層には、高屈折率無機化合
物又は熱吸収性無機化合物が含まれていてもよ
い。高屈折無機化合物は輻射熱に対する遮断性能
に優れ、また吸熱型無機化合物は、溶接又は溶断
時のスラグと直接接触した場合、この接触面にお
いて加熱され、その分解時に吸熱反応が起こり、
スラグの温度を低下させる。従つて上記の無機化
合物は本発明の被覆層の崩壊や貫通破壊をおさ
え、更にはシート基材を保護することが出来るも
のである。 本発明に有用な高屈折率無機化合物は屈折率
1.5以上のものが好ましいが、特に比重2.8以上の
ものが更に好ましい。その例としては、下記のよ
うなものがある。 (1) ドロマイト(苦灰石 比重2.8〜2.9 屈折率
1.50〜1.68) マグネサイト(菱黄土石 〃 3.0〜3.1 〃
1.51〜1.72) アラゴナイト( 〃 2.9〜3.0 〃
1.53〜1.68) アバタイト(燐灰石 〃 3.1〜3.2 〃
1.53〜1.54) スピネル(尖晶石 〃 3.5〜3.6 〃
1.72〜1.73) コランダム( 〃 3.9〜4.0 〃
1.76〜1.77) ジルコン( 〃 3.9〜4.10 〃
1.79〜1.81) 炭化ケイ素( 〃 3.17〜3.19 〃
2.65〜2.69) 等の天然又は合成鉱物の破砕品の粉末。 (2) フリツト又は高屈折ガラスもしくは燐鉱石と
蛇紋石との固溶体として得られる熔成燐肥その
他の類似の固溶体の砕細粉末もしくは粒状物、
繊維状物又は発泡体など。 また吸熱性無機化合物としては、焼石膏、明ば
ん、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイ
ドロサルサイト系ケイ酸アルミニウム等、結晶水
放出型、炭酸ガス放出型、分解吸熱型及び相転換
型等の吸熱型無機化合物を例示することができ
る。 チタン酸アルカリ、及び、要すれば高屈折率無
機化合物、及び/又は吸熱型無機化合物を弗素含
有樹脂中に混合分散せしめると、本発明に係る耐
火性布帛積層物製造用の被覆用混合物が得られ
る。混合分散の調製方法としては、公知の手段が
すべて利用されうる。この他、上記被覆用混合物
中には、各成分を均質に分散させるための分散剤
や脱泡剤、色や機械強度等を調整するための着色
剤、樹脂粉末、難燃剤、金属剤、その他各種充填
剤を自由に混入し得る。尚、銅粉、ニツケル粉、
黄銅粉、アルミニウム粉等の金属粉の混入は、表
面熱、反射効果、貫通抑制効果の向上の点から好
ましい。 基布の表面を、上記被覆層で被覆する方法とし
ては、基布の表面に被覆用混合物をスプレー塗
装、刷毛塗り、ロールコート等の塗工による方
法、或は被覆用混合物を成型加工したフイルムを
基布の表面に貼着する方法又は基布は被覆用混合
物中に浸漬し含侵加工する方法等がある。 本発明の耐火性布帛積層物は、例えば次のよう
にして製造される。即ち、弗素含有樹脂、充填
剤、例えば、チタン酸アルカリならびに要すれば
高屈折率無機化合物、及び/又は吸熱型無機化合
物の混合物に適宜硬化促進剤及び添加剤を加えた
後、更に必要に応じトルエン、キシレン、トリク
レン等の有機溶剤を加えて適当な濃度の分散液を
作り、この分散液を浸漬法、噴霧法、ロールコー
ト法、リバースロールコート法、ナイフコート法
等の従来よく知られている塗布手段により基布の
一面又は両面に塗布し室温又は加熱下、好ましく
は150〜500℃の範囲内で1〜30分間熱処理をする
ことにより前述の基材に一体的に固着せしめる。
弗素含有樹脂とチタン酸アルカリならびに高屈折
率無機化合物、及び/又は吸熱型無機化合物等の
配合割合は使用する弗素含有樹脂及び無機化合物
の種類及び粒度により異なるが、一般に弗素含有
樹脂が少なすぎると被覆層の強度が不足する結
果、耐火性布帛積層物として用いたとき被覆層に
亀裂を生じたり又は被覆層が基布から剥離したり
する等の欠点を生じ、逆に弗素含有樹脂が多すぎ
ると、耐熱性が低下し、著しい場合には有炎燃焼
することがある。 従つて、本発明では弗素含有樹脂100重量部
(以下重量部を部と略す。)に対して配合されるチ
タン酸アルカリの量は1〜200部、好ましくは30
〜100部であり、更にこれらに高屈折率無機質化
合物、及び/又は吸熱型無機化合物等を配合する
場合は400部を限度に、同一重量から1/4の重量ま
でに相当するチタン酸アルカリと置き換えて配合
できるが、普通10〜300部の範囲が好ましい。尚、
これら高屈折率無機化合物、吸熱型無機化合物の
一部又は全量を一般に常用されている無機質顔
料、無機質の増量用充填材、難燃性を付与する無
機粉末等にかえることが出来るが、その使用量は
弗素含有樹脂100部に対し400部以下であることが
好ましく、より好ましくは300部以下である。 被覆層の厚さは5〜2000μm、特に10〜1500μ
mであるのが好ましい。 基布と被覆層との接着及び耐久性を向上させる
目的で、両者間に接着性物質を介在させてもよ
い。この場合接着力の向上を図る以上に特に厚く
介在させる必要はない。接着性物質は被膜形成の
ために用いられるのではなく、従つて接着剤とし
て公知の物質を用いることができる。例えば、ア
ミノ基、イミノ基、エチレンイミン残基、アルキ
レンジアミン残基を含むアクリレート、アジリジ
ニル基を含有するアクリレート、アミノエステル
変性ビニル重合体、芳香族エポキシ接着剤、アミ
ノ窒素含有メタクリレート重合体、その他の接着
剤を併用してもよい。またポリアミドイミド、ポ
リイミド、RFL変性物質等を任意に選択するこ
ともできる。本発明の耐火性布帛積層物におい
て、耐火性弗素含有樹脂被覆層は基布の片面のみ
に形成されてもよいが、耐炎性を向上させるため
に両面に形成されてもよく、使用状況によつては
両面形成が必須の条件になることもある。また、
他の片面には、シートに要求される性能により、
天然ゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、
シリコーンゴム、ハイパロンその他の合成ゴム、
又はPVC樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマ
ー(EVA)樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹
脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂その他の合
成樹脂を用いることもできる。この場合、これら
の樹脂が難燃化されていると更に好ましい。或
は、基布の他の片面に、ガラスマツト(厚さ0.5
mm以上のガラス繊維チヨツプドストランドマツ
ト、又は厚さ1.5mm以上のガラスウールマツト)
を貼着してもよい。 〔作用〕 本発明の耐火性布帛積層物において嵩高な基布
は、耐火性弗素樹脂被覆層を補強するとともに火
炎を断熱し、かつ、遮断する。また、弗素含有樹
脂被覆層は、火炎を遮断しかつ断熱する。 〔実施例〕 本発明の耐火性布帛積層物を実施例により更に
説明する。 実施例中、部とあるのは重量部を意味する。粘
度は25℃で測定された値である。基布の荷重厚み
は、JISK6732の測定方法により、尾崎製作所製
のダイヤルゲージシツクネスメータモデルHを用
いて測定した。 耐火性布帛積層物試験片と比較試験片の耐火性
は次の条件で測定した。管の内径9.4mm、高さ
101.6mmのブンゼンバーナーから標準ガス(メタ
ン、水素)を流出させて点火し青色の炎の高さを
45mmに調節した。 中央に直径65mmの穴がくりぬかれた140mm×110
mmの金属製(厚さ3mm)の試験体架台をブンズン
バーナーの上端より30mmの高さに別のスタンドを
用いて取り付けた。 その架台枠に140mm×110mmに切り取つた試験体
をのせ、その上部中央に直径40mm、厚さ0.95〜
1.05mmのポリエチレン円板を置いた。なお、耐火
性布帛積層物の耐火性弗素樹脂層が炎にさらされ
るように置いた。 試験体の下部中央にブンゼンバーナーの炎を垂
直にあてた瞬間から時間を計測し、同時にポリエ
チレン円板の表面に内径3mm、炎の高さ20mmのプ
ロパンガスの炎を5秒毎に接触させ、それによつ
てポリエチレン円板が発火するまでの時間を着火
時間として5秒単位で求めた。 〔実施例1〜4、および比較例1〕 実施例1〜4および比較例1の各々において下
記組織の基布を用いた。 実施例1の基布(鞘−芯型嵩高複合糸条使用) A 経および緯糸条 芯糸−ビスコースレーヨン紡績糸 68S/1 鞘糸−ガラス繊維紡績糸 ESG334 Tex1/0
2.5S B 組織 〔(鞘糸+芯糸)×3〕×〔(鞘糸+芯糸)×3〕/
16.5本/2.54cm×11本/2.54cm C 重量 985g/m2 D 厚さ 荷重下 1.95mm E 嵩密度 荷重下 0.51g/cm3 実施例2の基布(添え糸型嵩高複合糸条使用) A 経および緯糸条 ガラス繊維紡績糸(イ):ESG334Tex1/0 2.7S 添え糸 (ロ):ビスコースレーヨン紡績糸 54S/1 (ハ):ガラスフイラメント糸ECG67.5Tex1/0
2.7S B 組織 〔((イ)糸+(ロ)添え糸)×2+(ハ)添え糸〕×
22×〔((イ)糸+(ロ)添え糸)×2+(ハ)添え糸〕
/1/10本/2.54cm×6本/2.54cm C 重量 1940g/m2 D 厚さ(荷重下) 3.3mm E 嵩密度(荷重下) 0.59g/cm3 実施例3の基布(鞘−芯型および添え糸型嵩高
複合糸条使用) A 経糸条(添え糸型) ガラス繊維紡績糸(イ):ESG334Tex1/0 2.7S 添え糸 (ロ):ビスコースレーヨン紡績糸、54S/1 (ハ):ガラス繊維フイラメント糸、
ECG67.5Tex1/0 2.7S B 緯糸条(鞘−芯型) 芯糸:ビスコースレーヨン紡績糸 68S/1 鞘糸:ガラス繊維紡績糸 ESG334Tex1/0
2.5S C 組織 〔((イ)糸+(ロ)添え糸)×2+(ハ)添え
糸〕×22×〔(鞘糸×芯糸×芯糸)×2〕/1/10
本/(2.54cm)×6本/2.54cm D 重量 1520g/m2 E 厚さ(荷重下) 3.2mm F 嵩密度(荷重下) 0.59g/cm3 実施例4の基布(鞘−芯−添え糸型嵩高複合糸
条使用) A 経、緯糸条 鞘−芯型複合糸条(ニ):実施例1記載のものに同
じ 添え糸 (イ):ガラス繊維紡績糸、ESG334
Tex1/0 2.7S 〃 (ロ):ビスコースレーヨン紡績糸、
54S/1 B 組織 〔(ニ)糸+(イ)添え糸+(ロ)添え糸〕×2
2×〔(ニ)糸+(イ)添え糸+(ロ)添え糸〕/110本/
2.54cm
×6本/2.54cm C 重量 2010g/m2 D 厚さ(荷重下) 3.3mm E 嵩密度 0.54g/cm3 比較例1の基布 A 経および緯糸条 ガラスフイラメント糸:ECG75 1/2 3.3S B 組織 〔ガラスフイラメント糸×1〕×〔ガラス
フイラメント糸×1〕32本/2.54cm×26本/2.54
cm C 重量 332g/m2 D 厚さ(荷重下) 0.31mm E 嵩密度(荷重下) 1.07g/cm3 上記各基布の片面上に、下記組成物を塗布し
た。 下記組成:成分 量(重量部) テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)の50%水性分散液 100 水溶性アクリル樹脂(増粘剤) 0.65 チタン酸カリウム(商標、テイスモD、大塚化
学社製) 60 の混合物を調整した。この混合物の粘度は約900
センチポイズであつた。 上記各基布に、上記組成物をドクターナイフで
均一に塗布し、それを250〜300℃の温度に徐々に
昇温乾燥し、次に350℃迄の温度で焼成した。得
られた耐熱性被覆層の厚さは両表面ともに約
150μmであつた。これら試料の耐火性は次のと
おりであつた。
〔効果〕
本発明の耐火性布帛積層物は良好な耐火、断熱
性を示すばかりでなく、実用上十分な柔軟性と変
形性を有していた。このため本発明の耐火性布帛
積層物は、通信、制御ケーブルおよび光通信フア
イバーケーブル、などの防火被覆材料、消防服、
防火服、防火被覆シート、火花遮断用シートなど
の用途に広く使用することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも1本の糸条からなる芯糸のまわり
    にガラス短繊維層が形成されている鞘−芯型嵩高
    複合糸条により構成された低嵩密度布帛を基布と
    し、この基布の少なくとも1面上に形成された耐
    火性弗素含有樹脂被覆層を有する、耐火性布帛積
    層物。 2 前記鞘−芯型嵩高糸条中の芯糸が無機繊維お
    よび有機繊維の少なくとも1種からなる長繊維糸
    条、および、短繊維糸条から選ばれた少なくとも
    1本の糸条からなる、特許請求の範囲第1項記載
    の耐火性布帛積層物。 3 前記鞘−芯型嵩高糸条の太さが1000〜6000デ
    ニールである、特許請求の範囲第1項記載の耐火
    性布帛積層物。 4 前記基布が0.7g/cm3以下の嵩密度を有する、
    特許請求の範囲第1項記載の耐火性布帛積層物。 5 前記基布の嵩密度が0.3〜0.6g/cm3の範囲内
    にある、特許請求の範囲第1項記載の耐火性布帛
    積層物。 6 前記耐火性弗素含有樹脂被覆層が50〜1000
    g/m2の重量を有する、特許請求の範囲第1項記
    載の耐火性布帛積層物。 7 少なくとも1本のガラス短繊維紡績糸条と、
    それに引揃えられ、および/又は、合撚された少
    なくとも1本の他の糸条からなる添え糸とから形
    成された添え糸型嵩高複合糸条により構成されて
    いる低嵩密度布帛を基布とし、この基布の少なく
    とも1面上に形成された耐火性弗素含有樹脂被覆
    層を有する、耐火性布帛積層物。 8 前記基布が0.7g/cm3以下の嵩高密度を有す
    る、特許請求の範囲第7項記載の耐火性布帛積層
    物。 9 前記添え糸が、無機繊維および有機繊維の少
    なくとも1種からなる長繊維糸条、および、短繊
    維糸条から選ばれた少なくとも1本の糸条からな
    る、特許請求の範囲第7項記載の耐火性布帛積層
    物。 10 前記添え糸型嵩高複合糸条の添え糸の太さ
    が50〜1000デニールである、特許請求の範囲第7
    項記載の耐火性布帛積層物。 11 少なくとも1本の糸条からなる芯糸のまわ
    りにガラス短繊維層が形成されている鞘−芯型嵩
    高複合糸条と、それに引揃えられ、および/又
    は、合撚された少なくとも1本の他の糸条からな
    る添え糸とから形成された鞘−芯−添え糸型嵩高
    複合糸条により構成されている低嵩密度布帛を基
    布とし、この基布の少なくとも1面上に形成され
    た耐火性弗素含有樹脂被覆層を有する、耐火性布
    帛積層物。 12 前記添え糸が、無機繊維および有機繊維の
    少なくとも1種からなる長繊維糸条および短繊維
    糸条から選ばれた少なくとも1本からなる、特許
    請求の範囲第11項記載の耐火性布帛積層物。 13 前記添え糸が少なくとも1本のガラス短繊
    維紡績糸を含む、特許請求の範囲第11項記載の
    耐火性布帛積層物。
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