JPH04211410A - スチレン系重合体組成物の製造方法 - Google Patents

スチレン系重合体組成物の製造方法

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JPH04211410A
JPH04211410A JP3025132A JP2513291A JPH04211410A JP H04211410 A JPH04211410 A JP H04211410A JP 3025132 A JP3025132 A JP 3025132A JP 2513291 A JP2513291 A JP 2513291A JP H04211410 A JPH04211410 A JP H04211410A
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Hideo Tejima
手嶋 英雄
Masahiko Kuramoto
正彦 蔵本
Akikazu Nakano
中野 昭和
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスチレン系重合体組成物
の製造方法に関し、詳しくは重合体連鎖の立体化学構造
がシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体と
ゴム状弾性体とからなり、ゴム成分の分散性がすぐれた
スチレン系重合体組成物を効率よく製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
らラジカル重合法等により製造されるスチレン系重合体
は、その立体構造がアタクチック構造を有しており、種
々の成形法、例えば射出成形,押出成形,中空成形,真
空成形,注入成形などの方法によって、様々な形状のも
のに成形され、家庭電気器具,事務機器,家庭用品,包
装容器,玩具,家具,合成紙その他産業資材などとして
幅広く用いられている。しかしながら、このようなアタ
クチック構造のスチレン系重合体は、耐熱性,耐薬品性
に劣るという欠点があった。
【0003】ところで、本発明者らのグループは、先般
、シンジオタクティシティーの高いスチレン系重合体を
開発することに成功した(特開昭62−187708号
公報,同63−179906号公報,同63−2410
09号公報等)。このようなシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体は、従来のアタクチックポリス
チレンとは異なる融点を有しており、かつこれまでに知
られていたアイソタクチックポリスチレンよりも高い融
点であるため、耐熱性樹脂として各方面から期待されて
いる。また、この耐熱性を効率良く利用するために、種
々の樹脂とのブレンドについても検討を行ってきた(特
開昭62−257950号公報,特開平1−14694
4号公報,同1−279944号公報等)。
【0004】この中で、ゴム状弾性体とのブレンドにお
いては、耐衝撃性の向上した樹脂組成物が得られている
。しかしながら、ゴム状弾性体との組成物を製造するに
あたっては、混練によるブレンドを行ってきたが、分散
性を良くするためには、練りを充分に行わなければなら
なかった。この際、ゴム状弾性体が弾性を有しているた
めに、練りの前にゴム状弾性体を細かく裁断しておく必
要があるが、その弾性のために取扱いに問題があった。 また、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体は、融点が高いために、混練も高温下にて行うが、練
りを充分に行うために剪断力及び時間をかけ過ぎると、
樹脂の分子量低下や劣化、ゴムの架橋の進行等が生じる
という問題があった。
【0005】そこで、本発明者らは、上記従来技術の問
題点を解消し、シンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体とゴム状弾性体とを効率良くブレンドでき、
良好な分散性と優れた耐衝撃性を有する樹脂組成物を製
造する方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。
【0006】
【課題を解決するための手段】その結果、ゴム状弾性体
を存在させた系で、特定の触媒を用いてスチレン単量体
を重合することにより上記の課題を解決できることを見
出した。本発明はかかる知見に基いて完成したものであ
る。すなわち本発明は、ゴム状弾性体の存在下に、(A
)■アルミノキサンあるいは■カチオンと複数の基が金
属に結合したアニオンとからなる配位錯化物及び(B)
遷移金属化合物を主成分とする触媒を用いてスチレン系
単量体を重合することを特徴とするスチレン系重合体組
成物の製造方法を提供するものである。
【0007】まず本発明に用いるゴム状弾性体としては
、天然ゴム,ポリブタジエン,ポリイソプレン,ポリイ
ソブチレン,ネオプレン,エチレン−プロピレン共重合
体ゴム,ポリスルフィドゴム,チオコールゴム,アクリ
ルゴム,ウレタンゴム,シリコーンゴム,エピクロルヒ
ドリンゴムなど様々なものが挙げられるが、最も好適な
ものはスチレン系化合物をその一成分として含むゴム状
共重合体である。例えば、スチレン−ブタジエン共重合
体ゴム(SBR),スチレン−ブタジエンブロック共重
合体(SB,SBS,BSBなど),スチレン−水素化
ブタジエンブロック共重合体(SEBS,SEBなど)
,スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI,SI
S,ISIなど),スチレン−水素化イソプレンブロッ
ク共重合体(SEP,SEPSなど)あるいは特開平1
−292049号公報に記載したように、アルキルアク
リレート,アルキルメタクリレート及び共役ジエン型二
重結合を有する多官能性単量体からなる群から選ばれた
一種又は二種以上の単量体を重合させて得られる重合体
の存在下にビニル系単量体を重合させて得られる粒状弾
性体、例えば、アクリロニトリル−スチレングラフト化
ブタジエンゴム(ABS),アクリロニトリル−スチレ
ングラフト化ブタジエン−ブチルアクリレート共重合体
ゴム(AABS),メチルメタクリレート−スチレング
ラフト化ブチルアクリレートゴム(MAS),スチレン
グラフト化ブタジエンゴム(SB),スチレングラフト
化ブチルアクリレートゴム(AS),メチルメタクリレ
ート−スチレングラフト化ブタジエンゴム(MBS),
メチルメタクリレート−スチレングラフト化ブタジエン
−ブチルアクリレート共重合体ゴム(MABS)が挙げ
られる。
【0008】さらにA−B型ブロック共重合体,Aグラ
フト化B共重合体及びBグラフト化A共重合体のうちか
ら選ばれた一種又は二種以上のブロックあるいはグラフ
ト共重合体〔ここで、Aはアタクチックポリスチレン,
アクリロニトリル−スチレンランダム共重合体,スチレ
ン−無水マレイン酸ランダム共重合体,スチレン−アク
リロニトリル−無水マレイミドランダム共重合体,スチ
レン−メチルメタクリレートランダム共重合体及びスチ
レン−メタクリル酸ランダム共重合体から選ばれた一種
又は二種以上のスチレン系重合体あるいはスチレン系共
重合体を示し、Bはポリブタジエン,ポリイソプレン,
水素化ポリブタジエン,水素化ポリイソプレン及びポリ
カーボネートから選ばれた一種又は二種以上、及びポリ
アミド,ポリメタクリル酸メチル,ポリエチレンテレフ
タレート,ポリブチレンテレフタレートから選ばれた一
種又は二種以上の重合体を示す。〕を挙げることができ
る。
【0009】ゴム状弾性体としては、上述の各種ゴム状
弾性体の市販品をそのまま用いることができるが、予め
乾燥処理を行い水分を除去しておくことが好ましく、ま
た触媒被毒となるような添加剤などを除去する精製を行
うことが好ましい。このゴム状弾性体は、予め芳香族溶
媒、例えばベンゼン,トルエン,エチルベンゼン,キシ
レンなど、あるいはスチレン系単量体に溶解あるいは分
散した状態で用いられる。このとき、触媒活性及び生産
性の面から、ゴム状弾性体をスチレン系単量体に溶解又
は分散し、これに触媒を添加して、スチレン系単量体を
重合させる塊状重合系が好適である。ゴム状弾性体の溶
解量は、ゴム状弾性体や溶媒の種類により異なるが、一
般に0.1〜30重量%,好ましくは0.5〜20重量
%,特に1〜10重量%の範囲が好ましい。また溶解は
、室温あるいは必要に応じて適度に加温して行うことが
できる。さらに溶解後に有機アルミニウム等を加えて系
中に存在する水分等の被毒物を除去することが好ましい
【0010】次に、本発明に使用する触媒の(A)成分
としては、■アルミノキサンあるいは■カチオンと複数
の基が金属に結合したアニオンとからなる配位錯化物で
ある。ここで■アルミノキサンとは、各種の有機アルミ
ニウム化合物と縮合剤とを接触して得られるものである
。反応原料とする有機アルミニウム化合物としては、通
常は一般式 AlR13            ・・・・(I)〔
式中、R1 は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕で
表わされる有機アルミニウム化合物、具体的には、トリ
メチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイ
ソブチルアルミニウム等があげられ、中でもトリメチル
アルミニウムが最も好ましい。一方、有機アルミニウム
化合物と縮合させる縮合剤としては、典型的には水があ
げられるが、この他にアルキルアルミニウムが縮合反応
するいかなるものを用いてもよい。 このようなアルミノキサンとしては、一般式(II) 
【0011】
【化1】
【0012】〔式中、nは重合度を示し、2〜50の数
であり、R1 は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕
で表わされる鎖状アルキルアルミノキサン、あるいは一
般式(III)
【0013】
【化2】
【0014】で表わされる繰り返し単位を有する環状ア
ルキルアルミノキサン等がある。このようなアルキルア
ルミノキサンのうち、R1 がメチル基であるもの、す
なわちメチルアルミノキサンが特に好ましい。一般に、
トリアルキルアルミニウム等のアルキルアルミニウム化
合物と水との接触生成物は、上述の鎖状アルキルアルミ
ノキサンや環状アルキルアルミノキサンとともに、未反
応のトリアルキルアルミニウム、各種の縮合生成物の混
合物、さらにはこれらが複雑に会合した分子であり、こ
れらはアルキルアルミニウム化合物と水との接触条件に
よって様々な生成物となる。この際のアルキルアルミニ
ウムと水との反応は特に限定はなく、公知の手法に準じ
て反応させればよい。例えば、(1) アルキルアルミ
ニウムを有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触させ
る方法、(2) 重合時に当初アルキルアルミニウムを
加えておき、後に水を添加する方法、さらには(3) 
金属塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物へ
の吸着水をアルキルアルミニウムと反応させるなどの方
法がある。なお、上記の水にはアンモニア,エチルアミ
ン等のアミン,硫化水素等の硫黄化合物,亜燐酸エステ
ル等の燐化合物などが20%程度まで含有されていても
よい。
【0015】本発明に用いるアルミノキサン、特にアル
キルアルミノキサンとしては、上記の接触反応の後、含
水化合物等を使用した場合には、固体残渣を濾別し、濾
液を常圧下あるいは減圧下で30〜200℃の温度、好
ましくは40℃〜150℃の温度で20分〜8時間、好
ましくは30分〜5時間の範囲で溶媒を留去しつつ熱処
理したものが好ましい。この熱処理にあたっては、温度
は各種の状況によって適宜定めればよいが、通常は上記
範囲で行う。一般に、30℃未満の温度では、効果が発
現せず、また200℃を超えると、アルミノキサン自体
の熱分解が起こり、好ましくない。熱処理の処理条件に
より反応生成物は、無色の固体又は溶液状態で得られる
。このようにして得られた生成物を、必要に応じて炭化
水素溶媒で溶解あるいは希釈して触媒溶液として使用す
ることができる。
【0016】このようなアルキルアルミノキサンの好適
な例は、プロトン核磁気共鳴吸収法で観測されるアルミ
ニウム−メチル基(Al−CH3 )結合に基くメチル
プロトンシグナル領域における高磁場成分が50%以下
のものである。つまり、上記の接触生成物を、室温下、
トルエン溶媒中でそのプロトン核磁気共鳴(1H−NM
R)スペクトルを観測すると、Al−CH3 に基くメ
チルプロトンシグナルは、テトラメチルシラン(TMS
)基準において1.0〜−0.5ppmの範囲に見られ
る。TMSのプロトンシグナル(0ppm)がAl−C
H3 に基くメチルプロトン観測領域にあるため、この
Al−CH3 に基くメチルプロトンシグナルを、TM
S基準におけるトルエンのメチルプロトンシグナル2.
35ppmを基準にして測定し、高磁場成分(即ち、−
0.1〜−0.5ppm)と他の磁場成分(即ち、1.
0〜−0.1ppm)とに分けたときに、該高磁場成分
が全体の50%以下、好ましくは45〜5%のものが本
発明のアルキルアルミノキサンとして好適に使用できる
【0017】本発明の方法においては、触媒の(A)成
分として、上記アルミノキサンに代えて、カチオンと複
数の基が金属に結合したアニオンとからなる配位錯化物
を用いることもできる。このような配位錯化合物は、様
々なものがあるが、例えば、下記一般式(IV)あるい
は(V)で示される化合物を好適に使用することができ
る。       (〔L1 −H〕g+)h       
  (〔M1 X1 X2 ・・・Xn 〕(n−m)
−)i       ・・・(IV)あるいは       (〔L2 〕g+)h          (〔M2 X1 X2 ・・・Xn 
〕(n−m)−)i       ・・・(V)  (
但し、L2 は後述のM3 ,T1 T2 M4 又は
T3 3 Cである。)〔式(IV),(V)中、L1
 はルイス塩基、M1 及びM2 はそれぞれ周期律表
の5族〜15族から選ばれる金属、M3 は周期律表の
8族〜12族から選ばれる金属、M4 は周期律表の8
族〜10族から選ばれる金属、X1 〜Xnはそれぞれ
水素原子,ジアルキルアミノ基,アルコキシ基,アリー
ルオキシ基,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜
20のアリール基,アルキルアリール基,アリールアル
キル基,置換アルキル基,有機メタロイド基又はハロゲ
ン原子を示し、T1 及びT2 はそれぞれシクロペン
タジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニ
ル基又はフルオレニル基、T3 はアルキル基を示す。 mはM1 ,M2 の原子価で1〜7の整数、nは2〜
8の整数、gはL1 −H,L2 のイオン価数で1〜
7の整数、hは1以上の整数,i=h×g/(n−m)
である。〕 M1 及びM2 の具体例としてはB,Al,Si,P
,As,Sb等、M3 の具体例としてはAg,Cu等
、M4 の具体例としてはFe,Co,Ni等が挙げら
れる。X1 〜Xn の具体例としては、例えば、ジア
ルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミ
ノ基、アルコキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n
−ブトキシ基、アリールオキシ基としてフェノキシ基,
2,6−ジメチルフェノキシ基,ナフチルオキシ基、炭
素数1〜20のアルキル基としてメチル基,エチル基,
n−プロピル基,iso−プロピル基,n−ブチル基,
n−オクチル基,2−エチルヘキシル基、炭素数6〜2
0のアリール基,アルキルアリール基若しくはアリール
アルキル基としてフェニル基,p−トリル基,ベンジル
基,ペンタフルオロフェニル基,3,5−ジ(トリフル
オロメチル)フェニル基,4−ターシャリ−ブチルフェ
ニル基,2,6−ジメチルフェニル基,3,5−ジメチ
ルフェニル基,2,4−ジメチルフェニル基,1,2−
ジメチルフェニル基、ハロゲンとしてF,Cl,Br,
I、有機メタロイド基として五メチルアンチモン基,ト
リメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニル
アルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニ
ル硼素基が挙げられる。R5 及びR6 の置換シクロ
ペンタジエニル基の具体例としては、メチルシクロペン
タジエニル基,ブチルシクロペンタジエニル基,ペンタ
メチルシクロペンタジエニル基が挙げられる。
【0018】一般式(IV),(V)の化合物の中で、
具体的には、下記のものを特に好適に使用できる。例え
ば一般式(IV)の化合物としては、テトラフェニル硼
酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ(
n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメ
チルアンモニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼酸トリエチルアンモニウム,テトラ(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム,ヘキ
サフルオロ砒素酸トリエチルアンモニウム等が挙げられ
る。 また、例えば一般式(V)の化合物としては、テトラ(
ペンタフルオロフェニル)硼酸ピリジニウム,テトラ(
ペンタフルオロフェニル)硼酸ピロリニウム,テトラ(
ペンタフルオロフェニル)硼酸N,N−ジメチルアニリ
ニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル
ジフェニルアンモニウム,テトラフェニル硼酸フェロセ
ニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチ
ルフェロセニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼酸フェロセニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル
)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラ(ペンタフル
オロフェニル)硼酸アセチルフェロセニウム,テトラ(
ペンタフルオロフェニル)硼酸ホルミルフェロセニウム
,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸シアノフェロ
セニウム,テトラフェニル硼酸銀,テトラ(ペンタフル
オロフェニル)硼酸銀,テトラフェニル硼酸トリチル,
テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,ヘキ
サフルオロ砒素酸銀,ヘキサフルオロアンチモン酸銀,
テトラフルオロ硼酸銀等が挙げられる。
【0019】一方、本発明に使用する触媒の(B)成分
である遷移金属化合物としては、周期律表第3〜6族金
属の化合物及びランタン系金属の化合物が挙げられ、そ
のうち第4族金属(チタン,ジルコニウム,ハフニウム
,バナジウム等)の化合物が好ましい。チタン化合物と
しては様々なものがあるが、例えば、一般式(VI) 
TiR2 a R3 b R4 c R5 4−(a+
b+c) ・・・(VI)または一般式(VII) TiR2 d R3 e R4 3−(d+e)   
・・・(VII)〔式中、R2 ,R3 ,R4 及び
R5 はそれぞれ水素原子,炭素数1〜20のアルキル
基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20の
アリール基,アルキルアリール基,アリールアルキル基
,炭素数1〜20のアシルオキシ基,シクロペンタジエ
ニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基あ
るいはハロゲン原子を示す。a,b,cはそれぞれ0〜
4の整数を示し、d,eはそれぞれ0〜3の整数を示す
。〕で表わされるチタン化合物およびチタンキレート化
合物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物で
ある。
【0020】この一般式(VI)又は(VII)中のR
2 ,R3 ,R4 及びR5 はそれぞれ水素原子,
炭素数1〜20のアルキル基(具体的にはメチル基,エ
チル基,プロピル基,ブチル基,アミル基,イソアミル
基,イソブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基
など),炭素数1〜20のアルコキシ基(具体的にはメ
トキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基,ア
ミルオキシ基,ヘキシルオキシ基,2−エチルヘキシル
オキシ基など),炭素数6〜20のアリール基,アルキ
ルアリール基,アリールアルキル基(具体的にはフェニ
ル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基など),炭素
数1〜20のアシルオキシ基(具体的にはヘプタデシル
カルボニルオキシ基など),シクロペンタジエニル基,
置換シクロペンタジエニル基(具体的にはメチルシクロ
ペンタジエニル基,1,2−ジメチルシクロペンタジエ
ニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基など),
インデニル基あるいはハロゲン原子(具体的には塩素,
臭素,沃素,弗素)を示す。これらR2 ,R3 ,R
4 及びR5 は同一のものであっても、異なるもので
あってもよい。さらにa,b,cはそれぞれ0〜4の整
数を示し、またd,eはそれぞれ0〜3の整数を示す。
【0021】更に好適なチタン化合物としては一般式(
VIII)  TiRXYZ        ・・(VIII) 〔式
中、Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジ
エニル基又はインデニル基を示し、X,Y及びZはそれ
ぞれ独立に水素原子,炭素数1〜12のアルキル基,炭
素数1〜12のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリー
ル基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数6〜
20のアリールアルキル基又はハロゲン原子を示す。〕
で表わされるチタン化合物がある。この式中のRで示さ
れる置換シクロペンタジエニル基は、例えば炭素数1〜
6のアルキル基で1個以上置換されたシクロペンタジエ
ニル基、具体的にはメチルシクロペンタジエニル基,1
,2−ジメチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチル
シクロペンタジエニル基等である。また、X,Y及びZ
はそれぞれ独立に水素原子,炭素数1〜12のアルキル
基(具体的にはメチル基,エチル基,プロピル基,n−
ブチル基,イソブチル基,アミル基,イソアミル基,オ
クチル基,2−エチルヘキシル基等),炭素数1〜12
のアルコキシ基(具体的にはメトキシ基,エトキシ基,
プロポキシ基,ブトキシ基,アミルオキシ基,ヘキシル
オキシ基,オクチルオキシ基,2−エチルヘキシルオキ
シ基等),炭素数6〜20のアリール基(具体的にはフ
ェニル基,ナフチル基等),炭素数6〜20のアリール
オキシ基(具体的にはフェノキシ基等),炭素数6〜2
0のアリールアルキル基(具体的にはベンジル基)又は
ハロゲン原子(具体的には塩素,臭素,沃素あるいは弗
素)を示す。
【0022】このような一般式(VIII)で表わされ
るチタン化合物の具体例としては、シクロペンタジエニ
ルトリメチルチタン,シクロペンタジエニルトリエチル
チタン,シクロペンタジエニルトリプロピルチタン,シ
クロペンタジエニルトリブチルチタン,メチルシクロペ
ンタジエニルトリメチルチタン,1,2−ジメチルシク
ロペンタジエニルトリメチルチタン,ペンタメチルシク
ロペンタジエニルトリメチルチタン,ペンタメチルシク
ロペンタジエニルトリエチルチタン,ペンタメチルシク
ロペンタジエニルトリプロピルチタン,ペンタメチルシ
クロペンタジエニルトリブチルチタン,シクロペンタジ
エニルメチルチタンジクロリド,シクロペンタジエニル
エチルチタンジクロリド,ペンタメチルシクロペンタジ
エニルメチルチタンジクロリド,ペンタメチルシクロペ
ンタジエニルエチルチタンジクロリド,シクロペンタジ
エニルジメチルチタンモノクロリド,シクロペンタジエ
ニルジエチルチタンモノクロリド,シクロペンタジエニ
ルチタントリメトキシド,シクロペンタジエニルチタン
トリエトキシド,シクロペンタジエニルチタントリプロ
ポキシド,シクロペンタジエニルチタントリフェノキシ
ド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリメト
キシド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリ
エトキシド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタン
トリプロポキシド,ペンタメチルシクロペンタジエニル
チタントリブトキシド,ペンタメチルシクロペンタジエ
ニルチタントリフェノキシド,シクロペンタジエニルチ
タントリクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニル
チタントリクロリド,シクロペンタジエニルメトキシチ
タンジクロリド,シクロペンタジエニルジメトキシチタ
ンクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルメトキ
シチタンジクロリド,シクロペンタジエニルトリベンジ
ルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニルメチルジ
エトキシチタン,インデニルチタントリクロリド,イン
デニルチタントリメトキシド,インデニルチタントリエ
トキシド,インデニルトリメチルチタン,インデニルト
リベンジルチタン等があげられる。これらのチタン化合
物のうち、ハロゲン原子を含まない化合物が好適であり
、特に、上述した如きπ電子系配位子を1個有するチタ
ン化合物が好ましい。さらにチタン化合物としては一般
式(IX)
【0023】
【化3】
【0024】〔式中、R6 , R7 はそれぞれハロ
ゲン原子,炭素数1〜20のアルコキシ基,アシロキシ
基を示し、kは2〜20を示す。〕で表わされる縮合チ
タン化合物を用いてもよい。また、上記チタン化合物は
、エステルやエーテルなどと錯体を形成させたものを用
いてもよい。
【0025】上記一般式(VII)で表わされる三価チ
タン化合物は、典型的には三塩化チタンなどの三ハロゲ
ン化チタン,シクロペンタジエニルチタニウムジクロリ
ドなどのシクロペンタジエニルチタン化合物があげられ
、このほか四価チタン化合物を還元して得られるものが
あげられる。これら三価チタン化合物はエステル,エー
テルなどと錯体を形成したものを用いてもよい。
【0026】また、遷移金属化合物としてのジルコニウ
ム化合物は、テトラベンジルジルコニウム,ジルコニウ
ムテトラエトキシド,ジルコニウムテトラブトキシド,
ビスインデニルジルコニウムジクロリド,トリイソプロ
ポキシジルコニウムクロリド,ジルコニウムベンジルジ
クロリド,トリブトキシジルコニウムクロリドなどがあ
り、ハフニウム化合物は、テトラベンジルハフニウム,
ハフニウムテトラエトキシド,ハフニウムテトラブトキ
シドなどがあり、さらにバナジウム化合物は、バナジル
ビスアセチルアセトナート,バナジルトリアセチルアセ
トナート,トリエトキシバナジル,トリプロポキシバナ
ジルなどがある。これら遷移金属化合物のなかではチタ
ン化合物が特に好適である。
【0027】その他(B)成分である遷移金属化合物に
ついては、共役π電子を有する配位子を2個有する遷移
金属化合物、例えば、一般式(X) M5 R8 R9 R10R11  ・・・(X)〔式
中、M5 はチタン,ジルコニウムあるいはハフニウム
を示し、R8 及びR9 はそれぞれシクロペンタジエ
ニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基あ
るいはフルオレニル基を示し、R10及びR11はそれ
ぞれ水素,ハロゲン,炭素数1〜20の炭化水素基,炭
素数1〜20のアルコキシ基,アミノ基あるいは炭素数
1〜20のチオアルコキシ基を示す。ただし、R8 及
びR9 は炭素数1〜5の炭化水素基,炭素数1〜20
及び珪素数1〜5のアルキルシリル基あるいは炭素数1
〜20及びゲルマニウム数1〜5のゲルマニウム含有炭
化水素基によって架橋されていてもよい。〕で表わされ
る遷移金属化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1
種の化合物がある。
【0028】この一般式(X)中のR8 ,R9 はシ
クロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基(
具体的にはメチルシクロペンタジエニル基;1,3−ジ
メチルシクロペンタジエニル基;1,2,4−トリメチ
ルシクロペンタジエニル基;1,2,3,4−テトラメ
チルシクロペンタジエニル基;ペンタメチルシクロペン
タジエニル基;トリメチルシリルシクロペンタジエニル
基;1,3−ジ(トリメチルシリル)シクロペンタジエ
ニル基;1,2,4−トリ(トリメチルシリル)シクロ
ペンタジエニル基;ターシャリーブチルシクロペンタジ
エニル基;1,3−ジ(ターシャリーブチル)シクロペ
ンタジエニル基;1,2,4−トリ(ターシャリーブチ
ル)シクロペンタジエニル基など),インデニル基,置
換インデニル基(具体的にはメチルインデニル基;ジメ
チルインデニル基;トリメチルインデニル基など),フ
ルオレニル基あるいは置換フルオレニル基(例えばメチ
ルフルオレニル基)を示し、R8 ,R9 は同一でも
異なってもよく、更にR8 とR9 が炭素数1〜5の
アルキリデン基(具体的には、メチン基,エチリデン基
,プロピリデン基,ジメチルカルビル基等)又は炭素数
1〜20及び珪素数1〜5のアルキルシリル基(具体的
には、ジメチルシリル基,ジエチルシリル基,ジベンジ
ルシリル基等)により架橋された構造のものでもよい。 一方、R10,R11は、上述の如くであるが、より詳
しくは、それぞれ独立に、水素,炭素数1〜20のアル
キル基(メチル基,エチル基,プロピル基,n−ブチル
基,イソブチル基,アミル基,イソアミル基,オクチル
基,2−エチルヘキシル基等),炭素数6〜20のアリ
ール基(具体的には、フェニル基,ナフチル基等)、炭
素数7〜20のアリールアルキル基(具体的には、ベン
ジル基等)、炭素数1〜20のアルコキシ基(具体的に
は、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ
基,アミルオキシ基,ヘキシルオキシ基,オクチルオキ
シ基,2−エチルヘキシルオキシ基等)、炭素数6〜2
0のアリールオキシ基(具体的には、フェノキシ基等)
、さらにはアミノ基や炭素数1〜20のチオアルコキシ
基を示す。
【0029】このような一般式(X)で表わされる遷移
金属化合物の具体例としては、ビスシクロペンタジエニ
ルチタンジメチル;ビスシクロペンタジエニルチタンジ
エチル;ビスシクロペンタジエニルチタンジプロピル;
ビスシクロペンタジエニルチタンジブチル;ビス(メチ
ルシクロペンタジエニル)チタンジメチル;ビス(ター
シャリーブチルシクロペンタジエニル)チタンジメチル
;ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタ
ンジメチル;ビス(1,3−ジターシャリーブチルシク
ロペンタジエニル)チタンジメチル;ビス(1,2,4
−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジメチル;
ビス(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)チタンジメチル;ビスシクロペンタジエニルチタ
ンジメチル;ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)チタンジメチル;ビス(1,3−ジ(トリメチル
シリル)シクロペンタジエニル)チタンジメチル;ビス
(1,2,4−トリ((トリメチルシリル)シクロペン
タジエニル)チタンジメチル;ビスインデニルチタンジ
メチル;ビスフルオレニルチタンジメチル;メチレンビ
スシクロペンタジエニルチタンジメチル;エチリデンビ
スシクロペンタジエニルチタンジメチル;メチレンビス
(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル
)チタンジメチル;エチリデンビス(2,3,4,5−
テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジメチル;
ジメチルシリルビス(2,3,4,5−テトラメチルシ
クロペンタジエニル)チタンジメチル;メチレンビスイ
ンデニルチタンジメチル;エチリデンビスインデニルチ
タンジメチル;ジメチルシリルビスインデニルチタンジ
メチル;メチレンビスフルオレニルチタンジメチル;エ
チリデンビスフルオレニルチタンジメチル;ジメチルシ
リルビスフルオレニルチタンジメチル;メチレン(ター
シャリーブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタ
ジエニル)チタンジメチル;メチレン(シクロペンタジ
エニル)(インデニル)チタンジメチル;エチリデン(
シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジメチル
;ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(インデニ
ル)チタンジメチル;メチレン(シクロペンタジエニル
)(フルオレニル)チタンジメチル;エチリデン(シク
ロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジメチル;
ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)チタンジメチル;メチレン(インデニル)(フルオ
レニル)チタンジメチル;エチリデン(インデニル)(
フルオレニル)チタンジメチル;ジメチルシリル(イン
デニル)(フルオレニル)チタンジメチル;ビスシクロ
ペンタジエニルチタンジベンジル;ビス(ターシャリー
ブチルシクロペンタジエニル)チタンジベンジル;ビス
(メチルシクロペンタジエニル)チタンジベンジル;ビ
ス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジ
ベンジル;ビス(1,2,4−トリメチルシクロペンタ
ジエニル)チタンジベンジル;ビス(1,2,3,4−
テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジベンジル
;ビスペンタメチルシクロペンタジエニルチタンジベン
ジル;ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)
チタンジベンジル;ビス(1,3−ジ−(トリメチルシ
リル)シクロペンタジエニル)チタンジベンジル;ビス
(1,2,4−トリ(トリメチルシリル)シクロペンタ
ジエニル)チタンジベンジル;ビスインデニルチタンジ
ベンジル;ビスフルオレニルチタンジベンジル;メチレ
ンビスシクロペンタジエニルチタンジベンジル;エチリ
デンビスシクロペンタジエニルチタンジベンジル;メチ
レンビス(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)チタンジベンジル;エチリデンビス(2,3
,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン
ジベンジル;ジメチルシリルビス(2,3,4,5−テ
トラメチルシクロペンタジエニル)チタンジベンジル;
メチレンビスインデニルチタンジベンジル;エチリデン
ビスインデニルチタンジベンジル;ジメチルシリルビス
インデニルチタンジベンジル;メチレンビスフルオレニ
ルチタンジベンジル;エチリデンビスフルオレニルチタ
ンジベンジル;ジメチルシリルビスフルオレニルチタン
ジベンジル;メチレン(シクロペンタジエニル)(イン
デニル)チタンジベンジル;エチリデン(シクロペンタ
ジエニル)(インデニル)チタンジベンジル;ジメチル
シリル(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタン
ジベンジル;メチレン(シクロペンタジエニル)(フル
オレニル)チタンジベンジル;エチリデン(シクロペン
タジエニル)(フルオレニル)チタンジベンジル;ジメ
チルシリル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)
チタンジベンジル;メチレン(インデニル)(フルオレ
ニル)チタンジベンジル;エチリデン(インデニル)(
フルオレニル)チタンジベンジル;ジメチルシリル(イ
ンデニル)(フルオレニル)チタンジベンジル;ビスシ
クロペンタジエニルチタンジメトキサイド;ビスシクロ
ペンタジエニルチタンジエトキシド;ビスシクロペンタ
ジエニルチタンジプロポキサイド;ビスシクロペンタジ
エニルチタンジブトキサイド;ビスシクロペンタジエニ
ルチタンジフェノキサイド;ビス(メチルシクロペンタ
ジエニル)チタンジメトキサイド;ビス(1,3−ジメ
チルシクロペンタジエニル)チタンジメトキサイド;ビ
ス(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チ
タンジメトキサイド;ビス(1,2,3,4−テイラメ
チルシクロペンタジエニル)チタンジメトキサイド;ビ
スペンタメチルシクロペンタジエニルチタンジメトキサ
イド;ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)
チタンジメトキサイド;ビス(1,3−ジ(トリメチル
シリル)シクロペンタジエニル)チタンジメトキサイド
;ビス(1,2,4−トリ(トリメチルシリル)シクロ
ペンタジエニル)チタンジメトキサイド;ビスインデニ
ルチタンジメトキサイド;ビスフルオレニルチタンジメ
トキサイド;メチレンビスシクロペンタジエニルチタン
ジメトキサイド;エチリデンビスシクロペンタジエニル
チタンジメトキサイド;メチレンビス(2,3,4,5
−テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジメトキ
サイド;エチリデンビス(2,3,4,5−テトラメチ
ルシクロペンタジエニル)チタンジメトキサイド;ジメ
チルシリルビス(2,3,4,5−テトラメチルシクロ
ペンタジエニル)チタンジメトキサイド;メチレンビス
インデニルチタンジメトキサイド;メチレンビス(メチ
ルインデニル)チタンジメトキサイド;エチリデンビス
インデニルチタンジメトキサイド;ジメチルシリルビス
インデニルチタンジメトキサイド;メチレンビスフルオ
レニルチタンジメトキサイド;メチレンビス(メチルフ
ルオレニル)チタンジメトキサイド;エチリデンビスフ
ルオレニルチタンジメトキサイド;ジメチルシリルビス
フルオレニルチタンジメトキサイド;メチレン(シクロ
ペンタジエニル)(インデニル)チタンジメトキサイド
;エチリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)
チタンジメトキサイド;ジメチルシリル(シクロペンタ
ジエニル)(インデニル)チタンジメトキサイド;メチ
レン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタン
ジメトキサイド;エチリデン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)チタンジメトキサイド;ジメチルシリ
ル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジ
メトキサイド;メチレン(インデニル)(フルオレニル
)チタンジメトキサイド;エチリデン(インデニル)(
フルオレニル)チタンジメトキサイド;ジメチルシリル
(インデニル)(フルオレニル)チタンジメトキサイド
等が挙げられる。
【0030】また、ジルコニウム化合物としては、エチ
リデンビスシクロペンタジエニルジルコニウムジメトキ
サイド,ジメチルシリルビスシクロペンタジエニルジル
コニウムジメトキサイド等があり、更にハフニウム化合
物としては、エチリデンビスシクロペンタジエニルハフ
ニウムジメトキサイド,ジメチルシリルビスシクロペン
タジエニルハフニウムジメトキサイド等がある。これら
のなかでも特にチタン化合物が好ましい。
【0031】更にこれらの組合せの他、2,2’ −チ
オビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)チタン
ジイソプロポキシド;2,2’ −チオビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェニル)チタンジメトキシド等の
2座配位型錯体であってもよい。
【0032】本発明の方法においては、触媒成分として
、上記(A),(B)成分の他に、さらに所望により他
の触媒成分、例えば有機アルミニウムなどを加えること
もできる。この有機アルミニウムとしては、一般式(X
I)  R12j Al(OR13)x Hy X’z   ・
・・(XI)   〔式中、R12及びR13はそれぞ
れ独立に炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4のアル
キル基を示し、X’はハロゲンを示し、jは0<j≦3
、xは0≦x<3、yは0≦y<3、zは0≦z<3で
あって、しかもj+x+y+z=3である〕で表わされ
る有機アルミニウム化合物があり、これを加えることに
より、活性が更に向上する。前記の一般式(XI) で
表わされる有機アルミニウム化合物としては、次のもの
を例示することができる。y=z=0の場合に相当する
ものは、一般式R12j Al(OR13)3−j  
〔式中、R12及びR13は前記と同じであり、jは好
ましくは1.5≦j<3の数である〕で表わされる。x
=y=0の場合に相当するものは、一般式 R12j AlX’3−j  〔式中、R12及びX’は前記と同じであり、jは好ま
しくは0<j<3である〕で表わされる。x=z=0の
場合に相当するものは、一般式 R12j AlH3−j  〔式中、R12は前記と同じであり、jは好ましくは2
≦j<3である〕で表わされる。y=0の場合に相当す
るものは、一般式 R12j Al(OR13)x X’z〔式中、R12
,R13及びX’は前記と同じであり、0<j≦3、0
≦x<3、0≦z<3で、j+x+z=3である〕で表
わされる。前記の一般式(XI) で表わされる有機ア
ルミニウム化合物において、y=z=0で、j=3の化
合物は、例えばトリメチルアルミニウム,トリエチルア
ルミニウム,トリブチルアルミニウム等のトリアルキル
アルミニウム又はこれらの組み合わせから選ばれる。y
=z=0で、1.5≦j<3の場合は、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド,ジブチルアルミニウムブトキシド等
のジアルキルアルミニウムアルコキシド、エチルアルミ
ニウムセスキエトキシド,ブチルアルミニウムセスキブ
トキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド
の他に、R122.5 Al(OR13)0.5等で表
わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化された
アルキルアルミニウムをあげることができる。x=y=
0の場合に相当する化合物の例は、ジエチルアルミニウ
ムクロリド,ジブチルアルミニウムクロリド,ジエチル
アルミニウムブロミド等のようなジアルキルアルミニウ
ムハロゲニド(j=2),エチルアルミニウムセスキク
ロリド,ブチルアルミニウムセスキクロリド,エチルア
ルミニウムセスキブロミドのようなアルキルアルミニウ
ムセスキハロゲニド(j=1.5),エチルアルミニウ
ムジクロリド,プロピルアルミニウムジクロリド,ブチ
ルアルミニウムジブロミド等のようなアルキルアルミニ
ウムジハロゲニド(j=1)等の部分的にハロゲン化さ
れたアルキルアルミニウムである。x=z=0の場合に
相当する化合物の例は、ジエチルアルミニウムヒドリド
,ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミ
ニウムヒドリド(j=2),エチルアルミニウムジヒド
リド,プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルア
ルミニウムジヒドリド(j=1)等の部分的に水素化さ
れたアルキルアルミニウムである。y=0の場合に相当
する化合物の例は、エチルアルミニウムエトキシクロリ
ド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド,エチルアル
ミニウムエトキシブロミド(j=x=z=1)等の部分
的にアルコキシ化及びハロゲン化されたアルキルアルミ
ニウムである。これらの中でも特に好適なものは、トリ
イソブチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム
ヒドリドである。
【0033】本発明に用いる触媒は、前記の(A)及び
(B)成分を主成分とするものであり、前記の他さらに
所望により他の触媒成分を加えることもできる。この触
媒中の(A)成分及び(B)成分の配合割合は、各種の
条件により異なり、一義的には定められないが、通常は
(B)成分中の金属と(A)成分中の金属との比(モル
比)が、■アルミノキサンの場合、1:1〜1:106
 、好ましくは1:10〜1:104 、■カチオンと
複数の基が金属に結合したアニオンからなる配位錯化物
の場合、0.1:1〜1:0.1であり、更に一般式(
XI) で表わされる有機アルミニウムを加える場合は
、1:0.1〜1:103 である。
【0034】これらの各成分を用いて樹脂組成物を製造
するには、まずゴム状弾性体を前述の如く溶媒に溶解す
るか、架橋タイプのゴムであれば均一分散させ、前記触
媒及びスチレン系単量体を加えて重合あるいは共重合を
開始する方法やスチレン系単量体に溶解させた状態で触
媒を加えて重合あるいは共重合を開始する方法等がある
。触媒成分の添加順序は、順次あるいは同時のいずれで
もよいが、(A)成分を添加した後に(B)成分を添加
することにより、系中に存在する水分等を除去すること
ができて好ましい。添加する(A)成分としては、水分
等を処理するのに充分な量を加えておく。またゴム状弾
性体を溶解する際に所定量のスチレン系単量体を使用し
た場合には、さらにスチレン系単量体を加える操作や重
合後の溶媒除去操作を省略でき、工程の簡略化を図るこ
とができる。
【0035】本発明で使用できるスチレン系単量体とは
、スチレン及び/又はスチレン誘導体を指称する。スチ
レン誘導体の具体例しては、p−メチルスチレン;m−
メチルスチレン;o−メチルスチレン;2,4−ジメチ
ルスチレン;2,5−ジメチルスチレン;3,4−ジメ
チルスチレン;3,5−ジメチルスチレン;p−エチル
スチレン;m−エチルスチレン;p−tert−ブチル
スチレン;p−フェニルスチレンなどのアルキルスチレ
ン、p−クロロスチレン;m−クロロスチレン;o−ク
ロロスチレン;p−ブロモスチレン;m−ブロモスチレ
ン;o−ブロモスチレン;p−フルオロスチレン;m−
フルオロスチレン;o−フルオロスチレン;o−メチル
−p−フルオロスチレンなどのハロゲン化スチレン、p
−メトキシスチレン;m−メトキシスチレン;o−メト
キシスチレン;p−エトキシスチレン;m−エトキシス
チレン;o−エトキシスチレンなどのアルコキシスチレ
ン、p−カルボキシメチルスチレン;m−カルボキシメ
チルスチレン;o−カルボキシメチルスチレンなどのカ
ルボキシエステルスチレン、p−ビニルベンジルプロピ
ルエーテルなどのアルキルエーテルスチレン等、あるい
はこれら二種以上混合したものがあげられる。
【0036】スチレン系単量体の重合(あるいは共重合
)は、前述した如く、塊状でもよく、またゴム状弾性体
が溶解されるものであれば、ペンタン,ヘキサン,ヘプ
タンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環
族炭化水素あるいはベンゼン,トルエン,エチルベンゼ
ン,キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒中で行ってもよ
い。生産性の点でスチレン系単量体を高濃度として重合
するのが好ましい。
【0037】本発明においては、スチレン系単量体濃度
を50容量%以上として重合を行うのが好ましく、70
容量%以上として重合を行うのが一層好ましい。塊状重
合は、生産性及び上述した含浸性において優れている。 重合条件は、特に制限されるものではなく、従来と同様
に行うことができ、例えば適度に攪拌しながら0〜10
0℃、好ましくは20〜80℃の温度で行うことができ
る。また重合終了は、従来と同様にアルコールなどで触
媒を失活することで行うことができ、得られた重合体は
、アルコール洗浄,酸,アルカリを用いた脱灰処理によ
り精製することができる。
【0038】得られる樹脂組成物のゴム含量は、溶解す
るゴム量,触媒添加量,重合時間等を調節することによ
り制御することができる。本発明の樹脂組成物中のゴム
状弾性体の含有量は、特に制限はないが、通常は組成物
全体の1〜40重量%、好ましくは2〜30重量%であ
る。
【0039】このようにして得られる樹脂組成物は、シ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体とゴム
状弾性体とからなるブレンド物である。ここで、スチレ
ン系重合体におけるシンジオタクチック構造とは、立体
化学構造が高度のシンジオタクチック構造、即ち炭素−
炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニ
ル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体
構造を有することを意味し、そのタクティシティーは同
位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)によ
り定量される。13C−NMR法により測定されるタク
ティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合
、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合はトリア
ッド,5個の場合はペンタッドによって示すことができ
るが、本発明に言う「高度のシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体」とは、通常はラセミダイアッ
ドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセ
ミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシ
ンジオタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ(
アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポ
リ(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル安息香酸エス
テル)及びこれらの混合物、あるいはこれらを主成分と
する共重合体を意味する。なお、ここでポリ(アルキル
スチレン)としては、ポリ(メチルスチレン),ポリ(
エチルスチレン),ポリ(イソプロピルスチレン),ポ
リ(ターシャリーブチルスチレン)等があり、ポリ(ハ
ロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)
,ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロスチレン)
等がある。また、ポリ(アルコキシスチレン)としては
、ポリ(メトキシスチレン),ポリ(エトキシスチレン
) 等がある。これらのうち特に好ましいスチレン系重
合体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレ
ン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシ
ャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレン)
,ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオロス
チレン)、さらにはスチレンとp−メチルスチレンとの
共重合体をあげることができる。
【0040】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 実施例1 1リットルの反応容器にポリブタジエン(旭化成工業(
株)製,商品名NF35AS)10gを入れ、減圧乾燥
後に窒素雰囲気にてスチレン400mlを添加し、室温
で攪拌して、ポリブタジエンをスチレンに溶解させた。 溶解後、70℃に昇温し、トリイソブチルアルミニウム
4ミリモル及びメチルアルミノキサンをアルミニウム原
子として4ミリモル加え、30分間攪拌し、系中に存在
する微量の水分等の不純物を処理した。次いで、ペンタ
メチルシクロペンタジエニルチタンメトキシド0.02
ミリモルを加えて30分間重合を行った。その後、メタ
ノールで触媒を失活させた後、さらにメタノールにて洗
浄後、減圧乾燥してポリブタジエン10gを含んだ組成
物40.6gを得た。重合により得られたポリスチレン
は、融点(Tm)270℃のシンジオタクチックポリス
チレン(SPS)であることを確認した。このSPSの
収量は、30.6g(スチレン転化率8.5%)であり
、ゴム状弾性体含量は24.6重量%であった。
【0041】実施例2 実施例1において、重合時間を120分とした以外は実
施例1と同様に操作して樹脂組成物を得た。このときの
収量とゴム含量を第1表に示す。
【0042】実施例3〜6 実施例1において、ゴム状弾性体の種類と量を第1表に
示すようにした以外は、実施例1と同様に操作して樹脂
組成物を得た。このときの収量とゴム含量を第1表に示
す。また実施例6で得た樹脂組成物を用いて射出成形に
よりJIS  K7110に準拠したアイゾット試験片
を作成し、ノッチ付きアイゾット衝撃試験を行った。そ
の結果を第1表に示す。
【0043】実施例7 1リットルの反応容器にスチレン−ブタジエン系ゴム(
バイエル社製BL6533)10gを入れ、減圧乾燥後
に窒素雰囲気にてスチレン400mlを添加し、ゴムを
溶解させた。70℃に昇温後、トリイソブチルアルミニ
ウム1ミリモルを添加した後、30分間攪拌し、系中の
不純物を処理した。これに、ペンタメチルシクロペンタ
ジエチニルチタントリメトキサイド0.03ミリモル及
び1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート0.03ミリモルを加え、同
温度で4時間重合した。その後、メタノールで触媒を失
活させた後、さらにメタノールにて洗浄後、減圧乾燥し
てゴム10gを含んだ組成物43.5gを得た。この重
合体は融点(Tm)270℃のシンジオタクチックポリ
スチレン(SPS)であることを確認した。このSPS
の収量は33.5gであり、ゴム状弾性体含量は23.
0重量%であった。
【0044】比較例1 実施例1において、ゴム状弾性体を用いなかった以外は
、実施例1と同様に操作して樹脂組成物を得た。このと
きの収量を第1表に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、シンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体にゴム状弾性体が高度に分
散した樹脂組成物を、混練を行うことなく製造すること
ができる。したがって、本発明の方法で得られる樹脂組
成物は、耐熱性,耐衝撃性に優れたものであり、各種成
形品の素材として有効に利用される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム状弾性体の存在下に、(A)■アルミ
    ノキサンあるいは■カチオンと複数の基が金属に結合し
    たアニオンとからなる配位錯化物及び(B)遷移金属化
    合物を主成分とする触媒を用いてスチレン系単量体を重
    合することを特徴とするスチレン系重合体組成物の製造
    方法。
  2. 【請求項2】スチレン系単量体に溶解されたゴム状弾性
    体の存在下に、(A)■アルミノキサンあるいは■カチ
    オンと複数の基が金属に結合したアニオンとからなる配
    位錯化物及び(B)遷移金属化合物を主成分とする触媒
    を用いてスチレン系単量体を重合することを特徴とする
    スチレン系重合体組成物の製造方法。
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