JPH04217976A - 新規hp530物質及びその製造法 - Google Patents

新規hp530物質及びその製造法

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JPH04217976A
JPH04217976A JP3072062A JP7206291A JPH04217976A JP H04217976 A JPH04217976 A JP H04217976A JP 3072062 A JP3072062 A JP 3072062A JP 7206291 A JP7206291 A JP 7206291A JP H04217976 A JPH04217976 A JP H04217976A
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JP
Japan
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substance
formula
pharmaceutically acceptable
acceptable salt
producing
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Application number
JP3072062A
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English (en)
Inventor
Naoki Abe
尚樹 阿部
Nobuyasu Enoki
伸康 榎
Yasuichi Nakakita
保一 中北
Hideaki Uchida
秀明 内田
Reiichi Sato
佐藤 令一
Shun Takeo
駿 竹尾
Nobuhiro Watanabe
信宏 渡辺
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Sapporo Breweries Ltd
Original Assignee
Sapporo Breweries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、新規な抗腫瘍性物質H
P530物質及びHP530物質誘導体またはその医薬
的に許容される塩、それらの製造法およびHP530物
質を有効成分として含有する抗腫瘍剤に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より微生物が、広範な化学構造上の
特徴を有する種々の抗腫瘍性物質を生産することが知ら
れている。その中の一群として、強い抗腫瘍性を有する
プルラマイシン群に属する抗腫瘍性物質がいくつか報告
されている。例えば、プルラマイシンA(ザ・ジャーナ
ル・オブ・アンティバイオティックス  シリーズA,
9巻,75頁,1956年)、ネオプルラマイシン(ザ
・ジャーナル・オブ・アンティバイオティックス,23
巻,354頁,1970年;30巻,1143頁,19
77年)、キダマイシン(ザ・ジャーナル・オブ・アン
ティバイオティックス,24巻,599頁,1971年
)、ヘダマイシン(ヘルベチカ・チミカ・アクタ,60
巻,896頁,1971年)、ルビフラビン類(ヘルベ
チカ・チミカ・アクタ,63巻,2446頁,1980
年;70巻,1217頁,1987年)、SS2102
0類(特開昭61−277682)、アンキノマイシン
(ザ・ジャーナル・オブ・アンティバイオティックス,
42巻,149頁,1989年)、アルトロマイシン(
ザ・ジャーナル・オブ・アンティバイオティックス,4
3巻,223頁,1990年)、DC92−B(ザ・ジ
ャーナル・オブ・アンティバイオティックス,43巻,
485頁,1990年)などが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の抗腫瘍性物質は
一般に該物質の有する活性の他に毒性が強いという共通
した問題点を持っている。本発明は、常に要求されてい
るところの、公知の抗腫瘍性物質よりも有効な医薬と成
りうる新規抗腫瘍性化合物を提供し、さらにその製造法
を確立することにより、この問題点を解決しようとする
ものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく土壌より微生物を多数分離し、その生産物
より抗腫瘍性物質の探索研究を行ったところ、千葉県市
川市の土壌より分離したストレプトミセス属に属する放
線菌が、培養物中に優れた抗腫瘍活性を有する新規なH
P530物質を生産することを見出し、またHP530
物質をデアセチル化またはアシル化することによりHP
530物質誘導体を生成し、それらの物理化学的性質並
びに生物学的性質を明らかにすることにより本発明を完
成した。すなわち、本発明は下記の一般式(1)で表さ
れる新規なHP530物質及びその医薬的に許容される
塩を提供するものであり、さらにストレプトミセス属に
属するHP530物質を生産する菌を培養し、その培養
物中より下記の一般式(1)で表されるHP530物質
を採取することを特徴とするHP530物質及びその医
薬的に許容される塩の製造法および該HP530物質を
デアセチル化またはアシル化することにより得られるH
P530物質誘導体及びその医薬的に許容される塩並び
に下記の一般式(1)で表されるHP530物質及びそ
の医薬的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤を提
供するものである。 【0005】 【化22】 〔式中、Xは炭素数2〜4のアシル基または水素原子を
示す。Yは炭素数2〜4のアシル基または水素原子を示
す。Zは次の式(a) ,式(b) または式(c) 
で表わされる基を示す。〕 【0006】 【化23】 【化24】 【化25】 【0007】上記一般式(1)の定義における炭素数2
〜4のアシル基とは、例えばアセチル基,プロピオニル
基,ブチリル基,イソブチル基などが挙げられる。 【0008】本発明において一般式(3)で表わされる
HP530物質誘導体を 【化26】 【0009】HP530D物質と称し、一般式(4)で
表わされるHP530物質誘導体を 【化27】 【0010】HP530E物質と称し、一般式(5)で
表わされるHP530物質誘導体を 【化28】 HP530G物質と称する。 【0011】また、上記のHP530D物質をデアセチ
ル化することにより得られる一般式(7)で表わされる
HP530物質誘導体を 【化29】 【0012】デアセチルHP530D物質と称し、HP
530E物質をデアセチル化することにより得られる一
般式(8)で表わされるHP530物質誘導体を【化3
0】 デアセチルHP530E物質と称する。 【0013】ここでいうところの「デアセチル化」とは
、HP530D物質またはHP530E物質のメタノー
ル中での脱アセチル化あるいは溶媒中、塩基で処理する
ことによる脱アセチル化を行うことを包含する。 【0014】本発明のHP530物質を生産するストレ
プトミセス・スピーシーズ・HP530株は、以下のよ
うな菌学的性質を有する。 (1) 形態的特徴 栄養菌糸は各種培地上でよく発達し、分断は起こさない
。分枝した栄養菌糸から形成される気菌糸はイエロ−系
あるいはホワイト系の色調を呈し10〜50個以上の胞
子の連鎖が認められ、直線状から曲線状をしている。胞
子表面は平滑でその大きさは0.6 ×1 〜1.2 
μmで円柱状である。菌核、胞子のう、遊走子は見出さ
れない。 【0015】(2) 各種培地における性状各種培地上
における培養性状を第1表に示す。 【0016】 【表1】 【0017】色調として(  )内に示す番号は、アイ
エスシーシー・エヌビーエス・カラー・ネーム・チャー
ト(ISCC−NBS Color−Name Cha
rt)に記載のものを用い、28℃、2週間目の各培地
における観察の結果である。 【0018】(3) 生理的性状 ■生育温度範囲(酵母エキス・麦芽エキス寒天、14日
間培養):15〜37℃■生育pH範囲(酵母エキス・
麦芽エキス寒天、28℃、14日間培養):pH5. 
5〜11. 4 ■ゼラチンの液化        :  陽性■デンプ
ンの加水分解    :  陽性■脱脂牛乳の凝固  
      :  陽性■脱脂牛乳のペプトン化  :
  陽性■硝酸塩の還元          :  陽
性■セルロ−スの分解      :  陰性■炭素源
の利用性(プリドハム・ゴドリ−プ寒天、28℃、14
日間培養): 利用するもの(L−アラビノ−ス、D−キシロ−ス、L
−ラムノ−ス、D−グルコ−ス、D−ガラクト−ス、D
−フルクト−ス、D−マンニト−ル、サリシン)利用し
ないもの(シュ−クロ−ス、ラフィノ−ス、イノシト−
ル)【0019】(4) 細胞壁組織 全菌体中のジアミノピメリン酸を分析した結果、LL型
であった。以上、HP530株の菌学的性状を要約する
と、LL−ジアミノピメリン酸を有し、気菌糸の形態は
直線状または曲線状で、胞子の表面は平滑である。気菌
糸の色調はイエロー系を呈し、栄養菌糸はイエロー系ま
たはパープル系の色調を呈する。可溶性色素は、ペプト
ン・酵母寒天でブラウンからオレンジ系の色素を生産す
る。 【0020】これらの諸性質からHP530株は、スト
レプトミセス(Streptomyces)属に属する
菌株と考えられ、「バージーズ・マニュアル・オブ・デ
ターミナテイ ブ・バクテリオロジー(Bergey’
s Manual of Determinative
 Bacteriology)」第8版及びISP報告
「インターナショナル・ジャーナル・オブ・システマテ
ィック・バクテリオロジー(Internationa
l Journalof Systematic Ba
cteriology)」第18巻、69頁、279頁
(1968年)、同19巻、391頁(1969年)、
同22巻、265頁(1972年)より検索した結果、
ストレプトミセス・フルオレセンス(Streptom
yces fluorescens)、ストレプトミセ
ス・プニセウス(Streptomyces puni
ceus)が近縁種として挙げられる。 【0021】しかし、ストレプトミセス・フルオレセン
スは基底菌糸の色調において本菌株とは異なり、ストレ
プトミセス・プニセウスはL−アラビノースを利用せず
、ブルーの可溶性色素を生産する点で異なる。したがっ
て、本菌株はストレプトミセス属に属する新菌株と考え
られ、ストレプトミセス・スピーシーズ(Strept
omyces sp.)HP530として、工業技術院
微生物工業技術研究所に微工研条寄第2786号(FE
RM BP−2786)として寄託されている。 【0022】本発明におけるHP530物質は、上記H
P530株を微生物が通常利用できる栄養源を含有する
培地に接種し、好気培養条件下で培養することにより、
生産することができる。HP530株は、他の多くの放
線菌に観察されるようにその性状が変化しやすいことか
ら、HP530物質生産株としては、上記HP530株
に加え、自然変異株、人工変異株(紫外線照射、コバル
ト60照射、化学変異誘起剤添加等による)、さらには
形質接合体、遺伝子組換え体であっても、HP530物
質を生産する能力を有するものは、すべて本発明に使用
できる。 【0023】栄養培地としては、一般に放線菌の培養に
使用される合成培地、半合成培地または天然培地のいず
れも使用可能である。例えば炭素源として、グルコース
、フラクトース、グリセリン、澱粉、デキストリン、糖
蜜、動植物油、さらには菌の資化性により、炭化水素、
アルコール類等も単独または組合せて使用できる。 窒素源としては、大豆粉、ペプトン、小麦胚芽、肉エキ
ス、酵母エキス、綿実粕、コーンスチープリカー、オー
トミール、ファーマメデイア(登録商標)、硫酸アンモ
ニウム、塩化アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸アンモニ
ウム、尿素、グルタミン酸ソーダなどの天然物あるいは
有機、無機の窒素化合物が、単独または組み合わせて用
いられる。そのほか必要に応じ、例えば炭酸カルシウム
、塩化ナトリウム、硫酸銅、塩化マンガン、塩化亜鉛を
はじめ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシ
ウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸及びその他のイオン
を生成することができる無機塩類を、単独または組み合
わせることにより用いることは有効である。さらに、H
P530株の生育を促進する物質、HP530物質の生
産を促進する物質、そして一般的な消泡剤、例えばシリ
コーンKM73(登録商標)、アデカノ−ル(登録商標
)なども適宜、添加することができる。 【0024】培養法としては、一般に抗生物質などの生
理活性物質生産に用いられる方法が利用されるが、好気
液体培養法、特に深部撹拌培養法が最も適している。培
養に適当な温度は、25〜37℃であるが、一般に30
℃で培養するのが望ましい。HP530物質の生産は、
培地あるいは培養条件により異なるが、通常3〜6日で
その蓄積量が最高に達する。培養物中のHP530物質
の蓄積量が最高に達した時点で培養を停止し、培養物か
ら目的物質を回収・精製する。 【0025】本発明におけるHP530物質の培養物か
らの回収・精製は、後記実施例に示すように、本物質が
脂溶性であるという特性を考慮し実施することができる
。すなわち、培養物を濾過または遠心分離により培養濾
液と菌体を含むケーキに分け、それぞれまたはどちらか
一方から各種溶媒(アセトン、クロロホルム、酢酸エチ
ルなど)を用いて本物質の抽出を行う。溶媒に移行した
HP530物質は以下の様な各種手法を用いて単離・精
製することができる。すなわち合成吸着剤(ダイヤイオ
ンHP−20/三菱化成社製、アンバーライトXAD−
2/ローム・アンド・ハース社製など)、ゲル濾過剤(
セファデックスLH−20/ファルマシア社製、トヨパ
ールHW−40/東ソー社製など)、さらに、シリカゲ
ル、セルロース、アルミナ、化学修飾シリカゲルなどの
担体を単独あるいは適宜組み合わせることによって有効
に行われる。 【0026】本発明のHP530物質をデアセチル化す
ることにより得られるHP530物質誘導体であるデア
セチルHP530D物質並びにデアセチルHP530E
物質の製造法としては、前述のHP530D物質または
HP530E物質を溶媒中に溶解し、−18℃乃至溶媒
リフラックス中、好ましくは室温中で撹拌して脱アセチ
ル化することにより、その反応液中にデアセチルHP5
30D物質またはデアセチルHP530E物質が生成す
る。また、HP530D物質あるいはHP530E物質
を溶媒に溶解し、必要に応じて通常利用しうる塩基で処
理すると、その反応液中にそれぞれデアセチルHP53
0D物質またはデアセチルHP530E物質が生成する
。 【0027】上記の製造法で用いられる溶媒として、メ
タノール、エタノール、クロロホルム、ジクロロメタン
、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられるが、好ま
しくはメタノールが用いられる。また、上記の製造法で
用いられる塩基として、水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウム、炭酸カルシウム、ピリジン、トリエチルアミン、
ソディウムメトキサイド、ソディウムエトキサイド等が
挙げられる。 【0028】本発明におけるデアセチルHP530D物
質及びデアセチルHP530E物質の反応液中からの回
収・精製は、後記実施例に示すように、本物質が脂溶性
であるという特性を考慮し実施することができる。すな
わち、各種溶媒(クロロホルム、酢酸エチルなど)を用
いて本物質の抽出を行い、溶媒に移行したデアセチルH
P530D物質及びデアセチルHP530E物質は以下
の様な各種手法を用いて単離・精製することができる。 すなわち合成吸着剤(ダイヤイオンHP−20/三菱化
成社製、アンバーライトXAD−2/ローム・アンド・
ハース社製など)、ゲル濾過剤(セファデックスLH−
20/ファルマシア社製、トヨパールHW−40/東ソ
ー社製など)、さらに、シリカゲル、セルロース、アル
ミナ、化学修飾シリカゲルなどの担体を単独あるいは適
宜組み合わせることによって有効に行われる。 【0029】HP530物質をアシル化剤と反応させて
HP530物質誘導体を製造する場合に使用するアシル
化剤としては、無水酢酸、塩化アセチル、無水プロピオ
ン酸、塩化プロピオニル、無水酪酸、塩化n−ブチリル
、塩化イソブチロイル、無水イソ酪酸等が使用できる。 温度条件は−10℃〜100℃がよい。また、このアシ
ル化反応には塩基の存在が必要であり、モノアシル体の
場合は酢酸ナトリウムが、ジアシル体の場合はピリジン
、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等が使わ
れる。 【0030】上記の製造法により得られた物質の物理化
学的性質を実施例中に示したが、さらに構造研究を行っ
た結果、HP530物質及びその誘導体の化学構造を前
記構造式のように決定した。以上のような物理化学的性
質に一致する公知の化合物は存在しないことによりHP
530物質及びその誘導体は新規な化合物であると認定
される。 【0031】本発明のHP530物質及びその誘導体の
塩の具体例としては、酸付加塩として塩酸、硫酸、リン
酸などとの無機塩類あるいは酢酸、乳酸、プロピオン酸
、マレイン酸、オレイン酸、パルミチン酸、クエン酸、
コハク酸、酒石酸、フマル酸、グルタミン酸、パントテ
ン酸、ラウリルスルホン酸などとの有機酸塩がある。 【0032】[作用]本発明におけるHP530物質及
びその誘導体の生物活性は以下の通りである。 【0033】イ)抗菌活性 本発明のHP530物質及びその誘導体の細菌及び真菌
に対する最小発育阻止濃度(MIC) を第2表に示す
。第2表から明らかなように、HP530物質及びその
誘導体は細菌及び真菌に対して抗菌活性を示した。 【0034】 【表2】 【0035】ロ)抗腫瘍活性 ■腹腔内にマウス繊維肉腫Meth−A細胞をマウス1
匹あたり1×106 個移植したCDF1 マウスに対
して、細胞移植後24時間後から1日1回、計4回生理
食塩水に溶解したHP530物質またはその誘導体を腹
腔内に投与したときの治療効果を延命効果で測定し、第
3表に示した。なお、表中の延命効果は、無処理群の平
均生存日数(C)に対する治療群の平均生存日数(T)
の比を百分率をもって表した。 【0036】 【表3】 【0037】■ヒト胎児の肺細胞をSV40ウイルスに
より腫瘍転換して得られた株化細胞W98に対する細胞
障害活性(IC100)を次の様にして調べた。すなわ
ち培養液中におけるW98細胞の生育に対しその培養液
にメタノール溶液として培養液が10%メタノール溶液
となるようにHP530物質またはその誘導体を加えた
ときの細胞障害性をW98細胞に対する100%生育阻
害濃度(IC100)として測定した。結果を第4表に
示す。その結果、W98細胞に対するHP530物質及
びその誘導体のIC100 は、非常に低濃度で有効で
あった。本結果と第3表から明らかなように、HP53
0物質及びその誘導体は抗腫瘍活性を示した。 【0038】 【表4】 【0039】ハ)急性毒性 CDF1 マウス3匹を用いた急性毒性試験において腹
腔内投与でHP530D物質は10mg/kg,HP5
30E物質及びHP530G物質及びデアセチルHP5
30D物質は20mg/kg、デアセチルHP530E
物質は5mg/kgで毒性を示さなかった。 【0040】本発明のHP530物質及びその誘導体を
実際に製剤化する場合は、前記構造式で表される化合物
と医薬的に受容な賦形剤などが用いられる。これらは、
経口投与用、非経口投与用のいずれであってもよい。 
 【0041】経口投与剤としては、通常散剤、錠剤、
乳剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤などの形態があり、内
服剤の賦形剤の具体例を挙げると、散剤、その他の内服
用粉末剤における賦形剤としては、乳糖、澱粉、デキス
トリン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、合成およ
び天然ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、重炭酸ナト
リウムなどが挙げられ、液剤における賦形剤としては、
水、グリセリン、単シロップなどが挙げられる。 【0042】非経口投与剤としては、注射剤等の形態が
あり、注射剤の場合は、無菌の水性または非水性の溶液
剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤
としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれ
る。非水溶性の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油
のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポ
リソルベート80等がある。このような組成物は、さら
に防腐剤、潤滑剤、乳化剤、分散剤のような補助剤を含
んでもよい。これらは、例えばバクテリア保留フイルタ
ーによる濾過、殺菌剤の配合または照射によって無菌化
される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用
前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用する
こともできる。上記の各製剤は常法に従って調製するこ
とができる。 【0043】本発明の前記構造式で表される化合物を製
剤として用いる場合は、通常大人に0.02〜200m
g/1日が経口的または非経口的に投与される。 【0044】 【実施例】以下に実施例を挙げて説明するが、これは一
例であり、本発明を限定するものではない。 【0045】実施例1 グルコース0.5%、オートミール3.0 %、ファー
マメディア(登録商標)1.0%、硫化マグネシウム0
.5%、塩化コバルト20ppm 、炭酸カルシウム0
.3%から成る液体培地をpH7.0 に調整し、この
培地100 mlを分注した500 ml三角フラスコ
を121 ℃で15分間滅菌し、ストレプトミセス・ス
ピーシーズ・HP530株(FERM BP−2786
)を寒天斜面培地上より上記三角フラスコに接種した。 30℃、4 日間振盪培養し1次種培養液を調製した。 上記1次種培養液を、同じ培地組成を持つ培地をそれぞ
れ500ml分注した2本の3リットル三角フラスコに
4%ずつ接種し、30℃、4日間振盪培養し2次種培養
液とした。2次種培養液を上記種培養液と同じ培地組成
の培地15リットルを張り込んだ30リットルジャーフ
ァーメンター2基に3 %ずつ植菌し培養温度30℃、
撹拌数250rpm、通気量1vvmの条件下4日間、
通気撹拌培養を行った。 【0046】培養終了後、培養液をシャープレス型遠心
濾過装置により菌体を含むケーキと濾液とに分離し、得
られた菌体を含むケーキを80%アセトン5リットルに
浸漬した。室温中3時間撹拌後、菌体等固形分を濾過に
より除去し、アセトン抽出液を得た。抽出液より減圧下
アセトンを除去、10倍濃縮し500 mlとした。こ
の濃縮液を1.5 リットルのn−ヘキサンで洗浄後、
残部を1.5 リットルの酢酸エチルで抽出を行い、こ
の酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下
で濃縮、油状抽出物1.4 gを得た。得られた油状抽
出物を少量のメタノールに溶解し、化学修飾シリカゲル
(YMC ODS−AQ 120−S50,ワイエムシ
ー社製)500 mlを充填したカラムにのせ0.15
% KH2 PO4(pH3.5)−メタノール混合液
(1:1)、0.15% KH2 PO4(pH3.5
)−メタノール混合液(2:3)、0.15% KH2
 PO4(pH3.5)−メタノール混合液(3:7)
で順次溶出、洗浄した。さらに、0.15% KH2 
PO4(pH3.5)−メタノール混合液(1:4)で
展開溶出するクロマトグラフィーを行った。W98細胞
に対して、細胞障害性を示す画分をまとめ、減圧下で濃
縮乾固し、油状活性画分を得た。この油状活性画分を少
量のクロロホルムに溶解し、シリカゲル分取用薄層板(
シリカゲル60,F254s,NO.13794,メル
ク社製)上にのせ、クロロホルム−メタノール混合液(
99:1,1%アンモニア水を含む)により展開するク
ロマトグラフィーを行った。薄層板からかきとった本物
質を含むシリカゲルより、クロロホルムを用いて溶出を
行った。得られたクロロホルム溶液を減圧下濃縮し、メ
タノ−ルを加えたところ黄赤色の沈澱が生じた。この沈
澱を濾過にて集めヘキサンで洗浄、減圧乾燥して純粋な
HP530D物質の黄赤色粉末17.6mgを得た。こ
の物質の物理化学的性質を以下に示す。この物質のW9
8細胞に対する細胞障害活性は前記した通りであった。 【0047】HP530D物質 イ)分子量および分子式615  ,  C35H37
NO9ロ)マススペクトル(FAB−MS/Pos .
)(M+H)+   m/z  616 ハ)高速液体クロマトグラフィーカプセルパックC18
カラム(4.6φ×250,資生堂社製)で0.15%
 KH2 PO4 (pH3.5 )/メタノール=2
/8の系で流速1ml/分のとき保持時間7.9分で溶
出した。 【0048】ニ)紫外部吸収スペクトルメタノール溶液
中で測定したスペクトルは第1図に示す通りである。 ホ)赤外部吸収スペクトル臭化カリウム錠で測定したス
ペクトルは第2図に示す通りである。 ヘ)水素核核磁気共鳴スペクトル重クロロホルム溶液中
で測定した400MHz 水素核核磁気共鳴スペクトル
は第3図に示す通りである。 【0049】ト)炭素核核磁気共鳴スペクトル重クロロ
ホルム溶液中でTMSを基準として測定した100MH
z 炭素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示す通りであ
る。 【0050】δ(ppm) :187.6(s),18
1.6(s),179.0(s),170.5(s),
167.5(s),159.2(s),156.3(s
),149.8(s),140.6(s),136.2
(s),134.0(d),133.2(d),130
.6(s),126.5(s),125.9(d),1
23.2(d),119.9(s),119.5(d)
,115.9(s),109.8(d),76.7(d
),70.3(d),64.1(d),61.6(d)
,59.1(s),57.7(s),42.2(t),
39.4(q),39.4(q),24.2(q),2
1.2(q),14.7(q),14.4(q),13
.9(q),13.9(q) 【0051】チ)溶解性 酸性水、メタノール、クロロホルムに可溶、酢酸エチル
、アセトンおよびn−ヘキサンに難溶、水に不溶リ)呈
色反応ドラーゲンドルフ試薬に陽性、バニリン硫酸に陽
性 ヌ)塩基性、中性、酸性の区別塩基性 ル)物質の性状および色黄赤色アモルファスパウダー【
0052】実施例2 実施例1で得られた培養濾液30リットルを30リット
ルの酢酸エチルで抽出し、得られた酢酸エチル層を減圧
濃縮してHP530D物質を含む溶液300 mlを得
た。以下、実施例1と同様に処理して純粋なHP530
D物質の黄赤色粉末8.2 mgを得た。この物質の物
理化学的性質及び細胞傷害活性は実施例1で得られた物
質と同じである。 【0053】実施例3 グルコース0.5%、オートミール3.0 %、ファー
マメディア(登録商標)1.0%、硫化マグネシウム0
.5%、塩化コバルト20ppm 、炭酸カルシウム0
.3%から成る液体培地をpH7.0 に調整し、この
培地100 mlを分注した500 ml三角フラスコ
を121 ℃で15分間滅菌し、ストレプトミセス・ス
ピーシーズ・HP530株(FERM BP−2786
)を寒天斜面培地上より上記三角フラスコに接種した。 30℃、4 日間振盪培養し1次種培養液を調製した。 上記1次種培養液を、同じ培地組成を持つ培地をそれぞ
れ500ml分注した3本の3リットル三角フラスコに
4%ずつ接種し、30℃、4日間振盪培養し2次種培養
液とした。2次種培養液を上記種培養液と同じ培地組成
の培地15リットルを張り込んだ30リットルジャーフ
ァーメンター3基に3 %ずつ植菌し培養温度30℃、
撹拌数250rpm、通気量1vvmの条件下4日間、
通気撹拌培養を行った。 【0054】培養終了後、培養液をシャープレス型遠心
濾過装置により菌体を含むケーキと濾液とに分離し、得
られた菌体を含むケーキを80%アセトン10リットル
に浸漬した。室温中3時間撹拌後、菌体等固形分を濾過
により除去し、アセトン抽出液を得た。抽出液より減圧
下アセトンを除去、10倍濃縮し1,000 mlとし
た。この濃縮液を3.0リットルのn−ヘキサンで洗浄
後、残部を3.0リットルの酢酸エチルで抽出を行い、
この酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧
下で濃縮、油状抽出物7.5gを得た。得られた油状抽
出物を少量のメタノールに溶解し、化学修飾シリカゲル
(YMC ODS−AQ 120−S50,ワイエムシ
ー社製)1,000mlを充填したカラムにのせ0.1
5% KH2 PO4(pH3.5)−メタノール混合
液(1:1)、0.15% KH2 PO4(pH3.
5)−メタノール混合液(2:3)、0.15% KH
2 PO4(pH3.5)−メタノール混合液(3:7
)で順次溶出、洗浄した。 さらに、0.15% KH2 PO4(pH3.5)−
メタノール混合液(1:4)で展開溶出するクロマトグ
ラフィーを行った。このクロマトグラフィーにおいてH
P530E、次いでHP530Dが溶出する。このうち
HP530Eを含む画分まとめ減圧下で濃縮乾固し、油
状活性画分を得た。この油状活性画分を少量のクロロホ
ルムに溶解し、シリカゲル分取用薄層板(シリカゲル6
0,F254s,NO.13794,メルク社製)上に
のせ、クロロホルム−メタノール混合液(95:5,1
%アンモニア水を含む)により展開するクロマトグラフ
ィーを行った。薄層板からかきとった本物質を含むシリ
カゲルより、クロロホルムを用いて溶出を行った。得ら
れたクロロホルム溶液を減圧下濃縮し、メタノ−ルを加
えたところ黄色の沈澱が生じた。この沈澱を濾過にて集
めヘキサンで洗浄、減圧乾燥して純粋なHP530E物
質の黄色粉末7.0mgを得た。この物質の物理化学的
性質を以下に示す。なお、この物質のW98細胞に対す
る細胞障害活性及び物理化学的性質は前記した通りであ
った。 【0055】HP530E物質 イ)分子量および分子式589  ,  C33H35
NO9 ロ)マススペクトル(FAB−MS/Pos 
.)(M+H)+  m/z  590 ハ)高速液体クロマトグラフィーカプセルパックC18
カラム(4.6φ×250,資生堂社製)で0.15%
 KH2 PO4 (pH3.5 )/メタノール=2
/8の系で流速1ml/分のとき保持時間5.5分で溶
出した。 【0056】ニ)紫外部吸収スペクトルメタノール溶液
中で測定したスペクトルは第4図に示す通りである。 ホ)赤外部吸収スペクトル臭化カリウム錠で測定したス
ペクトルは第5図に示す通りである。 ヘ)水素核核磁気共鳴スペクトル重ベンゼン溶液中で測
定した400MHz 水素核核磁気共鳴スペクトルは第
6図に示す通りである。 【0057】ト)炭素核核磁気共鳴スペクトル重ベンゼ
ン溶液中でTMSを基準として測定した100MHz 
炭素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示す通りである。 【0058】δ(ppm) :188.1(s),18
1.3(s),178.3(s),169.6(s),
167.8(s),159.4(s),156.3(s
),149.8(s),140.7(s),136.2
(s),133.6(d),131.1(s),126
.7(s),125.9(d),119.9(s),1
19.4(d),116.3(s),109.5(d)
,76.9(d),70.8(d),64.1(d),
61.7(d),58.0(s),57.4(s),4
3.0(t),39.7(q),39.7(q),24
.0(q),20.6(q),14.7(q),13.
8(q),13.8(q),13.6(q)  【0059】チ)溶解性 酸性水、メタノール、クロロホルム、ベンゼンに可溶、
酢酸エチル、アセトンおよびn−ヘキサンに難溶、水に
不溶 リ)呈色反応ドラーゲンドルフ試薬に陽性、バニリン硫
酸に陽性 ヌ)塩基性、中性、酸性の区別塩基性 ル)物質の性状および色 黄色アモルファスパウダー 【0060】実施例4 実施例3で得られた培養濾液45リットルを45リット
ルの酢酸エチルで抽出し、得られた酢酸エチル層を減圧
濃縮してHP530Eを含む溶液450mlを得た。以
下実施例3と同様に処理して純粋なHP530Eの黄色
粉末2.6mgを得た。なお、この物質の物理化学的性
質及び細胞障害活性は実施例3で得られた物質と同じで
ある。 【0061】実施例5 グルコ−ス0.5%、オートミール3.0 %、ファー
マメディア(登録商標)1.0%、硫化マグネシウム0
.5%、塩化コバルト20ppm 、炭酸カルシウム0
.3%から成る液体培地をpH7.0 に調整し、この
培地100 mlを分注した3本の500 ml容三角
フラスコを121 ℃で15分間滅菌し、ストレプトミ
セス・スピーシーズ・HP530株(FERM BP−
2786)を寒天斜面培地上より上記三角フラスコに接
種した。30℃、4 日間振盪培養し1次種培養液を調
製した。上記1次種培養液を、同じ培地組成を持つ培地
をそれぞれ500ml分注した11本の3リットル三角
フラスコに4%ずつ接種し、30℃、4日間振盪培養し
2次種培養液とした。2次種培養液を上記種培養液と同
じ培地組成の培地180リットルを張り込んだ300リ
ットルジャーファーメンターに3 %植菌し培養温度3
0℃、撹拌数250rpm、通気量1vvmの条件下4
日間、通気撹拌培養を行った。 【0062】培養終了後、培養液をシャープレス型遠心
濾過装置により菌体を含むケーキと濾液とに分離し、得
られた菌体を含むケーキを80%アセトン40リットル
に浸漬した。室温中3時間撹拌後、菌体等固形分を濾過
により除去し、アセトン抽出液を得た。抽出液より減圧
下アセトンを除去、10倍濃縮し4.0リットルとした
。 この濃縮液を4.0リットルのn−ヘキサンで洗浄後、
残部を12.0リットルの酢酸エチルで抽出を行い、こ
の酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下
で濃縮、油状抽出物109.8gを得た。得られた油状
抽出物を少量のメタノールに溶解し、化学修飾シリカゲ
ル(YMC ODS−AQ 120−S50,ワイエム
シー社製)2,000mlを充填したカラムにのせ0.
15% KH2 PO4(pH3.5)−メタノール混
合液(1:1)、0.15% KH2 PO4(pH3
.5)−メタノール混合液(2:3)、0.15% K
H2 PO4(pH3.5)−メタノール混合液(3:
7)で順次溶出、洗浄した。さらに、0.15% KH
2 PO4(pH3.5)−メタノール混合液(1:4
)で展開溶出するクロマトグラフィーを行った。このク
ロマトグラフィーにおいてHP530E、HP530D
次いでHP530Gの順に溶出する。 このうちHP530Gを含む画分まとめ減圧下で濃縮乾
固し、油状活性画分を得た。この油状活性画分を少量の
クロロホルムに溶解し、シリカゲル分取用薄層板(シリ
カゲル60,F254s,NO.13794,メルク社
製)上にのせ、クロロホルム−メタノール混合液(95
:5,1%アンモニア水を含む)により展開するクロマ
トグラフィーを行った。薄層板からかきとった本物質を
含むシリカゲルより、クロロホルムを用いて溶出を行っ
た。得られたクロロホルム溶液を減圧下濃縮し、メタノ
−ルを加えたところ黄色の沈澱が生じた。この沈澱を濾
過にて集めヘキサンで洗浄、減圧乾燥して純粋なHP5
30G物質の黄色粉末8.4mgを得た。この物質の物
理化学的性質を以下に示す。なお、この物質のW98細
胞に対する細胞障害活性は前記した通りであった。 【0063】HP530G物質 イ)分子量および分子式573  ,  C33H35
NO8 ロ)マススペクトル(FAB−MS/Pos 
.)(M+H)+  m/z  574 ハ)高速液体クロマトグラフィーカプセルパックC18
カラム(4.6φ×250,資生堂社製)で0.15%
 KH2 PO4 (pH3.5 )/メタノール=2
/8の系で流速1ml/分のとき保持時間10.8分で
溶出した。 【0064】ニ)紫外部吸収スペクトルメタノール溶液
中で測定したスペクトルは第7図に示す通りである。 ホ)赤外部吸収スペクトル臭化カリウム錠で測定したス
ペクトルは第8図に示す通りである。 ヘ)水素核核磁気共鳴スペクトル重ベンゼン溶液中で測
定した400MHz 水素核核磁気共鳴スペクトルは第
9図に示す通りである。 【0065】ト)炭素核核磁気共鳴スペクトル重ベンゼ
ン溶液中でTMSを基準として測定した100MHz 
炭素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示す通りである。 【0066】δ(ppm) :188.3(s),18
1.2(s),178.9(s),169.6(s),
163.4(s),159.4(s),156.2(s
),149.7(s),140.6(s),136.2
(s),133.5(d),133.5(d),131
.1(s),126.6(s),126.4(s),1
25.5(d),119.7(s),119.3(d)
,116.3(s),109.0(d),76.8(d
),70.8(d),64.2(d),58.0(s)
,42.9(t),39.7(q),39.7(q),
24.0(q),20.7(q),14.8(q),1
4.5(q),13.8(q),11.7(q)  【0067】チ)溶解性 酸性水、メタノール、クロロホルム、ベンゼンに可溶、
酢酸エチル、アセトンおよびn−ヘキサンに難溶、水に
不溶 リ)呈色反応ドラーゲンドルフ試薬に陽性、バニリン硫
酸に陽性 ヌ)塩基性、中性、酸性の区別塩基性 ル)物質の性状および色 黄色アモルファスパウダー 【0068】実施例6 実施例5で得られた培養濾液180リットルを60リッ
トルの酢酸エチルで抽出し、得られた酢酸エチル層を減
圧濃縮してHP530Gを含む溶液600mlを得た。 以下、実施例5と同様に処理して純粋なHP530Gの
黄色粉末1.6mgを得た。なお、この物質の生理化学
的性質及び細胞障害活性は実施例5で得られた物質と同
じである。 【0069】実施例7 実施例1および2で得たHP530D物質14.3mg
を28mlメタノール中に溶解し、室温中48時間反応
させた後メタノールを減圧下濃縮乾固し、HP530D
物質とデアセチルHP530D物質の混合黄赤色粉末を
得た。この混合物の粉末を少量のクロロホルムに溶解し
、シリカゲル分取用薄層板(シリカゲル 60,F25
4s,NO.13794,メルク社製)上にのせクロロ
ホルム−メタノール混合液(9:1)により展開するク
ロマトグラフィーを行った。薄層板からかきとったデア
セチルHP530D物質を含むシリカゲルより、クロロ
ホルム−メタノール混合液(1:1)を用いて溶出を行
った。得られたクロロホルム−メタノール混合液を減圧
下濃縮し、メタノールを加えたところ黄赤色の沈澱が生
じた。この沈澱を濾過にて集めヘキサンで洗浄、減圧乾
固して純粋なデアセチルHP530D物質の黄赤色粉末
12.3mgを得た。この物質の物理化学的性質を以下
に示す。なお、この物質のW98細胞に対する細胞障害
活性は前述した通りであった。 【0070】デアセチルHP530D物質イ)分子量お
よび分子式573  ,  C33H35NO8 ロ)
マススペクトル(FAB−MS/Pos .)(M+H
)+  m/z  574 ハ)高速液体クロマトグラフィーカプセルパックC18
カラム(4.6φ×250,資生堂社製)で0.15%
 KH2 PO4 (pH3.5 )/メタノール=1
/4の系で流速1ml/分のとき保持時間6.3分で溶
出した。 【0071】ニ)紫外部吸収スペクトルメタノール溶液
中で測定したスペクトルは第10図に示す通りである。 ホ)赤外部吸収スペクトル臭化カリウム錠で測定したス
ペクトルは第11図に示す通りである。 ヘ)水素核核磁気共鳴スペクトル重ベンゼン溶液中で測
定した400MHz 水素核核磁気共鳴スペクトルは第
12図に示す通りである。 【0072】ト)炭素核核磁気共鳴スペクトル重ベンゼ
ン溶液中でTMSを基準として測定した100MHz 
炭素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示す通りである。 【0073】δ(ppm) :187.9(s),18
1.3(s),178.3(s),167.1(s),
159.7(s),156.4(s),149.6(s
),141.5(s),136.2(s),133.4
(d),133.3(d),131.1(s),126
.6(s),125.7(d),124.0(d),1
19.9(s),119.2(d),116.5(s)
,109.9(d),71.2(d),69.0(d)
,67.3(d),61.5(d),59.0(s),
58.0(s),37.1(t),37.0(q),3
7.0(q),24.0(q),17.4(q),14
.4(q),13.7(q),13.3(q) 【0074】チ)溶解性 酸性水、メタノール、クロロホルム、ベンゼンに可溶、
酢酸エチル、アセトンおよびn−ヘキサンに難溶、水に
不溶 リ)呈色反応ドラーゲンドルフ試薬に陽性、バニリン硫
酸に陽性 ヌ)塩基性、中性、酸性の区別塩基性 ル)物質の性状および色 黄赤色アモルファスパウダー 【0075】実施例8 実施例3および4で得たHP530E物質8.0mgを
16mlメタノール中に溶解し、室温中48時間反応さ
せた後、メタノールを減圧下濃縮乾固し、HP530E
物質とデアセチルHP530E物質の混合黄色粉末を得
た。 この混合物の粉末を少量のクロロホルムに溶解し、シリ
カゲル分取用薄層板(シリカゲル 60,F254s,
NO.13794,メルク社製)上にのせクロロホルム
−メタノ−ル混合液(9:1)により展開するクロマト
グラフィーを行った。薄層板からかきとったデアセチル
HP530E物質を含むシリカゲルより、クロロホルム
−メタノール混合液(1:1)を用いて溶出を行った。 得られたクロロホルム−メタノール混合液を減圧下濃縮
し、メタノールを加えたところ黄色の沈澱が生じた。こ
の沈澱を濾過にて集めヘキサンで洗浄、減圧乾固して純
粋なデアセチルHP530E物質の黄色粉末5.5mg
を得た。この物質の物理化学的性質を以下に示す。なお
、この物質のW98細胞に対する細胞障害活性は、前述
した通りであった。 【0076】デアセチルHP530E物質イ)分子量お
よび分子式547  ,  C31H33NO8 ロ)
マススペクトル(FAB−MS/Pos .)(M+H
)+  m/z  548 ハ)高速液体クロマトグラフィーカプセルパックC18
カラム(4.6φ×250,資生堂社製)で0.15%
 KH2 PO4 (pH3.5 )/メタノール=1
/3の系で流速1ml/分のとき保持時間6.5分で溶
出した。 【0077】ニ)紫外部吸収スペクトルメタノール溶液
中で測定したスペクトルは第13図に示す通りである。 ホ)赤外部吸収スペクトル臭化カリウム錠で測定したス
ペクトルは第14図に示す通りである。 ヘ)水素核核磁気共鳴スペクトル重ベンゼン溶液中で測
定した400MHz 水素核核磁気共鳴スペクトルは第
15図に示す通りである。 【0078】ト)炭素核核磁気共鳴スペクトル重ベンゼ
ン溶液中でTMSを基準として測定した100MHz 
炭素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示す通りである。 【0079】δ(ppm) :187.9(s),18
1.3(s),178.3(s),167.9(s),
159.7(s),156.3(s),149.7(s
),141.5(s),136.2(s),133.3
(d),131.1(s),126.7(s),125
.8(d),119.2(s),119.2(d),1
16.5(s),109.4(d),71.2(d),
69.0(d),67.4(d),61.8(d),5
8.0(s),57.4(s),37.0(t),37
.0(q),37.0(q),24.0(q),17.
4(q),13.7(q),13.6(q),13.3
(q)  【0080】チ)溶解性 酸性水、メタノール、クロロホルム、ベンゼンに可溶、
酢酸エチル、アセトンおよびn−ヘキサンに難溶、水に
不溶 リ)呈色反応ドラーゲンドルフ試薬に陽性、バニリン硫
酸に陽性 ヌ)塩基性、中性、酸性の区別塩基性 ル)物質の性状および色 黄色アモルファスパウダー 【0081】実施例9 グルコース0.5%、オートミール3.0 %、ファー
マメディア(登録商標)1.0%、硫化マグネシウム0
.5%、塩化コバルト20ppm 、炭酸カルシウム0
.3%から成る液体培地をpH7.0 に調整し、この
培地100 mlを分注した500 ml容三角フラス
コを121 ℃で15分間滅菌し、ストレプトミセス・
スピーシーズ・HP530株(FERM BP−278
6)を寒天斜面培地上より上記三角フラスコに接種した
。30℃、4 日間振盪培養し1次種培養液を調製した
。上記1次種培養液を、同じ培地組成を持つ培地をそれ
ぞれ500ml分注した3本の3リットル三角フラスコ
に4%ずつ接種し、30℃、4日間振盪培養し2次種培
養液とした。2次種培養液を上記種培養液と同じ培地組
成の培地15リットルを張り込んだ30リットルジャー
ファーメンター3基に3%ずつ植菌し培養温度30℃、
撹拌数250rpm、通気量1vvmの条件下4日間、
通気撹拌培養を行った。 【0082】培養終了後、培養液をシャープレス型遠心
濾過装置により菌体を含むケーキと濾液とに分離し、得
られた菌体を含むケーキを80%アセトン10リットル
に浸漬した。室温中3時間撹拌後、菌体等固形分を濾過
により除去し、アセトン抽出液を得た。抽出液より減圧
下アセトンを除去、10倍濃縮し1,000mlとした
。この濃縮液を3.0リットルのn−ヘキサンで洗浄後
、残部を3.0リットルの酢酸エチルで抽出を行い、こ
の酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下
で濃縮、油状抽出物7.5gを得た。得られた油状抽出
物を少量のメタノールに溶解し、化学修飾シリカゲル(
YMC ODS−AQ 120−S50,ワイエムシー
社製)1,000mlを充填したカラムにのせ0.15
% KH2 PO4(pH3.5)−メタノール混合液
(1:1)、0.15% KH2 PO4(pH3.5
)−メタノール混合液(2:3)、0.15% KH2
 PO4(pH3.5)−メタノール混合液(3:7)
で順次溶出、洗浄した。 さらに、0.15% KH2 PO4(pH3.5)−
メタノール混合液(1:4)で展開溶出するクロマトグ
ラフィーを行った。このクロマトグラフィーにおいてH
P530E物質、次いでHP530E物質とHP530
H物質の混合画分、HP530D物質がこの順に溶出す
る。このうちHP530E物質とHP530H物質の混
合画分をまとめ、減圧下で濃縮乾固し、油状活性画分を
得た。この油状活性画分を少量のクロロホルムに溶解し
、シリカゲル分取用薄層板(シリカゲル60,F254
s,NO.13794,メルク社製)上にのせ、クロロ
ホルム−メタノール混合液(100:1,1%アンモニ
ア水を含む)により展開するクロマトグラフィーを行っ
た。薄層板からかきとったHP530H物質を含むシリ
カゲルより、クロロホルムを用いて溶出を行った。得ら
れたクロロホルム溶液を減圧下濃縮し、メタノールを加
えたところ黄色の沈澱が生じた。この沈澱を濾過にて集
めヘキサンで洗浄、減圧乾燥して純粋なHP530H物
質の黄色粉末3.5mgを得た。この物質の物理化学的
性質を以下に示す。なお、この物質は前記の物質と同様
にW98細胞に対して細胞障害活性を有する。 【0083】HP530H物質 イ)分子量および分子式589  ,  C33H35
NO9 ロ)マススペクトル(FAB−MS/Pos 
.)(M+H)+  m/z  590 ハ)高速液体クロマトグラフィー カプセルパックC18カラム(4.6φ×250 ,資
生堂社製)で0.15% KH2 PO4 (pH3.
5 )/メタノール=1/3の系で流速1ml/分のと
き保持時間7.1分で溶出した。 【0084】ニ)紫外部吸収スペクトルメタノール溶液
中で測定したスペクトルは第16図に示す通りである。 ホ)赤外部吸収スペクトル臭化カリウム錠で測定したス
ペクトルは第17図に示す通りである。 ヘ)水素核核磁気共鳴スペクトル 重ベンゼン溶液中で測定した400MHz 水素核核磁
気共鳴スペクトルは第18図に示す通りである。 【0085】ト)炭素核核磁気共鳴スペクトル重ベンゼ
ン溶液中でTMSを基準として測定した100MHz 
炭素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示す通りである。 【0086】δ(ppm) :188.0(s),18
1.2(s),178.3(s),170.3(s),
167.7(s),158.9(s),156.3(s
),149.8(s),139.9(s),136.2
(s),133.8(d),131.3(s),126
.6(s),125.8(d),119.9(s),1
19.3(d),116.4(s),109.7(d)
,72.0(d),71.7(d),70.4(d),
63.6(d),61.5(d),57.3(s),3
8.2(t),37.5(q),37.5(q),24
.0(q),20.9(q),18.2(q),13.
7(q),13.5(q),11.7(q)  【0087】チ)溶解性 酸性水、メタノール、クロロホルム、ベンゼンに可溶、
酢酸エチル、アセトンおよびn−ヘキサンに難溶、水に
不溶 リ)呈色反応 ドラーゲンドルフ試薬に陽性、バニリン硫酸に陽性ヌ)
塩基性、中性、酸性の区別塩基性 ル)物質の性状および色 黄色アモルファスパウダー 【0088】実施例10 実施例9で得られた培養濾液45リットルを45リット
ルの酢酸エチルで抽出し、得られた酢酸エチル層を減圧
濃縮してHP530H物質を含む溶液450mlを得た
。 以下、実施例9と同様に処理して純粋なHP530H物
質の黄色粉末1.0mgを得た。この物質の物理化学的
性質及び細胞障害活性は実施例9で得られた物質と同じ
である。 【0089】実施例11 HP530D物質9.2mgをピリジン1.0ml中に
溶解し、氷冷下、無水プロピオン酸0.2mlを加え、
室温中48時間撹拌した。反応液を氷水10ml中に注
ぎ、クロロホルム20mlで2回抽出を行った。水層と
クロロホルム層に分離後、クロロホルム層を50mlの
蒸留水で洗浄、次いで、飽和食塩水50mlで洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥した。硫酸ナトリウムを
濾過にて除き、得られたクロロホルム溶液を、減圧下濃
縮し、黄色油状物質を得た。この油状物質を少量のクロ
ロホルムに溶解し、シリカゲル分取用薄層板(シリカゲ
ル60, F254s, No.13794,メルク社
製)上にのせ、クロロホルム−メタノール混合液(50
:1)により展開するクロマトグラフィーを行った。薄
層板からかきとった本物質を含むシリカゲルより、50
mlのクロロホルムを用いて溶出を行った。得られたク
ロロホルム溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム水50ml
で洗浄し、分離後、クロロホルム層を減圧下、濃縮乾固
し黄色の11−O−プロピオニルHP530D物質5.
0mgを得た。この物質の物理化学的性質を以下に示す
。 【0090】11−O−プロピオニルHP530D物質
イ)分子量および分子式671  ,  C38H41
NO10ロ)マススペクトル(FAB−MS/Pos 
.)(M+H)+  m/z  672 ハ)20℃での比旋光度 +101.7゜(c  0.1,CHCl3 )【00
91】ニ)紫外部吸収スペクトル[ メタノール中での
吸収極大、nm(ε)] 240(32,800),263(27,900),3
61(7,100)ホ)赤外部吸収スペクトル(KBr
錠剤中での吸収極大、cm−1)  2940,1775,1750,1685,1665,
1600 【0092】ヘ)水素核核磁気共鳴スペクト
ルクロロホルム溶液中でTMSを基準として測定した4
00MHz 水素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示す
通りである。 【0093】δ(ppm) :8.22(1H,d),
8.06(1H,d),8.01(1H,s),6.4
8(1H,s),6.03(1H,dq),5.40(
1H,dd),5.32(1H,br),5.21(1
H,d),4.31(1H,dq),4.08(1H,
d),2.99(3H,s),2.82(2H, q)
,2.28(6H,s),2.19(3H,s)1.8
8(3H,d),1.80(3H,s),1.41(3
H,d),1.38(3H,t),1.02(3H,s
)【0094】ト)呈色反応 バニリン硫酸,ドラーゲンドルフ試薬に陽性チ)物質の
性状および色黄色アモルファスパウダーリ)薄層クロマ
トグラフィー(シリカゲル)CHCl3/MeOH=5
0/1、  Rf=0.42 【0095】実施例12 HP530D物質11.0mgを20mlメタノール中
に溶解し、室温中48時間反応させた後、メタノールを
減圧下濃縮乾固し、定量的にデアセチルHP530D物
質を得た。得られたデアセチルHP530D物質をピリ
ジン1.0ml中に溶解し、氷冷下、無水プロピオン酸
0.2mlを加え、室温中48時間撹拌した。反応液を
、氷水10ml中に注ぎ、クロロホルム20mlで2回
抽出を行った。水層とクロロホルム層に分離後、クロロ
ホルム層を50mlの蒸留水で洗浄、次いで、飽和食塩
水50mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥し
た。硫酸ナトリウムを濾過にて除き、得られたクロロホ
ルム溶液を、減圧下濃縮し、黄色油状物質を得た。この
油状物質を少量のクロロホルムに溶解し、シリカゲル分
取用薄層板(シリカゲル60, F254s, No.
13794,メルク社製)上にのせ、クロロホルム−メ
タノール混合液(50:1)により展開するクロマトグ
ラフィーを行った。薄層板からかきとった本物質を含む
シリカゲルより、50mlのクロロホルムを用いて溶出
を行った。得られたクロロホルム溶液を、飽和炭酸水素
ナトリウム水50mlで洗浄し、分離後、クロロホルム
層を減圧下、濃縮乾固し黄色のデアセチル3’,11−
O−ジプロピオニルHP530D物質7.3mgを得た
。この物質の物理化学的性質を以下に示す。 【0096】デアセチル3’,11−O−ジプロピオニ
ルHP530D物質 イ)分子量および分子式685  ,  C39H43
NO10ロ)マススペクトル(FAB−MS/Pos 
.)(M+H)+  m/z  686 ハ)20℃での比旋光度 +110.7゜(c  0.1,CHCl3)【009
7】ニ)紫外部吸収スペクトル[ メタノール中での吸
収極大、nm(ε)] 240(36,900),263(31,300),3
60(7,800)ホ)赤外部吸収スペクトル(KBr
錠剤中での吸収極大、cm−1) 2960,1790
,1755,1695,1675,1605 【009
8】ヘ)水素核核磁気共鳴スペクトルクロロホルム溶液
中でTMSを基準として測定した400MHz 水素核
核磁気共鳴スペクトルは以下に示す通りである。 【0099】δ(ppm) :8.22(1H,d),
8.08(1H,d),8.01(1H,s),6.4
9(1H,s),6.03(1H,dq),5.38(
1H,dd),5.32(1H,br),5.23(1
H,d),4.31(1H,dq),4.08(1H,
d),3.00(3H,s),2.82(2H,br,
q),2.48(2H,q),2.28(6H,s),
1.88(3H,d),1.80(3H,s),1.4
2(3H,d),1.37(3H,t),1.23(3
H,t),1.01(3H,s)【0100】ト)呈色
反応 バニリン硫酸,ドラーゲンドルフ試薬に陽性チ)物質の
性状および色黄色アモルファスパウダーリ)薄層クロマ
トグラフィー(シリカゲル)CHCl3/MeOH=5
0/1、  Rf=0.48【0101】実施例13 HP530D物質8.6mgをピリジン1.0ml中に
溶解し、氷冷下、無水酪酸0.2mlを加え、室温中4
8時間撹拌した。反応液を氷水10ml中に注ぎ、クロ
ロホルム20mlで2回抽出を行った。水層とクロロホ
ルム層に分離後、クロロホルム層を50mlの蒸留水で
洗浄、次いで、飽和食塩水50mlで洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで一晩乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過にて
除き、得られたクロロホルム溶液を、減圧下濃縮し、黄
色油状物質を得た。この油状物質を少量のクロロホルム
に溶解し、シリカゲル分取用薄層板(シリカゲル60,
 F254s, No.13794,メルク社製)上に
のせ、クロロホルム−メタノール混合液(50:1)に
より展開するクロマトグラフィーを行った。薄層板から
かきとった本物質を含むシリカゲルより、50mlのク
ロロホルムを用いて溶出を行った。得られたクロロホル
ム溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水50mlで洗浄し、
分離後、クロロホルム層を減圧下、濃縮乾固し黄色の1
1−O−ブチリルHP530D物質5.4mgを得た。 この物質の物理化学的性質を以下に示す。 【0102】11−O−ブチリルHP530D物質イ)
分子量および分子式685,  C39H43NO10
ロ)マススペクトル(FAB−MS/Pos .)(M
+H)+  m/z  686 ハ)20℃での比旋光度 +94.8゜(c  0.1、CHCl3)【0103
】ニ)紫外部吸収スペクトル[ メタノール中での吸収
極大、nm(ε)] 238(40,400),260(sh 35,500
),358(8,900) ホ)赤外部吸収スペクトル
(KBr錠剤中での吸収極大、cm−1) 2930,
1770,1745,1680,1655,1590 
ヘ)水素核核磁気共鳴スペクトル クロロホルム溶液中でTMSを基準として測定した40
0MHz 水素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示す通
りである。 【0104】δ(ppm) :8.22(1H,d),
8.05(1H,d),8.00(1H,s),6.4
8(1H,s),6.02(1H,dq),5.38(
1H,dd),5.30(1H,br),5.22(1
H,d),4.30(1H,dq),4.07(1H,
d),3.00(3H,s),2.79(2H,br)
,2.28(6H,s),2.18(3H,s),1.
90(2H,tq),1.87(3H,d),1.80
(3H,s),1.41(3H,d),1.10(3H
,t),1.01(3H,s) 【0105】ト)呈色
反応 バニリン硫酸,ドラーゲンドルフ試薬に陽性チ)物質の
性状および色黄色アモルファスパウダーリ)薄層クロマ
トグラフィー(シリカゲル)CHCl3/MeOH=5
0/1、  Rf=0.45【0106】実施例14 HP530D物質9.2mgを20mlメタノール中に
溶解し、室温中48時間反応させた後、メタノールを減
圧下濃縮乾固し、定量的にデアセチルHP530D物質
を得た。得られたデアセチルHP530D物質をピリジ
ン1.0ml中に溶解し、氷冷下、無水酪酸0.2ml
を加え、室温中48時間撹拌した。反応液を、氷水l0
ml中に注ぎ、クロロホルム20mlで2回抽出を行っ
た。水層とクロロホルム層に分離後、クロロホルム層を
50mlの蒸留水で洗浄、次いで、飽和食塩水50ml
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥した。硫酸ナ
トリウムを濾過にて除き、得られたクロロホルム溶液を
、減圧下濃縮し、黄色油状物質を得た。この油状物質を
少量のクロロホルムに溶解し、シリカゲル分取用薄層板
(シリカゲル60, F254s, No.13794
,メルク社製)上にのせ、クロロホルム−メタノール混
合液(50:1)により展開するクロマトグラフィーを
行った。薄層板からかきとった本物質を含むシリカゲル
より、50mlのクロロホルムを用いて溶出を行った。 得られたクロロホルム溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム
水50mlで洗浄し、分離後、クロロホルム層を減圧下
、濃縮乾固し黄色のデアセチル3’,11−O−ジブチ
リルHP530D物質6.4mgを得た。 この物質の物理化学的性質を以下に示す。 【0107】デアセチル3,11−O−ジブチリルHP
530D物質 イ)分子量および分子式713  ,  C41H47
NO10ロ)マススペクトル(FAB−MS/Pos 
.)(M+H)+  m/z  714 ハ)20℃での比旋光度 +80.2゜(c  0.1、CHCl3)【0108
】ニ)紫外部吸収スペクトル[ メタノール中での吸収
極大、nm(ε)] 238(32,000),260(sh 31,700
),360(6,900) ホ)赤外部吸収スペクトル
(KBr錠剤中での吸収極大、cm−1) 2930,
1775,1740,1680,1660,1590 
ヘ)水素核核磁気共鳴スペクトル クロロホルム溶液中でTMSを基準として測定した40
0MHz 水素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示す通
りである。 【0109】δ(ppm) :8.22(1H,d),
8.06(1H,d),8.01(1H,s),6.4
8(1H,s),6.03(1H,dq),5.38(
1H,dd),5.32(1H,br),5.24(1
H,d),4.29(1H,dq),4.06(1H,
d),3.00(3H,s),2.79(2H,br)
,2.40(2H,t),2.26(6H,s),1.
89(2H,tq),1.86(3H,d),1.80
(3H,s),1.73(2H,tq),1.40(3
H,d),1.09(3H,t),1.01(3H,s
),1.00(3H,t)  【0110】ト)呈色反
応 バニリン硫酸,ドラーゲンドルフ試薬に陽性チ)物質の
性状および色黄色アモルファスパウダーリ)薄層クロマ
トグラフィー(シリカゲル)CHCl3/MeOH=5
0/1、  Rf=0.61【0111】 【発明の効果】本発明におけるHP530物質及びその
誘導体並びにこれらの医薬的に許容される塩は、前述し
たように、抗菌作用及び抗腫瘍作用を示すことより、抗
菌剤、抗癌剤として有用であると考えられる。特に、そ
の強い抗腫瘍活性より、医療用の抗癌剤としての利用が
期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】  HP530D物質のメタノール溶液での紫
外部吸収スペクトル図である。
【図2】  HP530D物質の臭化カリウム錠での赤
外部吸収スペクトル図である。
【図3】  HP530D物質の、テトラメチルシラン
(TMS)を内部標準とした重クロロホルム溶液中での
水素核核磁気共鳴スペクトル図である。
【図4】  HP530E物質のメタノール溶液での紫
外部吸収スペクトル図である。
【図5】  HP530E物質の臭化カリウム錠での赤
外部吸収スペクトル図である。
【図6】  HP530E物質の、テトラメチルシラン
(TMS)を内部標準とした重ベンゼン溶液中での水素
核核磁気共鳴スペクトル図である。
【図7】  HP530G物質のメタノ−ル溶液での紫
外部吸収スペクトル図である。
【図8】  HP530G物質の臭化カリウム錠での赤
外部吸収スペクトル図である。
【図9】  HP530G物質の、テトラメチルシラン
(TMS)を内部標準とした重ベンゼン溶液中での水素
核核磁気共鳴スペクトル図である。
【図10】  デアセチルHP530D物質のメタノー
ル溶液での紫外部吸収スペクトル  図である。
【図11】  デアセチルHP530D物質の臭化カリ
ウム錠での赤外部吸収スペクトル図である。
【図12】  デアセチルHP530D物質の、テトラ
メチルシラン(TMS)を内部標準とした重ベンゼン溶
液中での水素核核磁気共鳴スペクトル図である。
【図13】  デアセチルHP530E物質のメタノー
ル溶液での紫外部吸収スペクトル  図である。
【図14】  デアセチルHP530E物質の臭化カリ
ウム錠での赤外部吸収スペクトル図である。
【図15】  デアセチルHP530E物質の、テトラ
メチルシラン(TMS)を内部標準とした重ベンゼン溶
液中での水素核核磁気共鳴スペクトル図である。
【図16】  HP530H物質のメタノール溶液での
紫外部吸収スペクトル図である。
【図17】  HP530H物質の臭化カリウム錠での
赤外部吸収スペクトル図である。
【図18】  HP530H物質の、テトラメチルシラ
ン(TMS)を内部標準とした重ベンゼン溶液中での水
素核核磁気共鳴スペクトル図である。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記の一般式(1) 【化1】 〔式中、Xは炭素数2〜4のアシル基または水素原子を
    示す。Yは炭素数2〜4のアシル基または水素原子を示
    す。Zは次の式(a) ,式(b) または式(c) 
    で表される基を示す。〕 【化2】 【化3】 【化4】 で表されるHP530物質及びHP530物質誘導体ま
    たはその医薬的に許容される塩。
  2. 【請求項2】  下記の一般式(2) 【化5】 〔式中、R1 は炭素数2〜4のアシル基を示す。Zは
    次の式(a) ,式(b) または式(c) で表され
    る基を示す。〕【化6】 【化7】 【化8】 で表されるHP530物質またはその医薬的に許容され
    る塩。
  3. 【請求項3】  下記の一般式(3) 【化9】 で表されるHP530D物質またはその医薬的に許容さ
    れる塩。
  4. 【請求項4】  下記の一般式(4) 【化10】 で表されるHP530E物質またはその医薬的に許容さ
    れる塩。
  5. 【請求項5】  下記の一般式(5) 【化11】 で表されるHP530G物質またはその医薬的に許容さ
    れる塩。
  6. 【請求項6】  下記の一般式(6) 【化12】 〔式中、Zは次の式(a) ,式(b) または式(c
    ) で表される基を示す。〕 【化13】 【化14】 【化15】 で表されるHP530物質誘導体またはその医薬的に許
    容される塩。
  7. 【請求項7】  下記の一般式(7) 【化16】 で表されるデアセチルHP530D物質またはその医薬
    的に許容される塩。
  8. 【請求項8】  下記の一般式(8) 【化17】 で表されるデアセチルHP530E物質またはその医薬
    的に許容される塩。
  9. 【請求項9】  下記の一般式(9) 【化18】 〔式中、Xは炭素数2〜4のアシル基または水素原子を
    示す。Yは炭素数2〜4のアシル基または水素原子を示
    す。ただし、X及びYが同時に水素原子であるもの、X
    がアセチル基でYが水素原子であるものを除く。Zは次
    の式(a) ,式(b) または式(c) で表される
    基を示す。〕【化19】 【化20】 【化21】 で表されるHP530物質誘導体またはその医薬的に許
    容される塩。
  10. 【請求項10】  ストレプトミセス属に属し、HP5
    30物質を生産する能力を有する微生物を培養し、その
    培養物中よりHP530物質を採取することを特徴とす
    る請求項2記載のHP530物質またはその医薬的に許
    容される塩の製造法。
  11. 【請求項11】  HP530物質生産菌が、ストレプ
    トミセス・スピーシーズ(Streptomyces 
    sp.)HP530株(FERM BP−2786)で
    ある請求項2記載のHP530物質またはその医薬的に
    許容される塩の製造法。
  12. 【請求項12】  ストレプトミセス属に属し、HP5
    30D物質を生産する能力を有する微生物を培養し、そ
    の培養物中よりHP530D物質を採取することを特徴
    とする請求項3記載のHP530D物質またはその医薬
    的に許容される塩の製造法。
  13. 【請求項13】  HP530物質生産菌が、ストレプ
    トミセス・スピーシーズ(Streptomyces 
    sp.)HP530株(FERM BP−2786)で
    ある請求項3記載のHP530D物質またはその医薬的
    に許容される塩の製造法。
  14. 【請求項14】  ストレプトミセス属に属し、HP5
    30E物質を生産する能力を有する微生物を培養し、そ
    の培養物中よりHP530E物質を採取することを特徴
    とする請求項4記載のHP530E物質またはその医薬
    的に許容される塩の製造法。
  15. 【請求項15】  HP530物質生産菌が、ストレプ
    トミセス・スピーシーズ(Streptomyces 
    sp.)HP530株(FERM BP−2786)で
    ある請求項4記載のHP530E物質またはその医薬的
    に許容される塩の製造法。
  16. 【請求項16】  ストレプトミセス属に属し、HP5
    30G物質を生産する能力を有する微生物を培養し、そ
    の培養物中よりHP530G物質を採取することを特徴
    とする請求項5記載のHP530G物質またはその医薬
    的に許容される塩の製造法。
  17. 【請求項17】  HP530物質生産菌が、ストレプ
    トミセス・スピーシーズ(Streptomyces 
    sp.)HP530株(FERM BP−2786)で
    ある請求項5記載のHP530G物質またはその医薬的
    に許容される塩の製造法。
  18. 【請求項18】  抗腫瘍性物質HP530D物質並び
    にHP530E物質をデアセチル化せしめ、HP530
    物質誘導体を生成することを特徴とする請求項6記載の
    HP530物質誘導体またはその医薬的に許容される塩
    の製造法。
  19. 【請求項19】  HP530D物質をデアセチル化せ
    しめ、デアセチルHP530D物質を生成することを特
    徴とする請求項7記載のデアセチルHP530D物質ま
    たはその医薬的に許容される塩の製造法。
  20. 【請求項20】  HP530E物質をデアセチル化せ
    しめ、デアセチルHP530E物質を生成することを特
    徴とする請求項8記載のデアセチルHP530E物質ま
    たはその医薬的に許容される塩の製造法。
  21. 【請求項21】  請求項2または請求項6記載のHP
    530物質誘導体をアシル化剤と反応させることを特徴
    とする請求項9記載のHP530物質誘導体の製造法。
  22. 【請求項22】  請求項1記載のHP530物質また
    はその医薬的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤
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