JPH04220145A - 表面性状の優れた連続鋳造鋳片の製造方法 - Google Patents

表面性状の優れた連続鋳造鋳片の製造方法

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JPH04220145A
JPH04220145A JP2077791A JP2077791A JPH04220145A JP H04220145 A JPH04220145 A JP H04220145A JP 2077791 A JP2077791 A JP 2077791A JP 2077791 A JP2077791 A JP 2077791A JP H04220145 A JPH04220145 A JP H04220145A
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mold
coil
induction heating
heating
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JP2077791A
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Hideji Takeuchi
秀次 竹内
Kenichi Tanmachi
反町 健一
Toshikazu Sakuratani
桜谷 敏和
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶鋼を鋳型に注入しつ
つ順次冷却を行い、連続的に鋳片を下方に引き抜く鋼の
連続鋳造法(以下、連鋳と称す)、特にモールドパウダ
ーの噛み込みの少ない連鋳方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連鋳においては、一般に鋳型内の溶
鋼表面上にモールドパウダー(以下パウダーと略す)と
称する酸化物を基本成分とする粉体を供給する。このパ
ウダーを使用する目的は、■溶鋼表面を断熱し、輻射放
熱による溶鋼表面の凝固を防止する。■鋳型内で生成、
あるいは鋳型内へもち込まれた溶鋼中の特に Al2O
3を主成分とする非金属介在物を吸収し、この非金属介
在物が溶鋼中に取り込まれて凝固することを防止する。 ■パウダーは溶鋼の熱により溶融し、鋳型と凝固した鋳
片表面との間隙に入り、摩擦抵抗を小さくする潤滑剤の
役目をする。などである。
【0003】したがって、上記■と■の機能を効果的に
発揮させるには、パウダーを均一にかつ制御しながら溶
融させる必要がある。ただし、■の目的のためには添加
したパウダー全体が溶融してしまうと放熱が大きくなる
ため、溶鋼と接する部分は溶融状態であり、上方の部分
は半溶融あるいは固体のままに保たれていることが要求
される。
【0004】このように、パウダーの溶融状態を最適に
制御して■と■の機能を発揮させ、その上で連鋳鋳片の
表面性状を無欠陥に保つことは、鋳型内での溶鋼の初期
凝固により、大きく影響を受けることは公知である。こ
の初期凝固現象を支配する要因として、■鋳型の振動条
件、■鋳型と鋳片との摩擦(潤滑)条件、■メニスカス
近傍での抜熱条件、■鋳型内での溶鋼流動、などが挙げ
られる。
【0005】しかし、これまでの連鋳操業では、パウダ
ー自体の溶融特性(融点、粘性)や凝固特性(結晶化す
るか否か)、 Al2O3の吸収能などをパウダーの成
分を調整することによって行ってきた。パウダーを溶融
させる熱源は、もっぱら鋳型内溶鋼の持つ顕熱であり、
鋳型内の溶鋼の流動状態が変化すると、溶鋼からパウダ
ーへの熱流束は時間的にも、位置的にも変化してしまう
。したがって、溶鋼顕熱を利用するパウダーの溶融手段
は非常に不安定であり、鋳片表面性状にもばらつきが大
きかった。
【0006】またパウダーの溶融を制御するには、外部
から熱を与える手段が考えられ、以下のような従来技術
がある。まず、特開昭48−56525号公報には、鋳
型内に加熱手段を設け上記パウダーと溶鋼とを積極的に
攪拌して精錬する方法が開示され、加熱手段としては、
電極による電弧加熱が有利であるとしている。この方法
は、鋳型内で積極的に精錬を行なおうとするものであり
、本発明とは目的が異なる。また、電弧加熱は原理上、
電極の直下に向けてアークが飛ぶため、設備上の制約に
よって、所望の位置を選択的に加熱できない欠点がある
。さらに、通常電弧加熱によると、溶鋼内に激しい流動
が発生し、精錬のためには好適であるが、本発明の目的
としている鋳片表面性状の向上のためには、かえってス
ラグが溶鋼中に巻込まれて欠陥となり不都合であること
は、周知の事実である。
【0007】次に、特開昭61−63348号公報には
、鋳片の中心偏析を低減する手段として、メニスカス部
の温度を溶鋼の凝固点以上に加熱する技術が開示されて
いる。加熱手段として、鋳型と同一形状の加熱枠を鋳型
の上に積み重ね、溶鋼表面がこの加熱枠中に位置するよ
うにし、溶鋼表面は加熱枠に埋め込まれたヒーターによ
って加熱される。この「ヒーター」は特定されておらず
、具体的な例示もないためこの技術を実行するのは困難
である。 また、仮りにこの「ヒーター」を黒鉛を用いた直接通電
による加熱体とした場合、溶鋼表面のパウダーのみを溶
融状態に制御することはできず、溶鋼の深部まで加熱さ
れることになる。鋳片の中心偏析の改善にはよい手段か
もしれないが、本発明の目的とするところには使用でき
ない。
【0008】次に、特開昭56−68565号公報には
、本発明の目的に最も近い技術が開示されており、最適
な加熱手段として、平型の渦巻状コイルによる高周波誘
導加熱が掲げられている。この高周波誘導加熱によれば
、原理上溶鋼の表面直下のみが加熱され、本発明の目的
とするモールドパウダーの溶融を助けるばかりでなく、
電弧加熱のように溶鋼の激しい流動も発生しないため好
適な手段である。
【0009】しかし、実際にこの技術による加熱手段を
各種操業条件に対し実施してみると、後述するような障
害があり、現実には鋳片表面性状の向上に対し常に好効
果を得られないことが、本発明者らの実験により明らか
となった。平型の渦巻状コイルは例えば図12のような
形状であるが、これを用いると鋳型の幅中央部分の溶鋼
のみが加熱される。
【0010】ところで、連鋳鋳片の表面性状を劣化させ
る主原因は、■固相パウダー自体の噛み込み、■鋳型内
で生成、あるいは鋳型内へ持ち込まれた非金属介在物が
、溶融パウダーに吸収されず凝固シェルに取り込まれる
、などであり、これらの現象はいずれも、凝固シェルが
発達しはじめる鋳型近傍で起こる。したがって、鋳型の
幅中央部の溶鋼を加熱しても表面性状改善の効果は小さ
いと考えられ、事実、平型の渦巻状コイルでは最も重要
な凝固シェルが発達しはじめる鋳型壁近傍の溶鋼を加熱
できず、このコイルを用いた連鋳操業では、鋳片表面性
状の改善は少なかった。
【0011】一方、鋳型内溶鋼中には流動が存在するの
で、局所的な加熱でもよいと先の発明者らは指摘してい
るが、鋳型内溶鋼表面の流動はパウダーの巻き込みを防
止するため極力抑制しようとするのが一般的であり、こ
のために、溶鋼を供給するノズル孔の方向を下向きにし
たり、静磁場により表面流速を抑制する手段が提案され
ている。
【0012】また、この加熱用コイルには高周波電流が
流れるため、コイル導体のジュール発熱による溶損を防
ぐために冷却水を流すのが通常である。その上加熱効率
を高くするためには、加熱用コイルを溶鋼表面に接近さ
せる必要がある。これは、加熱用コイルにより励起され
る高周波磁界がコイルから離れるにしたがい、急激に減
衰するからである。
【0013】従って、鋳型内の溶鋼表面が急激に上昇し
た場合には水冷コイルが溶鋼内へ浸漬することになり、
銅製パイプが溶解して溶鋼と水との接触による水蒸気爆
発が発生する危険性が大きい。また逆に、溶鋼表面位置
が低下した場合には、必然的にコイルと被加熱物である
溶鋼表面との距離が大きくなり、加熱効率が低下して結
果的に所望の加熱が不可能になる。また、溶鋼とコイル
が接触しないまでも、接近しすぎることにより入熱エネ
ルギーが大きくなりすぎ、逆に熱バランスを崩してしま
い、初期凝固に悪影響を及ぼすことも考えられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の従来
技術の欠点を克服し、凝固シェルが発達しはじめる鋳型
壁近傍の溶鋼を加熱でき、鋳片の表面性状を改善できる
技術を提供することを目的とするものである。また本発
明は、溶鋼への熱供給速度を一定に保ち、しかも加熱手
段が溶鋼に接触し、破壊や水蒸気爆発等の生じる恐れの
ない表面性状の優れた連続鋳造鋳片の製造方法を提案す
ることを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、鋼
の連続鋳造を行うにあたり、鋳型の内周壁に沿った溶鋼
表層上方に1回巻き以上された誘導加熱用コイルを配置
し、それに高周波電流を印加し鋳型壁近傍の溶鋼を加熱
することを特徴とする表面性状の優れた連続鋳造鋳片の
製造方法であり、また望ましくは、鋳型内溶鋼表層の上
下動に応じて、誘導加熱用コイルから溶鋼への熱供給速
度が一定となるように制御するものである。
【0016】このとき溶鋼表面の位置の変動を検知する
手段として、加熱用コイルの出力が溶鋼表面位置の変動
により変化することを利用してもよいし、通常行われて
いる渦流式位置センサーやガンマ線式位置センサー等の
位置検出センサーによる情報を利用してもよい。さらに
、供給する熱エネルギー速度が一定となるようにするた
めには、加熱用電源を電気的に出力制御してもよいし、
加熱用コイルと溶鋼表面との距離を一定とするような機
械的な制御を行うこともできる。
【0017】
【作  用】一般に、導体に電流が流れるとその周辺に
磁場が誘起される。最も単純な場合として、1本の無限
長さの直線状導体にIアンペアの電流が流れた時、この
導体からrだけ離れた点での磁場の強さHは数1で与え
られる。数1 H=I/2πr  (A/m) この導体の近傍に溶鋼のような電気伝導度の大きな物質
があり、かつ複雑な形状のコイルに印加される電流が加
熱用の高周波電流の場合には、溶鋼内に励起される誘導
電流の大きさは単純には決定できないが、定性的には加
熱用のエネルギーQは数2のようにコイルに流れる電流
の2乗に比例し、コイルと溶鋼間の距離の2乗に反比例
する。
【0018】数2 Q〜(j2 /σ)〜〔(1/σ)・{H2 /(μ2
 δ2 )}〕〜(I2 /r2 )但し、jは誘導電
流密度、σは電気伝導度、μは透磁率、δは磁場の浸透
深さである。
【0019】したがって、一定の鋳造条件の場合に、一
定の熱エネルギーを溶鋼へ供給するには、常に印加電流
を一定にするか、コイルと溶鋼表面との距離を一定に保
つ必要がある。 一定に保つ制御を行わない場合には、溶鋼への入熱エネ
ルギーの供給速度が一定とならない。供給不足の場合に
はモールドパウダーの溶融状態が悪化し、鋳片と鋳型間
の潤滑が不十分となりブレークアウトの危険性があるほ
か、デッケルの発生などにより鋳片表面性状が著しく劣
化する。一方、供給過多の場合には初期凝固シェル厚み
が薄くなり、オシレーションによるオシレーションマー
ク深さが深くなり、表面欠陥(例えば表面への正偏析)
などを引き起こす。
【0020】本技術を達成するための必要条件である溶
鋼表面位置の検知にはいくつかの手段が考えられる。通
常の連鋳操業ではγ線を用いた溶鋼表面の位置検出を行
っているので、この信号を利用して熱エネルギー供給速
度が一定となるように自動制御する。一般にγ線による
よりも精度が高いとされる渦流式レベル計が利用できる
場合には、これを使用して同様の制御を行う。
【0021】ただし、この渦流式レベル計は鋳型内の溶
鋼表面上方から設置されるので、本技術の必須構成要素
である加熱用誘導コイルと空間的に干渉する場合がある
。この時には渦流式レベル計を使用せず、この加熱用誘
導コイルと溶鋼表面との距離の変動によって電源回路の
負荷のインピーダンスが変動することを利用し、電源の
出力変動を検知し、これを溶鋼表面位置の変動と対応さ
せてもよい。
【0022】一方、印加電流(正確には印加電力)を一
定に保つには、上記の各種手段により検知したコイルと
溶鋼表面との距離に基づき、かつ数2の考え方を基本に
して距離が小さくなったら印加電流を小さくするような
電気的制御を行う。また、溶鋼表層の位置検出に基づい
て溶鋼表面とコイルの距離が一定となるように、油圧や
エアシリンダー等を用いて機械的にコイルを上下に移動
する手段をとることもできる。
【0023】いずれの制御方法においても、溶鋼表面と
コイルとの距離を常時測定することになるので、万が一
溶鋼表面が異常に上昇しコイルと接触する危険性が生じ
た場合には、コイルを緊急的に上方へ退避させ得る機構
を持つことが望ましい。次に各種形状の鋳型に対して本
発明に係る1回巻き以上の誘導加熱用コイルを適用した
例を図1〜図4に示す。図12は従来技術の平型の渦巻
き状コイルであり、本発明の鋳型内周壁に沿って設けら
れたコイルとはその形状が全く異なる。
【0024】本発明で用いるコイルの巻き数は、コイル
の形状や必要とする入熱エネルギーなどにより変更され
、電力を最も効率よく供給できるように設計される。 場合によっては、1回巻きで充分な時もある。この誘導
加熱用コイルは冷却する必要があるため、図6(a)の
ように、コイル自体をパイプで構成し、このパイプに水
を流して冷却する。あるいは、図6(b)のようにコイ
ルの導線を銅板やアルミニウム板で挟み、この銅板やア
ルミニウム板に水冷銅パイプを接合して冷却することも
できる。
【0025】図1は円形断面のビレット、図2は角形断
面のビレットやブルーム、図3および図4は長方形断面
のスラブに対して本発明を適用した場合について示して
ある。いずれの場合もコイルが鋳型の内周壁に沿って配
置され、加熱効率の点から溶鋼表層部にできるだけ近づ
ける方がよい。もし全周に対してコイルを配置するのが
不可能な場合には図4のように分割してもよい。
【0026】つぎに、本発明の作用を図5を用いてより
具体的に説明する。同図中1は誘導加熱用コイル、2は
鋳型、3は溶鋼、4は凝固シェル、6はパウダーの未溶
融部、7はパウダーの溶融部である。誘導加熱用コイル
1に高周波電流を印加すると、同図中被加熱領域8に誘
導電流が発生し加熱されるが、この被加熱領域は本発明
ではコイルが鋳型内周壁に沿って配置されているため、
凝固シェル4の近傍になる。
【0027】この凝固シェルの近傍で未溶融パウダーの
噛み込みや、溶融パウダーに吸収されなかった非金属介
在物が凝固シェルに取り込まれる現象が発生するので、
本発明が提案しているように、この領域を加熱してパウ
ダーの溶融状態を確保することによって未溶融パウダー
の噛み込みや非金属介在物の凝固シェルへの取り込みが
防止できる。
【0028】なお、図中9は、コイル1により発生した
磁束が鋳型や周囲の構造物に達してこれらを加熱しない
ようにするための鉄製積層コアであり、通常は積層した
珪素鋼板(電磁鋼板とも言う)が用いられる。また、1
0はコイルや珪素鋼板を固定するとともに輻射熱からコ
イルを守る耐火物である。誘導加熱用コイルに供給する
高周波電流の周波数は特に限定しないが、本発明の目的
が溶鋼表層部のみへの入熱であるので、通常は1000
Hz以上の周波数を用いる。溶鋼への入熱深さは、磁場
の浸透深さδにより決まり、δは溶鋼の電気伝導度σと
磁場の周波数fとを用いて数3で表わせることが知られ
ている。
【0029】
【数3】
【0030】ここで、μは溶鋼の透磁率でほぼ真空中の
透磁率μ0 =4π×10−7に等しい。またωは角速
度であり、ω=2πfである。溶鋼のσとして 0.7
×106 (1/Ωm)を用いると、数3は数4となり
、必要に応じてfを変えることによってδを変え、入熱
深さを制御することができる。
【0031】
【数4】
【0032】前述した1000Hzの高周波電流を用い
ると、溶鋼面下約19mmまでに磁束が集中しこの領域
を加熱できる。空気中の磁場の強さは一般にコイルから
の距離の2乗に反比例して減衰するので、本発明で提案
したような鋳型内周壁に沿ってコイルを配置することに
より、溶鋼表面全体を加熱することなく、表面性状に最
も影響する凝固シェルの発達が開始する被加熱領域8に
入熱を集中できる。
【0033】次に図8は誘導加熱用コイルを用いた鋳型
において、溶鋼表層位置をγ線レベル計を用いて測定し
た場合の制御回路を示す模式図である。γ線発振器13
からのγ線の強弱をγ線受信器14で測定し、レベル信
号処理装置21に送り、溶鋼表面位置の判断を行い、電
気操作盤16、電源盤17により誘導加熱用コイル1へ
の印加電流が制御される。
【0034】また図10は本発明の他の実施例を示す模
式図であり、コイル1と溶鋼3表面との距離は、コイル
1自身の印加電流値の変動から検知し、コンピュータ2
0による信号処理と判断により、コイル上下駆動機構1
9へと動作指令を出し、溶鋼表面とコイル1との距離が
常に一定に保たれるように構成されている。このように
本発明は、従来の平型渦巻きコイルではなく、1巻き以
上の誘導加熱用コイルを鋳型の内周に沿って配するよう
にしたことによって、表面性状に最も影響が大きい凝固
シェルの発達開始領域に集中して加熱できるようになっ
た。これにより、パウダーの溶融状態を常に確保できる
ようになり、パウダー物性を調整する必要がなくなり自
由に選択できるようになった。これは供給される溶鋼の
温度に応じた入熱エネルギーの調整ができるようになっ
たためである。さらに、連鋳操業でよく認められる「ス
ラグ・リム」が解消されオッシレーションマーク深さが
浅くなった。
【0035】また、本発明ではコイルを鋳型の内周壁に
沿って配置するので、従来の平型渦巻き状コイルを使用
していた時には空間的に干渉していた溶鋼表面レベルの
渦流センサーが使用できるようになり、精度の高いレベ
ル制御が可能となった。これは、水冷コイルを用いる本
発明に対しては安全面で非常に有利である。
【0036】
【実施例】実施例1本発明をステンレス鋼の鋳造に適用
した例につき以下に述べる。鋳造条件は次の通りである
。鋼種はSUS430で、鋳片は幅1200mm厚さ 
200mm、鋳造速度は、1.1 m/min であっ
た。用いたコイルは図3のように配置した2回巻きの水
冷銅パイプからなり、図5のように、磁束を効果的に溶
鋼表層部に向ける工夫と、耐火物による保護を施した。 コイル下面と溶鋼表面との距離は55mmとした。
【0037】溶鋼表面には厚さ約40mmのパウダーが
あり、コイルは耐火物で保護されているので、パウダー
上面とコイルの耐火物下面との間隙は5mm程度であっ
た。 溶鋼表面レベルは通常用いられる渦流センサによるレベ
ル制御によって、±3mm以内に抑えられていた。印加
した高周波電流は約 10kHzであり、0から50k
Wの間で加熱用電力を変化させた。この電力の変化量は
、主としてタンディッシュから供給される溶鋼温度に依
存する。すなわち、溶鋼温度が低い鋳込み開始時や連鋳
の取鍋交換時(非定常部分)には大電力を、溶鋼温度が
比較的高く一定している鋳込み中期(定常部分)には小
電力を印加した。
【0038】図7には、本発明の方法(実施例)、従来
の平型渦巻きコイルを使う方法(従来法)、および加熱
を行なわない場合の3種類の鋳造を他の条件を一定にし
て行なった時のSUS430の鋳片表面のスラグの噛み
込み欠陥率を指標として比較した。同図から明らかなよ
うに、従来の平型渦巻きコイルでは、加熱を行なわない
場合と同等かわずかに優れているのに対し、本発明によ
れば、欠陥率は約1/5に低減された。ここでは、SU
S430の鋳造について実施例を示したが、同様の表面
性状の改善は普通鋼の連鋳に適用した場合も、またブル
ーム、ビレットの連鋳の場合にも確認された。
【0039】実施例2対象とした鋼種は低炭素鋼、連鋳
機の鋳型サイズは1200mm幅× 260mm厚みで
あり、4.0ton/min のスループット量で鋳造
した。この時に上方から誘導加熱用コイルを設置した時
の概念図を図3に示す。 この場合にはγ線レベル計を用いたので、図8に示すよ
うな制御回路により溶鋼表面とコイルとの距離を50m
mに保つように印加電流を制御した。
【0040】この実施例と同じ連鋳機、同じ誘導加熱用
コイルを用い、上記の電流制御をしなかった場合の操業
を比較例とし、実施例で製造された鋳片の表面品質(表
面のノロカミ個数を指数表示)と比較例のそれとを図9
に示す。この図より明らかなように、本発明の実施によ
り表面欠陥は顕著に減少した。実施例3実施例2と同じ
鋼種、同サイズの連鋳機で図10に模式的に示す方法で
行った。すなわち、コイルと溶鋼表面との距離はこのコ
イル自身の印加電流値の変動から検知し、コンピュータ
20による信号処理と判断により、図中に示したコイル
上下駆動機構19へと動作指令を出す。このようにして
コイルと溶鋼表面との距離を一定の50mmに制御した
時の溶鋼表面レベル信号、コイルの位置信号、印加電流
信号の経時変化を図11に示す。同図Aで示した期間は
、溶鋼表面が異常に上昇したことを検知したので、コイ
ルを上方に退避し、かつ印加電流を0にして危険を回避
した。この例で示した本発明の方法をとることによって
所期の目的が達せられ、実施例2に示したと同等の鋳片
表面品質が得られた。
【0041】
【発明の効果】本発明方法により、鋳片の表面性状に最
も影響が大きい凝固シェルの発達開始領域を集中して、
しかも一定の入熱エネルギーにより加熱することができ
、したがって鋳型内の熱バランス、ひいては初期凝固挙
動も一定になるため、製造された鋳片表面の品質が顕著
に向上した。
【0042】よって本発明により、高品質の製品が高歩
留りで得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す説明図で、(a)は平
面図、(b)は断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す説明図で、(a)は平
面図、(b)は断面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す説明図で、(a)は平
面図、(b)は断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示す説明図で、(a)は平
面図、(b)は断面図である。
【図5】本発明の作用を説明する要部断面図である。
【図6】(a)、(b)はそれぞれ本発明に係る誘導加
熱用コイルの斜視図である。
【図7】実施例における鋳片表面の噛み込み欠陥率を示
す特性図である。
【図8】γ線を利用したレベル計と加熱用電流制御回路
との組み合わせを示す説明図である。
【図9】本発明を実施した時としない時の鋳片品質を比
較したグラフである。
【図10】加熱用コイルの電流値変化を利用した湯面レ
ベル検知との組み合わせ例を示す説明図である。
【図11】図10を実施した時の諸信号を表す図である
【図12】従来の渦巻き状誘導コイルの斜視図である。
【符号の説明】
1  誘導加熱用コイル 2  連鋳鋳型 3  溶鋼 4  凝固シェル 5  浸漬ノズル 6  モールドパウダーの未溶融部 7  モールドパウダーの溶融部 8  被加熱領域 9  珪素鋼板製積層コア 10  耐火物 11  水冷用銅製パイプ 12  冷却用アルミニウム板 13  γ線発信器 14  γ線受信器 15  レベル信号処理装置 16  電気操作盤 17  電源盤 18  制御用コンピュータ 19  コイル高さ変更用駆動装置 20  コンピュータ 21  レベル信号処理装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  鋼の連続鋳造を行うにあたり、鋳型の
    内周壁に沿った溶鋼表層上方に1回巻き以上された誘導
    加熱用コイルを配置し、それに高周波電流を印加し鋳型
    壁近傍の溶鋼を加熱することを特徴とする表面性状の優
    れた連続鋳造鋳片の製造方法。
  2. 【請求項2】  鋳型内溶鋼表層の上下動に応じて、誘
    導加熱用コイルから溶鋼への熱供給速度が一定となるよ
    うに制御することを特徴とする請求項1記載の表面性状
    の優れた連続鋳造鋳片の製造方法。
  3. 【請求項3】  鋳型内溶鋼表層の上下動に応じて、誘
    導加熱用コイルへの電流値を制御することを特徴とする
    請求項2記載の表面性状の優れた連続鋳造鋳片の製造方
    法。
  4. 【請求項4】  鋳型内溶鋼表層の上下動に応じて、誘
    導加熱用コイルの位置を上下に制御することを特徴とす
    る請求項2記載の表面性状の優れた連続鋳造鋳片の製造
    方法。
  5. 【請求項5】  鋳型内溶鋼表層位置の変動を誘導加熱
    用コイルの出力の変動により検出することを特徴とする
    請求項2、3又は4記載の表面性状の優れた連続鋳造鋳
    片の製造方法。
  6. 【請求項6】  鋳型内溶鋼表層位置の変動を渦流式位
    置センサーやガンマ線方式の位置センサー等の位置検出
    センサーにより検出することを特徴とする請求項2、3
    又は4記載の表面性状の優れた連続鋳造鋳片の製造方法
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