JPH0421180Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は警報装置、特に送波した超音波の反射
波が予め設定した時間よりも早く受波された時に
警報動作を行なう装置の改良に関する。

（従来技術） 従来より超音波を利用して侵入者等を検知して
警報音発生や警報表示などの警報動作を行なう警
報装置が知られている。そして侵入者等を検知す
る方法としては、特開昭55−103687号公報に記載
された様に、超音波が送波された時から外部操作
によつて予め設定された時間だけ開状態となるゲ
ート回路を有し、反射波が受波された時に出力さ
れる受波検出信号が前記ゲート回路を通過した時
に警報動作を行なうものが公知である。無論ゲー
ト回路を開いておく時間は目標物と装置との間に
障害物が介在しない場合において、超音波が送波
された時から受波されている直前までの期間内に
設定される。従つて通常の場合ではゲート回路が
閉状態の時に受波検出信号が出力されるため警報
動作が行なわれることはないが、目標物と装置と
の間に侵入者等が存在する場合では反射波が受波
されるまでの時間が短かくなり、ゲート回路がま
だ開状態の時に受波検出信号が出力されるため該
検出信号がゲート回路を通過することになり、こ
の結果警報動作が行なわれることになる。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら上記従来技術では、目標物を除去
されたことを警報することが不可能であつた。す
なわちこの様な場合では、超音波が目標物よりも
遠くにある物に反射するため、反射波が受波され
るまでの時間が通常よりも長くなる。従つて受波
検出信号はゲート回路が閉じてしまつた後に出力
されるため該検出信号はゲート回路を通過するこ
とができず、この結果警報動作は行なわれないこ
とになる。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するために、超音波
が送波された時から予め外部操作によつて設定さ
れた時間幅だけ継続する反射時間設定信号を発生
させ、該反射時間設定信号の発生停止時から一定
時間のみ受波検出信号の通過を禁するゲート回路
を設けたことを特徴とする。

（実施例） 以下図面に基づいて本考案の好適な実施例を説
明する。

第１図は本考案に係る警報装置の好適な実施例
を示すブロツク回路図である。

超音波送波回路２は一定周期毎に所定パルス幅
の超音波を送波するものである。発振器４からの
高周波パルス信号は分周器６にて前記超音波を送
波する周期に対応した周波数まで分周され、この
一定周期信号はタイミング信号発生回路８にて所
定パルス幅に変換された後に変調回路１０に供給
される。そして変調回路１０に供給された所定パ
ルス幅のタイミング信号は発振器４から供給され
る高周波信号によつて変調され、昇圧回路１２で
昇圧された後送波器１４に供給される。この結果
送波器１４からは一定周期毎に所定パルス幅の超
音波が送波されることになる。

超音波受波回路１６は超音波送波回路２から送
波された超音波の反射波を受波して受波検出信号
を出力するものである。受波器１８に受波された
反射波は電気信号に変換され、この電気信号は増
幅回路２０及びフイルタ２２を介して復調された
後波形整形回路２４にて方形波に整形され、出力
Ｆに受波検出信号として出力される。

直接波除去回路２６は超音波送波回路２から送
波された超音波が直接超音波受波回路１６に受波
された時の受波検出信号を無効とするものであ
る。タイミング信号発生回路８からタイミング信
号が出力されるとワンシヨツト回路２８から一定
幅のパルス信号が出力され、該パルス信号はイン
バータ３０を介してアンドゲート３２に供給され
る。またアンドゲート３２の他の入力端には超音
波受波回路１６からの出力Ｆが供給されている。
この結果タイミング信号が出力された時から一定
期間アンドゲート３２が閉じており、この期間内
に出力される直接波の受波検出信号はアンドゲー
ト３２により無効となる。

一方反射波の受波検出信号は上記直接波除去回
路２６を通過することができ、後述するゲート回
路３８に供給される。そしてさらにゲート回路３
８も通過すれば、受波検出信号は警報回路３４に
供給され、警報音発生や警報表示などの警報動作
が行なわれることになる。

反射時間設定回路３６は超音波送波回路２が超
音波を送波した時から予め外部操作によつて設定
された時間幅だけ継続する反射時間設定信号を発
生するものである。タイミング信号発生回路８か
らタイミング信号が出力されると、可変抵抗器３
７及びコンデンサ（図示せず）で決定される時間
幅だけ継続して「Ｈ」となる反射時間設定信号が
出力Ｃに発生する。そして該設定信号の時間幅は
外部操作に連動する可変抵抗器３７の抵抗値可変
によつて任意に設定することができる。

ゲート回路３８は上記反射時間設定信号の発生
停止時から一定時間のみ受波検出信号が警報回路
３４に入力されるのを禁止するものである。反射
時間設定信号の発生が停止し出力Ｃが「Ｈ」から
「Ｌ」に反転すると、エツジ検出回路４０はこれ
を検出して出力Ｄにエツジ検出信号を出力する。
そしてワンシヨツト回路４２はエツジ検出信号に
よつて一定時間幅のパルス信号を出力し、該パル
ス信号はインバータ４４を介してアンドゲート４
６に供給される。またアンドゲート４６の他の入
力端には直接波除去回路２６の出力Ｇが供給され
ており、超音波受波回路１６からの反射波に伴つ
た受波検出信号のみが供給される様になつてい
る。従つて反射時間設定信号の発生停止時から一
定時間はアンドゲート４６が閉じられており、こ
の期間に出力された受波検出信号はゲート回路３
８によつて警報回路３４への入力が禁止されるこ
とになる。

そして前記反射時間設定回路３６での反射時間
設定信号の継続時間は、通常の状態において超音
波送波時から反射波の受波検出信号が出力される
までの時間に設定するものであり、本実施例では
この設定操作を簡単に行なうために、切換スイツ
チ４８及び目標設定用表示回路５０を設けてい
る。

切換スイツチ４８はゲート回路３８からの出力
信号を警報回路３４もしくは目標設定用表示回路
５０のどちらかに供給するものである。そして目
標設定用表示回路５０は発光ダイオード５２及び
駆動用のトランジスタ５４を含み、受波検出信号
がゲート回路３８を通過した場合に発光ダイオー
ド５２を発光させるものである。これによれば、
切換スイツチ４８を目標設定用表示回路５０側に
切換え、発光ダイオード５２が発光しない様に可
変抵抗器３６の抵抗値を調整すれば反射時間設定
信号の継続時間を設定することができる。

本実施例は以上の様に構成されており、以下第
２図のタイムチヤートを用いて動作を説明する。

出力Ａにタイミング信号が発生すると、前述の
様に、送波器１４から超音波が送波される（時刻
t₁）。と同時に出力Ｂには一定時間幅の負のパル
ス信号が出力され、これによつて直接波による受
波検出信号が出力Ｇに発生するのを防止し、さら
に出力Ｃに予め継続時間が設定された反射時間設
定信号が発生される。

時刻t₂において、反射時間設定信号の発生が停
止し出力Ｃが「Ｈ」から「Ｌ」に反転すると出力
Ｄにエツジ検出信号が出力され、出力Ｅには一定
時間幅の負のパルス信号が発生される。そして通
常状態ではこの時反射波による受波検出信号が出
力Ｆに出力され、該検出信号は直接波除去回路２
６を通過してゲート回路３８に供給される。しか
しこの時出力Ｅは「Ｌ」となつているためアンド
ゲート４６は閉じており、受波検出信号は出力Ｈ
に出力されず、警報動作は行なわれない。

一方警報装置と目標物との間に侵入者等の障害
物が介在した場合の動作は時刻t₃に示される。す
なわち障害物に当つた反射波による受波検出信号
は反射時間設定信号の発生停止時よりも早く出力
Ｆに出力され、該検出信号は直接波除去回路２６
を通過してゲート回路３８に供給される。そして
この時出力Ｅは「Ｈ」となつているためアンドゲ
ート４６は開いており、受波検出信号は出力Ｈに
も出力され、この結果警報動作が行なわれること
になる。

さらに目標物が除去された場合の動作は時刻t₄
に示される。すなわち目標物よりも遠くにある物
に当つた反射波による受波検出信号は反射時間設
定信号の発生停止時よりも遅れて出力Ｆに出力さ
れ、該検出信号は直接波除去回路２６を通過して
ゲート回路３８に供給される。そしてこの時も出
力Ｅが「Ｈ」となつているためアンドゲート４６
は開いており、受波検出信号は出力Ｈにも出力さ
れ、警報動作が行なわれることになる。

（考案の効果） この様に本実施例によれば、警報装置と目標物
との間に障害物が介在した場合でも、目標物が除
去された場合でも、これらを検知して確実に警報
することができる。

さらに本実施例では、切換スイツチ４８及び目
標設定用表示回路５０を設けたため、非常に簡単
な操作によつて反射時間設定信号の継続時間を設
定することができる。

以上の説明の様に本考案によれば、従来技術で
は不可能であつた警報動作、すなわち目標物が除
去された場合でもこれを検知して確実に警報する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る警報装置の好適な実施例
を示すブロツク回路図。第２図は第１図の動作を
示すタイムチヤート。 ２……超音波送波回路、１６……超音波受波回
路、３４……警報回路、３６……反射時間設定回
路、３８……ゲート回路、４８……切換スイツ
チ、５０……目標設定用表示回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 超音波を送波する超音波送波回路と、前記超音
   波送波回路より送波された超音波の反射波を受波
   して受波検出信号を出力する超音波受波回路と、
   前記超音波受波回路から出力された受波検出信号
   の入力によつて警報動作を行なう警報回路と、を
   有する警報装置において、前記超音波送波回路が
   超音波を送波した時から予め外部操作によつて設
   定された時間幅だけ継続する反射時間設定信号を
   発生する反射時間設定回路と、該反射時間設定信
   号の発生停止時から一定時間のみ前記受波検出信
   号が前記警報回路に入力されるのを禁止するゲー
   ト回路と、を設けたことを特徴とする警報装置。