JP3535304B2 - 液晶表示素子 - Google Patents
液晶表示素子Info
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- JP3535304B2 JP3535304B2 JP06796696A JP6796696A JP3535304B2 JP 3535304 B2 JP3535304 B2 JP 3535304B2 JP 06796696 A JP06796696 A JP 06796696A JP 6796696 A JP6796696 A JP 6796696A JP 3535304 B2 JP3535304 B2 JP 3535304B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子に係
り、特に、少なくとも室温を含む特定の温度領域におい
て、カイラルスメクティックC相あるいはカイラルスメ
クティックCA相を示す液晶材料を使用して、これを能
動素子を用いて駆動する液晶表示素子の構成に関する。
り、特に、少なくとも室温を含む特定の温度領域におい
て、カイラルスメクティックC相あるいはカイラルスメ
クティックCA相を示す液晶材料を使用して、これを能
動素子を用いて駆動する液晶表示素子の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、省スペース・低消費電
力等の特性を備え、現在、開発が行われているフラット
パネルディスプレイの中でも最も有力視されているもの
の一つである。現在、能動素子として薄膜トランジスタ
(TFT)を備え、液晶材料としてネマティック液晶を
用いるTFT−TNタイプ、あるいは液晶材料として同
様にネマティック液晶を用い、ねじれ角を更に増加させ
たSTNタイプの表示表示方式の液晶表示素子が開発さ
れている。上記両タイプの液晶材料を用いて、既に10
インチ程度のフルカラー表示が達成されており、情報端
末用ディスプレイとして市販されている。これらのディ
スプレイは、限られた用途(ワープロ・表計算など)に
対しては、現在、ほぼ満足し得る特性に到達しつつある しかし、STNタイプの液晶表示素子は、これらの用途
に対しても、応答速度に関しては未だ十分とは言えな
い。また、視野角が極端に狭く、現在、位相差フィルム
等を利用するなど、視野角の拡大のための改良が検討さ
れているが、十分な視野角が得られるまでには至ってい
ない。
力等の特性を備え、現在、開発が行われているフラット
パネルディスプレイの中でも最も有力視されているもの
の一つである。現在、能動素子として薄膜トランジスタ
(TFT)を備え、液晶材料としてネマティック液晶を
用いるTFT−TNタイプ、あるいは液晶材料として同
様にネマティック液晶を用い、ねじれ角を更に増加させ
たSTNタイプの表示表示方式の液晶表示素子が開発さ
れている。上記両タイプの液晶材料を用いて、既に10
インチ程度のフルカラー表示が達成されており、情報端
末用ディスプレイとして市販されている。これらのディ
スプレイは、限られた用途(ワープロ・表計算など)に
対しては、現在、ほぼ満足し得る特性に到達しつつある しかし、STNタイプの液晶表示素子は、これらの用途
に対しても、応答速度に関しては未だ十分とは言えな
い。また、視野角が極端に狭く、現在、位相差フィルム
等を利用するなど、視野角の拡大のための改良が検討さ
れているが、十分な視野角が得られるまでには至ってい
ない。
【0003】これに対して、TNタイプの液晶表示素子
は、応答速度に関してはほぼ満足し得る水準にあるが、
更に大型の表示パネルに適用した場合には、応答速度に
関して限界があると予想されている。更に、TNタイプ
の液晶素子は、視野角に関してSTN方式と較べれば有
利ではあるが、特にフルカラーの画像を表示する場合、
視野角が極めて狭くなるので、この問題がTNタイプの
液晶素子の適用範囲を制約する要因となると予想されて
いる。
は、応答速度に関してはほぼ満足し得る水準にあるが、
更に大型の表示パネルに適用した場合には、応答速度に
関して限界があると予想されている。更に、TNタイプ
の液晶素子は、視野角に関してSTN方式と較べれば有
利ではあるが、特にフルカラーの画像を表示する場合、
視野角が極めて狭くなるので、この問題がTNタイプの
液晶素子の適用範囲を制約する要因となると予想されて
いる。
【0004】以上の様に、液晶表示素子は、情報用端末
としてその開発が強く期待されており、現在、特定用途
向けについては特性を満足するものが開発されている
が、未だ、視野角・応答速度の点では十分な特性が得ら
れていない。
としてその開発が強く期待されており、現在、特定用途
向けについては特性を満足するものが開発されている
が、未だ、視野角・応答速度の点では十分な特性が得ら
れていない。
【0005】ところで、以上の様なネマティックタイプ
の液晶材料に代って、更に高い秩序を有するスメクティ
ック液晶(具体的にはカイラルスメクティックC相)を
使用する液晶表示素子が提案されている。
の液晶材料に代って、更に高い秩序を有するスメクティ
ック液晶(具体的にはカイラルスメクティックC相)を
使用する液晶表示素子が提案されている。
【0006】代表的なものとして、1980年クラーク
及びラーガバルにより発表された表面安定化強誘電性液
晶( "SSFLC", Surface Stabilized Ferroelectri
c Liquid Cristal; N. A. Clark and S. T. Lagererwal
l. Appl. Phys. Lett., 36,899 (1980)) が挙げられ
る。このタイプの液晶材料によれば、応答速度が2桁か
ら3桁早くなり、且つ視野角がCRT並に増加する。そ
の表示方式は、カイラルスメクティックC相の持つ螺旋
構造を配向膜と液晶材料の相互作用によって解いて、そ
の際、発生する自発分極と、電場の相互作用により発生
するトルクでスイッチングを行うものである。このタイ
プの液晶材料では、自発分極が配向膜界面に垂直な2方
向を向く二つの状態のみが安定化するため、メモリー性
を有し、当初、TFT等の非線型能動素子を必要としな
い表示方式として大いに期待されていた。しかし、この
タイプでは、二つの状態のみを使用しているために中間
調の表示はできない。
及びラーガバルにより発表された表面安定化強誘電性液
晶( "SSFLC", Surface Stabilized Ferroelectri
c Liquid Cristal; N. A. Clark and S. T. Lagererwal
l. Appl. Phys. Lett., 36,899 (1980)) が挙げられ
る。このタイプの液晶材料によれば、応答速度が2桁か
ら3桁早くなり、且つ視野角がCRT並に増加する。そ
の表示方式は、カイラルスメクティックC相の持つ螺旋
構造を配向膜と液晶材料の相互作用によって解いて、そ
の際、発生する自発分極と、電場の相互作用により発生
するトルクでスイッチングを行うものである。このタイ
プの液晶材料では、自発分極が配向膜界面に垂直な2方
向を向く二つの状態のみが安定化するため、メモリー性
を有し、当初、TFT等の非線型能動素子を必要としな
い表示方式として大いに期待されていた。しかし、この
タイプでは、二つの状態のみを使用しているために中間
調の表示はできない。
【0007】今後のディスプレイの用途を考えると、中
間調の表示は必要不可欠であり、現在、いくつかの検討
例が報告されている。先ず、上記の表面安定化強誘電性
液晶(以下 "SSFLC" と呼ぶ)を用いて中間調表示
を行う試みが幾通りか報告されている、(例えば、W.
J. A. M. Hartmann; Ferroelectrics, 1991, 122, p.1)
。然しながら、このSSFLCの応答は、「ドメイン
反転」と呼ばれる不連続なスイッチングを示し、このた
め、能動素子を併用せずに中間調表示を行うことは不可
能であると言える。
間調の表示は必要不可欠であり、現在、いくつかの検討
例が報告されている。先ず、上記の表面安定化強誘電性
液晶(以下 "SSFLC" と呼ぶ)を用いて中間調表示
を行う試みが幾通りか報告されている、(例えば、W.
J. A. M. Hartmann; Ferroelectrics, 1991, 122, p.1)
。然しながら、このSSFLCの応答は、「ドメイン
反転」と呼ばれる不連続なスイッチングを示し、このた
め、能動素子を併用せずに中間調表示を行うことは不可
能であると言える。
【0008】このほか、反強誘電性液晶を用いる表示方
式も報告されている。この方式は、反強誘電性液晶相
(SmCa相)を使用するものである。(A. D. L. Cha
ndani,T. Hagiwara, T. Suzuki, Y. Ouchi, H. Takezo
e, and A. Fukuda; Jpn. J. Appl. Phys., 27, L729 (1
988)) 。このタイプでは、強誘電性液晶の二つの安定状
態に加えて、電圧無印加時の反強誘電性液晶構造をとる
ものである。図2に、このタイプの場合の印加電圧と透
過光量の関係を示した。近年、この方式を用いることに
より、能動素子を使用することなく、中間調表示が可能
であることが報告されている。(N. Yamamoto, N. Kosh
oubu, K. Mori, K. Nakamura, Y. Yamada;Ferroelectri
cs, 1993, 149, p.295)。中間調表示を行うためには、
図2のV1からV2の電圧を利用する。この場合、正負
二方向の電圧の利用が可能であり、この事は、焼き付き
等の現象の防止のために好ましい。また、電圧無印加時
に光軸が特定位置に戻る事も、中間調表示のために好ま
しい。
式も報告されている。この方式は、反強誘電性液晶相
(SmCa相)を使用するものである。(A. D. L. Cha
ndani,T. Hagiwara, T. Suzuki, Y. Ouchi, H. Takezo
e, and A. Fukuda; Jpn. J. Appl. Phys., 27, L729 (1
988)) 。このタイプでは、強誘電性液晶の二つの安定状
態に加えて、電圧無印加時の反強誘電性液晶構造をとる
ものである。図2に、このタイプの場合の印加電圧と透
過光量の関係を示した。近年、この方式を用いることに
より、能動素子を使用することなく、中間調表示が可能
であることが報告されている。(N. Yamamoto, N. Kosh
oubu, K. Mori, K. Nakamura, Y. Yamada;Ferroelectri
cs, 1993, 149, p.295)。中間調表示を行うためには、
図2のV1からV2の電圧を利用する。この場合、正負
二方向の電圧の利用が可能であり、この事は、焼き付き
等の現象の防止のために好ましい。また、電圧無印加時
に光軸が特定位置に戻る事も、中間調表示のために好ま
しい。
【0009】以上の各方式に対して、近年、能動素子を
使用し、且つ、カイラルスメクティックC型液晶を用い
る液晶表示素子が提案されている。具体的には、DHF
タイプ("Distorted Helical Ferroelectric Liquid Cr
istal"; J. Funfschillingand M. Schadt; J. Appl. P
hys. 66(8),15)、あるいはTFLCタイプ(ねじれ強
誘電性液晶; "Twisted Ferroelectric Liquid Crista
l"; J.S.Patel; J. Appl. Phys. Lett. 60(3), p.280)
が提案されている。
使用し、且つ、カイラルスメクティックC型液晶を用い
る液晶表示素子が提案されている。具体的には、DHF
タイプ("Distorted Helical Ferroelectric Liquid Cr
istal"; J. Funfschillingand M. Schadt; J. Appl. P
hys. 66(8),15)、あるいはTFLCタイプ(ねじれ強
誘電性液晶; "Twisted Ferroelectric Liquid Crista
l"; J.S.Patel; J. Appl. Phys. Lett. 60(3), p.280)
が提案されている。
【0010】これらのタイプのディスプレイは能動素子
を使用しているので、製造コストに関しては先に挙げた
タイプに較べて不利であるが、以下に示す点で、先に挙
げたタイプに較べて優れている。即ち、第一に、中間調
表示の信頼性に優れている。これらの方式は、印加電圧
の強さに対する透過率の変化が比較的なだらかであり、
また、従来のSSFLCの様に、ドメイン反転を伴うス
イッチングのために中間調表示が困難になるといった問
題は生じない。第二に、これらのタイプの材料は、低電
圧(0〜5V)での駆動が可能であり、低消費電力を実
現できる。第三に、これらの方式のディスプレイは機械
的衝撃に強く、SSFLCの様に、機械的ショックで配
向破壊を引き起こす恐れがない。
を使用しているので、製造コストに関しては先に挙げた
タイプに較べて不利であるが、以下に示す点で、先に挙
げたタイプに較べて優れている。即ち、第一に、中間調
表示の信頼性に優れている。これらの方式は、印加電圧
の強さに対する透過率の変化が比較的なだらかであり、
また、従来のSSFLCの様に、ドメイン反転を伴うス
イッチングのために中間調表示が困難になるといった問
題は生じない。第二に、これらのタイプの材料は、低電
圧(0〜5V)での駆動が可能であり、低消費電力を実
現できる。第三に、これらの方式のディスプレイは機械
的衝撃に強く、SSFLCの様に、機械的ショックで配
向破壊を引き起こす恐れがない。
【0011】更に、最近、本願発明者らは、図3に示す
様に、反強誘電性液晶において、従来の反強誘電性液晶
と異なり、ヒステリシスを示さず低電圧駆動が可能な反
強誘電性液晶が存在し、この材料がTFTタイプあるい
はTFDタイプ等の能動素子を使用した液晶表示素子に
特に適することを見出した。
様に、反強誘電性液晶において、従来の反強誘電性液晶
と異なり、ヒステリシスを示さず低電圧駆動が可能な反
強誘電性液晶が存在し、この材料がTFTタイプあるい
はTFDタイプ等の能動素子を使用した液晶表示素子に
特に適することを見出した。
【0012】以上述べたTFLC・DHF・反強誘電性
液晶("Anti-Ferroelectric LiquidCristal" 、以下、
AFLCと呼ぶ)等のスメクティック系液晶を能動素子
を用いて駆動する液晶表示素子は、従来の液晶表示素子
の欠点を克服し、高速応答・広視野角のフラットパネル
ディスプレイを実現することが期待されている。
液晶("Anti-Ferroelectric LiquidCristal" 、以下、
AFLCと呼ぶ)等のスメクティック系液晶を能動素子
を用いて駆動する液晶表示素子は、従来の液晶表示素子
の欠点を克服し、高速応答・広視野角のフラットパネル
ディスプレイを実現することが期待されている。
【0013】しかし、これらの液晶材料を用いた液晶表
示素子に関しては、以下に述べる様に、TFT素子を用
いて駆動する際の保持率について問題が残っている。先
ず、比較のために、TN、STN液晶等、従来の自発分
極を持たないネマティック液晶をTFT素子を用いて駆
動する場合について説明する。
示素子に関しては、以下に述べる様に、TFT素子を用
いて駆動する際の保持率について問題が残っている。先
ず、比較のために、TN、STN液晶等、従来の自発分
極を持たないネマティック液晶をTFT素子を用いて駆
動する場合について説明する。
【0014】TFTのゲートが開いている期間(書き込
み期間)に信号電圧が書き込まれる。この書き込み期間
は、例えばVGAディスプレイでデュアルスキャン方式
で書き込む場合、約64μsである。原理的には、書き
込まれた電圧は1フレーム周期(60Hzで約17m
s)の間、保持され、1フレーム周期終了後、書き込み
期間の間に次信号が書き込まれる。この時、書き込み期
間の間に書き込まれた信号電圧と、1フレーム終了時の
電圧との比を百分率で表したものを保持率と呼ぶ。TN
液晶の場合、近年、この保持率は概ね100%に近くま
で改善され、更に、幾分かのリーク電流がある場合に
も、液晶材料と並列に配置された補助容量によって電荷
が補われるため、1フレーム期間中での電圧の変化は、
ほぼ無視し得る程度にまで至っている。
み期間)に信号電圧が書き込まれる。この書き込み期間
は、例えばVGAディスプレイでデュアルスキャン方式
で書き込む場合、約64μsである。原理的には、書き
込まれた電圧は1フレーム周期(60Hzで約17m
s)の間、保持され、1フレーム周期終了後、書き込み
期間の間に次信号が書き込まれる。この時、書き込み期
間の間に書き込まれた信号電圧と、1フレーム終了時の
電圧との比を百分率で表したものを保持率と呼ぶ。TN
液晶の場合、近年、この保持率は概ね100%に近くま
で改善され、更に、幾分かのリーク電流がある場合に
も、液晶材料と並列に配置された補助容量によって電荷
が補われるため、1フレーム期間中での電圧の変化は、
ほぼ無視し得る程度にまで至っている。
【0015】これに対して、強誘電性液晶("Ferroelec
tric Liquid Cristal"、以下、FLCと呼ぶ)、AFL
C、DHF、あるいはTFLCの様な、固有のあるいは
電場を印加することにより誘起される自発分極(Ps)
を有し、これと印加電場(E)との直接の相互作用によ
ってスイッチング可能な液晶材料を用いる場合、もし書
き込み期間の間に液晶の応答が終了していないと、上記
保持率が極端に減少する現象が見られる。
tric Liquid Cristal"、以下、FLCと呼ぶ)、AFL
C、DHF、あるいはTFLCの様な、固有のあるいは
電場を印加することにより誘起される自発分極(Ps)
を有し、これと印加電場(E)との直接の相互作用によ
ってスイッチング可能な液晶材料を用いる場合、もし書
き込み期間の間に液晶の応答が終了していないと、上記
保持率が極端に減少する現象が見られる。
【0016】この現象について、図を用いて更に詳細に
説明する。図4は、上記の様な液晶材料をTFT素子を
用いて駆動し、且つ、書き込み期間の間に液晶材料の応
答が終了しない場合における液晶に印加される電圧の変
化を示している。偏光板はノーマリーホワイト、即ち、
電圧無印加時に光を透過し、電圧印加時に光を遮断する
様に設置している。それぞれ、右側の図は液晶に印加さ
れる電圧を示し、左側の図は液晶の透過率を示してい
る。図4(a)は書き込み期間終了時の状態を示してい
る。印加電圧V1 は液晶のVth以下であるので、液晶は
引き続き応答を続ける。このとき、上記の様な液晶材料
(FLC、AFLC、DHF、TFLC)の場合、液晶
の応答には自発分極の反転が伴うので、書き込み期間が
終了した以後は、液晶の応答に従って印加されている電
圧が次第に減少する(図4(b))。その後、平衡値V
1 に到達する(図4(c))。このため、透過光の強度
は、V0 の信号電圧により書き込んだ場合にも、V1 で
駆動した場合とほぼ等しくなる。以上の理由によって、
書き込み期間の間に液晶の応答が終了していない場合に
は、コントラストの低下を生じる。
説明する。図4は、上記の様な液晶材料をTFT素子を
用いて駆動し、且つ、書き込み期間の間に液晶材料の応
答が終了しない場合における液晶に印加される電圧の変
化を示している。偏光板はノーマリーホワイト、即ち、
電圧無印加時に光を透過し、電圧印加時に光を遮断する
様に設置している。それぞれ、右側の図は液晶に印加さ
れる電圧を示し、左側の図は液晶の透過率を示してい
る。図4(a)は書き込み期間終了時の状態を示してい
る。印加電圧V1 は液晶のVth以下であるので、液晶は
引き続き応答を続ける。このとき、上記の様な液晶材料
(FLC、AFLC、DHF、TFLC)の場合、液晶
の応答には自発分極の反転が伴うので、書き込み期間が
終了した以後は、液晶の応答に従って印加されている電
圧が次第に減少する(図4(b))。その後、平衡値V
1 に到達する(図4(c))。このため、透過光の強度
は、V0 の信号電圧により書き込んだ場合にも、V1 で
駆動した場合とほぼ等しくなる。以上の理由によって、
書き込み期間の間に液晶の応答が終了していない場合に
は、コントラストの低下を生じる。
【0017】以上述べてきた様に、固有の或いは電圧を
印加することにより誘起される自発分極(Ps)を有
し、これと印加電圧(E)との直接の相互作用によりス
イッチング可能な液晶材料、例えば、FLC、AFL
C、DHF、あるいはTFLC等の液晶材料を使用し
て、これを能動素子を用いて駆動することで表示を行う
液晶表示素子は、高速応答、広視野角などの優れた特徴
を備えているが、書き込み期間の間に液晶の応答が完了
しない場合には、極端にコントラストが低下するという
問題を有している。
印加することにより誘起される自発分極(Ps)を有
し、これと印加電圧(E)との直接の相互作用によりス
イッチング可能な液晶材料、例えば、FLC、AFL
C、DHF、あるいはTFLC等の液晶材料を使用し
て、これを能動素子を用いて駆動することで表示を行う
液晶表示素子は、高速応答、広視野角などの優れた特徴
を備えているが、書き込み期間の間に液晶の応答が完了
しない場合には、極端にコントラストが低下するという
問題を有している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上の様な問題点に鑑
み、本願発明の課題は、FLC、AFLC、DHF、あ
るいはTFLC等の液晶材料を使用して、これを能動素
子を用いて駆動することにより表示を行う液晶表示素子
において、中間調表示の安定性に優れた液晶表示素子を
提供することにある。
み、本願発明の課題は、FLC、AFLC、DHF、あ
るいはTFLC等の液晶材料を使用して、これを能動素
子を用いて駆動することにより表示を行う液晶表示素子
において、中間調表示の安定性に優れた液晶表示素子を
提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、固有の
あるいは電場を印加することにより誘起される自発分極
を有し、これと印加電圧との相互作用によってスイッチ
ング可能な液晶と、この液晶を駆動する能動素子とを備
えた液晶表示素子において、液晶材料の飽和配向状態に
於ける静電容量をC(F)、液晶材料の電極単位面積当
たりの自発分極をPs(C/m2 )、液晶材料に接続さ
れた電極の面積をA(m2 )、液晶材料に印加される電
圧をE(V)、印加される電圧に対する液晶材料の応答
時間をt(sec)としたとき、前記能動素子の蓄積容
量Cs(F)、及び、前記能動素子に与えられるゲート
パルスのパルス幅T(sec)を、 t≦T ・・・(1) あるいは、t>T の場合には、 {|Ps|・A/(C+Cs)}・(1−T/t)2 <10 ・・・(2) の条件を満足する様に設定することにより、コントラス
ト20以上の良好な画質を得ることができることを見出
した。
あるいは電場を印加することにより誘起される自発分極
を有し、これと印加電圧との相互作用によってスイッチ
ング可能な液晶と、この液晶を駆動する能動素子とを備
えた液晶表示素子において、液晶材料の飽和配向状態に
於ける静電容量をC(F)、液晶材料の電極単位面積当
たりの自発分極をPs(C/m2 )、液晶材料に接続さ
れた電極の面積をA(m2 )、液晶材料に印加される電
圧をE(V)、印加される電圧に対する液晶材料の応答
時間をt(sec)としたとき、前記能動素子の蓄積容
量Cs(F)、及び、前記能動素子に与えられるゲート
パルスのパルス幅T(sec)を、 t≦T ・・・(1) あるいは、t>T の場合には、 {|Ps|・A/(C+Cs)}・(1−T/t)2 <10 ・・・(2) の条件を満足する様に設定することにより、コントラス
ト20以上の良好な画質を得ることができることを見出
した。
【0020】なお、ここで液晶材料の応答時間tとは、
飽和電圧に相当する振幅をもつ矩型波をかけた際、液晶
表示素子の透過率が10%から90%に変化するまでの
時間を言う。
飽和電圧に相当する振幅をもつ矩型波をかけた際、液晶
表示素子の透過率が10%から90%に変化するまでの
時間を言う。
【0021】ゲートパルスのゲート幅Tが、液晶の応答
時間tの値以上の場合(T≧t)、即ち、ゲートが開い
て信号電圧が液晶材料に掛っている期間の間に液晶の応
答が終了する場合には、1フレーム周期でゲートが閉じ
ている期間(保持時間)に、印加電圧が減少することは
ない。この様な状況は好ましいが、ゲート線の数が20
0を越える様な場合には、現状の材料では実現が困難で
ある。
時間tの値以上の場合(T≧t)、即ち、ゲートが開い
て信号電圧が液晶材料に掛っている期間の間に液晶の応
答が終了する場合には、1フレーム周期でゲートが閉じ
ている期間(保持時間)に、印加電圧が減少することは
ない。この様な状況は好ましいが、ゲート線の数が20
0を越える様な場合には、現状の材料では実現が困難で
ある。
【0022】実際には、ゲートパルスのゲート幅Tが応
答時間tがよりも短い条件(T<t)で液晶を駆動する
ことになり、この様な場合、先に説明した理由により、
コントラストの低下の問題がある。この様な条件下にお
いても、液晶材料、及び能動素子の蓄積容量を適切に選
択することによって、(2)式の条件を満足させれば、
コントラスト20以上の良好な画質を実現することが可
能である。
答時間tがよりも短い条件(T<t)で液晶を駆動する
ことになり、この様な場合、先に説明した理由により、
コントラストの低下の問題がある。この様な条件下にお
いても、液晶材料、及び能動素子の蓄積容量を適切に選
択することによって、(2)式の条件を満足させれば、
コントラスト20以上の良好な画質を実現することが可
能である。
【0023】(2)式中、液晶材料の静電容量C、液晶
材料の自発分極Ps、及び液晶材料の応答時間tの3つ
の物性値は、液晶材料固有のものであるので、材料を選
択することで決定される。言い替えれば、これらの3要
素は液晶材料に制約されるものである。自発分極Ps
は、上記関係式に従えば小さい方が好ましいが、一般的
に言えば、自発分極Psが小さくなると電場Eとのカッ
プリングによって生じるトルクが減少するため応答時間
tが大きくなる。両者は、この様に密接に関連している
ので、実際には上記の条件に合うような範囲の材料を選
定することになる。
材料の自発分極Ps、及び液晶材料の応答時間tの3つ
の物性値は、液晶材料固有のものであるので、材料を選
択することで決定される。言い替えれば、これらの3要
素は液晶材料に制約されるものである。自発分極Ps
は、上記関係式に従えば小さい方が好ましいが、一般的
に言えば、自発分極Psが小さくなると電場Eとのカッ
プリングによって生じるトルクが減少するため応答時間
tが大きくなる。両者は、この様に密接に関連している
ので、実際には上記の条件に合うような範囲の材料を選
定することになる。
【0024】一方、能動素子の蓄積容量Cs、及びゲー
トパルスのパルス幅Tは、デバイス構造及び駆動方法に
関わるパラメータであり、以下の様な制約がある。ゲー
トパルスのパルス幅Tは、フレーム周波数、走査線の本
数によって、ほぼ決定される。例えば、フレーム周波数
を60Hz、走査線数を480本として、デュアルスキ
ャン方式で書き込む場合には、代表的な値としては64
μsとなる。しかし、駆動方法の工夫によりある程度の
変更は可能で、パルス幅T(s)を長くする程コントラ
ストの向上は容易となる。
トパルスのパルス幅Tは、デバイス構造及び駆動方法に
関わるパラメータであり、以下の様な制約がある。ゲー
トパルスのパルス幅Tは、フレーム周波数、走査線の本
数によって、ほぼ決定される。例えば、フレーム周波数
を60Hz、走査線数を480本として、デュアルスキ
ャン方式で書き込む場合には、代表的な値としては64
μsとなる。しかし、駆動方法の工夫によりある程度の
変更は可能で、パルス幅T(s)を長くする程コントラ
ストの向上は容易となる。
【0025】通常の方式では蓄積容量Csを増大する
と、画素の開口率が減少して液晶表示素子の光利用効率
が減少するので、表示の明るさが低下する。このため、
コントラストは、Csが大きくなる程向上するが、開口
率の制限から限界がある。この問題を克服するために
は、Csのかさ高さを高くするなどの方法が有効であ
る。
と、画素の開口率が減少して液晶表示素子の光利用効率
が減少するので、表示の明るさが低下する。このため、
コントラストは、Csが大きくなる程向上するが、開口
率の制限から限界がある。この問題を克服するために
は、Csのかさ高さを高くするなどの方法が有効であ
る。
【0026】以上、説明した様に、上記式中のC、P
s、C、t、Cs、Tは、いずれも制約があり、独立に
数値を決定することは困難である。(2)式に示された
条件を満足する様に液晶材料及び能動素子を選択する事
によって、FLC(強誘電性液晶; "Ferroelectric Liq
uid Cristal")、AFLC(反強誘電性液晶; "Anti-Fe
rroelectric Liquid Cristal" )、DHF("Distorted
Helical FerroelectricLiquid Cristal")、あるいは
TFLC(ねじれ強誘電性液晶; "Twisted Ferroelectr
ic Liquid Cristal")などの応答速度の高い液晶材料と
能動素子とを用いて、高いコントラストを示し、良好な
画質を備えた液晶表示素子を実現することができる。
s、C、t、Cs、Tは、いずれも制約があり、独立に
数値を決定することは困難である。(2)式に示された
条件を満足する様に液晶材料及び能動素子を選択する事
によって、FLC(強誘電性液晶; "Ferroelectric Liq
uid Cristal")、AFLC(反強誘電性液晶; "Anti-Fe
rroelectric Liquid Cristal" )、DHF("Distorted
Helical FerroelectricLiquid Cristal")、あるいは
TFLC(ねじれ強誘電性液晶; "Twisted Ferroelectr
ic Liquid Cristal")などの応答速度の高い液晶材料と
能動素子とを用いて、高いコントラストを示し、良好な
画質を備えた液晶表示素子を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の効果を評価する
ために作成したTFT−LCDの概略構成図を示す。図
1(a)は平面図、図1(b)は断面図である。アレイ
基板5の表面には走査線7及び信号線6が互いに交差す
る様に配置され、走査線7と信号線6との交点には蓄積
容量Csを持つTFT素子8(駆動電圧7V)が形成さ
れている。走査線7及び信号線6によって区画されるそ
れぞれの領域の中には画素電極9が配置されていて、各
画素電極9はTFT素子8を介して信号線6に接続され
ている。画素電極9の上にはラビング処理が施された配
向膜10(日産化学工業株式会社製:SE−7311)
が形成されている。
ために作成したTFT−LCDの概略構成図を示す。図
1(a)は平面図、図1(b)は断面図である。アレイ
基板5の表面には走査線7及び信号線6が互いに交差す
る様に配置され、走査線7と信号線6との交点には蓄積
容量Csを持つTFT素子8(駆動電圧7V)が形成さ
れている。走査線7及び信号線6によって区画されるそ
れぞれの領域の中には画素電極9が配置されていて、各
画素電極9はTFT素子8を介して信号線6に接続され
ている。画素電極9の上にはラビング処理が施された配
向膜10(日産化学工業株式会社製:SE−7311)
が形成されている。
【0028】また、アレイ基板5に対向して配置された
対向基板1側の表面には、カラーフィルタ2及び対向電
極3が順に配置され、その上に同様にラビング処理が施
された配向膜4(日産化学工業株式会社製:SE−73
11)が形成されている。これらの配向膜10と配向膜
4との間に液晶層12が配置される。画素のサイズは1
50μm×300μmで、液晶表示素子の全体の寸法は
対角12.5cmである。セルギャップは、直径2μm
の球状パール12を配向膜3の上に散布することによっ
て、2μmに設定されている。
対向基板1側の表面には、カラーフィルタ2及び対向電
極3が順に配置され、その上に同様にラビング処理が施
された配向膜4(日産化学工業株式会社製:SE−73
11)が形成されている。これらの配向膜10と配向膜
4との間に液晶層12が配置される。画素のサイズは1
50μm×300μmで、液晶表示素子の全体の寸法は
対角12.5cmである。セルギャップは、直径2μm
の球状パール12を配向膜3の上に散布することによっ
て、2μmに設定されている。
【0029】
【実施例】本発明に基づく液晶表示素子によるコントラ
スト改善の効果を評価するため、液晶表示素子の構造を
共通にして(図1)、各種の液晶材料、及び特性の異な
るTFTを用いて液晶表示素子を作成し、その性能を評
価した結果を表1及び表2に示す。ここで、TFTの蓄
積容量Csとしては、0、0.2、0.4、0.6、
0.8、1.0(PF)の5水準のTFTを選んだ。な
お、表1は、(1)式あるいは(2)式の条件を満足す
る液晶表示素子についてのデータ、表2は、比較のた
め、いずれの条件も満足しない場合についてのデータで
ある。
スト改善の効果を評価するため、液晶表示素子の構造を
共通にして(図1)、各種の液晶材料、及び特性の異な
るTFTを用いて液晶表示素子を作成し、その性能を評
価した結果を表1及び表2に示す。ここで、TFTの蓄
積容量Csとしては、0、0.2、0.4、0.6、
0.8、1.0(PF)の5水準のTFTを選んだ。な
お、表1は、(1)式あるいは(2)式の条件を満足す
る液晶表示素子についてのデータ、表2は、比較のた
め、いずれの条件も満足しない場合についてのデータで
ある。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】a.TFLCタイプ
上下の各配向膜は、互いにラビング方向を90度ねじっ
て配置した。液晶材料として、チッソ社製のLIXON
CS2005 (Ps = 72.7 nC/cm2 )を用いた。この
時、応答速度tは150μsであった。また、液晶の容
量は0.3PFであった。その他の条件は、表1に示し
た通りである。 (実施例1〜6)ゲートパルスのパルス幅Tが応答時間
tよりも短い場合、 {|Ps|・A/(C+Cs)}・(1−T/t)2 の値が10以下の値になる様な条件では、いずれの液晶
表示素子も、コントラストの値として少なくとも30以
上の値を示し、鮮明な高い画質を得ることができた。 (実施例7、8)ゲートパルスのパルス幅Tが応答時間
tよりも長い場合、コントラストの値として少なくとも
30以上の値を示し、鮮明な高い画質を得ることができ
た。 (比較例1〜6)共通の液晶表示素子の構成を用いて、
ゲートパルスのパルス幅Tが応答時間tよりも短く、し
かも、 {|Ps|・A/(C+Cs)}・(1−T/t)2 の値が10を越えるような条件では、コントラストの値
は1以下となり、極めて不鮮明な画像となった。
て配置した。液晶材料として、チッソ社製のLIXON
CS2005 (Ps = 72.7 nC/cm2 )を用いた。この
時、応答速度tは150μsであった。また、液晶の容
量は0.3PFであった。その他の条件は、表1に示し
た通りである。 (実施例1〜6)ゲートパルスのパルス幅Tが応答時間
tよりも短い場合、 {|Ps|・A/(C+Cs)}・(1−T/t)2 の値が10以下の値になる様な条件では、いずれの液晶
表示素子も、コントラストの値として少なくとも30以
上の値を示し、鮮明な高い画質を得ることができた。 (実施例7、8)ゲートパルスのパルス幅Tが応答時間
tよりも長い場合、コントラストの値として少なくとも
30以上の値を示し、鮮明な高い画質を得ることができ
た。 (比較例1〜6)共通の液晶表示素子の構成を用いて、
ゲートパルスのパルス幅Tが応答時間tよりも短く、し
かも、 {|Ps|・A/(C+Cs)}・(1−T/t)2 の値が10を越えるような条件では、コントラストの値
は1以下となり、極めて不鮮明な画像となった。
【0033】b.DHFタイプ
上下配向膜は、それぞれに対してラビング方向を反平行
になるように配置した。液晶材料としては、ロッシュ社
製FLC9807を用いた。この材料は、スメクティッ
クC相のピッチを短くすることにより、DHF駆動を可
能にしたものである。液晶の容量は0.3PFであっ
た。その他の条件は、表1に示した通りである。 (実施例9〜13)ゲートパルスのパルス幅Tが応答時
間tよりも短い場合、 {|Ps|・A/(C+Cs)}・(1−T/t)2 の値が10以下の値となる様な条件では、いずれの液晶
表示素子も、コントラストの値として少なくとも30以
上の値を示し、鮮明な高い画質を得ることができた。 (実施例14、15)ゲートパルスのパルス幅Tが応答
時間tよりも長い場合、コントラストの値として少なく
とも30以上の値を示し、鮮明な高い画質を得ることが
できた。 (比較例7)共通の液晶表示素子の構成を用いて、ゲー
トパルスのパルス幅Tが応答時間tよりも短く、しか
も、 {|Ps|・A/(C+Cs)}・(1−T/t)2 の値が10を越える様な条件では、コントラストの値は
1以下となり、極めて不鮮明な画像となった。
になるように配置した。液晶材料としては、ロッシュ社
製FLC9807を用いた。この材料は、スメクティッ
クC相のピッチを短くすることにより、DHF駆動を可
能にしたものである。液晶の容量は0.3PFであっ
た。その他の条件は、表1に示した通りである。 (実施例9〜13)ゲートパルスのパルス幅Tが応答時
間tよりも短い場合、 {|Ps|・A/(C+Cs)}・(1−T/t)2 の値が10以下の値となる様な条件では、いずれの液晶
表示素子も、コントラストの値として少なくとも30以
上の値を示し、鮮明な高い画質を得ることができた。 (実施例14、15)ゲートパルスのパルス幅Tが応答
時間tよりも長い場合、コントラストの値として少なく
とも30以上の値を示し、鮮明な高い画質を得ることが
できた。 (比較例7)共通の液晶表示素子の構成を用いて、ゲー
トパルスのパルス幅Tが応答時間tよりも短く、しか
も、 {|Ps|・A/(C+Cs)}・(1−T/t)2 の値が10を越える様な条件では、コントラストの値は
1以下となり、極めて不鮮明な画像となった。
【0034】
【発明の効果】FLC、AFLC、DHF、あるいはT
FLCなど、固有のあるいは電場を印加することにより
誘起される自発分極を有し、これと印加電圧との直接の
相互作用によってスイッチング可能な液晶と、この液晶
を駆動する能動素子とを備えた液晶表示素子において、
本発明に基づいて各パラメータの組み合わせを適切に選
択することにより、高コントラスト・広視野角・高速応
答の液晶表示素子を実現することが可能になる。
FLCなど、固有のあるいは電場を印加することにより
誘起される自発分極を有し、これと印加電圧との直接の
相互作用によってスイッチング可能な液晶と、この液晶
を駆動する能動素子とを備えた液晶表示素子において、
本発明に基づいて各パラメータの組み合わせを適切に選
択することにより、高コントラスト・広視野角・高速応
答の液晶表示素子を実現することが可能になる。
【図1】本発明の効果を評価するために作成したTFT
−LCDの概略構成図、(a)は平面図、(b)は断面
図を示す。
−LCDの概略構成図、(a)は平面図、(b)は断面
図を示す。
【図2】反強誘電性液晶を用いた表示方式の場合の印加
電圧と透過光量との関係を示す図。
電圧と透過光量との関係を示す図。
【図3】別の種類の反強誘電性液晶を用いた表示方式の
場合の印加電圧と透過光量との関係を示す図。
場合の印加電圧と透過光量との関係を示す図。
【図4】FLC、AFLC、DHF、あるいはTFLC
などの液晶材料をTFT素子を用いて駆動し、且つ、書
き込み期間の間に液晶材料の応答が終了しない場合にお
ける液晶に印加される電圧の変化を示す図。(a)は書
き込み期間終了直後の状態、(b)は書き込み期間終了
後の過渡状態、(c)は書き込み期間終了後の平衡状態
を、それぞれ表す。
などの液晶材料をTFT素子を用いて駆動し、且つ、書
き込み期間の間に液晶材料の応答が終了しない場合にお
ける液晶に印加される電圧の変化を示す図。(a)は書
き込み期間終了直後の状態、(b)は書き込み期間終了
後の過渡状態、(c)は書き込み期間終了後の平衡状態
を、それぞれ表す。
1・・・対向基板、2・・・カラーフィルタ、3・・・
対向電極、4・・・配向膜、5・・・アレイ基板、6・
・・信号線、7・・・走査線、8・・・TFT、9・・
・画素電極、10・・・配向膜、11・・・トランスフ
ァ、12・・・液晶層、13・・・球状パール。
対向電極、4・・・配向膜、5・・・アレイ基板、6・
・・信号線、7・・・走査線、8・・・TFT、9・・
・画素電極、10・・・配向膜、11・・・トランスフ
ァ、12・・・液晶層、13・・・球状パール。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−134626(JP,A)
特開 平5−188884(JP,A)
特開 平8−36161(JP,A)
特開 昭63−236012(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G02F 1/133 560
G02F 1/133 550
G09G 3/36
Claims (6)
- 【請求項1】 固有のあるいは電場を印加することによ
り誘起される自発分極を有し、これと印加電圧との相互
作用によってスイッチング可能な液晶と、この液晶を駆
動する能動素子とを備えた液晶表示素子において、 前記液晶材料の飽和配向状態に於ける静電容量をC
(F)、前記液晶材料の電極単位面積当たりの自発分極
をPs(C/m2)、前記液晶材料に接続された電極の
面積をA(m2)、前記液晶材料に印加される電圧をE
(V)、印加される電圧に対する前記液晶材料の応答時
間をt(sec)としたとき、 前記能動素子の蓄積容量Cs(F)、及び前記能動素子
に与えられるゲートパルスのパルス幅T(sec)を、 T<t 且つ、 の条件を満足する様に設定したことを特徴とする液晶表
示素子。 - 【請求項2】 前記液晶材料は、表面安定化強誘電性液
晶であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素
子。 - 【請求項3】 前記液晶材料は、反強誘電性液晶である
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。 - 【請求項4】 前記液晶材料は、ヒステリシスを持たな
い反強誘電性液晶であることを特徴とする請求項3に記
載の液晶表示素子。 - 【請求項5】 前記液晶材料は、DHFタイプの液晶で
あることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。 - 【請求項6】 前記液晶材料は、ねじれ強誘電性液晶で
あることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06796696A JP3535304B2 (ja) | 1996-03-25 | 1996-03-25 | 液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06796696A JP3535304B2 (ja) | 1996-03-25 | 1996-03-25 | 液晶表示素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09258172A JPH09258172A (ja) | 1997-10-03 |
JP3535304B2 true JP3535304B2 (ja) | 2004-06-07 |
Family
ID=13360232
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06796696A Expired - Fee Related JP3535304B2 (ja) | 1996-03-25 | 1996-03-25 | 液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3535304B2 (ja) |
-
1996
- 1996-03-25 JP JP06796696A patent/JP3535304B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09258172A (ja) | 1997-10-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040105 |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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