JPH04218519A - 光ディスク用帯電防止性コート剤及び光ディスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】　 【産業上の利用分野】本発明は光ディスクの透明基板の
表面に保護膜形成のために塗布するコート剤に関する。 【０００２】 【従来の技術】一般に光ディスクは透明基板の一面に信
号読み出し或いは書込みを行うための金属膜等を形成し
、この金属膜表面に紫外線硬化性樹脂組成物を主成分と
するコート剤を塗布して保護膜を形成するようにしてい
る。また信号読み出し面である基板には何ら処理されて
いない。 【０００３】ここで上記保護膜及び基板は電気絶縁性で
あるため、静電気による帯電で異物や埃を吸着し、これ
により信号再生の際に読み取りエラーが生じデータ信頼
性を低下させていた。これを防止するため従来から保護
膜及び基板表面に帯電防止剤を塗布する手段、金属等の
導電性を有する無機物を紫外線硬化型樹脂中に分散させ
る手段或いは紫外線硬化型樹脂中に界面活性剤を溶解さ
せる手段などが採られている。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たもののうち帯電防止剤を塗布する手段は、帯電防止剤
の持久性がないために頻繁に塗布しなければならず、塗
布の回数が多くなればそれだけディスク表面を損傷する
可能性も高くなり、特にカートリッジに内蔵した光ディ
スクの表面に帯電防止剤を塗布するのは構造上困難であ
る。 【０００５】また、導電性を有する無機物を紫外線硬化
性樹脂組成物中に分散させる手段にあっては、信号読取
りレーザー光を乱反射させてしまう。更に、紫外線硬化
性樹脂組成物中に界面活性剤を溶解したものにあっては
、環境湿度に影響されやすく、界面活性剤自体が樹脂中
に徐々に滲み出ることで活性剤としての効果を発揮する
ものであるため、長期に亘って帯電防止効果を維持する
ことが困難で、且つ埃の吸着を抑えるほどの効果は発揮
しない。 【０００６】 【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するため、紫外線硬化型樹脂組成物中に、ポリエチレ
ングリコール等のポリオールに基づく構造を有する官能
性モノマーまたは官能性オリゴマーを例えば１０重量％
以上含有せしめ、更に必要に応じて過塩素酸リチウムを
所要量添加するようにし、或いは紫外線硬化性樹脂組成
物中に、ポリエチレングリコールに基づく構造を有する
官能性モノマー、オリゴマーを２０〜７０重量％、二塩
化窒化燐の３量体の塩素をヒドロキシエチルメタクリレ
ートで置換した置換体を２０〜７０重量％含有せしめた
。 【０００７】 【作用】紫外線硬化型樹脂組成物中に、ポリオールに基
づく構造を有する官能性モノマーまたは官能性オリゴマ
ーを含有せしめることで優れた帯電防止効果を発揮し、
特に過塩素酸リチウムを添加した場合には溶解した過塩
素酸リチウムのイオン導電性により帯電防止作用が生じ
、また二塩化窒化燐の３量体の塩素をヒドロキシエチル
メタクリレートで置換した置換体を添加することで充分
な硬度を維持しながら且つ粘度を下げることが出来る。 【０００８】 【実施例】以下に本発明の実施例を具体的な物質名を挙
げて説明する。本発明に係るコート剤は紫外線硬化型樹
脂組成物中にポリオールに基づく構造を持つ官能性モノ
マー、オリゴマーを含有せしめることで帯電防止効果を
有する成分を樹脂中に固定化したものである。 【０００９】本発明で用いる紫外線硬化性樹脂組成物と
しては、官能性モノマー、オリゴマーと光重合開始剤等
からなる。官能性モノマー、オリゴマーとしては、■ビ
ニル重合型モノマー及びオリゴマー、■エン／チオール
付加型モノマー及びオリゴマー等を挙げることができる
。 【００１０】■のビニル重合型モノマーとしては、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、分岐脂肪酸ビニル等のビ
ニルエステル、（メタ）アクリル酸アルキルエステル、
（メタ）アクリル酸グリシジルエステル、ジエチレング
リコール（メタ）アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ（メタ）アクリレート、トリメチロールプロパント
リ（メタ）アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
（メタ）アクリレート等の（メタ）アクリル酸エステル
、スチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン等の
芳香族不飽和炭化水素、クロルスチレン、クロルアクリ
ル酸エステル等の含塩素不飽和化合物及びこれらの混合
物等を挙げることができる。 【００１１】また、■のビニル重合型オリゴマーとして
は、エポキシ（メタ）アクリレート、ポリエステル（メ
タ）アクリレート、ポリエーテル（メタ）アクリレート
、ウレタン（メタ）アクリレート、シリコーン（メタ）
アクリレート等を挙げることができる。 【００１２】■のエン／チオール付加型モノマー、オリ
ゴマーのエン成分としては、ジアリルフタレート、トリ
アリルイソシアヌレート、ジアリリデンベンタエリスリ
トール等の多価アリル化合物及び前記ビニル重合性モノ
マーを挙げることができる。 【００１３】■のエン／チオール付加型モノマー、オリ
ゴマーのチオール成分としては、トリメチロールプロパ
ントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラ
チオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサチオ
グリコレート、トリスメルカプトプロピルイソシアヌレ
ートを挙げることができる。 【００１４】光重合開始剤としては、α開裂型の芳香族
カルボニル化合物、例えば、ベンゾイン、ベンゾインア
ルキルエーテル、ベンジルケタール、アセトフェノン誘
導体や、水素引き抜き型の芳香族カルボニル化合物、例
えば、ベンゾフェノン、キサントン、フルオレノン及び
その誘導体を挙げることができ、これらとアミン系化合
物との組合せも有効である。 【００１５】また、ポリエチレングリコールに基づく構
造を有する官能性モノマー、オリゴマーとしては、ポリ
エチレングリコールモノ（メタ）アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ（メタ）アクリレート、メトキシポ
リエチレングリコールモノ（メタ）アクリレート、ポリ
エチレングリコールポリプロピレングリコールモノ（メ
タ）アクリレート、ポリエチレングリコールポリテトラ
メチレングリコールモノ（メタ）アクリレート等を挙げ
ることができる。 【００１６】ここで、ポリオールに基づく構造を持つ官
能性モノマー及び官能性オリゴマーの含有割合は１０重
量％〜９０重量％とする。この理由は１０重量％未満の
場合には十分な帯電防止効果が得られない等の不利があ
り、９０重量％を超えるとコート材の硬度が低下し、デ
ィスクに外傷を受けやすくなる等の不利があるためであ
る。 【００１７】また本発明にあっては紫外線硬化型樹脂組
成物中に、過塩素酸リチウムを添加し溶解した過塩素酸
リチウムのイオン導電性によって帯電防止を発揮させる
ようにしてもよい。この場合添加する過塩素酸リチウム
の割合は１０重量％までとする。 【００１８】ここで、ポリエチレングリコールに基づく
構造を持つ官能性モノマー、オリゴマーの配合割合は少
な過ぎると充分な帯電防止効果が得られず、多過ぎると
膜硬度が不足するので、２０〜７０重量％とするのが適
当である。 【００１９】また、高硬度の膜を得るために、エポキシ
アクリレート或いはジベンタエリスリトールヘキサアク
リレート等の高粘度のモノマー、オリゴマーを配合して
もよいが、この場合には硬化前の樹脂組成物中の粘度が
高くなってしまい、効率的なスピンコート法による塗布
が不可能になる。この場合、溶剤による希釈も考えられ
るが、タクトタイムの設定などの観点から好ましくない
。 【００２０】そこで、二塩化窒化燐の３量体の塩素をヒ
ドロキシエチルメタクリレートで置換した置換体（３Ｐ
ＮＣ−ＨＥＭＡ置換体）を紫外線硬化型樹脂組成物中に
添加することが考えられる。この場合、３ＰＮＣ−ＨＥ
ＭＡ置換体の添加量が少ないと充分な膜硬度が得られず
、多過ぎると基板との密着性が不十分となるので３ＰＮ
Ｃ−ＨＥＭＡ置換体の添加量は２０〜７０重量％とする
のが好ましい。 【００２１】更に、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は
、抗酸化剤の添加、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタ
クル酸エチル、メタクリル酸メチル−２−ヒドロキシエ
チルアクリレート共重合体、ポリエチレングリコールに
基づく構造を持つ非イオン型界面活性剤の添加も可能で
ある。 【００２２】次に具体的な配合例を示した［実施例１］
乃至［実施例３］を挙げ、各実施例のコート剤を光ディ
スク基板上にスピンナによって塗布し紫外線硬化させた
保護膜の帯電圧特性をスタティックオネストメータにて
測定した結果を図１乃至図３に示す。 【００２３】［実施例１］ 　　エポキシアクリレート　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　……　　５重量部
　　トリメチロールプロパントリアクリレート　　　　
　　　　　　　　……２５重量部　　ネオペンチルグリ
コールジアクリレート　　　　　　　　　　　　　　…
…２０重量部　　２−メチル−２−ヒドロキシプロピオ
フェノン　　　　　　　　……　　４重量部　　ポリエ
チレングリコールジアクリレート　　　　　　　　　　
　　　　……５０重量部【００２４】［実施例２］ 　　エポキシアクリレート　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　……　　５重量部
　　トリメチロールプロパントリアクリレート　　　　
　　　　　　　　……２５重量部　　ネオペンチルグリ
コールジアクリレート　　　　　　　　　　　　　　…
…２０重量部　　ポリエチレングリコールジアクリレー
ト　　　　　　　　　　　　　　……４５重量部　　過
塩素酸リチウム　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　……　　５重量部　
　２−メチル−２−ヒドロキシプロピオフェノン　　　
　　　　　……　　４重量部【００２５】［実施例３］ 　　ポリエチレングリコールジアクリレート　　　　　
　　　　　　　　　……２５重量部　　３ＰＮＣ−ＨＥ
ＭＡ置換体　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　……３３重量部　　２−メチル−２−ヒド
ロキシプロピオフェノン　　　　　　　　……　　７重
量部　　ポリエチレングリコールモノアクリレート　　
　　　　　　　　　　……２５重量部　　ヘキサンジオ
ールジアクリレート　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　……１０重量部【００２６】図１乃至図３から
明らかなように、本発明に係るコート剤は十分な帯電防
止効果を発揮し、特に過塩素酸リチウムを添加すること
でその効果は更に改善されることが分る。そして、［実
施例３］の組成物について、回転粘度計を用いて粘度を
測定したところ、８０ｃｐｓ（２５℃）であった。 【００２７】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、紫
外線硬化型樹脂組成物中に、ポリエチレングリコール等
のポリオールに基づく構造を有する官能性モノマーまた
は官能性オリゴマーを含有せしめることで、帯電防止効
果及び光透過性に優れ高硬度のコート剤を得ることがで
き、特に過塩素酸リチウムを添加した場合には従来とは
全く異なる機構つまり溶解した過塩素酸リチウムのイオ
ン導電性による帯電防止がなされ、従来に比べその効果
は極めて顕著である。 【００２８】また紫外線硬化性樹脂組成物中に、ポリエ
チレングリコールに基づく構造を有する官能性モノマー
、オリゴマーを２０〜７０重量％、３ＰＮＣ−ＨＥＭＡ
置換体を２０〜７０重量％含有せしめることで、光ディ
スクの信号読み取り面に、生産性に優れたスピンコート
法で塗布することが可能になり、しかも優れた帯電防止
性を有し、異物や埃の吸着を抑制することができ、デー
タ読み取りの信頼性が向上し、更にディスクの反りの抑
制、耐擦傷性の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る帯電防止コート剤の帯電特性の測
定結果を示す線図

【図２】本発明に係る帯電防止コート剤の帯電特性の測
定結果を示す線図

【図３】本発明に係る帯電防止コート剤の帯電特性の測
定結果を示す線図

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　紫外線硬化型樹脂組成物中に、ポリオ
   ールに基づく構造を有する官能性モノマーまたは官能性
   オリゴマーを含有せしめたことを特徴とする光ディスク
   用帯電防止性コート剤。
2. 【請求項２】　　前記ポリオールはポリエチレングリコ
   ールであることを特徴とする請求項１に記載の光ディス
   ク用帯電防止性コート剤。
3. 【請求項３】　　前記紫外線硬化型樹脂組成物中に過塩
   素酸リチウムを添加したことを特徴とする請求項１に記
   載の光ディスク用帯電防止性コート剤。
4. 【請求項４】　　前記紫外線硬化性樹脂組成物中に、ポ
   リエチレングリコールに基づく構造を有する官能性モノ
   マー、オリゴマーを２０乃至７０重量％、二塩化窒化燐
   の３量体の塩素をヒドロキシエチルメタクリレートで置
   換した置換体を２０乃至７０重量％含むことを特徴とす
   る請求項１に記載の光ディスク用帯電防止性コート剤。
5. 【請求項５】　　前記紫外線硬化性樹脂組成物は、溶剤
   を含有することなく粘度が５００ｃｐｓ以下であること
   を特徴とする請求項４に記載の光ディスク用帯電防止性
   コート剤。