JPH04214988A - 連結型圧縮装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数の圧縮機を備え、
ビル空調システム等の比較的大規模な冷凍システムに好
適な連結型圧縮装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の圧縮装置として、特開平
２−４５６６５号公報に開示されたものが知られている
。

【０００３】このものは、図６に示すように、油溜Ｏを
もつケーシングＤに圧縮要素Ｃをそれぞれ内装した第一
及び第二圧縮機Ａ，Ｂを備えている。そして、第一圧縮
機Ａに接続する第一吸入管Ｈの途中に第二圧縮機Ｂに接
続する第二吸入管Ｌを分岐させ、その分岐始端部Ｅを第
一吸入管Ｈの管内壁よりも内方側に位置させて、吸入経
路の圧力損失に差異を設けることにより、強制的に第一
圧縮機Ａを高圧側に第二圧縮機Ｂを低圧側にすると共に
、前記第二吸入管Ｌを第一吸入管Ｈに突入させることに
より、吐出ガスと共に凝縮器等の外部機器側に一旦流出
されて第一吸入管Ｈの内壁面を主に伝って戻ってくる油
を、高圧側の第一圧縮機Ａに多く返すようにしている。 こうして、均油管Ｔを通して油が多く返る高圧側の第一
圧縮機Ａから低圧側の第二圧縮機Ｂに向けて常時油を移
動させ、各圧縮機Ａ，Ｂ双方に適正な油面が確保できる
ようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のもの
で、各圧縮機Ａ，Ｂ双方について適正な油面を確保する
には、高圧側となる第一圧縮機Ａに返す油量を低圧側と
なる第二圧縮機Ｂに返す油量に対して十分に多くし、こ
の第一圧縮機Ａに返す油量を、均油管Ｔを介して第一圧
縮機Ａから第二圧縮機Ｂに移送される移動油量を補充す
るのに必要かつ十分な量としなければならない。このた
め、第二吸入管Ｌの分岐始端部Ｅを第一吸入管Ｈの管内
壁よりも内方側に位置させて、油の濡れ性により主に第
一吸入管Ｈの内壁面を環状に伝って戻ってくる油を、第
二吸入管Ｌに流入しにくくし、相対的に第一圧縮機Ａに
返す油量を多くしているのである。

【０００５】しかし、第一吸入管Ｈを介して戻ってくる
油は、該第一吸入管Ｈの内壁面を伝う環状流ばかりでな
く、冷媒ガスの流速にのって第一吸入管Ｈの管内全体に
分布して流れるミスト状の油が含まれるため、単に第二
吸入管Ｌの分岐始端部Ｅを第一吸入管Ｈに突入させた構
造では、油ミストが第二吸入管Ｌ側に容易に流入してし
まい、第一圧縮機Ａ側への戻り油量が相対的に減少して
しまうことになる。この結果、均油管Ｔを通して第一圧
縮機Ａから第二圧縮機Ｂに移動する油量に比べて、第一
吸入管Ｈから第一圧縮機Ａに返ってくる油量が減り、第
一圧縮機Ａの油面が異常低下する問題が起こる。ここで
、第一圧縮機Ａの油面は均油管Ｔの開口位置を下回って
低下することはないとも考えられるが、運転中は、油は
回転部分の撹拌作用等によりケーシング内にミスト化さ
れて浮遊しているため、このケーシング内に浮遊する油
ミストが均油管Ｔを通して第二圧縮機Ｂに移動し、結局
、第一圧縮機Ａの油面は均油管Ｔの開口位置を下回って
低下し、該第一圧縮機Ａでは十分な油面を確保すること
ができず、潤滑不良等を招くおそれが生じるのである。 特に、圧縮要素にスクロ−ル型式のものを用いたもので
は、スクロ−ル渦巻体に十分な給油を確保する必要があ
るため、ケーシング内に浮遊する油ミスト量が多く、又
、吐出ガスと共に外部に流出する油量ひいては戻り油量
も多いため、この問題が顕著に現れる。

【０００６】本発明の目的は、吸入管の分岐部上流の構
造を工夫して、高圧側となる圧縮機に必要かつ十分な量
の油を返すことができ、適正な油面管理が行える連結型
圧縮装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、上
記目的を達成するために、油溜をもつケーシングに圧縮
要素をそれぞれ内装した複数の圧縮機１，２を備え、一
つの圧縮機１に接続する第一吸入管３の途中に他の圧縮
機２に接続する第二吸入管４を分岐させて、該第二吸入
管４の分岐始端部４１を前記第一吸入管３の管内壁より
も内方側に位置させると共に、前記圧縮機１，２の間に
均油管７を接続した連結型圧縮装置において、前記第二
吸入管４の分岐部上流に位置する前記第一吸入管３の内
部に、管内の流れを前記第一吸入管３の管内壁に向けて
偏向させるディフューザ５を配置した。

【０００８】前記ディフューザ５は、上流側から下流側
に向けて裾の広がる錐体形側面５１をもつ構造とするの
が好ましい。

【０００９】又、前記錐体形側面５１は、多孔質材で構
成したり、更には又、この錐体形側面５１の裾部５１ａ
が運転停止中に第一吸入管３の管内壁に向けて広がる可
動式の構造とするのが好ましい。

【００１０】更に、圧縮要素にスクロ−ル型式のものを
用いたものでは、前記ディフューザ５よる対策が特に効
果的になる。

【００１１】

【作用】第一吸入管３に戻ってくるガスと油の混合流体
は、ディフューザ５によりその流れが第一吸入管３の管
内壁に向けて偏向され、第一吸入管３の管内に分布して
流れる油ミストは、第一吸入管３の管内壁を伝う油の環
状流に積極的に押し付けられ、該環状流と合流すること
になる。これにより、ディフューザ５の下流域における
油の環状流の比率を相対的に高めることができて油ミス
トの量を減らせ、第二吸入管４側に流入する油量を低減
できて、第一吸入管３が接続される高圧側の圧縮機１に
十分な量の油を返すことができる。又、このように十分
な量の油が返る高圧側の圧縮機１から第二吸入管４が接
続される低圧側の圧縮機２へは均油管７を通じて油が移
動される。こうして、高圧側の圧縮機１における異常な
油面低下を防止でき、各圧縮機１，２の油面を適正に保
つことができる。

【００１２】ディフューザ５を、上流側から下流側に向
けて裾の広がる錐体形側面５１をもつ構造とすることに
より、該錐体形側面５１に沿って油ミストを第一吸入管
３の管内壁側にスムーズに案内でき、油ミストを良好に
減少させることができる。

【００１３】又、錐体形側面５１を多孔質材で構成する
ことにより、該錐体形側面５１の表面上に第一吸入管３
内を飛んでくる油ミストを良好に捕集でき、この集めた
油を第一吸入管３の管内壁に向かわせることができ、油
の環状流比率を更に高めることができる。

【００１４】更に、錐体形側面５１の裾部５１ａが運転
停止中に第一吸入管３の管内壁に向けて広がる可動式の
構造とすることにより、運転停止中は第一吸入管３の通
路が塞がれ、運転停止中に冷媒が各圧縮機１，２に多量
に戻って各油溜の油中に多量溶け込むのを防止でき、再
起動時に溶け込み冷媒が急激に沸騰して油面が泡立つ弊
害をも未然に回避することができる。

【００１５】圧縮要素にスクロ−ル型式のものを用いる
場合、戻り油流が多く、この戻り油中に含まれる油ミス
ト量も多いが、ディフューザ５による油ミスト量の低減
により、各圧縮機１，２での油面を適正に保つことがで
きる。

【００１６】

【実施例】図１に示す連結型圧縮装置は第一及び第二圧
縮機１，２を備えたツインタイプのものであり、各圧縮
機１，２は、それぞれ底部に油溜１０，２０をもつ密閉
式のケーシング１１，２１に、スクロ−ル型式の圧縮要
素１２，２２と、該各圧縮要素１２，２２を駆動する駆
動軸１３，２３をもつモータ１４，２４とを内装してい
る。

【００１７】第一圧縮機１に接続する第一吸入管３の途
中には、図２に明示するように、第二圧縮機２に接続す
る第二吸入管４を分岐させており、その分岐始端部４１
を第一吸入管３の管内壁よりも内方側に位置させている
。こうして、第一吸入管３に対して第二吸入管４の圧力
損失を大きくし、第一圧縮機１のケーシング１１の内部
を高圧側に、第二圧縮機２のケーシング２１を低圧側に
強制的に設定するようにしている。又、第二吸入管４の
分岐始端部４１を第一吸入管３の管内壁よりも内方側に
位置させることにより、第一吸入管３の内壁面を環状に
伝って戻ってくる油を第二吸入管４側に流れにくくして
、第一圧縮機１への戻り油量が相対的に多くなるように
している。

【００１８】又、高圧側の第一圧縮機１と低圧側の第二
圧縮機２との間には、各油溜１０，２０の規定油面に対
して下向きに開口する配管７１，７２をもち、途中にル
ープ状の細管８１を用いた絞り手段８を介装した均油管
７を接続している。

【００１９】更に、各ケーシング１１，２１の上部には
各圧縮要素１２，２２で圧縮した高圧流体を開放する吐
出チャンバー１５，２５を設け、該各チャンバーに吐出
管９に統合する第一及び第二吐出枝管９１，９２を接続
している。

【００２０】以上の構成で、前記第二吸入管４の分岐部
上流に位置する第一吸入管３の内部に、管内の流れを前
記第一吸入管３の管内壁に向けて偏向させるディフュー
ザ５を配置する。

【００２１】具体的に、前記ディフューザ５は、図２及
び図３に明示するように、上流側から下流側に向けて裾
の広がる円錐形の錐体形側面５１をもつ偏向案内部５２
と、連通穴５３をもつ鍔状の支持部５４とを備え、前記
偏向案内部５２の頂部を第一吸入管３の中心軸上に臨ま
せると共に、前記支持部５４の外周を第一吸入管３の内
壁面に圧入等により固定するようにしている。

【００２２】これにより、第一吸入管３に戻ってくる冷
媒ガスと油の混合流体は、前記偏向案内部５２の外面を
構成する前記錐体形側面５１により、軸方向から第一吸
入管３の内壁面に向けてその流れがスムーズに偏向され
、第一吸入管３の管内に分布して流れる油ミストは、第
一吸入管３の管内壁を伝う油の環状流に積極的に押し付
けられて、該環状流と合流することになる。こうして、
ディフューザ５の下流域における油の環状流ａの比率が
相対的に高められ、戻り油中に含まれる油ミスト量が減
って、第二吸入管４側に流入する油ミスト量を低減でき
、高圧側となる第一圧縮機１側に十分な量の油を返すこ
とができるのである。又、このように十分な量の油が返
される第一圧縮機１から第二圧縮機２へは均油管７を通
じて油が移動され、該第二圧縮機２の油面も適正に保て
るのである。従って、第一圧縮機１の異常な油面低下を
防止でき、該第一圧縮機１及び第二圧縮機２の双方の油
面を適正に保つことができるのである。

【００２３】ところで、以上の構成で、前記ディフュー
ザ５における偏向案内部５２を多孔質材で構成したり、
又、該偏向案内部５２の外面に多孔質材を貼り付けるこ
とにより、前記錐体形側面５１を多孔質の表面とするの
が好ましく、この場合には、錐体形側面５１の表面上に
第一吸入管３内を飛んでくる油ミストを良好に捕集でき
て、この集めた油を第一吸入管３の管内壁に向かわせる
ことができ、油の環状流比率を更に高めることができる
のである。

【００２４】又、図４に示すように、前記偏向案内部５
２を、柔軟性に富む樹脂等で構成して、静的状態ではそ
の錐体形側面５１の裾部５１ａが外方に広がる構造とし
、この偏向案内部５２の頂部を支持部５４の中心に突設
する支持軸５５に固定して、図５に示すように、運転中
は、吸入流体の流速により実線の通り前記裾部５１ａが
縮径して油ミストを第一吸入管３の管内壁に向かわせる
ディフューザ本来の形となり、運転停止中は、想像線の
通り前記裾部５１ａが第一吸入管３の管内壁に向けて広
がり、該第一吸入管３の通路を塞ぐ形となるようにして
もよい。この場合には、運転停止中に冷媒が各圧縮機１
，２に多量に戻って各油溜１０，２０の油中に多量の冷
媒に溶け込み再起動時に該溶け込み冷媒が急激に沸騰し
て油面が泡立ついわゆるフォーミング現象が発生するの
を未然に防止でき、再起動時の給油を良好に確保するこ
とができるのである。

【００２５】尚、以上の実施例では、ツインタイプのも
のを示したが、圧縮機を３台以上連結したものにも同様
に適用できるのは云うまでもない。

【００２６】

【発明の効果】以上、本発明によれば、第二吸入管４の
分岐部上流にディフューザ５を配置したから、戻り油中
に占める油の環状流比率を向上できて油ミスト量を減少
でき、第一吸入管３から第二吸入管４に流入する油ミス
ト量を低減できて、第一吸入管３が接続される高圧側の
圧縮機１に十分な量の油を返すことができ、高圧側の圧
縮機１における異常な油面低下を防止でき、各圧縮機１
，２の油面を適正に保つことができる。

【００２７】ディフューザ５を、上流側から下流側に向
けて裾の広がる錐体形側面５１をもつ構造としたから、
油ミストを第一吸入管３の内壁面側にスムーズに案内す
ることができ、油の環状流比率を良好に高めることがで
きる。

【００２８】更に、錐体形側面５１を多孔質材で構成し
たから、油ミストの捕集効果が上がり、油の環状流比率
を一層高めることができる。

【００２９】又、錐体形側面５１を、その裾部５１ａが
運転停止中に第一吸入管３の管内壁に向けて広がる可動
式の構造としたから、運転停止中に圧縮機１，２の油溜
に冷媒が溶け込むのを防止でき、再起動時の油面のフォ
ーミング現象を防止でき、該再起動時の給油をも良好に
確保することができる。

【００３０】圧縮要素にスクロ−ル型式のものを用いる
場合、戻り油流が多く、この戻り油中に含まれる油ミス
ト量も多いが、ディフューザ５によるの油ミスト量の低
減により、各圧縮機１，２での油面を適正に保つことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る連結型圧縮装置の全体構造を示す
配管図。

【図２】同第１実施例の要部断面図。

【図３】同第１実施例に係るディフューザの斜視図。

【図４】同第２実施例に係るディフューザの斜視図。

【図５】同第２実施例の要部断面図。

【図６】従来の連結型圧縮装置を示す配管図。

【符号の説明】

１　　　　第一圧縮機 ２　　　　第二圧縮機 ３　　　　第一吸入管 ４　　　　第二吸入管 ５　　　　ディフューザ ７　　　　均油管 ４１　　　　分岐始端部 ５１　　　　錐体形側面 ５１ａ　　裾部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】油溜をもつケーシングに圧縮要素をそれぞ
   れ内装した複数の圧縮機１，２を備え、一つの圧縮機１
   に接続する第一吸入管３の途中に他の圧縮機２に接続す
   る第二吸入管４を分岐させて、該第二吸入管４の分岐始
   端部４１を前記第一吸入管３の管内壁よりも内方側に位
   置させると共に、前記圧縮機１，２の間に均油管７を接
   続した連結型圧縮装置において、前記第二吸入管４の分
   岐部上流に位置する前記第一吸入管３の内部に、管内の
   流れを前記第一吸入管３の管内壁に向けて偏向させるデ
   ィフューザ５を配置していることを特徴とする連結型圧
   縮装置。
2. 【請求項２】ディフューザ５が、上流側から下流側に向
   けて裾の広がる錐体形側面５１をもつ請求項１記載の連
   結型圧縮装置。
3. 【請求項３】錐体形側面５１が、多孔質材から成る請求
   項２記載の連結型圧縮装置。
4. 【請求項４】錐体形側面５１が、該側面５１の裾部５１
   ａが運転停止中に第一吸入管３の管壁面に向けて広がる
   可動式である請求項２記載の連結型圧縮装置。
5. 【請求項５】圧縮要素が、スクロ−ル型式である請求項
   １から請求項４いずれか一項記載の連結型圧縮装置。