JPH04220936A - 光選択吸収膜付カラー陰極線管 - Google Patents

光選択吸収膜付カラー陰極線管

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JPH04220936A
JPH04220936A JP40439990A JP40439990A JPH04220936A JP H04220936 A JPH04220936 A JP H04220936A JP 40439990 A JP40439990 A JP 40439990A JP 40439990 A JP40439990 A JP 40439990A JP H04220936 A JPH04220936 A JP H04220936A
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ray tube
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cathode ray
coating liquid
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安男 岩崎
Hiroshi Okuda
奥田 博志
Tomonori Takizawa
滝沢 智紀
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェース・プレート部に
光選択吸収膜を形成した光選択吸収膜付カラー陰極線管
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー陰極線管の大型化および輝
度性能やフオーカス性能の改善にともない、陰極線管の
蛍光面に印加する電圧、すなわち電子ビームの加速電圧
が高くなってきている。たとえば、21型クラスの従来
のカラー陰極線管では、蛍光面に印加する電圧は25〜
27kV程度であったが、最近の30型以上のカラー陰
極線管ではその蛍光面に30〜34kVもの高電圧が印
加される。そのため、とくにテレビセットの電源のON
−OFF時にカラー陰極線管のフェース・プレート部の
外表面がチャージアップし、フェース・プレート部の外
表面に空気中の細かいゴミが付着して汚れが目立ちやす
くなり、結果としてカラー陰極線管の輝度性能を劣化さ
せる原因になっている。また、チャージアップしたフェ
ース・プレート部の外表面に観視者が近付いたときに放
電現象が起こり、観視者に不快感を与える不都合もある
【0003】図4は陰極線管のフェース・プレート部の
表面電位の変化を示すグラフであり、図中、(L) は
電源ONのときの表面電位の変化曲線であり(L1)は
電源OFFのときの表面電位の変化曲線である。
【0004】このような陰極線管のフェース・プレート
部の外表面のチャージアップ現象をなくすために、陰極
線管のフェース・プレート部の外表面に平滑な透明導電
膜を形成してチャージをアースへ逃がすようにした帯電
防止処理型陰極線管が近年使用されるようになってきて
いる。
【0005】図5は前記帯電防止処理型陰極線管(3)
 の帯電防止原理の説明図であり、図中(6) は電子
銃(図示を省略)を内蔵したネック部、(7) は偏向
ヨーク、(13)はファンネル部、(4) はフェース
・プレート部、(5) は高圧ボタンであり、前記偏向
ヨーク(7) はリード線(7a)を介して偏向電源に
接続されており、電子銃はリード線(6a)を介して駆
動電源に接続されており、また高圧ボタン(5)はリー
ド線(5a)を介して高圧電源に接続されている。
【0006】前記構成の陰極線管においては、ネック部
(6) に内蔵されている電子銃から発せられた電子線
は偏向ヨーク(7) により陰極線管の外部から電磁的
に偏向せしめられ、一方、高圧ボタン(5) を介して
フェース・プレート部(4) の内面に設けられた蛍光
面に高い電圧が印加せしめられる。これにより、前記電
子線が加速され、そのエネルギーにより蛍光面が励起発
光し、光出力が取出される。通常はこのフェース・プレ
ート部(4) の内面の蛍光面に印加される高電圧の影
響で、前述のようにフェース・プレート部(4)の外表
面の電位が変化して、ゴミの付着などの弊害が生じるの
であるが、図5の帯電防止処理型陰極線管では、フェー
ス・プレート部(4) の外表面に平滑な透明導電膜(
1) を形成し、この透明導電膜(1)をアースに落す
ことにより、チャージを常にアースへ逃がしてチャージ
アップを防ぐようにしている。
【0007】ところで、この帯電防止処理型陰極線管(
3) では、フェース・プレート部(4)の外表面に形
成した透明導電膜(1) をアースに落すために、図5
に示すように、フェース・プレート部(4) の側壁部
に巻付けた金属製防爆バンド(8) と透明導電膜(1
) との間を導電性テープ(12)により導通させる。 金属製防爆バンド(8) は取り付け耳(9) に引っ
かけたアース線(10)によりアース(10A) に接
合されているので、透明導電膜(1)をアースに落すこ
とは容易に可能となる。
【0008】図4中の曲線(M) および(M1)は、
フェース・プレート部(4) の外表面に平滑な透明導
電膜(1) を形成した帯電防止処理型陰極線管(3)
の電源 ON−OFF 時のフェース・プレート部の外
表面の電位変化を示すものであり、従来よりも大幅にチ
ャージアップが小さくなっていることがわかる。
【0009】前記フェース・プレート部(4) の表面
に形成される平滑な透明導電膜(1) は、ある程度の
硬さと接着性が要求されることから、一般にシリカ(S
iO2 )系の膜が形成されている。
【0010】従来、このシリカ系の平滑な透明な導電膜
(1) を形成する方法の一つとして、官能基として−
OH基、−OR基(Rはアルキル基を示す)などを有す
るシリコンアルコキシドのアルコール溶液を陰極線管の
フェース・プレート部(4) の外表面にスピンコート
法などで均一かつ平滑に塗布したのち、比較的低温、た
とえば100℃以下で焼付け処理を行なう方法が用いら
れている。 このような方法で形成される平滑な透明導電膜(1)は
多孔質であり、しかもシラノール基
【化1】 を有しているので、空気中の水分を吸着して表面抵抗を
下げることができる。焼付け処理を比較的低温で行なう
のは、高温で行なうとシラノール基の−OHがなくなる
うえに、多孔質の膜中に取り込まれている水分もなくな
るので表面抵抗値があがってしまい、所定どおりの導電
性がえられなくなるからである。
【0011】しかしながら、前記焼付け処理を比較的低
温で行なうと膜の強度はあまり強くならない。また、陰
極線管を乾燥した環境下で長く使用すると、多孔質膜中
の水分が抜けてしまい、表面抵抗値も経時的に上昇する
。この多孔質膜中の水分はいったん抜けると、つぎに入
り込むのは困難である。
【0012】以上のように、従来の平滑な透明導電膜(
1) は、膜強度および抵抗値の経時的な安定度の面で
大きな欠点を有している。また、このような欠点を改善
するために、前記塗液中のアルコキシド構造にZr(ジ
ルコニウム)などの金属原子を結合させて導電性を付与
することも行なわれているが、大幅な改善を期待するこ
とはできない。
【0013】これらを根本的に解決しうる別の方法とし
て、前記シリコンアルコキシドのアルコール溶液中に、
導電性フィラーとしてSnO2 (酸化スズ)やIn2
O3(酸化インジウム)の微粒子を混合分散させ、さら
に半導体的性質を付与するために微量のP(リン)また
はSb(アンチモン)を加えた塗液を用いて、陰極線管
のフェース・プレート部(4) の外表面に従来と同様
にスピンコート法などの方法によって均一かつ平滑に塗
布して比較的高い温度(たとえば、100 〜200 
℃)で焼付け処理を行なうという方法がある。この方法
を用いると膜強度が強く、かつどのような環境下でも抵
抗値が経時的に変化しない平滑な透明導電膜(1) を
うることができる。
【0014】従来からこのような方法によりカラー陰極
線管の帯電防止処理が行なわれているが、最近のカラー
テレビの高画質化への強い要求に対処するために、この
透明導電膜(1) を着色してカラー陰極線管のコント
ラストや発光色調の改善をも合わせて行なう方法が実用
化され始めている。
【0015】すなわち、従来の透明導電膜(1) をう
るための塗液をベース塗料とし、その中に有機系または
無機系の染料を混合して着色して光選択吸収塗液を調製
し、従来と同様のスピン・コート法などの方法によりカ
ラー陰極線管のフェース・プレート部外面に塗布・成膜
して、帯電防止機能を有する光選択吸収膜付カラー陰極
線管を製造することが行なわれている。図6は帯電防止
型光選択吸収膜(2)を有する帯電防止処理型光選択吸
収膜付カラー陰極線管(11)の原理の説明図であり、
帯電防止型光選択吸収膜(2) 以外は図5で示した帯
電防止処理型陰極線管(3) と全く同じである。
【0016】図3はこのような従来の帯電防止処理型光
選択吸収膜(2) の光学特性を示すグラフである。図
中、(B) はカラー陰極線管の蛍光面の青色発光の硫
化物系蛍光体(たとえばZnS:Ag(銀付活硫化亜鉛
)蛍光体)の相対発光強度のスペクトル分布を示し、約
450nm に主スペクトル波長を有する。(G) は
緑色発光の硫化物系蛍光体(たとえばZnS:Au,C
u,Al(金、胴、アルミニウム共付活硫化亜鉛)蛍光
体)の相対発光強度のスペクトル分布を示し、約535
nm に主スペクトル波長を有する。(R)は赤色発光
の希土類系蛍光体(たとえばY2O2 S:Eu(ユー
ロピウム付活酸硫化イットリウム)蛍光体)の相対発光
強度のスペクトル分布を示し、約 626nmに主スペ
クトル波長を有する。
【0017】また、(II)および (III)はカラ
ー陰極線管の蛍光面が形成されているフェース・プレー
トの分光透過率分布を示すものであり、(II)は可視
光領域の分光透過率が約85%のクリアー・タイプ、(
III) は50%のテイント・タイプのフェース・プ
レート の分光透過率分布を示す。
【0018】フェース・プレートの分光透過率が低いほ
ど、カラー陰極線管の蛍光面の輝度性能としては不利に
なることは(B)(G)(R)の蛍光体の相対発光強度
のスペクトル分布との関係より明らかであるが、カラー
陰極線管の蛍光面に入射する外光を有効に除去しうるの
でコントラス性能上は有利となり、最近のカラー・テレ
ビの画質重視の傾向とともに現在はテイント・タイプの
フェース・プレートが多く使用されている。
【0019】図3の(I) はさらにコントラスト性能
をあげるために、前述したごとくフェース・プレートの
外面に形成された従来の帯電防止処理型光選択吸収膜(
2) の分光透過率分布の一例を示す。(G)(R)の
相対発光強度のスペクトル分布の主スペクトル波長間 
535〜626nm のうちこの主スペクトル波長に近
い部分にこの帯電防止処理型光選択吸収膜(2) の吸
収ピーク(A1)があるとカラー陰極線管の蛍光面の輝
度性能上に不利となるので、この吸収帯の半値巾なども
考慮して、通常 570〜610nmの範囲に吸収帯の
吸収ピーク(A1)が置かれている。この範囲の波長の
光は人間の目の視感度の比較的高い領域と一致するので
、外光(白色光)成分のうち、この領域の光が吸収、除
去されるのはコントラスト性能上好ましい。
【0020】このように、従来の帯電防止処理型光選択
吸収膜付カラー陰極線管(II)の帯電防止処理型光選
択吸収膜(2) の光学特性としては、人間の目の視感
度として比較的高く、また蛍光面からの発光にできるだ
け影響の少ない 570〜610nm の範囲に吸収帯
の吸収ピーク(A1)を置いて蛍光面の輝度性能を維持
しつつ外光を有効に吸収してコントラスト性能の向上を
はかるようにしたものである。このような光学特性を有
する有機系または無機系の染料の選定は非常に重要であ
り、曲線(I) は580nm に吸収帯の吸収ピーク
(A1)を有する例である。このような帯電防止処理型
光選択吸収膜付カラー陰極線管(II)ではベース塗料
に混合する有機系や無機系の染料の光学的な光吸収特性
が比較的ブロードであるため、蛍光面の発光のうち、た
とえば緑色発光のばあい、主スペクトル波長の長波長側
のテール部、赤色発光のばあい、主スペクトル波長の短
波長側のサブピーク部がこの光選択吸収膜により吸収さ
れるので、発光色調の改善も同時に行なうことができる
【0021】図7はこのようにしてフェース・プレート
部(4) の上に形成された帯電防止処理型光選択吸収
膜(2) の概念を示す断面図である。この帯電防止処
理型光選択吸収膜(2) は、多孔質のシリカ(SiO
2 )系の膜(14)中に染料の粒子または分子(13
)が分散したような形で形成されている。この染料の粒
子または分子(13)は、耐候性に大きな問題を有し、
とくに有機系の染料のばあいは紫外線による退色が非常
に大きい。これは元来、染料は布地などの繊維を構成す
るタンパク質やセルロースと化学結合して安定化するの
であるが、多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜(14
)中に分散させるようなばあいには化学結合する相手が
なく、粒子または分子として単独で存在するために不安
定なためである。さらにそのうえ、この染料が分散して
いる多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜(14)が強
い酸性状態であるために紫外線のエネルギーによって分
解・変質が起こり、退色が起こりやすくなる。この多孔
質のシリカ(SiO2 )系の膜(14)が強い酸性を
示すのは、安定した成膜を行なうために光選択吸収塗液
そのものが塩酸(HCl)などにより強い酸性(pH約
2.3)に調整されているためである。すなわち、光選
択吸収塗液のベース塗料であるシリコンアルコキシドの
アルコール溶液は、成膜の過程で、反応の一例を示す下
記式(1) のように、たとえばエチルシリケートのば
あい加水分解反応および加熱による脱水反応を行ないな
がら多孔質のシリカ(SiO2 )系の膜(14)へと
変化して行くが、これらの各反応を促進するための触媒
として塩酸(HCl)が添加されているので塗液および
それにより成膜される膜は強い酸性を示すわけである。
【0022】
【化2】 一般の家庭でカラーテレビを観るときは、ほとんどのば
あいが室内で使用されるので、周囲から受ける紫外線は
あまり強くないが、窓の近くに長期間カラーテレビが設
置されると、帯電防止処理型光選択吸収膜(2) の染
料が太陽光中の紫外線により退色することがある。
【0023】このような帯電防止処理型光選択吸収膜(
2) の耐紫外線性を図2に示す方法により評価した。 結果を図3の(I)、(IV)に示す。(I)は紫外線
曝露試験前、(IV)は後述の条件での紫外線曝露試験
後の各々の帯電防止処理型光選択吸収膜の分光透過率分
布である。
【0024】この試験では、退色試験用水銀ランプ(1
5)の前方30cmの位置にフェース・プレート部(4
) 上に帯電防止処理型光選択吸収膜(2) を形成し
た試料を置いて一定時間退色試験用水銀ランプ(15)
からの強い紫外線を試料にあてて強制的に退色を起こさ
せる。ある特定の染料を使用した帯電防止処理型光選択
吸収膜のばあい、当初580nmの吸収帯の吸収ピーク
(図3の(A1))での透過率は70.0%であるが、
約3.5mW/cm2の強度の紫外線に図2に示したよ
うな試験方法で試料を約13時間曝露すると染色の退色
により吸収ピーク(図3(A2))のでの透過率は80
.0%にまで変化する。ΔT(%)を吸収深さと称する
と、前記曝露試験の前後では吸収深さ(ΔT)は25%
(ΔT1)から15%(ΔT2)へ変化したことになる
。図1はこのような条件により、ある特定の染料を使用
したpHの異なる光選択吸収塗液からえられた帯電防止
処理型光選択吸収膜を用いて紫外線曝露試験を行なった
ときの吸収深さ(ΔT(%) )が曝露時間とともにど
のように変化するかを示すグラフであり、光選択吸収塗
液がpH 2.3のばあい、50時間で24%というよ
うな大幅な変化、すなわち退色現象を示すことがわかる
【0025】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
光選択吸収膜付カラー陰極線管では、光選択吸収膜中に
分散している染料が、外光中の紫外線などにより徐々に
退色してしまい、光選択吸収特性が劣化して、コントラ
スト性能や発光色調の改善度合いが低下してしまうとい
う問題がある。
【0026】本発明は前記のような問題点を解消するた
めになされたものであり、太陽光などの外光中に含まれ
る紫外線による染料の退色などの問題が起こりにくい、
安定した外光吸収特性を有する光選択吸収膜付カラー陰
極線管を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、官能基として
−OH基および−OR基(Rはアルキル基を示す)を有
するシリコンアルコキシドのアルコール溶液からなるベ
ース塗料に、有機系または無機系の染料を混合した光選
択吸収塗液を、カラー陰極線管のフエース・プレート部
に塗布・成膜した光選択吸収膜付カラー陰極線管であっ
て、該光選択吸収塗液の水素イオン指数(pH)が 2
.7〜4.5 の範囲である光選択吸収膜付カラー陰極
線管に関する。
【0028】
【作用】本発明では、光選択吸収膜付カラー陰極線管の
光選択吸収膜を成膜するために用いられる光選択吸収塗
液の水素イオン指数(pH)が一定の範囲に調整されて
いるので、成膜後の多孔質のシリカ(SiO2 )系の
膜の酸性状態も中性に近づけられており、太陽光などの
外光中に含まれている紫外線が光選択吸収膜に入射して
も膜中の染料の退色が起こりにくい。
【0029】
【実施例】本発明では官能基として−OH 基および−
OR  基(R はアルキル基を示す)を有するシリコ
ンアルコキシドのアルコール溶液からなるベース塗料に
、有機系または無機系の染料を混合した光選択吸収塗液
が用いられる。
【0030】前記シリコンアルコキシドの具体例として
は、たとえばエチルシリケート(Si(OC2H5)4
 )などがあげられる。前記アルコールの具体例として
は、たとえばエチルアルコール(C2H5OH)などが
あげられる。前記アルコール溶液中のシリコンアルコキ
シドの濃度は、1.5〜5.0%(重量%、以下同様)
が好ましい。
【0031】前記ベース塗料には、導電性フィラーとし
て、たとえばSnO2  、In 2O3などの導電性
微粒子を配合してもよい。前記導電性微粒子の粒子径は
数100Åであるのが好ましく、ベース塗料中の導電性
微粒子の割合は、塗液の安定性などの点から0.5〜3
%が好ましい。
【0032】さらに、前記ベース塗料には、乾燥スピー
ドをコントロールするための高沸点有機物質などが配合
されていてもよい。
【0033】前記ベース塗料に配合される有機系または
無機系の染料としては、光学特性が所望の特性を示すと
ともに、より安定性が優れたものが用いられる。このよ
うな染料の具体例としては、たとえばアンソラキノン系
染料やメチン系染料などがあげられる。
【0034】本発明では、前記ベース塗料に染料を混合
した光選択吸収塗液の水素イオン指数(pH)が2.7
 〜4.5に調整されている。pHが2.7 未満では
、光選択吸収膜の紫外線による劣化が激しく、4.5 
をこえると塗液の経時的、熱的安定性が低下し、塗液が
ゲル化しやすくなる。
【0035】光選択吸収塗液の水素イオン指数(pH)
の調製法にとくに限定はなく、たとえば添加する塩酸の
量により調整するか、または塗布・製膜前に水酸化アン
モニウム(アンモニア水)で調整するなどすればよい。
【0036】本発明のカラー陰極線管は、前記光選択吸
収塗液を常法によりフェース・プレート部に塗布・成膜
して形成した光選択吸収塗膜を有するカラー陰極線管で
ある。
【0037】前記塗布・成膜は、たとえばスピンコート
法などにより塗布して乾燥したのち、100〜 200
℃程度の温度で 0.3〜0.5時間程度保持して焼付
け処理を行なうなどすればよい。
【0038】形成される光選択吸収膜は、平滑、均一で
、厚さ0.1  〜0.5μmであるのが好ましい。
【0039】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具
体的に説明する。 実施例1〜3、比較例1〜2
【0040】酸化スズ1.2%、ケイ素分(SiO2 
換算)1.8%、エチルアルコール75%、水10.8
%、塩酸微量、イソプロピルアルコール9.5%、メチ
ルエチルケトン1.5%、染料0.2%で調合した比較
例1用塗膜液(pH2.3)を、アンモニア水で調整し
て実施例1〜3用および比較例2用塗液(それぞれpH
2.7、pH4.5、pH5.0)とした。
【0041】えられた光選択吸収塗液を、それぞれ従来
と同様のスピンコート法によりフェース・プレート上に
塗布、成膜して乾燥し、175℃×30分間保持で焼成
し、厚さ約0.1μmの光選択吸収膜を形成したフェー
ス・プレートを製造した。
【0042】えられたフェース・プレートに図2に示す
方法により約3.5mW/cm2の強度の紫外線に曝露
し、580nmの吸収帯の吸収ピークにおけるΔTを調
べた。結果を図1に示す。
【0043】図1よりつぎのことがわかる。pHが2.
3 のばあい(比較例1)では50時間で吸収残存率が
4%(1/25×100 =4)というような大巾な変
化、すなわち退色現象を示す。pH2.7 の塗液を用
いたばあい(実施例1)では50時間での吸収残存率は
50%(12.5/25×100 =50)であり、前
記従来のもの(比較例1)に比べて大巾に改善されてい
る。しかも、前記のようにこの試験はきびしい条件での
強制試験であり、実使用条件換算ではほぼ満足できるレ
ベルといえる。同様にpH3.5 の塗液を用いたばあ
い(実施例2)では吸収残存率は72%(18/25×
100 =72)、pH4.5 の塗液を用いたばあい
(実施例3)では吸収残存率は88%(22/25×1
00=88)、pH5.0 の塗液を用いたばあい(比
較例2)では吸収残存率は94%(23.5/25  
×100 =94)であった。
【0044】このことから光選択吸収塗液の水素イオン
指数(pH)を中性に近付けるほど塗膜の紫外線による
劣化の問題は少なくなることがわかる。しかしながら、
塗膜の水素イオン指数(pH)を高くするほど、塗液の
経時的、熱的安定性が低下して塗液がゲル化しやすくな
った。この塗液の安定性は液の保存状態(液温など)や
塗液中の酸化スズ(SnO2 )や酸化インジウム(I
n 2O3 )の導電材の含有率にもよるが、水素イオ
ン指数(pH)で4.5 が限界と考えられる。
【0045】したがって光選択吸収塗液の水素イオン指
数(pH)の限界としては、紫外線劣化の点より下限を
 2.7に、また塗液のゲル化に対する安定性により上
限を4.5 に設定してこの範囲内で使用するのが好ま
しいといえる。
【0046】以上のように、前記実施例では有機系また
は無機系の染料を混合して光選択吸収特性を持たせたば
あいの帯電防止処理型光選択吸収膜の紫外線に対する耐
候性の安定化について述べたが、本発明はこれに限られ
るものではなく、帯電防止機能を持たない光選択吸収機
能のみの光選択吸収膜付カラー陰極線管にも同様に適用
しうる。
【0047】
【発明の効果】本発明では、光選択吸収膜付カラー陰極
線管の光選択吸収膜を形成するための塗液の水素イオン
指数(pH)が2.7〜4.5の範囲に調製されている
ので、紫外線が光選択吸収膜に入射しても、膜中の染料
は安定に存在し、退色が起こりにくく、カラー陰極線管
の品質および耐久性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】光選択吸収膜の吸収深さ(ΔT)の経時変化を
示すグラフである。
【図2】紫外線曝露試験における紫外線曝露方法の説明
図である。
【図3】帯電防止処理型光選択吸収膜の光学特性を示す
グラフである。
【図4】陰極線管のフェース・プレート部の表面電位の
経時変化を示すグラフである。
【図5】帯電防止処理型カラー陰極線管の帯電防止原理
の説明図である。
【図6】帯電防止型光選択吸収膜付カラー陰極線管の原
理の説明図である。
【図7】帯電防止処理型光選択吸収膜が形成されたフェ
ース・プレート部の概念を示す断面図である。
【符号の説明】
1    透明導電膜 2    帯電防止型光選択吸収膜 3    帯電防止処理型陰極線管 4    フェース・プレート部 5    高圧ボタン 6    ネック部 6a  リード線 7    偏向ヨーク 7a  リード線 8    金属製防爆バンド 9    取り付け耳 10  アース線 10Aアース 11  帯電防止処理型光選択吸収膜付カラー陰極線管
12  導電性テープ 13  染料粒子または分子 14  多孔質のシリカ系の膜 15  退色試験用水銀ランプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  官能基として−OH 基および−OR
     基(Rはアルキル基を示す)を有するシリコンアルコ
    キシドのアルコール溶液からなるベース塗料に、有機系
    または無機系の染料を混合した光選択吸収塗液を、カラ
    ー陰極線管のフェース・プレート部に塗布・成膜した光
    選択吸収膜付カラー陰極線管であって、該光選択吸収塗
    液の水素イオン指数(pH)が 2.7〜4.5の範囲
    である光選択吸収膜付カラー陰極線管。
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