JPH04221085A - 金属防錆用組成物 - Google Patents

金属防錆用組成物

Info

Publication number
JPH04221085A
JPH04221085A JP41167490A JP41167490A JPH04221085A JP H04221085 A JPH04221085 A JP H04221085A JP 41167490 A JP41167490 A JP 41167490A JP 41167490 A JP41167490 A JP 41167490A JP H04221085 A JPH04221085 A JP H04221085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
composition
epoxy resin
present
phosphate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP41167490A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2913843B2 (ja
Inventor
Kunio Tawara
邦夫 俵
Michinari Yoshimi
吉見 道成
Shunryo Hirose
広瀬 俊良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP41167490A priority Critical patent/JP2913843B2/ja
Publication of JPH04221085A publication Critical patent/JPH04221085A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2913843B2 publication Critical patent/JP2913843B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属防錆用組成物に関す
るものであり、更に詳しくは室温での長期にわたる良好
な貯蔵安定性を有し、金属表面に塗工した後に大気中に
存在する水分もしくは若干の加熱により有効な皮膜を形
成し、良好な防錆性を示す金属防錆用組成物に関するも
のであり、特に亜鉛メッキ、ニッケル・亜鉛メッキ、鉄
・亜鉛メッキ、錫・亜鉛メッキ等の亜鉛及び亜鉛合金メ
ッキやかかるメッキ表面にクロメート処理を施した金属
に適する防錆用組成物であり、機械工業、電気機器工業
、自動車工業等金属を使用する各種産業分野で広く利用
できるものである。
【0002】
【従来技術】従来から金属表面を種々の腐食環境から保
護する目的で数多くの処理剤・塗料が使用されている。 その中で常温もしくは若干の加熱で成膜あるいは硬化し
得る塗料は熱エネルギーの面から省資源及び工程が簡略
になるという点で広く賞用されている。例えば、ポリウ
レタン系やエポキシ系等の二液型塗料、アルキッド系や
ポリブタジエン系などの空気乾燥型塗料およびシリコー
ン系や各種変性シリコーン系等の湿気硬化型塗料などが
挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら常温ある
いは若干の加熱により成膜或いは硬化し得る塗料は下記
のような問題点を有している。
【0004】すなわち、二液硬化型塗料は緻密な塗膜を
形成し、優れた防錆性を有するが、硬化剤の配合時の計
量・混合の煩雑さ、可使時間の短さ等作業上の制約も多
く、空気乾燥型塗料は、耐水性に優れた塗膜を形成する
が、残存する不飽和結合が塗膜の抗酸化性や耐候性を低
下させることがある。耐候性・耐熱性に優れたシリコー
ン系湿気硬化形塗料は貯蔵安定性や塗膜の防錆性に難点
がある。
【0005】本発明者らは先に特開昭59−96279
号において通常の塗膜よりはるかに薄い膜厚で、優れた
防錆性を発揮する常温にて硬化し得る金属防錆用組成物
を提案したが、防錆性を向上する目的で使用される防錆
剤・防錆顔料等が添加されても、顔料等粒子表面の活性
基や粒子表面の吸着水分との反応がより少なく、より安
定に存在する組成物への要求があり、また、該組成物に
も有効な防錆顔料には重クロム酸塩や鉛等の有害物質を
含有するものが多く、それらにより防錆性を向上するこ
とには、作業環境悪化という問題を付随的に発生させて
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に提案
したアミノアルキル基とアルコキシシリル基を有する有
機ケイ素化合物(以下「有機ケイ素化合物」と称す)と
エポキシ樹脂を主成分とする金属防錆用組成物に特定の
リン酸金属塩を配合することにより、上記課題を解決し
得ることを見いだし本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、アミノアルキル基と
アルコキシシリル基を有する有機ケイ素化合物、エポキ
シ樹脂及びリン酸のSi、Zn又はAl塩から選ばれた
1種以上のリン酸金属塩からなることを特徴とする金属
防錆用組成物に関するものである。
【0008】本発明で用いられる有機ケイ素化合物はア
ミノアルキル基とアルコキシシリル基の両者を有するも
のであって、上記公開公報に記載のものが同様に使用さ
れ、又シランカップリング剤として広く知られているも
のを包含するものである。
【0009】具体的な化合物としては、アミノメチルト
リエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノイソブチルトリメトキシシラン等の1
個のアミノアルキル基と3個のアルコキシシリル基を有
するアミノアルキルトリアルコキシシラン;N−(β−
アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)アミノメチルトリエトキシシラン
、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキ
シシラン等のN−(アミノアルキル)アミノアルキル基
と3個のアルコキシシリル基を有するN−(β−アミノ
アルキル)アミノアルキルトリアルコキシシラン;アミ
ノメチルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピル
メチルジエトキシシラン等の1個のアミノアルキル基と
2個のアルコキシシリル基を有するアミノアルキルアル
キルジアルコキシシラン;N−(β−アミノエチル)ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン等のN−(アミノ
アルキル)アミノアルキル基と2個のアルコキシシリル
基を有するN−(β−アミノアルキル)アミノアルキル
アルキルジアルコキシシランなどが挙げられ、アルコキ
シシリル基を2個以上有するものが防錆性の向上に特に
効果があり本発明にとり好ましいものである。
【0010】本発明で用いられるエポキシ樹脂としても
、上記公開公報に記載のものが同様に使用され、本発明
においては、1分子中に水酸基を2個以上有するエポキ
シ樹脂が好ましく、特に汎用的に用いられているビスフ
ェノールAをベースとしたものが好ましい。
【0011】ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品
としては、例えば、エピコート1001、1004、1
007、1009(以上、油化シェルエポキシ株式会社
製)等が挙げられる。更にビスフェノールA型エポキシ
樹脂のベンゼン環の水素原子の一部が臭素で置換された
臭素化エポキシ樹脂、例えば、エピコート1045、エ
ピコートYL903(以上、油化シェルエポキシ株式会
社製)等が挙げられる。
【0012】ビスフェノールA型エポキシ樹脂以外の市
販品のエポキシ樹脂としては、ダイマー酸系グリシジル
エステル型エポキシ樹脂、例えば、エピコート871(
油化シェルエポキシ株式会社製)等、フェノキシ樹脂、
例えば、PKHH(ユニオンカーバイドコーポレーショ
ン製)等が挙げられる。
【0013】また、その他のエポキシ樹脂として、例え
ば、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等も挙
げることが出来る。
【0014】本発明における1分子中に水酸基を2個以
上有するエポキシ樹脂、特にビスフェノールA型エポキ
シ樹脂が好ましい理由は有機ケイ素化合物のアミノアル
キル基とエポキシ樹脂のオキシラン環がきわめて容易に
反応すること、1分子中の水酸基の数が2個に満たない
ときは、反応速度が遅く塗膜形成に長時間を要するのに
比べ、水酸基2個以上を有するときは、エポキシ樹脂の
水酸基が、有機ケイ素化合物との反応に大きく寄与して
いるためと考えられるが、短時間のうちに強靭な塗膜を
形成するからである。
【0015】また、本発明組成物の性能を損なわない範
囲で、エポキシ樹脂以外のオキシラン環を有する化合物
を本発明組成物に添加することが可能で、該化合物の具
体例としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、等の有機ケイ素化合物
が挙げられる。更には、1分子中に2個以上の(メタ)
アクリロイル基を有する化合物、例えば、ポリエステル
(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート等の化合物や1分
子中に2個以上水酸基を有する化合物、例えば、ポリビ
ニールブチラール樹脂、ポリビニールホルマール樹脂、
ポリエステル樹脂、セルロースアセテートブチレート、
エチルセルロース等の樹脂を配合することが出来る。こ
のうち、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基
を有する化合物は、本発明の有機ケイ素化合物のアミノ
アルキル基と付加反応・架橋し、また、分子内に水酸基
を有する樹脂は有機ケイ素化合物のアルコキシシリル基
と反応するなど強靭な塗膜を形成するので有用である。
【0016】本発明におけるリン酸金属塩としては、例
えば、ポリリン酸ケイ素、ポリリン酸ケイ素のアルカリ
金属塩、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等のリン酸の
ケイ素、亜鉛又はアルミニウム塩であり、それらが単独
で又は2種以上の組合せで使用される。これらリン酸中
において、リン酸分はオルソリン酸の形でも、メタリン
酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、あるいは、その他縮
合リン酸の形で存在することができるが、通常は高度に
縮合された形で存在させることが望ましい。これらリン
酸金属塩の中で、特に、リン酸ケイ素が、本発明組成物
中に含有せしめた時に優れた防錆性及び良好な液貯蔵安
定性を発現するので好ましい。これは、主たる成分が、
リン酸分(P2O5)と金属成分(MOm/2)とから
なる次式で表されるものであり、この成分はリン酸分の
徐放性をを有することが特徴である。
【0017】MOm/2・nP2O5(MはSiを含め
た金属を、また、mは金属Mの原子価を表す。nは0.
1〜0.7である。)
【0018】このリン酸ケイ素の製法及び特性の詳細は
米国特許第4,018,816号明細書に記 載されて
おり、市販品の例としてはMIZUKANEX−300
、MIZUKANEX−200、MIZUKANEX−
500(以上水澤化学工業株式会社製)が挙げられる。
【0019】本発明において溶剤は樹脂成分を溶解せし
めると同時に難溶性リン酸化合物を組成物中に安定に分
散せしめるために有効なものであり、そのために、二価
アルコールのモノアルキルエーテルを含有する溶剤を使
用することが本発明にとり特に好ましい。
【0020】二価アルコールのモノアルキルエーテルと
は1分子中に2個以上のアルコール性水酸基を有し、か
つ、そのうちの1個の水酸基をアルキルエーテル化した
ものをいい、例えば、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノメ
チルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレング
リコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールモ
ノアルエーテル類;その他、3−メトキシブチルアルコ
ール、3−メチル−3−メトキシブチルアルコール等が
挙げられる。これらの二価アルコールのモノアルキルエ
ーテルのなかでは、良好な溶解力を有するエチレングリ
コールモノアルキルエーテルおよび/またはプロピレン
グリコールモノアルキルエーテルが好ましく、更に好ま
しくは、常圧での沸点が100℃以上220℃以下のモ
ノメチル及びモノエチルエーテル等であり、それらは適
度な揮発速度を有し乾燥性が良好である。
【0021】モノアルキルエーテル化されていない二価
アルコールや一価のアルコールは溶解性が劣ったり、溶
解しても短時間でゲル化を起こすなどの問題があり、水
酸基の全てをアルキルエーテル化した多価アルコールは
顔料の分散安定性が劣り、貯蔵中に沈降するなどの問題
があるため使用は避けたほうが良い。
【0022】また、多価アルコールのモノアルキルエー
テル以外の溶剤の1種もしくはそれ以上混合使用するこ
とも可能であり、例えば、トルエン、キシレン、メシチ
レン等の芳香族溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン等のモノケトン系溶剤;アセチルアセトン、アセト酢
酸メチル、アセト酢酸エチル等の1,3−ジケトン系溶
剤やβ−ケトカルボン酸エステル系溶剤;エチルアルコ
ール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアル
コール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶
剤等が挙げられる。かかる溶剤は本発明組成物の貯蔵安
定性や塗工時の乾燥性を損なわない範囲で二価アルコー
ルのモノアルキルエーテルと併用することが好ましく、
二価アルコールのモノアルキルエーテルは全溶剤中に1
0重量%以上含有して使用することが好ましく、更に好
ましくは、30重量%以上である。これより少ない場合
には顔料を配合した組成物溶液が増粘したり、顔料が沈
降したりするなどの貯蔵安定性が著しく低下する等問題
が発生する恐れがある。
【0023】本発明組成物の配合割合としては、有機ケ
イ素化合物とエポキシ樹脂の割合は重量比で90/10
〜5/95であることが好ましく、更に好ましくは、6
0/40〜10/90である。この割合をはずれると塗
布対象物への塗工に際し、造膜性が低下したり、硬化速
度が遅くなったりして防錆性等の塗膜耐久性が損なわれ
るので好ましくない。
【0024】又、リン酸金属塩の配合割合は、有機ケイ
素化合物とエポキシ樹脂の合計量に対し重量比で1/1
00〜200/100であることが好ましく、更に好ま
しくは5/100〜150/100である。この割合を
はずれると防錆性が低いなど配合効果が得られなかった
り、塗膜強度が著しく低下するので好ましくない。また
、溶液として使用する際の濃度は10〜90重量%が好
ましく、より好ましくは10〜60重量%である。この
割合をはずれると塗工時の液粘度が適切でなくなり塗工
後の塗膜に不具合を生じる恐れがある。
【0025】本発明組成物は、まず有機ケイ素化合物と
エポキシ樹脂を二価アルコールのモノアルキルエーテル
もしくは二価アルコールのモノアルキルエーテルを含む
溶剤に常温もしくは加温下で溶解せしめた後にリン酸金
属塩を混合・分散せしめて使用することが好ましい。ま
た、有機ケイ素化合物の一部または全部あるいはエポキ
シ樹脂の一部に顔料を分散せしめた後に添加して使用す
ることも出来る。
【0026】顔料の混合・分散方法は当分野では公知の
方法であり、例えばパドル型ミキサー、タービン型ミキ
サー、インペラ型ミキサー等の撹拌機やサンドミル、ボ
ールミル、アトライザー、ロールミル等のミル分散機を
適宜選択、組み合わせて使用することができる。
【0027】また、製造時に適当な段階で、その他の顔
料、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、
ラムブラック、ボーンブラック、黒色酸化鉄等の黒色顔
料;酸化チタン、亜鉛華、鉛白等の白色顔料;炭酸カル
シウム、タルク、クレー、カオリン、アルミナ、無水ケ
イ酸等の体質顔料;亜鉛粉末、アルミニウム粉末等の金
属粉末;その他、二硫化モリブデン、四フッ化エチレン
粉末、フッ化ビニリデン粉末等を配合することができる
。また、粘度調節剤、消泡剤、シロキサン結合縮合触媒
、酸化防止剤、紫外線吸収剤等種々の添加剤を添加して
使用することもできる。
【0028】本発明組成物は金属基材にたいして広く適
用され得るものであるが、鉄及び鉄合金、アルミニウム
及びアルミニウム合金、銅及び銅合金、亜鉛メッキ及び
亜鉛合金メッキ、ニッケルメッキ、クロムメッキ、カド
ミウムメッキ等の各種メッキの施された基材に対して賞
用され、特に電気メッキ・溶融メッキ・メカニカルメッ
キ等の方法で施された亜鉛メッキ、ニッケル・亜鉛メッ
キ、鉄・亜鉛メッキ、錫・亜鉛メッキ等の亜鉛及び亜鉛
合金メッキやかかるメッキ表面に有色、黒色、緑色、無
色等のクロメート処理を施こされた金属に対して優れた
防錆性能を発揮する。
【0029】本発明組成物を前記溶剤に混合・分散した
状態で使用すれば、容易に金属基材に適用することがで
き、その方法としては、スプレーコート、ディップコー
ト、ロールコート、刷毛塗り等公知の塗装方法が適用で
きる。塗工後常温下または加熱条件下、溶剤を除去する
ことにより均一な塗膜が形成され本発明の目的を達成し
得る。膜厚は0.3〜300μm 好ましくは1〜10
0μm 、より好ましくは 1〜20μm であり、特
に10μm以下の膜厚であってもそれにより著しく防錆
性を付与できることは本発明組成物の大きな特徴である
【0030】
【作用】本発明組成物は、先に本発明者らが提案した組
成物の防錆性を向上させるべく鋭意研究した結果、リン
酸金属塩を配合することによって達成したものであり、
組成物の顔料分散安定性、液粘度安定性が向上し、長期
間の貯蔵安定性に優れ、かつ、適用基材表面に塗工した
場合良好な塗膜を形成し、卓越した防錆性を発揮するな
ど塗膜性能を著しく向上することができる。
【0031】本発明組成物が優れた防錆性及び液貯蔵安
定性を示す理由は明確でないが以下のように推定される
【0032】■塗膜形成後、リン酸金属塩のリン酸分が
塗膜中に経時的に溶出し、基材表面のクロメート成分・
亜鉛成分等の無機成分と反応し、腐食を抑制する。 ■液組成物中において、リン酸金属塩のリン酸成分が有
機ケイ素化合物の活性アミノアルキル基と反応し、エポ
キシ樹脂のオキシラン環との反応を抑制する。同様に有
機ケイ素化合物のアルコキシシリル基の加水分解反応及
び有機ケイ素化合物同士の縮合を抑制する。
【0033】以下、具体的な例を挙げて説明する。
【0034】
【実施例】実施例1 エピコート1004(油化シェルエポキシ株式会社製)
66.4重量部(以下、部と 称す)をプロピレングリ
コールモノメチルエーテル/キシレン/メチルイソブチ
ルケトンの1/1/1(重量比)の混合溶剤300.0
部に溶解した液にリン酸 亜鉛30.0部、カーボンブ
ラック#1000(三菱化成工業株式会社製)10.0
部を撹拌混合した後、ガラスビーズを入れ、ペイントシ
ェーカーにて分散させて黒色分散液を得た。これにアセ
ト酢酸メチル50.0部及びγ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン44.2部を添加混合し、黒色外観の組成
物を得た。(実験番号1)
【0035】実施例2〜5及び比較例1〜8同様の方法
にて実験番号1のリン酸亜鉛の代わりに表1に示す化合
物を配合し、また、組成物中の成分濃度が30重量%に
なるように混合溶剤の配合量を変えて組成物を調製した
。(実験番号2〜13)
【0036】これら組成物を以下の試験に供した。 (1)液安定性試験 これら組成物400ccをブリキ製石油缶に入れ、40
℃の水槽に浸漬して1カ月間放置した後、組成物の性状
の変化をスパチュラで撹拌しながら目視で観察し、以下
の評点をつけた。 ○:沈降物またはゲル化物がなく均一な状態。 △:沈降物が存在するが撹拌後均一になる状態。 ×:沈降物またはゲル化物が存在し撹拌しても均一にな
らない状態。
【0037】(2)密着性試験 電気亜鉛メッキ黒色クロメート処理板(70×150×
0.8mm)にこれらの 液組成物を乾燥塗布量5g/
m2になるようにバーコーター塗布を100℃で20分
間加熱乾燥した。塗膜表面にカッターナイフで金属素地
に達するように1mm間隔で11本ずつゴバン目を入れ
た後、セロテープで密着剥離試験を行った。剥離面を観
察し、以下の評点をつけた。 ○:はがれなし ×:はがれあり
【0038】(3)塩水噴霧試験 上記(2)と同様の方法で作成した試験板の塗膜面にカ
ッターナイフで素地に達するクロスカットを入れた後、
試験板端面をシールし、塩水噴霧試験(JIS−Z−2
371)600Hrに供した。クロスカット部の発錆状
態を観察し、以下の評点で表した。 ○:発錆が見られず △:片側錆幅(ふくれ幅)2mm以下 ×:片側錆幅(ふくれ幅)2mm以上 以上の試験結果を表1にまとめた。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、金属基材を本発明組成
物溶液中に浸漬し、風乾するだけで塗膜が形成され非常
に簡便に良好な防錆性を付与でき、形成された塗膜が1
〜10μmの薄い膜厚であっても良好な防錆性と優れた
美観性を示し、塗膜による基材の厚みが増すことに起因
する作業上、工程上の種々のトラブルが発生せず、貯蔵
安定生に優れ、安定した塗膜性能を発現できる。これら
の理由により産業上広く使用されている亜鉛メッキ及び
亜鉛合金メッキのクロメート処理材等へきわめて簡便な
防錆方法を提供するものであり、各産業において寄与す
ることが大なるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】    アミノアルキル基とアルコキシシ
    リル基を有する有機ケイ素化合物、エポキシ樹脂及びリ
    ン酸のSi、Zn又はAl塩から選ばれた1種以上のリ
    ン酸金属塩からなることを特徴とする金属防錆用組成物
JP41167490A 1990-12-19 1990-12-19 金属防錆用組成物 Expired - Lifetime JP2913843B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP41167490A JP2913843B2 (ja) 1990-12-19 1990-12-19 金属防錆用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP41167490A JP2913843B2 (ja) 1990-12-19 1990-12-19 金属防錆用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04221085A true JPH04221085A (ja) 1992-08-11
JP2913843B2 JP2913843B2 (ja) 1999-06-28

Family

ID=18520638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP41167490A Expired - Lifetime JP2913843B2 (ja) 1990-12-19 1990-12-19 金属防錆用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2913843B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008536013A (ja) * 2005-04-14 2008-09-04 ヒェメタル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング マグネシウムおよびマグネシウム合金について視認可能な非クロメート化成被覆を形成する方法
CN104327221B (zh) * 2014-10-21 2017-08-25 岳阳东方雨虹防水技术有限责任公司 一种抗锈蚀型水工专用聚羧酸减水剂及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9463390B2 (en) 2013-10-30 2016-10-11 FlowriderSurf, Ltd. Inflatable surfing apparatus and method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008536013A (ja) * 2005-04-14 2008-09-04 ヒェメタル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング マグネシウムおよびマグネシウム合金について視認可能な非クロメート化成被覆を形成する方法
CN104327221B (zh) * 2014-10-21 2017-08-25 岳阳东方雨虹防水技术有限责任公司 一种抗锈蚀型水工专用聚羧酸减水剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2913843B2 (ja) 1999-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101258266B (zh) 用于处理金属表面的低温固化的不含铬的组合物以及使用该组合物的金属板
EP2037003B1 (en) Coated steel sheet
BG63636B1 (bg) Състав на водоредуциращо покритие за осигуряване на корозионна защита
JP7084230B2 (ja) 感水性材料の接着性増強のための非水系ゾル-ゲル
JP2006517599A (ja) 希土類化合物を含む腐食抵抗コーティング
JP3636203B1 (ja) クロムを含まない防錆用水系コーティング組成物
EA014856B1 (ru) Связующее, средство для покрытия и деталь с покрытием
BR102016020235A2 (pt) composição de revestimento anticorrosivo
US4172734A (en) Primer composition and coating method using said composition
JP5908896B2 (ja) 耐食性ゾル−ゲル被覆剤および組成物、ならびにその製造方法
JP6569194B2 (ja) 耐食性に優れた表面処理溶融亜鉛めっき鋼板
JP4938167B2 (ja) 錆止めを施すための水−希釈可能なコーティング組成物
JPH04202481A (ja) 金属表面処理用組成物
JP2913843B2 (ja) 金属防錆用組成物
EP0139845B1 (en) Coating composition
JP2002115084A (ja) 表面処理剤、表面処理膜、表面改質金属材料
JP2004256696A (ja) 含ケイ素ジンクリッチハイブリッド漆組成物
JP2682168B2 (ja) 金属防錆用組成物
JP3071665B2 (ja) プライマー組成物
TWI769091B (zh) 有機樹脂被覆用表面處理鋼板及其製造方法、暨有機樹脂被覆鋼板及其製造方法
US20230357595A1 (en) Corrosion resistant adhesive sol-gel
KR101995685B1 (ko) 금속의 친환경 방청코팅용 표면처리 조성물 및 이를 코팅한 금속재료
US20230357592A1 (en) Corrosion resistant adhesive sol-gel
JPH0514792B2 (ja)
KR20030056671A (ko) 표면외관과 내식성이 우수한 용융아연도금강판용크로메이트 대체 처리용액을 이용한 아연도금강판 및 그제조방법