JPH04214034A - タリウム系酸化物超電導体およびその製造方法 - Google Patents

タリウム系酸化物超電導体およびその製造方法

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JPH04214034A
JPH04214034A JP3061816A JP6181691A JPH04214034A JP H04214034 A JPH04214034 A JP H04214034A JP 3061816 A JP3061816 A JP 3061816A JP 6181691 A JP6181691 A JP 6181691A JP H04214034 A JPH04214034 A JP H04214034A
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JP
Japan
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thallium
based oxide
heat treatment
oxide superconductor
raw material
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JP3061816A
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English (en)
Inventor
Yasuko Torii
靖子 鳥居
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Metal Extraction Processes (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タリウム系酸化物超
電導体の製造方法に関するもので、特に、そのような超
電導体における臨界電流密度の向上を図るための改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、より高い臨界温度を示す超電導材
料として、セラミックス系のもの、すなわち酸化物超電
導材料が注目されている。
【0003】その中で、イットリウム系は90K、ビス
マス系は110K、タリウム系は120K程度の高い臨
界温度を示すことから、実用化が期待されている。中で
も、タリウム系酸化物超電導材料は、最も高い臨界温度
を示す点で注目されている。
【0004】たとえばタリウム系酸化物超電導材料を用
いて、長尺の超電導線材を製造するための方法として、
タリウム系酸化物超電導体の原料粉末を、金属シースに
て被覆した状態としてから、所望の形態とするための塑
性加工を施し、その後、熱処理をして、原料粉末を超電
導体化する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本件発明者は、上述の
ようなタリウム系酸化物超電導体を製造する実験を繰返
していくうちに、熱処理操作、およびこの熱処理と塑性
加工との組合せに関して、優れた特性の、たとえば高い
臨界電流密度のタリウム系酸化物超電導体を得るための
好ましい条件を見出した。
【0006】そこで、この発明の目的は、上述のような
知見に基づき、高い臨界電流密度を与え得るタリウム系
酸化物超電導体の製造方法を提供しようとすることであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、原料粉末か
ら、Tl−Bi−Ca−Sr−Cu−OまたはTl−B
i−Pb−Ca−Sr−Cu−Oの成分を有するタリウ
ム系酸化物超電導体を製造する方法に向けられるもので
あって、上述した技術的課題を解決するため、前記原料
粉末に対して、第1の熱処理を施し、その後、圧縮荷重
を加え、さらにその後、第2の熱処理を施すことを特徴
としている。原料は、各元素を含む酸化物および/また
は炭酸化物の混合物であっても、酸化物および/または
炭酸化物の混合物を熱処理して得られた超電導体であっ
てもよい。
【0008】上述した圧縮荷重は、圧延、プレスなどの
工程を実施することにより与えられる。また、たとえば
超電導線材を得る場合のように、原料粉末を金属シース
にて被覆した状態で、この発明にかかる製造方法を実施
する場合には、原料粉末を被覆した金属シースに対して
、圧延、プレス、伸線等の塑性加工を加えるときに、原
料粉末に対して圧縮荷重が加えられる。
【0009】
【作用】この発明にかかる製造方法において、第1の熱
処理により、目的とする超電導相の単相化が進み、その
後の圧縮荷重を加えるステップにおいて、超電導体の組
織の緻密化が図られ、さらに、第2の熱処理により、結
晶粒の成長が促進される。
【0010】
【発明の効果】したがって、この発明によって得られた
タリウム系酸化物超電導体では、目的とする超電導相が
多く生成されており、その組織も緻密であり、さらに、
結晶粒の成長によって、結晶粒間の接合状態を良好にす
ることができる。そのため、臨界電流密度の高いタリウ
ム系酸化物超電導体が得られ、ケーブルやマグネットに
実用化され得る可能性が高められる。
【0011】また、第1の熱処理において与えられる温
度が、第2の熱処理において与えられる温度より高くさ
れたとき、臨界電流密度の向上に一層効果があることが
わかっている。
【0012】特に、第1の熱処理において与えられる温
度が800〜920℃であり、第2の熱処理において与
えられる温度が750〜870℃であるとき、臨界電流
密度の向上に効果がある。
【0013】また、原料粉末を金属シースにて被覆した
ときには、得られたタリウム系酸化物超電導体に対して
、所望の形態を与えることがより容易になる。たとえば
、金属シースとして、長尺の管状のものを用いると、長
尺の超電導線材を容易に得ることができる。
【0014】上述のように、金属シースにより原料粉末
が被覆された状態で種々の処理ステップが実施される場
合、(1)第1の熱処理において与えられる温度が、7
00〜900℃であること、(2)圧縮荷重を加えるス
テップ後の原料粉末の部分の厚さが、金属シースおよび
原料粉末からなる複合物全体の厚さの20〜80%とさ
れること、および(3)第2の熱処理において与えられ
る温度T[℃]が、T=840+A×W−10t(ただ
し、700<T<880、600≦A≦100、Wは金
属シースおよび原料粉末からなる複合物全体の厚さ[m
m]、tは第2の熱処理の時間[時間])の式が成立す
るように選ばれることは、いずれも、安定して優れた特
性を有するタリウム系酸化物超電導体を得るための好ま
しい条件となる。
【0015】金属シースを構成する材料として、金、金
合金、銀または銀合金が用いられると、熱処理において
、金属シースを構成する材料が超電導材料と反応しない
ため好ましい。また、これらの金属は、導電性が高いの
で、金属シースを安定化材として機能させることもでき
る。
【0016】また、金属シースを複合構造とし、その内
周面を、金、金合金、銀または銀合金からなる貴金属層
によって形成し、その外方に、ステンレス鋼またはニッ
ケルのような強度の高い金属層を形成すれば、強度の高
い金属層は、貴金属層の強度を補強する。したがって、
金属シースは、全体として、高い加工度に耐えることが
できるようになるので、そのような加工度の上昇に伴う
臨界電流密度の向上を期待することができる。また、複
合構造の金属シースは、熱処理中のタリウムの蒸発を防
止するのに効果的であるので、タリウム系酸化物超電導
体の組成制御を簡単に行なうことができる。この点にお
いても、臨界電流密度の向上を期待できる。
【0017】また、圧縮荷重を加えるステップなどにお
いて、金属シースおよび原料粉末からなる複合物を縮径
加工する場合には、原料粉末の部分の断面積が加工前の
1/75以下に縮径されることにより、超電導体の組織
の緻密化を図ることができるとともに、目的とする超電
導相の反応を促進させることができる。それゆえに、高
い臨界電流密度を有するタリウム系酸化物超電導体を得
ることができる。
【0018】また、第1の熱処理を施すステップの後、
20℃/分以上の降温速度で冷却すると、異相の生成を
抑え、また余分なガスの吸着を抑えることができる。
【0019】また、圧縮荷重を加えるステップにおいて
、圧縮荷重を、5トン/cm2 以上に選ぶと、得られ
たタリウム系酸化物超電導体の組織の緻密化を図ること
ができるとともに、目的とする超電導相の反応を促進す
ることができる。なお、100トン/cm2 を超える
荷重を加えても、組織の緻密化および反応の速度は、ほ
とんど飽和する。
【0020】また、得られたタリウム系酸化物超電導体
の厚みが、200μm以下にされると、目的とする超電
導相の生成が、この超電導体全体にわたり均一に進み、
それによって超電導体の単一相化が行なわれやすい。し
たがって、タリウム系酸化物超電導体が本来的に有する
臨界電流密度を最大限に引き出すことができる。なお、
タリウム系酸化物超電導体における厚さとは、超電導体
がテープ状のように偏平な断面形状を有している場合に
は、その断面における短い方の径である厚さ方向寸法を
言い、また、超電導体が断面円形である場合には、その
直径の長さを言うものとする。
【0021】
【実施例】この発明によって製造しようとするタリウム
系酸化物超電導体は、 (1)  Tl−Bi−Ca−Sr−Cu−Oまたは(
2)  Tl−Bi−Pb−Ca−Sr−Cu−Oの成
分を有している。
【0022】上記(1)の成分を有するタリウム系酸化
物超電導体は、たとえば、 (Tl1−x Bix )a Srb Cam Cun
 (ただし、0<x<1、0.5<a<2、0.5<b
<3、0.5<m<5、2<n) の配合組成を有する原料粉末を、酸素を含む雰囲気中で
熱処理することにより得られる。
【0023】なお、上記配合組成において、さらに、0
<x<0.6の条件を満たすことが好ましい。
【0024】また、上記(2)の成分を有するタリウム
系酸化物超電導体は、たとえば、 (Tl1−x Bix Pby )a Srb Cam
 Cun (ただし、0<x<1、0<y<1、0.5
<a<2、0.5<b<3、0.5<m<5、2<n)
の配合組成を有する原料粉末を、酸素を含む雰囲気中で
熱処理することにより得られる。
【0025】なお、上記配合組成において、さらに、0
<x<0.6、0<y<0.5の条件を満たすことが好
ましい。
【0026】以下に、この発明をなすに至った実験例に
ついて説明する。
【0027】実験例1 まず、SrCO3 、CaCO3 、およびCuOの各
粉末を、秤量し、混合し、ペレット成形した後、750
〜840℃で、24時間焼成した。焼結後のペレットを
粉砕し、これに、さらに、 (1)  Tl2 O3 およびBi2 O3 の各粉
末を、秤量して加えて、最終的に、Tl:Bi:Ca:
Sr:Cu=1.6:0.4:2:2:3の配合比とな
るようにし(試料1)、他方、 (2)  Tl2 O3 、Bi2 O3 、およびP
bOを、秤量して加えて、最終的に、Tl:Bi:Pb
:Ca:Sr:Cu=1.5:0.3:0.2:2:2
:3の配合比となるようにした(試料2)。
【0028】これら試料1および2の各粉末を、それぞ
れ、さらに焼成して、焼結体ペレットを得た。
【0029】このようにして得られた焼結体ペレットを
粉砕し、銀シース中に充填した後、テープ状に加工した
【0030】その後、表1に示すような第1の熱処理を
行ない、その後、5〜100トン/cm2 のプレスに
よる荷重を加えた後、同じく表1に示す第2の熱処理を
行なった。
【0031】
【表1】   上述のような処理を経て得られた線材の液体窒素温
度における臨界電流密度を、試料1および2のそれぞれ
について測定した。その結果が、以下の表2に示されて
いる。
【0032】
【表2】   表1および表2において、「熱処理条件No.」に
*が付されているものは、比較例である。
【0033】第1の熱処理と第2の熱処理との間に実施
されるプレス加工の効果について確認した。
【0034】以下の表3に示されているものは、表1に
示した熱処理条件No.1〜5を採用しながらも、第1
の熱処理と第2の熱処理との間でプレス加工を行なって
いない。
【0035】
【表3】   表3と前述の表2における熱処理条件No.1〜5
とを比較すると、2つの熱処理の間のプレス加工が、臨
界電流密度の向上に寄与していることがわかる。
【0036】実験例2 実験例1と同様にして得られた原料粉末を銀シース中に
充填した後、これらをテープ状に加工した。
【0037】このようにして得られたテープ状線材の各
々につき、第1の熱処理を880℃で1時間行なった。
【0038】次いで、種々の荷重によりプレスし、以下
の表4の「線材厚さ(W)」に示すような厚さW[mm
]を有する種々のテープ状線材を得た。このとき、すべ
ての試料について、原料粉末部分の厚さが線材全体の厚
さWの20〜80%の範囲内に入っていた。
【0039】次に、同じ表4の「熱処理温度(℃)」お
よび「熱処理時間(時間)」に示すような熱処理条件に
て、第2の熱処理を施した。
【0040】熱処理後において、それぞれのテープ状線
材について、液体窒素中での臨界電流密度を測定した。 その結果も、また同じ表4に示されている。
【0041】
【表4】 上記表4において、*を付した試料は、比較例であり、
前述した T=840+A×W−10t の式を満足しないものである。
【0042】他方、上記式で規定する条件を満たす試料
では、高い臨界電流密度が得られていることがわかる。
【0043】実験例3 実験例1と同様にして得られた焼結体粉末を、銀シース
中に充填した後、テープ状に加工した。
【0044】次いで、第1の熱処理を、880℃で1時
間行なった。その後、以下の表5に示すような種々の降
温速度で、各試料を冷却した。次いで、50トン/cm
2 のプレスによる加工を加えた後、第2の熱処理を、
840℃で4時間行なった。
【0045】このようにして得られたタリウム系酸化物
超電導線材の液体窒素中における臨界電流密度を測定し
た。その結果も、以下の表5に示されている。
【0046】
【表5】   上記表5から、降温速度を20℃/分以上とするこ
とにより、臨界電流密度の飛躍的な向上が、図られてい
るのがわかる。
【0047】なお、上記各試料について、第2の熱処理
を実施しなかった場合、液体窒素中での臨界電流密度は
、降温速度にかかわらず、いずれも0A/cm2 であ
った。
【0048】実験例4 実験例1における試料1から得られた焼結体粉末を銀パ
イプに充填した後、テープ状に加工した。
【0049】その後、以下の表6に示したような大きさ
の種々のプレスによる荷重を各々加え、再度、熱処理し
て、液体窒素中での臨界電流密度を測定した。その結果
が同じ表6に示されている。
【0050】
【表6】   また、実験例1における試料2を用いたことを除い
て、上記実験例と同様の操作を行ない、テープ状線材を
得た。得られたテープ状線材の液体窒素中での臨界電流
密度が、以下の表7に示されている。
【0051】
【表7】   上記表6および表7から、5トン/cm2 以上の
圧縮荷重を加えたとき、得られた超電導線材の臨界電流
密度が向上されていることがわかる。また、100トン
/cm2 を超える荷重を加えた場合には、臨界電流密
度の向上に関して、それが、ほぼ飽和していることがわ
かる。
【0052】実験例5 実験例1における試料1の粉末から焼結体ペレットを得
た。
【0053】このようにして得た焼結体ペレットを粉砕
して、粉末としてから、銀パイプに充填した後、圧延加
工に基づく縮経加工を施し、原料粉末を被覆した銀パイ
プをテープ状に加工した。
【0054】上述の加工において、以下の表8に示す種
々の加工度を適用した。ここで、加工度は、加工度=銀
パイプに充填した原料粉末部分の加工前の断面積/原料
粉末部分のテープ状加工後の断面積によって表わされて
いる。
【0055】このような加工後において、すべてのテー
プ状線材について、880℃で1時間、次いで840℃
で4時間の熱処理を施し、液体窒素中での臨界電流密度
を測定した。その結果が、同じ表8に示されている。
【0056】
【表8】   また、実験例1における試料2を用いたことを除い
て、上記実験例と同様の操作を行ない、種々の加工度に
付されたテープ状線材を得た。
【0057】得られたテープ状線材の液体窒素中の臨界
電流密度が、以下の表9に示されている。
【0058】
【表9】   上記表8および表9から、加工度が75以上、すな
わち金属シース内の原料粉末の断面積が加工前の1/7
5以下とされた試料において、それ以外の試料に比べて
、得られた超電導線材の臨界電流密度が向上されている
ことがわかる。
【0059】実験例6 実験例1における試料1の粉末から、タリウム系酸化物
超電導体のための焼結体ペレットを得た。
【0060】このようにして得た焼結体ペレットを、粉
砕した後、銀パイプに充填し、次いで、超電導体の部分
が、表10に示すような厚さになるまで、銀パイプをテ
ープ状に加工した。その後、すべてのテープ状線材につ
き、880℃で1時間、次いで840℃で4時間の熱処
理を施した後、液体窒素中で臨界電流密度を測定した。 その結果が、表10に併せて示されている。
【0061】
【表10】   また、実験例1における試料2の粉末を用いたこと
を除いて、上記実験例と同様の操作を行ない、表11に
示すような厚さを有する超電導体を備えるタリウム系酸
化物超電導線材を得た。それぞれの超電導線材について
測定した臨界電流密度が、表11に併せて示されている
【0062】
【表11】   上記表10および11のそれぞれにおいて、試料番
号1が比較例であり、試料番号2,3,4がこの発明に
よる実施例である。各々の試料番号1と試料番号2〜4
とを比較すればわかるように、タリウム系酸化物超電導
体の厚さが200μm以下とされたとき、超電導線材の
臨界電流密度が飛躍的に向上している。
【0063】実施例7 実験例1における試料1および2の各粉末を、さらに焼
結して、タリウム系酸化物超電導体の焼結体ペレットを
得た。
【0064】このようにして得た焼結体ペレットを、粉
砕し、以下の表12および表13に示すような金属シー
スの中に、粉砕した焼結体粉末を充填した。これら表の
「金属シース」の欄において、「Ag」とあるのは、す
べてが銀からなる金属シースを用いた場合であり、「A
g/SUS」とあるのは内層が銀であり、外層がステン
レス鋼とされた2層構造の金属シースを用いた場合であ
り、「Ag/Ni」とあるのは、内層が銀であり、外層
がニッケルとされた2層構造の金属シースを用いた場合
である。なお、2層構造の金属シースにおいて、内層と
外層との厚みの比率は、1:2に選ばれている。
【0065】
【表12】   上述のように金属シースに原料粉末を充填した後、
これをテープ状に加工した。その後、プレスによる荷重
を加え、熱処理して、液体窒素中における臨界電流密度
を測定した。その結果が、上記表12に示されている。
【0066】また、このようにして得たテープ状線材の
引張り強度を調べたところ、表13に示すような結果が
得られた。
【0067】
【表13】   これらの表12および13から、金属シースに複合
構造を採用したとき、臨界電流密度および強度が向上し
ていることがわかる。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  原料粉末から、Tl−Bi−Ca−S
    r−Cu−OまたはTl−Bi−Pb−Ca−Sr−C
    u−Oの成分を有するタリウム系酸化物超電導体を製造
    する方法において、前記原料粉末に対して、第1の熱処
    理を施し、その後、圧縮荷重を加え、さらにその後、第
    2の熱処理を施す、各ステップを備える、タリウム系酸
    化物超電導体の製造方法。
  2. 【請求項2】  前記第1の熱処理において与えられる
    温度は、前記第2の熱処理において与えられる温度より
    高い、請求項1に記載のタリウム系酸化物超電導体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】  前記第1の熱処理において与えられる
    温度は、800〜920℃であり、前記第2の熱処理に
    おいて与えられる温度は、750〜870℃である、請
    求項2に記載のタリウム系酸化物超電導体の製造方法。
  4. 【請求項4】  前記原料粉末を金属シースにて被覆す
    るステップをさらに備え、前記第1の熱処理を施すステ
    ップ、前記圧縮荷重を加えるステップおよび前記第2の
    熱処理を施すステップは、前記原料粉末が前記金属シー
    スにて被覆された状態で実施される、請求項1に記載の
    タリウム系酸化物超電導体の製造方法。
  5. 【請求項5】  前記第1の熱処理において与えられる
    温度は、700〜900℃である、請求項4に記載のタ
    リウム系酸化物超電導体の製造方法。
  6. 【請求項6】  前記圧縮荷重を加えるステップ後の前
    記原料粉末の部分の厚さが、前記金属シースおよび前記
    原料粉末からなる複合物全体の厚さの20〜80%とさ
    れる、請求項4に記載のタリウム系酸化物超電導体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】  前記第2の熱処理において与えられる
    温度T[℃]が、T=840+A×W−10tの式が成
    立するように選ばれる、請求項4に記載のタリウム系酸
    化物超電導体の製造方法。ただし、700<T<880
    、600≦A≦1000、Wは金属シースおよび原料粉
    末からなる複合物全体の厚さ[mm]、tは第2の熱処
    理の時間[時間]である。
  8. 【請求項8】  前記金属シースは、金、金合金、銀お
    よび銀合金からなる群から選ばれた金属からなる、請求
    項4に記載のタリウム系酸化物超電導体の製造方法。
  9. 【請求項9】  前記金属シースは、複合構造とされ、
    その内周面が貴金属層によって形成され、その外方に強
    度の高い金属層が形成される、請求項4に記載のタリウ
    ム系酸化物超電導体の製造方法。
  10. 【請求項10】  前記貴金属層は、金、金合金、銀お
    よび銀合金からなる群から選ばれた金属からなる、請求
    項9に記載のタリウム系酸化物超電導体の製造方法。
  11. 【請求項11】  前記強度の高い金属層は、ステンレ
    ス鋼およびニッケルのいずれかからなる、請求項9に記
    載のタリウム系酸化物超電導体の製造方法。
  12. 【請求項12】  前記第1の熱処理を施すステップの
    後、20℃/分以上の降温速度で冷却するステップをさ
    らに備える、請求項1に記載のタリウム系酸化物超電導
    体の製造方法。
  13. 【請求項13】  前記圧縮荷重を加えるステップにお
    いて、圧縮荷重は、5トン/cm2 以上に選ばれる、
    請求項1に記載のタリウム系酸化物超電導体の製造方法
  14. 【請求項14】  前記圧縮荷重を加えるステップを含
    む、前記金属シースおよび前記原料粉末からなる複合物
    を縮径加工するステップをさらに備え、前記縮径加工す
    るステップにおいて、前記原料粉末の部分の断面積が加
    工前の1/75以下に縮径される、請求項4に記載のタ
    リウム系酸化物超電導体の製造方法。
  15. 【請求項15】  前記縮径加工は、伸線、圧延および
    プレス加工のいずれかを含む、請求項14に記載のタリ
    ウム系酸化物超電導体の製造方法。
  16. 【請求項16】  請求項1に記載された方法によって
    得られたタリウム系酸化物超電導体であって、その厚さ
    が200μm以下である。
  17. 【請求項17】  前記タリウム系酸化物超電導体を被
    覆する金属シースをさらに備える、請求項16に記載の
    タリウム系酸化物超電導体。
  18. 【請求項18】  前記金属シースは、長尺の管状であ
    る、請求項17に記載のタリウム系酸化物超電導体。
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