JPH04214073A - 耐酸化性炭素繊維強化炭素材およびその製造方法 - Google Patents
耐酸化性炭素繊維強化炭素材およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH04214073A JPH04214073A JP2410347A JP41034790A JPH04214073A JP H04214073 A JPH04214073 A JP H04214073A JP 2410347 A JP2410347 A JP 2410347A JP 41034790 A JP41034790 A JP 41034790A JP H04214073 A JPH04214073 A JP H04214073A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon
- carbon fiber
- oxidation
- powder
- carbon material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 title claims abstract description 46
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 title claims abstract description 46
- 239000003575 carbonaceous material Substances 0.000 title claims abstract description 43
- 229920000049 Carbon (fiber) Polymers 0.000 title claims abstract description 39
- 239000004917 carbon fiber Substances 0.000 title claims abstract description 39
- VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N methane Chemical compound C VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N 0.000 title claims abstract description 20
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 16
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 46
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 claims abstract description 37
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 claims abstract description 26
- 239000000843 powder Substances 0.000 claims abstract description 24
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 claims abstract description 16
- 239000002245 particle Substances 0.000 claims abstract description 11
- 239000002002 slurry Substances 0.000 claims abstract description 9
- 239000011347 resin Substances 0.000 claims abstract description 6
- 229920005989 resin Polymers 0.000 claims abstract description 6
- LFQSCWFLJHTTHZ-UHFFFAOYSA-N Ethanol Chemical compound CCO LFQSCWFLJHTTHZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 5
- 239000012779 reinforcing material Substances 0.000 claims abstract description 4
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 claims description 9
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims description 8
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 6
- 229910052580 B4C Inorganic materials 0.000 claims description 5
- INAHAJYZKVIDIZ-UHFFFAOYSA-N boron carbide Chemical compound B12B3B4C32B41 INAHAJYZKVIDIZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 5
- HBMJWWWQQXIZIP-UHFFFAOYSA-N silicon carbide Chemical compound [Si+]#[C-] HBMJWWWQQXIZIP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 5
- 150000001247 metal acetylides Chemical class 0.000 claims description 4
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims description 4
- 229910010271 silicon carbide Inorganic materials 0.000 claims description 4
- 238000005245 sintering Methods 0.000 claims description 4
- 239000002131 composite material Substances 0.000 claims description 3
- 238000003825 pressing Methods 0.000 claims description 3
- 239000011812 mixed powder Substances 0.000 abstract description 3
- 238000013329 compounding Methods 0.000 abstract 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 7
- 230000001590 oxidative effect Effects 0.000 description 5
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 4
- 238000000034 method Methods 0.000 description 4
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 4
- 238000005470 impregnation Methods 0.000 description 3
- 239000000463 material Substances 0.000 description 3
- QCWXUUIWCKQGHC-UHFFFAOYSA-N Zirconium Chemical compound [Zr] QCWXUUIWCKQGHC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000011233 carbonaceous binding agent Substances 0.000 description 2
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 2
- 229910052726 zirconium Inorganic materials 0.000 description 2
- ZOXJGFHDIHLPTG-UHFFFAOYSA-N Boron Chemical compound [B] ZOXJGFHDIHLPTG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000012620 biological material Substances 0.000 description 1
- 239000011203 carbon fibre reinforced carbon Substances 0.000 description 1
- 238000003763 carbonization Methods 0.000 description 1
- 238000005229 chemical vapour deposition Methods 0.000 description 1
- 239000003245 coal Substances 0.000 description 1
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 1
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 1
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 1
- 238000000280 densification Methods 0.000 description 1
- 238000001035 drying Methods 0.000 description 1
- 239000003208 petroleum Substances 0.000 description 1
- 239000005011 phenolic resin Substances 0.000 description 1
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 1
- 230000002787 reinforcement Effects 0.000 description 1
- 230000035939 shock Effects 0.000 description 1
- 230000004580 weight loss Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温下で使用される機械
構造部材として用いられる、高強度高弾性で耐酸化性を
有した耐酸化性炭素繊維強化炭素材およびその製造方法
に関するものである。さらに詳しく言えば本発明は特に
高温の大気、排ガス雰囲気中などの酸化性雰囲気下にお
いて、耐酸化性・高強度・高弾性を要求されるような条
件下で使用される、構造用部材としての耐酸化性炭素繊
維強化炭素材およびその製造方法に関するものである。
構造部材として用いられる、高強度高弾性で耐酸化性を
有した耐酸化性炭素繊維強化炭素材およびその製造方法
に関するものである。さらに詳しく言えば本発明は特に
高温の大気、排ガス雰囲気中などの酸化性雰囲気下にお
いて、耐酸化性・高強度・高弾性を要求されるような条
件下で使用される、構造用部材としての耐酸化性炭素繊
維強化炭素材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維強化炭素材は炭素の持つ耐熱性
、耐食性及び軽量性に加えて、炭素繊維強化により高強
度、高弾性を付与しているため、比強度が高く、高温で
の強度劣化がなく、熱衝撃に強く、非酸化性雰囲気での
使用に優れている。このような特徴を生かして、宇宙航
空用構造材料、耐熱構造材料、あるいは生体材料などに
用いられている。
、耐食性及び軽量性に加えて、炭素繊維強化により高強
度、高弾性を付与しているため、比強度が高く、高温で
の強度劣化がなく、熱衝撃に強く、非酸化性雰囲気での
使用に優れている。このような特徴を生かして、宇宙航
空用構造材料、耐熱構造材料、あるいは生体材料などに
用いられている。
【0003】炭素繊維強化素材は現在工業的には、樹脂
やピッチの含浸法、CVD法、あるいは加圧含浸炭化法
によって製造されているが、いずれも工程の繰り返しが
必要となり、製造に長時間を要するため、コスト高とな
っているのが現状である。
やピッチの含浸法、CVD法、あるいは加圧含浸炭化法
によって製造されているが、いずれも工程の繰り返しが
必要となり、製造に長時間を要するため、コスト高とな
っているのが現状である。
【0004】本発明者らはこの製造コストの問題を改善
するため、加熱加圧成形法による炭素繊維強化炭素材の
製法をすでに発明した。これは炭素繊維強化炭素材のマ
トリックス原料として、コークス粉末と炭素質バインダ
ーの混合物を用い、これら混合物を一方向あるいはクロ
ス状の炭素繊維と積層し、これを加熱加圧成形すること
により短期間に炭素繊維強化炭素材を製造することがで
きる。
するため、加熱加圧成形法による炭素繊維強化炭素材の
製法をすでに発明した。これは炭素繊維強化炭素材のマ
トリックス原料として、コークス粉末と炭素質バインダ
ーの混合物を用い、これら混合物を一方向あるいはクロ
ス状の炭素繊維と積層し、これを加熱加圧成形すること
により短期間に炭素繊維強化炭素材を製造することがで
きる。
【0005】しかし、炭素繊維強化炭素材はマトリック
スと強化材とも炭素であるため、高温で酸化されやすい
欠点がある。例えば、炭素材を大気中で加熱すると30
0 ℃から酸化され始め、600 ℃以上では急激に酸
化が進行する。このため、高温下では非酸化性雰囲気で
の使用に限定されているのが現状である。
スと強化材とも炭素であるため、高温で酸化されやすい
欠点がある。例えば、炭素材を大気中で加熱すると30
0 ℃から酸化され始め、600 ℃以上では急激に酸
化が進行する。このため、高温下では非酸化性雰囲気で
の使用に限定されているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高強度、高弾
性な炭素繊維強化炭素材の特性を損なわないように高温
下での耐酸化性を付与した、耐酸化性炭素繊維強化炭素
材を開発することを課題とする。
性な炭素繊維強化炭素材の特性を損なわないように高温
下での耐酸化性を付与した、耐酸化性炭素繊維強化炭素
材を開発することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の耐酸化性炭素繊
維強化炭素材は、粒径10μm以下の微細なセラミック
スが炭素中に10〜50容量%分散したものをマトリッ
クスとし、20〜40容量%の長炭素繊維を強化材とし
て複合した構成に特徴がある。
維強化炭素材は、粒径10μm以下の微細なセラミック
スが炭素中に10〜50容量%分散したものをマトリッ
クスとし、20〜40容量%の長炭素繊維を強化材とし
て複合した構成に特徴がある。
【0008】本発明の耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製
造方法は、20〜50容量%のピッチ粉末と、10〜5
0容量%のセラミックス粉末と、残りが生コークス粉末
からなる混合物に少量の樹脂とアルコールを加えてスラ
リー状としたものを、引き揃えた長炭素繊維群中にその
長炭素繊維の占める割合が20〜40容量%となるよう
に含浸せしめて予備成形体を形成し、その予備成形体を
加熱加圧成形し、焼結することを特徴とする。
造方法は、20〜50容量%のピッチ粉末と、10〜5
0容量%のセラミックス粉末と、残りが生コークス粉末
からなる混合物に少量の樹脂とアルコールを加えてスラ
リー状としたものを、引き揃えた長炭素繊維群中にその
長炭素繊維の占める割合が20〜40容量%となるよう
に含浸せしめて予備成形体を形成し、その予備成形体を
加熱加圧成形し、焼結することを特徴とする。
【0009】本発明の耐酸化性炭素繊維強化炭素材にお
いて、上記セラミックスは、炭化ホウ素、炭化ケイ素、
元素周期律表の4a族の炭化物、元素周期律表の4a族
のホウ化物の群の中から選択した1又は複数からなるも
のとするのがよい。
いて、上記セラミックスは、炭化ホウ素、炭化ケイ素、
元素周期律表の4a族の炭化物、元素周期律表の4a族
のホウ化物の群の中から選択した1又は複数からなるも
のとするのがよい。
【0010】本発明の耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製
造方法において、上記ピッチ粉末および生コークス粉末
は、石油系、石炭系のいずれでもよいが、残留揮発分を
ピッチ粉末が20〜30重量%、生コークス粉末が5〜
15重量%含むものがよい。これらの粒径は30μm以
下、好ましくは10μm以下のものがよい。ピッチ粉末
と生コークス粉末とは混合して用いてもよいがピッチ粉
末のみを用いることができる。ピッチ粉末の混合量を全
混合粉末に対して20〜50容量%としたのは、ピッチ
配合量が20容量%未満の場合には炭素繊維とマトリッ
クスとの接着性が悪く強度劣化が生じ、50容量%を越
える場合には熱処理により多孔化し密度と強度の低下が
生じるからである。
造方法において、上記ピッチ粉末および生コークス粉末
は、石油系、石炭系のいずれでもよいが、残留揮発分を
ピッチ粉末が20〜30重量%、生コークス粉末が5〜
15重量%含むものがよい。これらの粒径は30μm以
下、好ましくは10μm以下のものがよい。ピッチ粉末
と生コークス粉末とは混合して用いてもよいがピッチ粉
末のみを用いることができる。ピッチ粉末の混合量を全
混合粉末に対して20〜50容量%としたのは、ピッチ
配合量が20容量%未満の場合には炭素繊維とマトリッ
クスとの接着性が悪く強度劣化が生じ、50容量%を越
える場合には熱処理により多孔化し密度と強度の低下が
生じるからである。
【0011】本発明の製造方法において、上記セラミッ
クス粉末は、炭化ホウ素、炭化ケイ素、元素周期律表の
4a族の炭化物、元素周期律表の4a族のホウ化物の群
の中から選択した1又は複数からなる粉末が用いられ、
その粒径は10μm以下、好ましくは1μm以下のもの
が用いられる。セラミックス粉末の配合量を全混合粉末
に対して10〜50容量%にしたのは、10容量%以下
の場合には耐酸化性が悪くなり、50容量%を超えると
マトリックス中の炭素が減少し炭素繊維とマトリックス
との接着性が悪くなると共に機械加工性も悪くなるから
である。
クス粉末は、炭化ホウ素、炭化ケイ素、元素周期律表の
4a族の炭化物、元素周期律表の4a族のホウ化物の群
の中から選択した1又は複数からなる粉末が用いられ、
その粒径は10μm以下、好ましくは1μm以下のもの
が用いられる。セラミックス粉末の配合量を全混合粉末
に対して10〜50容量%にしたのは、10容量%以下
の場合には耐酸化性が悪くなり、50容量%を超えると
マトリックス中の炭素が減少し炭素繊維とマトリックス
との接着性が悪くなると共に機械加工性も悪くなるから
である。
【0012】本発明の耐酸化性炭素繊維強化炭素材が、
特に耐酸化性を必要とする場合には、炭化ホウ素粉末を
10〜20容量%配合するのが好ましく、とくに140
0℃以上の高温耐酸化性を必要とする場合には、元素周
期率表の4a族の炭化物あるいはホウ化物例えばホウ化
ジルコニウム粉末を10〜30容量%配合するのが好ま
しい。
特に耐酸化性を必要とする場合には、炭化ホウ素粉末を
10〜20容量%配合するのが好ましく、とくに140
0℃以上の高温耐酸化性を必要とする場合には、元素周
期率表の4a族の炭化物あるいはホウ化物例えばホウ化
ジルコニウム粉末を10〜30容量%配合するのが好ま
しい。
【0013】本発明で用いる炭素繊維は有機系、ピッチ
系のいずれでも良いが、引張強さ200Kgf/mm2
以上、引張弾性率2×104Kgf/mm2 以上の
高強度、高弾性品を用いるのが好ましい。これより低強
度のものでは複合材料の強度が低下する。炭素繊維は1
500℃以上の温度で処理されたものが好ましい。とい
うのは本発明の耐酸化性炭素繊維強化炭素材の熱処理温
度が1500〜2300℃の範囲であり、1500℃以
下で処理された炭素繊維では劣化してしまうためである
。炭素繊維は直径5〜10μmの連続長繊維であり、フ
ィラメント数は3000〜12000 のものを用いる
のが良く、これ以上フィラメント数が多くなるとマトリ
ックスと炭素繊維との分散性が悪くなる。
系のいずれでも良いが、引張強さ200Kgf/mm2
以上、引張弾性率2×104Kgf/mm2 以上の
高強度、高弾性品を用いるのが好ましい。これより低強
度のものでは複合材料の強度が低下する。炭素繊維は1
500℃以上の温度で処理されたものが好ましい。とい
うのは本発明の耐酸化性炭素繊維強化炭素材の熱処理温
度が1500〜2300℃の範囲であり、1500℃以
下で処理された炭素繊維では劣化してしまうためである
。炭素繊維は直径5〜10μmの連続長繊維であり、フ
ィラメント数は3000〜12000 のものを用いる
のが良く、これ以上フィラメント数が多くなるとマトリ
ックスと炭素繊維との分散性が悪くなる。
【0014】炭素繊維の体積率が成形体に対して20〜
40容量%の範囲であるのは、繊維体積率が20容量%
未満の場合は炭素繊維による高強度化の効果が少なく、
60容量%を超えるとマトリックスと炭素繊維との接着
性が悪くなり強度が劣化するからであり、また40容量
%を超えるとセラミックスの体積率が少なくなり耐酸化
性が劣化するなどの問題が生じるからである。好ましく
は20〜40容量%の範囲である。
40容量%の範囲であるのは、繊維体積率が20容量%
未満の場合は炭素繊維による高強度化の効果が少なく、
60容量%を超えるとマトリックスと炭素繊維との接着
性が悪くなり強度が劣化するからであり、また40容量
%を超えるとセラミックスの体積率が少なくなり耐酸化
性が劣化するなどの問題が生じるからである。好ましく
は20〜40容量%の範囲である。
【0015】上記予備成形体の形成は、長炭素繊維を開
繊し一方向に並べ、これにマトリックスのスラリーを塗
布し、乾燥し、積層体としてまとめるのがよい。このよ
うに並べられた炭素繊維にスラリー化したマトリックス
粉末を塗布すると、成形後の炭素繊維とマトリックスと
の分散が均一となり、しかもマトリックス中に炭素質の
バインダーとしてのピッチを含むためマトリックスと炭
素繊維との接着性が良好な成形体が得られる。また、マ
トリックスと炭素繊維との積層物を加熱加圧成形するた
め緻密な成形体が得られ、樹脂やピッチの含浸を繰り返
す必要がなく短期間に製造することができる。
繊し一方向に並べ、これにマトリックスのスラリーを塗
布し、乾燥し、積層体としてまとめるのがよい。このよ
うに並べられた炭素繊維にスラリー化したマトリックス
粉末を塗布すると、成形後の炭素繊維とマトリックスと
の分散が均一となり、しかもマトリックス中に炭素質の
バインダーとしてのピッチを含むためマトリックスと炭
素繊維との接着性が良好な成形体が得られる。また、マ
トリックスと炭素繊維との積層物を加熱加圧成形するた
め緻密な成形体が得られ、樹脂やピッチの含浸を繰り返
す必要がなく短期間に製造することができる。
【0016】予備成形体の加熱加圧成形及び焼結は不活
性雰囲気下で行い、加熱加圧成形温度は300 〜50
0 ℃、焼結温度は1500〜2300℃の範囲であり
、成形圧力は100 〜500Kgf/cm2 の範囲
である。
性雰囲気下で行い、加熱加圧成形温度は300 〜50
0 ℃、焼結温度は1500〜2300℃の範囲であり
、成形圧力は100 〜500Kgf/cm2 の範囲
である。
【0017】
【作用及び効果】本発明の耐酸化性炭素繊維強化炭素材
において、マトリックスの炭素は、炭素繊維間及び炭素
繊維とマトリックスとの接着性、及びマトリックスの緻
密化を付与し、炭素繊維は、高強度と高弾性を付与する
。さらに、セラミックスは高温での耐酸化性とその焼結
によりマトリックスを高強度にする。すなわち、セラミ
ックスを複合することにより高温酸化性雰囲気化での使
用時に製品表面に酸化皮膜を形成し高温耐酸化性が大き
く改善される。
において、マトリックスの炭素は、炭素繊維間及び炭素
繊維とマトリックスとの接着性、及びマトリックスの緻
密化を付与し、炭素繊維は、高強度と高弾性を付与する
。さらに、セラミックスは高温での耐酸化性とその焼結
によりマトリックスを高強度にする。すなわち、セラミ
ックスを複合することにより高温酸化性雰囲気化での使
用時に製品表面に酸化皮膜を形成し高温耐酸化性が大き
く改善される。
【0018】例えば、市販の炭素材の曲げ強さ及び曲げ
弾性率が各々100 〜500Kgf/cm2 、5×
105 〜10×105Kgf/mm2 であるのに対
し、本発明の炭素繊維強化炭素材の曲げ強さ及び曲げ弾
性率は各々1000〜3000 Kgf/cm2 、1
0×105 〜30×105Kgf/mm2 であり、
市販の炭素材に比べてはるかに高強度、高弾性である。
弾性率が各々100 〜500Kgf/cm2 、5×
105 〜10×105Kgf/mm2 であるのに対
し、本発明の炭素繊維強化炭素材の曲げ強さ及び曲げ弾
性率は各々1000〜3000 Kgf/cm2 、1
0×105 〜30×105Kgf/mm2 であり、
市販の炭素材に比べてはるかに高強度、高弾性である。
【0019】高温の耐酸化性は例えば市販の炭素材や炭
素繊維強化炭素材は酸化性雰囲気中では600 ℃から
急激に酸化が進行するのに対し、本発明の耐酸化性炭素
繊維強化炭素材では1200℃の大気中で6時間放置し
ても重量減少率は僅かに10%以下であり、はるかに耐
酸化性が改善される。
素繊維強化炭素材は酸化性雰囲気中では600 ℃から
急激に酸化が進行するのに対し、本発明の耐酸化性炭素
繊維強化炭素材では1200℃の大気中で6時間放置し
ても重量減少率は僅かに10%以下であり、はるかに耐
酸化性が改善される。
【0020】本発明の耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製
造方法は、予備成形体の形成が長炭素繊維群にスラリー
状のものを含浸させるので、その作業が容易であり、製
造コスト面で有利である。
造方法は、予備成形体の形成が長炭素繊維群にスラリー
状のものを含浸させるので、その作業が容易であり、製
造コスト面で有利である。
【0021】
【実施例】マトリックス中の炭素として、揮発分約10
容量%の生コークス粉末(平均粒径10μm以下)、揮
発分約25容量%のピッチ粉末(平均粒径11μm以下
)、およびセラミックスとして、炭化ケイ素粉末(平均
粒径0.6 μm以下)と炭化ホウ素粉末(平均粒径1
.5 μm以下)およびホウ化ジルコニウム粉末(平均
粒径2μm以下)を下記の表1に実施例1〜10として
示す割合で配合し、ボールミルで6時間混合し、マトリ
ックス粉末とした。
容量%の生コークス粉末(平均粒径10μm以下)、揮
発分約25容量%のピッチ粉末(平均粒径11μm以下
)、およびセラミックスとして、炭化ケイ素粉末(平均
粒径0.6 μm以下)と炭化ホウ素粉末(平均粒径1
.5 μm以下)およびホウ化ジルコニウム粉末(平均
粒径2μm以下)を下記の表1に実施例1〜10として
示す割合で配合し、ボールミルで6時間混合し、マトリ
ックス粉末とした。
【0022】
【表1】
【0023】このマトリックス粉末と少量のフェノール
樹脂およびエタノールとを湿式ボールミルで3時間混合
しマトリックススラリーとした。
樹脂およびエタノールとを湿式ボールミルで3時間混合
しマトリックススラリーとした。
【0024】炭素繊維は開繊し、一方向に並べながら筒
に巻き取る。この炭素繊維の巻き取り中に、マトリック
ススラリーを塗布し、この巻き取りと塗布を繰り返し、
繊維にマトリックスが含浸した予備成形体を作製する。 得られた予備成形体中の繊維とマトリックスおよび樹脂
の体積率を表1に示す。
に巻き取る。この炭素繊維の巻き取り中に、マトリック
ススラリーを塗布し、この巻き取りと塗布を繰り返し、
繊維にマトリックスが含浸した予備成形体を作製する。 得られた予備成形体中の繊維とマトリックスおよび樹脂
の体積率を表1に示す。
【0025】これら各実施例の予備成形体を350 ℃
〜400 ℃の温度で20MPa の圧力を加えて成形
し、さらに2000〜2200℃の温度で熱処理を施し
た。このようにして得られた焼成体(耐酸化性炭素繊維
強化炭素材)の密度と曲げ強さの測定値を下記の表2に
示す。 熱処理後のセラミックスと繊維の体積率も求
めた。
〜400 ℃の温度で20MPa の圧力を加えて成形
し、さらに2000〜2200℃の温度で熱処理を施し
た。このようにして得られた焼成体(耐酸化性炭素繊維
強化炭素材)の密度と曲げ強さの測定値を下記の表2に
示す。 熱処理後のセラミックスと繊維の体積率も求
めた。
【0026】
【表2】
【0027】また、比較例として市販の炭素繊維強化炭
素材料の値も表2に併記した。曲げ強さは繊維方向を長
さ方向とし、試料を3×5×30mmに切断し実温3点
曲げにより測定した。
素材料の値も表2に併記した。曲げ強さは繊維方向を長
さ方向とし、試料を3×5×30mmに切断し実温3点
曲げにより測定した。
【0028】実施例3、4、5、6について800 ℃
と1000℃の大気中における重量増減を測定した。そ
れぞれの結果を図1および図2に示す。これは、210
0℃で熱処理した試料を6×8×30mmの大きさに切
断し、800 ℃と1000℃に保持された箱型電気炉
の中に静置し、所定時間保持した後、重量増減を測定し
た。また、比較例として市販の炭素繊維強化炭素材も同
一条件で高温大気中での重量増減を測定した。図1およ
び図2から理解されるように、800 ℃では各実施例
(3〜6)が比較例よりも格段と耐酸化性に優れており
、1000℃でも各実施例(3〜6)が比較例よりも優
れていて、中でも実施例5、6、が優秀である。なお、
実施例1、2、7、8、9、10の耐酸化性は、実施例
3、4のそれに略匹敵する。
と1000℃の大気中における重量増減を測定した。そ
れぞれの結果を図1および図2に示す。これは、210
0℃で熱処理した試料を6×8×30mmの大きさに切
断し、800 ℃と1000℃に保持された箱型電気炉
の中に静置し、所定時間保持した後、重量増減を測定し
た。また、比較例として市販の炭素繊維強化炭素材も同
一条件で高温大気中での重量増減を測定した。図1およ
び図2から理解されるように、800 ℃では各実施例
(3〜6)が比較例よりも格段と耐酸化性に優れており
、1000℃でも各実施例(3〜6)が比較例よりも優
れていて、中でも実施例5、6、が優秀である。なお、
実施例1、2、7、8、9、10の耐酸化性は、実施例
3、4のそれに略匹敵する。
【0029】実施例5、6について、1400℃と16
00℃の大気中における重量増減を測定した。それぞれ
の結果を図3および4に示す。
00℃の大気中における重量増減を測定した。それぞれ
の結果を図3および4に示す。
【図1】本発明の実施例3〜4の各耐酸化性炭素繊維強
化炭素材の800 ℃大気中での酸化による重量変化率
を示すグラフである。
化炭素材の800 ℃大気中での酸化による重量変化率
を示すグラフである。
【図2】本発明の3〜4の各耐酸化性炭素繊維強化炭素
材の1000℃大気中での酸化による重量変化率を示す
グラフである。
材の1000℃大気中での酸化による重量変化率を示す
グラフである。
【図3】本発明の実施例5、6の各耐酸化性炭素繊維強
化炭素材の1400℃大気中での酸化による重量変化率
を示すグラフである。
化炭素材の1400℃大気中での酸化による重量変化率
を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例5、6の各耐酸化性炭素繊維強
化炭素材の1600℃大気中での酸化による重量変化率
を示すグラフである。
化炭素材の1600℃大気中での酸化による重量変化率
を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 粒径10μm 以下の微細なセラミッ
クスが炭素中に10〜50容量%分散したものをマトリ
ックスとし、20〜40容量%の長炭素繊維を強化材と
して複合した構成の耐酸化性炭素繊維強化炭素材。 - 【請求項2】 上記セラミックスが、炭化ホウ素、炭
化ケイ素、元素周期律表の4a族の炭化物、元素周期律
表の4a族のホウ化物の群の中から選択した1又は複数
からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の
耐酸化性炭素繊維強化炭素材。 - 【請求項3】 20〜50容量%のピッチ粉末と、1
0〜50容量%のセラミックス粉末と、残部が生コーク
ス粉末からなる混合物に少量の樹脂とアルコールを加え
てスラリー状としたものを、引き揃えた長炭素繊維群中
にその長炭素繊維の占める割合が20〜40容量%とな
るように含浸せしめて予備成形体を形成し、その予備成
形体を加熱加圧成形し、焼結することを特徴とする耐酸
化性炭素繊維強化炭素材の製造方法。 - 【請求項4】 上記ピッチ粉末が残留揮発分を20〜
30重量%含み、上記生コークス粉末が残留揮発分を5
〜15%含むものであることを特徴とする請求項3に記
載の耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法。 - 【請求項5】 上記セラミックス粉末が、炭化ホウ素
、炭化ケイ素、元素周期律表の4a族の炭化物、元素周
期律表の4a族のホウ化物の群の中から選択した1又は
複数からなる粉末であることを特徴とする請求項3又は
4に記載の耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法。 - 【請求項6】上記長炭素繊維が、引張強さ200Kgf
/mm2 以上、引張弾性率2×104Kgf/mm2
以上のものであることを特徴とする請求項3、4、5
の中のいずれか1に記載の耐酸化性炭素繊維強化炭素材
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2410347A JPH04214073A (ja) | 1990-12-12 | 1990-12-12 | 耐酸化性炭素繊維強化炭素材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2410347A JPH04214073A (ja) | 1990-12-12 | 1990-12-12 | 耐酸化性炭素繊維強化炭素材およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04214073A true JPH04214073A (ja) | 1992-08-05 |
Family
ID=18519522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2410347A Withdrawn JPH04214073A (ja) | 1990-12-12 | 1990-12-12 | 耐酸化性炭素繊維強化炭素材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04214073A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003068707A1 (fr) | 2002-02-14 | 2003-08-21 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Materiau composite carbone renforce a fibre de carbone resistante a l'oxydation, et procede de production dudit materiau |
-
1990
- 1990-12-12 JP JP2410347A patent/JPH04214073A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003068707A1 (fr) | 2002-02-14 | 2003-08-21 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Materiau composite carbone renforce a fibre de carbone resistante a l'oxydation, et procede de production dudit materiau |
EP1481954A1 (en) * | 2002-02-14 | 2004-12-01 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Oxidation resistant carbon fiber reinforced carbon composite material and process for producing the same |
US7364794B2 (en) | 2002-02-14 | 2008-04-29 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Oxidation resistant carbon fiber reinforced carbon composite material and process for producing the same |
EP1481954A4 (en) * | 2002-02-14 | 2010-03-03 | Toyo Tanso Co | OXIDATION-RESISTANT CARBON FIBER REINFORCED CARBON COMPOSITE MATERIAL AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6773528B2 (en) | Process for producing fiber-reinforced-silicon carbide composites | |
US5990025A (en) | Ceramic matrix composite and method of manufacturing the same | |
US6258737B1 (en) | Article and method for making complex shaped preform and silicon carbide composite by melt infiltration | |
EP2543650B1 (en) | Method for manufacturing high-density fiber reinforced ceramic composite materials | |
TWI338611B (en) | Manufacture of carbon/carbon composites by hot pressing | |
JP4014254B2 (ja) | Si濃度段階的変化型Si−SiC材料及びSi濃度段階的変化型SiC繊維強化Si−SiC複合材料並びにこれらの製造方法 | |
JP4647370B2 (ja) | 繊維強化炭化ケイ素複合材料及びその製造方法 | |
JP4536950B2 (ja) | SiC繊維強化型SiC複合材料のホットプレス製造方法 | |
WO2007004482A1 (ja) | 炭素繊維強化SiC系複合材及び摺動材 | |
JP3491902B2 (ja) | 繊維複合材料及びその製造方法 | |
US20040155382A1 (en) | Manufacture of carbon/carbon composites by hot pressing | |
KR100307509B1 (ko) | 세라믹 함유 탄소/탄소 복합재료 및 그의 제조 방법 | |
KR100689636B1 (ko) | 금속실리콘 용융침투 공정에 의한 탄소섬유 강화 탄화규소복합체 제조방법 | |
Kim et al. | Nicalon-fibre-reinforced silicon-carbide composites via polymer solution infiltration and chemical vapour infiltration | |
Rocha et al. | Formation of carbon fiber-reinforced ceramic matrix composites with polysiloxane/silicon derived matrix | |
JPH04214073A (ja) | 耐酸化性炭素繊維強化炭素材およびその製造方法 | |
JPH0355430B2 (ja) | ||
JPH0157075B2 (ja) | ||
JP2571251B2 (ja) | 摩擦材用炭素繊維強化炭素複合材料 | |
GB2119777A (en) | Process for the preparation of sintered bodies | |
JPH11322476A (ja) | 溶射層を有する複合材およびその製造方法 | |
JPH06116035A (ja) | 炭素繊維束強化炭化ケイ素焼結体とその製造方法 | |
JPH1112038A (ja) | SiC繊維強化SiC複合材料の製造方法 | |
JPH10167832A (ja) | 長繊維強化炭化ケイ素複合材料の製造方法 | |
JP4427914B2 (ja) | 層間方向強化型無機繊維結合セラミックス及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980312 |