JPH04215616A - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置に係り、
詳しくは、フラットパネルディスプレイの分野に用いて
好適な、長時間にわたって文字や図形を表示することに
よって発生する焼け付き現象を低減する液晶表示装置に
関する。近年、応答速度が速いこと、視野角が広いこと
、また、大容量表示が可能であることから、表面安定化
強誘電性液晶（ＳＳＦＬＣ：ｓｕｒｆａｃｅ　ｓｔａｂ
ｉｌｉｚｅｄ　ｆｅｒｒ−ｏｅｌｅｃｔｒｉｃ　ｌｉｑ
ｕｉｄ　ｃｒｙｓｔａｌ）を用いた液晶表示装置が注目
されている。

【０００２】強誘電性液晶（ＦＬＣ：ｆｅｒｒｏｅｌｅ
ｃｔｒｉｃ　ｌｉｑｕｉｄ　ｃｒｙｓｔａｌ）は、液晶
分子の配列の仕方の中でスメクティックＣ相が強誘電性
を示すもの、すなわち、スメクティックＣ相液晶分子の
自発分極が非常に大きいものをいい、このため、一般の
液晶、例えば、ＴＮ（ｔｗｉｓｔｅｄ　ｎｅｍａｔｉｃ
　），ＳＴＮ（ｓｕｐｅｒ　ｔｗｉｓｔｅｄ　ｎｅｍａ
ｔｉｃ　）等のように、電界によって発生する誘電トル
クを利用して表示するものと異なり、自分自身で双安定
状態による記憶作用（メモリ特性）をもつ。

【０００３】表面安定化強誘電性液晶は、この強誘電性
液晶の自発分極を利用して表示するものであり、２つの
安定状態への遷移が通常の液晶に比較して数〜数１０μ
ｓと高速であり、しかも、高いコントランストを得るこ
とができるため、ＯＡ用フラットパネルディスプレイと
して期待されている。しかし、通常の液晶の駆動ように
単に正、および負の双極性パルス電圧を印加する駆動で
は、強誘電性液晶が自発分極をもっているために、印加
されるパルス電圧の極性が変わると、自発分極の方向も
変わって反電界が発生し、液晶パネルのメモリ特性を悪
化させたり、表示の残像、いわゆる、焼け付き現象を起
こしてしまい、そのままでは表示装置として実用的では
ない。

【０００４】そこで、表面安定化強誘電性液晶の優れた
特性を生かしつつ、焼け付き現象の原因となる反電界を
防止することが要求される。

【０００５】

【従来の技術】従来のこの種の液晶表示装置としては、
例えば、図６に示すような液晶表示装置がある。この液
晶表示装置は、液晶セル１１とドライバ１２とを備えて
おり、ドライバ１２は、液晶セル１１に対して、図７に
示すような、正、および負の双極性パルス電圧を印加す
るものである。

【０００６】すなわち、画素を構成する液晶セル１１に
対して液晶が２つの状態（例えば、白と黒）のうち、い
ずれかの状態（例えば、白となる状態）となるための正
のパルス電圧を印加した場合、安定した駆動を得るため
に、この正のパルス電圧に対応した逆極正、すなわち、
負のパルス電圧を液晶セル３に対して印加するものであ
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の液晶表示装置の液晶セルの駆動をそのまま強
誘電性液晶を用いた液晶セルの駆動に当てはめた場合、
単に強誘電性液晶の状態を変えるための正、および負の
双極性パルス電圧を印加するという構成となっていたた
め、例えば、長時間にわたって文字や図形等を表示させ
た状態にしておくと、次にこれらの文字や図形等を消去
しようとしても完全に画像を消去できず、像が残ってし
まうといった問題点があった。

【０００８】すなわち、強誘電性液晶には２つの安定し
た状態があり、外部によりパルス電圧を印加し、液晶分
子の状態を２つの安定状態のうち、いずれかの安定状態
とすることによって２つの表示、例えば、白と黒との表
示ができる。しかし、強誘電性液晶は自発分極を有する
ため、印加されるパルス電圧の極性が変わると、それに
伴って自発分極の方向も変わり、このとき、液晶パネル
内に自発分極の方向が変わる変化を妨げる方向に反電界
が発生し、液晶パネル内の配向膜近傍に電荷が蓄積され
る。電荷が蓄積されると、液晶分子は外部からのパルス
電圧の印加に応答してもすぐに元の状態に戻されてしま
うため、液晶表示装置のメモリ特性が悪化し、さらに反
電界が強くなると、外部から印加されるパルス電圧に関
係なく、液晶分子は同一方向を向いたままとなり、液晶
表示装置の表示面にはいつまでも画像が残ったまま、い
わゆる、焼け付きを起こした状態となる。

【０００９】したがって、画像の焼け付き現象が生じる
ため、強誘電性液晶を用いた良質の液晶表示装置の実現
化ができなかった。［目的］そこで本発明は、表面安定
化強誘電性液晶の優れた特性を生かしつつ、駆動時に発
生する反電界を抑え、高品位な画像表示を行なう液晶表
示装置を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明による液晶表示装
置は上記目的達成のため、外部から電界が印加されない
状態で、永久双極子モーメントが同一、かつ、所定の一
方向に揃い、自発分極が存在する強誘電性の液晶に外部
から電界を印加することによって該自発分極を反転させ
る表面安定化強誘電性液晶１と、該表面安定化強誘電性
液晶１に正、および負の双極性パルス電圧を印加するパ
ルス電圧印加手段２とを備え、前記パルス電圧印加手段
２によって印加する正、または負のパルス電圧に対応し
て負、または正の逆極性となるパルス電圧を前記表面安
定化強誘電性液晶１に印加するように構成している。

【００１１】

【作用】本発明では、パルス電圧印加手段によって表面
安定化強誘電性液晶に印加される正、または負のパルス
電圧に対応して負、または正の逆極性となるパルス電圧
が表面安定化強誘電性液晶に印加されることにより、最
初に印加されたパルス電圧によって液晶内に発生する反
電界が、次に印加される逆極性のパルス電圧によって打
ち消される。

【００１２】すなわち、反電界が打ち消されることによ
り、液晶のメモリ特性が向上し、焼け付き現象が低減さ
れる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
１〜４は本発明に係る液晶表示装置の一実施例を示す図
であり、図１はその要部構成を示すブロック図である。 まず、構成を説明する。

【００１４】本実施例の液晶表示装置は、大別して、表
面安定化強誘電性液晶である液晶パネル１、パルス電圧
印加手段である発振器２から構成され、液晶パネル１は
、図２，３に示すように、ガラス３、透明電極４、配向
膜５、液晶層６からなる基板７から構成されている。 配向膜５は、スピンコータで成膜したポリビニルアルコ
ール（ＰＶＡ：ｐｏｌｙ　　ｖｉｎｙｌｅ　ａｌｃｏｈ
ｏｌ　）にラビングを行なった膜であり、液晶層６は安
定性の面で良好なエステル系の混合組成物からなる液晶
を用いている。

【００１５】本実施例の液晶表示パネル１は、外寸２５
ｍｍ×２５ｍｍのガラス３上に直径１５ｍｍの透明電極
４が付いている基板７を用いてセルギャップが２μｍの
セルを作成したものである。以上の構成において作用を
説明する。まず、図４に示すように、発振器２によって
液晶パネル１に印加される正、または負の駆動パルスＰ
１に対応して、駆動パルスＰ１の逆極性となる負、また
は正のパルスＰ２が液晶パネル１に印加される。

【００１６】図５は逆極性のパルス電圧と液晶パネル１
の透過光量との関係を示すものである。ちなみに、透過
率１００　％とは駆動パルスＰ１が印加されているとき
の透過率を示し、図５においては、駆動パルス電圧とし
て１５Ｖのパルス電圧が印加されたときの駆動パルスＰ
１の立ち下がり時から２５ｍｓ後の時点での透過率が示
されており、これによって逆極性のパルスＰ２が印加さ
れた場合の液晶パネル１のメモリ特性が示される。

【００１７】すなわち、図５により液晶パネル１に印加
される逆極性のパルス電圧が大きくされるにしたがって
反電界による悪影響が弱まり、パネル内のメモリ特性は
向上することがわかる。この場合の逆極性のパルス電圧
は、大きければ大きい程良いというものではなく、最初
に印加される駆動パルスＰ１の波高値に対する比率が高
くなると、液晶パネル１の状態を変化させるための駆動
パルスＰ１と何等変わりがなくなるため、本実施例では
、逆極性のパルス電圧を駆動パルスＰ１の２０％程度の
電圧値に設定している。

【００１８】したがって、パルス電圧印加手段である発
振器２によって表面安定化強誘電性液晶である液晶パネ
ル１に印加される正、または負の駆動パルスＰ１に対応
して負、または正の逆極性となるパルスＰ２が液晶パネ
ル１に印加されることにより、駆動パルスＰ１によって
液晶パネル１内に発生する反電界が、逆極性のパルスＰ
２によって打ち消され、液晶のメモリ特性が向上すると
ともに、焼け付き現象が低減される。

【００１９】このように本実施例では、従来の駆動では
実現することが困難であった強誘電性液晶による液晶表
示装置を比較的容易に得ることができ、応答速度が速く
、視野角が広く、かつ、大容量表示が可能な表面安定化
強誘電性液晶を用いつつ、反電界を打ち消すことにより
電荷の蓄積を防止でき、液晶のメモリ特性の向上を図る
とともに、焼け付き現象を低減できる。

【００２０】したがって、低コストで表示容量の大きな
液晶表示装置が得られる安定化強誘電性液晶で高品位な
表示装置を得ることができる。なお、上記実施例は強誘
電性液晶としてエステル系の混合組成物からなる液晶を
用いているが、これに限らず、例えば、シアノビフェニ
ル系のものや、マルチプレクス動作の際、高いコントラ
ストを得ることのできるフェニルピリミジン系のもので
あってもよく、強誘電性液晶材料としての特性を有する
ものであれば、どのようなものであっても構わない。

【００２１】

【発明の効果】本発明では、応答速度が速く、視野角が
広く、かつ、大容量表示が可能な表面安定化強誘電性液
晶に印加する正、または負のパルス電圧に対応して負、
または正の逆極性となるパルス電圧を印加することによ
り、最初に印加したパルス電圧によって液晶内に発生す
る反電界を、次に印加する逆極性のパルス電圧によって
打ち消すことができる。

【００２２】すなわち、反電界を打ち消すことにより、
電荷の蓄積を防止でき、液晶のメモリ特性の向上を図る
とともに、焼け付き現象を低減できる。したがって、低
コストで表示容量の大きな液晶表示装置が得られる安定
化強誘電性液晶で、高品位な表示装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施例の要部構成を示すブロック図で
ある。

【図２】本発明一実施例の液晶パネルの平面、および側
面図である。

【図３】図２の液晶パネルの断面図である。

【図４】本発明一実施例の強誘電性液晶に印加するパル
ス電圧を示す図である。

【図５】逆極性のパルス電圧と液晶パネルの透過光量と
の関係を示す図である。

【図６】従来例の要部構成を示すブロック図である。

【図７】従来例の液晶に印加するパルス電圧を示す図で
ある。

【符号の説明】

１　　　　液晶パネル（表面安定化強誘電性液晶）２　
　　　発振器（パルス電圧印加手段）３　　　　ガラス ４　　　　透明電極 ５　　　　配向膜 ６　　　　液晶層 ７　　　　基板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　外部から電界が印加されない状態で、
   永久双極子モーメントが同一、かつ、所定の一方向に揃
   い、自発分極が存在する強誘電性の液晶に外部から電界
   を印加することによって該自発分極を反転させる表面安
   定化強誘電性液晶と、該表面安定化強誘電性液晶に正、
   および負の双極性パルス電圧を印加するパルス電圧印加
   手段と、を備え、前記パルス電圧印加手段によって印加
   する正、または負のパルス電圧に対応して負、または正
   の逆極性となるパルス電圧を前記表面安定化強誘電性液
   晶に印加することを特徴とする液晶表示装置。