JPH04210869A - 超硬合金と鋼の接合方法 - Google Patents
超硬合金と鋼の接合方法Info
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- JPH04210869A JPH04210869A JP33645490A JP33645490A JPH04210869A JP H04210869 A JPH04210869 A JP H04210869A JP 33645490 A JP33645490 A JP 33645490A JP 33645490 A JP33645490 A JP 33645490A JP H04210869 A JPH04210869 A JP H04210869A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
本発明は超硬合金と鋼の接合方法に関する。
(従来の技術)
一般的な衝撃式破砕機(インパクトクラッシャ)は第1
図に示す概略断面図のように構成されている。例えば、
衝撃式破砕機1の側部上方に設置された原料供給口2よ
り破砕室3内に投入された原石は、主軸4のまわりに回
転する回転ロータ5の外周に固設されたホルダ10にポ
ル1へ締めされた超硬合金−銅接合ハンマ6によって衝
撃破砕される。このハンマ6に当たって跳ね飛ばされた
原石は、破砕室3の上部に設けられた第1反発板7に取
付けられたライナ7aに衝突して破砕され、跳ね返って
くる原石は、更に回転してくる次のハンマ6によって打
撃破砕される。そして、跳ね飛ばされた原石は、破砕室
3の上部に設けられた第2反発板8に設けられたライナ
8aによってより一層細かく破砕される。 衝撃式破砕機ハンマ6の超硬合金チップと鋼製台金を接
合する場合には、従来、銅を応力緩和材として用い、銀
ろうをインサートしたフラックスろう付が行われてきた
。この場合、加熱は高周波誘導加熱が一般的で、大気中
で接合が行われるのが−船釣である。 また、超硬合金と鋼の接合に関しては、「溶接学会論文
集」第6巻(1988)第4号p、499〜504には
、銅を応力緩和材として銅ろうをインサートし、ろう付
する方法が報告されており、「溶接学会論文集」第3巻
(1985)第4号P。 105〜109には、ニッケル基合金を応力緩和材とし
て用い、同相拡散接合する方法が報告されている。 (発明が解決しようとする課題) 前述のような応力緩和材を用いて熱膨張差に起因する熱
応力を緩和する方法においては、超硬合金と応力緩和材
との接合界面、鋼と応力緩和材との接合界面がいずれも
健全でなければならない。 この点、衝撃式破砕機のハンマでは、上述のように、応
力緩和材として銅を用い、銀基ろう材をインサートし、
フラックスを用いた大気中でのトーチろう相法や高周波
ろう相法が行われており、この場合、BAg−4(40
%Ag−30%Cu−28%Zn−2%Ni)などの銀
ろうがよく用いられる。 しかしながら、このような銀ろうは超硬合金に対する濡
れ性が悪く、かつ接合部が比較的大きくなるとフラック
スが残留し易く、健全な接合体が得られない。また、ト
ーチろう付や高周波ろう付では接合時の接合部の温度が
不均一になり易く、接合は入手に頼っているため、接合
部の品質にバラツキが生じ易く、これもまた健全な接合
体が得られない要因となっている。また、超硬合金の一
成分であるCo中に銀ろうの成分のCuが拡散するとそ
の部分が脆くなり易く、接合強度が低くなり、更にバラ
ツキも大きくなる。 このため、従来方法で接合した超硬合金−銅接合ハンマ
は、使用中に超硬合金が大きく剥離したり、大きく剥離
しないまでも未接合部に起因する超硬合金の微小剥離の
ため、寿命が短いという問題点が発生している。またこ
のハンマは消耗品であるが、このようなハンマでは寿命
予測がつかないという問題点もある。 また、銅を応力緩和材として銅ろう付する場合、ニッケ
ル基合金を応力緩和材として用い、同相拡散により接合
する方法は、接合温度が高いため、熱応力が大きく、実
用規模の超硬合金−銅接合ハンマを得ることができない
という問題点がある。 本発明は、上記従来技術の欠点を解消して、超硬合金〜
鋼接合体の接合界面が健全であると共に接合強度が高く
、剥離などがない接合体が得られる方法を提供すること
を目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は、応力緩和材とし
て銅を用いて超硬合金と鋼を接合する方法において、健
全な接合界面が得られるインサート材及び接合条件につ
いて鋭意研究を重ねた結果、ここに本発明をなしたもの
である。 すなわち、本発明は、超硬合金と鋼を、インサート材と
して応力緩和材と銀基ろう相を用いて接合する方法にお
いて、上記超硬合金と銅からなる応力緩和材との間にT
」を含有する銀基ろう利をインサートすると共に、上記
応力緩和材と上記鋼との間に銀基ろう洞をインサー1〜
した後、上記超硬合金、鋼及びインサート材からなる被
接合体を炉中に置き、次いで、この炉を5 X 10−
ZTorr以下の真空下或いは不活性ガス雰囲気下に保
ちながら780〜950℃の温度に加熱することにより
、上記インサート材を溶融して上記超硬合金と上記鋼を
接合することを特徴とする超硬合金と鋼の接合方法を要
旨とするものである。 以下に本発明を更に詳述する。 (作用) まず、本発明では、前述のように、超硬合金と銅からな
る応力緩和材との間にTiを含有する銀基ろう材をイン
サート材シ、また該応力緩和材と鋼との間に銀基ろう材
をインサートする。 ここで、接合すべき一方の被接合材である超硬合金とし
ては、WC炭化物とCoの複合材料などの種々のものが
可能であり、また他方の被接合材である鋼としても炭素
鋼、合金鋼又は工具鋼等々の種々のものが可能であるこ
とは言うまでもない。 また応力緩和材としての銅の材質、厚さ等は特に制限さ
れるものではない。また超硬合金、鋼の形状も制限され
るものではない。 インサー1〜材としては、銀基ろう材を用いるが、少な
くとも、超硬合金と銅からなる応力緩和材との間にイン
サー)〜する銀基ろう材はエコを含有している銀基ろう
材であることが必要である。これは超硬合金と鋼の接合
率を高め、剥離を防止するためである。銀基ろう材及び
Tiを含有する銀基ろう材の成分組成は特に制限されな
い。 そして、この超硬合金−鋼−インサート月の積層構造を
有する被接合体を特定条件の雰囲気(真空又は不活性ガ
ス雰囲気)の炉中で特定の温度に加熱することにより、
該インサー1〜材を溶融し、超硬合金と鋼を接合するの
である。 ここで、雰囲気が真空の場合は、真空度は5×1、0−
” T orr以下の高真空である必要がある。望まし
くはI X 1. O’Torr以下である。真空度が
5 X 10 ”Torrを超えるとインサー1へ材に
含まれるT1が酸化され、健全な接合が困難になる。 雰囲気が不活性ガス雰囲気の場合は、不活性ガス圧力は
1.500 Torr以下であることが望まし活性ガス
が接合界面に流入し、接合部にボイドが増えて望ましく
ないためである。更に、不活性カス圧を760 Tor
r以下に保つ場合にはロータリーポンプで対応でき、設
備面で安価である。 上記真空中又は不活性ガス雰囲気中での加熱温度(接合
温度)は780〜950°Cの範囲とする必要がある。 望ましくは800℃以上900 ’C以下である。加熱
温度が780°C未満の場合は超硬合金に対するインサ
ー1〜材の濡れ性が悪くなり、また950℃を超えると
超硬合金とインサート材の反応が過剰となり、健全な接
合が困難となる。 −例として、本発明法で接合した超硬合金−銅接合ハン
マを衝撃式破砕機に取付け、砕石試験を行ったところ、
接合率((超音波探傷試験で欠陥エコーが観察されない
面積)/(全接合面積)×100)がほぼ100%であ
り、第3図に示すように超硬合金製チップが摩耗してき
ても、接合部端は常に接合されているため、超硬合金が
割れることもなく、長時間の使用が可能であった。 このことからしても、本発明法で得られる接合体が優れ
た性能を有するのは以下の理由によるものと考えられる
。 ます、本発明による接合では、超硬合金と応力緩和材と
の間にTiを含む銀基ろう材を使用しているため、該接
合界面にはTiCが生成している。 このTiCが拡散バリヤとなり、超硬合金の一成分であ
るCo中に銀ろう成分のCuが拡散することを防ぎ、結
果的に脆い部分を作らないため、安定的な接合が可能で
ある。 更に本発明による接合は、真空中又は不活性ガス雰囲気
中で炉中ろう付で行われるので、ボイド等が殆ど発生し
ない。これらの良い性能が総合されるため、接合部の品
質が安定しており、不良率はほぼ0%であり、歩留りは
非常に高い。 一方、従来法(フラックス使用の高周波ろう付)により
接合したハンマの接合率は通常50〜60%であるため
、第4図に示すように、超硬合金製チップが摩耗してく
ると、接合部端に未接合部が現れるため、この部分に石
が当たると、超硬合金に大きな曲げ応力がかかり、超硬
合金が微小剥睡(欠ける)してしまう。そのため、ハン
マの寿命が短い。また、このような未接合部は様々な部
分に生じるため、寿命予測も難しい。更にフラックス使
用の高周波ろう付は手作業であるので、時には接合率が
10〜30%程度のものもできることがある。このよう
な低接合率のハンマを使用して砕石すると、使用開始直
後に超硬合金チップが台金より剥離してしまい、大問題
が発生する。それを避けるため超音波探傷試験により全
数検査が行なわれているが、不良率が10%程度あり、
超音波探傷のコストも付加され、高価なものになってし
まう。 なお、本発明による超硬合金と鋼の接合方法は衝撃式破
砕機ハンマ用超硬合金チップと鋼製台金の接合に適用で
きるが、これのみに制限されず、他の用途における同様
の接合体の製造にも適用できることは言うまでもない。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 実施例1 4−8 mmX 48 mmの超硬合金(G2)チップ
と台金の間に、応力緩和材として銅を用い、超硬合金と
応力緩和材の間に72%Ag−27%Cu−1%Tiろ
う材をインサートし、並びに鋼と応力緩和材の間に72
%Ag−27%Cu −1%’l”jろう材又は72%
Ag−28%Cuろう材をインサートして、第2図に示
す積層構造とし、第1表に示す条件で真空炉中にて10
分間加熱し、接合した。 真空炉の作業手順は以下のとおりである。 ■被接合体を炉中にセツティングする。 ■ロータリーポンプでlo’Torr台まで真空引きす
る。 ■デイツユジョンポンプで10’Torr台まで真空引
きする。 ■加熱を開始する。 (注)表中の真空度は接合温度に達したときの真空度で
ある。炉によっては加熱により金属蒸気やCにより真空
度が悪くなる場合があるが、このときは分圧が酸素でな
いためT]は酸化されない。 得られた超硬合金−鋼ハンマ接合体について、超音波探
傷試験を行い、その後衝撃式破砕機に接合ハンマを取付
け、砕石試験を行った。使用した石は硬砂岩である。 試験結果を第1表に示すが、本発明例の場合、超音波探
傷試験での接合率はいずれも92%以上であり、健全な
接合がなされていることがわかる。 また砕石試験の結果では、超硬合金と鋼が剥離したもの
は1個もなく、すべて超硬合金の摩耗により使用できな
くなったものであった。寿命は1500時間から250
0時間で、後述する比較例1に比らべて3倍以上の長寿
命化が図られた。 なお、第1表中で真空度或いは加熱温度が本発明範囲外
の比較例では、超硬合金が剥離し、寿命が極めて短い。 失嵐粁I 48mmX48mmの超硬合金(G2)チップと台金の
間に、応力緩和材として銅を用い、超硬合金と応力緩和
材との間に72%Ag−27%Cu−1%=11− Tiろう材をインサー1へし、鋼と応力緩和材との間に
72%A、g−27%Cuろう材又は72%Ag−28
%Cuろう材をインサー1− して、第2図に示す積層
構造とし、第2表に示す条件で不活性雰囲気中にて分間
加熱し、接合した。 不活性雰囲気炉の作業手順は以下のとおりである。 (1)Ar雰囲気炉(76Q Torr以−Lの場合)
:■被接合体を炉中にセツティングする。 ■ロータリーポンプで1.0−3Torr台まで真空引
きする。 ■炉を締めきる。 ■Arガスを炉中に入れる。 ■炉内が設定値以」二の圧力になった時点でArガスを
外へたれ流す。 ■加熱を開始する。 (2) A r雰囲気炉(760Torr未謂の場合;
キャリアガス法): ■被接合体を炉中にセツティングする。 ■ロータリーポンプで10 ’−1T orr台まで真
空引きする。 ■ロータリーポンプで炉内を引きながら、Arガスを炉
内に入れる。 ■Arガス量、真空引の能力を調節することにより、1
0Torr、1O−ZTorrで平衡状態を保つように
する。 ■加熱を開始する。 得られた超硬合金−鋼ハンマ接合体について、超音波探
傷試験を行い、その後衝撃式破砕機に接合ハンマを取付
け、砕石試験を行った。使用した石は安山岩と硬砂岩で
ある。 試験結果を第2表に示すが、本発明例の場合、超音波探
傷試験での接合率はいずれも95%以上(安山岩)又は
92%以上(硬砂岩)であり、健全な接合がなされてい
ることがわかる。また砕石試験の結果では、超硬合金と
鋼が剥離したものは1個もなく、すべて超硬合金の摩耗
により使用できなくなったものであった。寿命は240
0〜3000時間(安山岩)又は1600〜1800時
間(硬砂岩)で、後述する比較例2に比らへて倍以」二
の長寿命化が図られた。 比較例L 48 n+m X 4−8 +umの超硬合金(G2)
チップと台金の間に、応力緩和材として銅を用い、超硬
合金と応力緩和材の間、並びに鋼と応力緩和材の間にそ
れぞれ40%Ag−30%Cu−28%Zn−2%Ni
ろう材をインサートして、第2図tこ示す積層構造とし
て、フラックスを用いて大気中にて高周波ろう付した。 得られた超硬合金−鋼ハンマ接合体について、超音波探
傷試験を行い、その後衝撃式破砕機に接合ハンマを取付
け、砕石試験を行った。使用した石は硬砂岩である。 試験結果を第3表に示すが、超音波探傷試験での接合率
は最低20%で、40〜50%のものが多かった。また
砕石試験の結果では、接合率が20%のハンマは使用開
始後、僅か10時間で超硬合金と鋼が剥離し、使用不可
能となった。残りのハンマは200時間程度から超硬合
金の微小剥離が始まり、200〜600時間で超硬合金
が殆どなくなり使用できなくなり、前述の実施例1の本
発明例に比較して173以下の寿命しかなかった。 比較例2 48mmX48mmの超硬合金(G2)チップと白金の
間に、応力緩和材として銅を用い、超硬合金と応力緩和
材の間、並びに鋼と応力緩和材の間にそれぞれ50%A
g−15%Cu−16%Zn−1,6%Cd−3%Ni
ろう材をインサートして、第2図に示す積層構造として
、フラックスを用いて大気中にて高周波ろう付した。 得られた超硬合金−鋼ハンマ接合体について、超音波探
傷試験を行い、その後衝撃式破砕機に接合ハンマを取付
け、砕石試験を行った。使用した石は硬砂岩である。 試験結果を第3表に示すが、超音波探傷試験での接合率
は最低15%で、40〜50%のものが多かった。また
砕石試験の結果では、接合率が15%のハンマは使用開
始後、僅か2時間で超硬合金と鋼が剥離し、使用不可能
となった。残りのハンマは200時間程度から超硬合金
の微小剥離が始まり、200〜600時間で超硬合金が
殆どなくなって使用できなくなり、前述の実施例2の本
発明例に比較して]/4以下の寿命しがながった。
図に示す概略断面図のように構成されている。例えば、
衝撃式破砕機1の側部上方に設置された原料供給口2よ
り破砕室3内に投入された原石は、主軸4のまわりに回
転する回転ロータ5の外周に固設されたホルダ10にポ
ル1へ締めされた超硬合金−銅接合ハンマ6によって衝
撃破砕される。このハンマ6に当たって跳ね飛ばされた
原石は、破砕室3の上部に設けられた第1反発板7に取
付けられたライナ7aに衝突して破砕され、跳ね返って
くる原石は、更に回転してくる次のハンマ6によって打
撃破砕される。そして、跳ね飛ばされた原石は、破砕室
3の上部に設けられた第2反発板8に設けられたライナ
8aによってより一層細かく破砕される。 衝撃式破砕機ハンマ6の超硬合金チップと鋼製台金を接
合する場合には、従来、銅を応力緩和材として用い、銀
ろうをインサートしたフラックスろう付が行われてきた
。この場合、加熱は高周波誘導加熱が一般的で、大気中
で接合が行われるのが−船釣である。 また、超硬合金と鋼の接合に関しては、「溶接学会論文
集」第6巻(1988)第4号p、499〜504には
、銅を応力緩和材として銅ろうをインサートし、ろう付
する方法が報告されており、「溶接学会論文集」第3巻
(1985)第4号P。 105〜109には、ニッケル基合金を応力緩和材とし
て用い、同相拡散接合する方法が報告されている。 (発明が解決しようとする課題) 前述のような応力緩和材を用いて熱膨張差に起因する熱
応力を緩和する方法においては、超硬合金と応力緩和材
との接合界面、鋼と応力緩和材との接合界面がいずれも
健全でなければならない。 この点、衝撃式破砕機のハンマでは、上述のように、応
力緩和材として銅を用い、銀基ろう材をインサートし、
フラックスを用いた大気中でのトーチろう相法や高周波
ろう相法が行われており、この場合、BAg−4(40
%Ag−30%Cu−28%Zn−2%Ni)などの銀
ろうがよく用いられる。 しかしながら、このような銀ろうは超硬合金に対する濡
れ性が悪く、かつ接合部が比較的大きくなるとフラック
スが残留し易く、健全な接合体が得られない。また、ト
ーチろう付や高周波ろう付では接合時の接合部の温度が
不均一になり易く、接合は入手に頼っているため、接合
部の品質にバラツキが生じ易く、これもまた健全な接合
体が得られない要因となっている。また、超硬合金の一
成分であるCo中に銀ろうの成分のCuが拡散するとそ
の部分が脆くなり易く、接合強度が低くなり、更にバラ
ツキも大きくなる。 このため、従来方法で接合した超硬合金−銅接合ハンマ
は、使用中に超硬合金が大きく剥離したり、大きく剥離
しないまでも未接合部に起因する超硬合金の微小剥離の
ため、寿命が短いという問題点が発生している。またこ
のハンマは消耗品であるが、このようなハンマでは寿命
予測がつかないという問題点もある。 また、銅を応力緩和材として銅ろう付する場合、ニッケ
ル基合金を応力緩和材として用い、同相拡散により接合
する方法は、接合温度が高いため、熱応力が大きく、実
用規模の超硬合金−銅接合ハンマを得ることができない
という問題点がある。 本発明は、上記従来技術の欠点を解消して、超硬合金〜
鋼接合体の接合界面が健全であると共に接合強度が高く
、剥離などがない接合体が得られる方法を提供すること
を目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は、応力緩和材とし
て銅を用いて超硬合金と鋼を接合する方法において、健
全な接合界面が得られるインサート材及び接合条件につ
いて鋭意研究を重ねた結果、ここに本発明をなしたもの
である。 すなわち、本発明は、超硬合金と鋼を、インサート材と
して応力緩和材と銀基ろう相を用いて接合する方法にお
いて、上記超硬合金と銅からなる応力緩和材との間にT
」を含有する銀基ろう利をインサートすると共に、上記
応力緩和材と上記鋼との間に銀基ろう洞をインサー1〜
した後、上記超硬合金、鋼及びインサート材からなる被
接合体を炉中に置き、次いで、この炉を5 X 10−
ZTorr以下の真空下或いは不活性ガス雰囲気下に保
ちながら780〜950℃の温度に加熱することにより
、上記インサート材を溶融して上記超硬合金と上記鋼を
接合することを特徴とする超硬合金と鋼の接合方法を要
旨とするものである。 以下に本発明を更に詳述する。 (作用) まず、本発明では、前述のように、超硬合金と銅からな
る応力緩和材との間にTiを含有する銀基ろう材をイン
サート材シ、また該応力緩和材と鋼との間に銀基ろう材
をインサートする。 ここで、接合すべき一方の被接合材である超硬合金とし
ては、WC炭化物とCoの複合材料などの種々のものが
可能であり、また他方の被接合材である鋼としても炭素
鋼、合金鋼又は工具鋼等々の種々のものが可能であるこ
とは言うまでもない。 また応力緩和材としての銅の材質、厚さ等は特に制限さ
れるものではない。また超硬合金、鋼の形状も制限され
るものではない。 インサー1〜材としては、銀基ろう材を用いるが、少な
くとも、超硬合金と銅からなる応力緩和材との間にイン
サー)〜する銀基ろう材はエコを含有している銀基ろう
材であることが必要である。これは超硬合金と鋼の接合
率を高め、剥離を防止するためである。銀基ろう材及び
Tiを含有する銀基ろう材の成分組成は特に制限されな
い。 そして、この超硬合金−鋼−インサート月の積層構造を
有する被接合体を特定条件の雰囲気(真空又は不活性ガ
ス雰囲気)の炉中で特定の温度に加熱することにより、
該インサー1〜材を溶融し、超硬合金と鋼を接合するの
である。 ここで、雰囲気が真空の場合は、真空度は5×1、0−
” T orr以下の高真空である必要がある。望まし
くはI X 1. O’Torr以下である。真空度が
5 X 10 ”Torrを超えるとインサー1へ材に
含まれるT1が酸化され、健全な接合が困難になる。 雰囲気が不活性ガス雰囲気の場合は、不活性ガス圧力は
1.500 Torr以下であることが望まし活性ガス
が接合界面に流入し、接合部にボイドが増えて望ましく
ないためである。更に、不活性カス圧を760 Tor
r以下に保つ場合にはロータリーポンプで対応でき、設
備面で安価である。 上記真空中又は不活性ガス雰囲気中での加熱温度(接合
温度)は780〜950°Cの範囲とする必要がある。 望ましくは800℃以上900 ’C以下である。加熱
温度が780°C未満の場合は超硬合金に対するインサ
ー1〜材の濡れ性が悪くなり、また950℃を超えると
超硬合金とインサート材の反応が過剰となり、健全な接
合が困難となる。 −例として、本発明法で接合した超硬合金−銅接合ハン
マを衝撃式破砕機に取付け、砕石試験を行ったところ、
接合率((超音波探傷試験で欠陥エコーが観察されない
面積)/(全接合面積)×100)がほぼ100%であ
り、第3図に示すように超硬合金製チップが摩耗してき
ても、接合部端は常に接合されているため、超硬合金が
割れることもなく、長時間の使用が可能であった。 このことからしても、本発明法で得られる接合体が優れ
た性能を有するのは以下の理由によるものと考えられる
。 ます、本発明による接合では、超硬合金と応力緩和材と
の間にTiを含む銀基ろう材を使用しているため、該接
合界面にはTiCが生成している。 このTiCが拡散バリヤとなり、超硬合金の一成分であ
るCo中に銀ろう成分のCuが拡散することを防ぎ、結
果的に脆い部分を作らないため、安定的な接合が可能で
ある。 更に本発明による接合は、真空中又は不活性ガス雰囲気
中で炉中ろう付で行われるので、ボイド等が殆ど発生し
ない。これらの良い性能が総合されるため、接合部の品
質が安定しており、不良率はほぼ0%であり、歩留りは
非常に高い。 一方、従来法(フラックス使用の高周波ろう付)により
接合したハンマの接合率は通常50〜60%であるため
、第4図に示すように、超硬合金製チップが摩耗してく
ると、接合部端に未接合部が現れるため、この部分に石
が当たると、超硬合金に大きな曲げ応力がかかり、超硬
合金が微小剥睡(欠ける)してしまう。そのため、ハン
マの寿命が短い。また、このような未接合部は様々な部
分に生じるため、寿命予測も難しい。更にフラックス使
用の高周波ろう付は手作業であるので、時には接合率が
10〜30%程度のものもできることがある。このよう
な低接合率のハンマを使用して砕石すると、使用開始直
後に超硬合金チップが台金より剥離してしまい、大問題
が発生する。それを避けるため超音波探傷試験により全
数検査が行なわれているが、不良率が10%程度あり、
超音波探傷のコストも付加され、高価なものになってし
まう。 なお、本発明による超硬合金と鋼の接合方法は衝撃式破
砕機ハンマ用超硬合金チップと鋼製台金の接合に適用で
きるが、これのみに制限されず、他の用途における同様
の接合体の製造にも適用できることは言うまでもない。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 実施例1 4−8 mmX 48 mmの超硬合金(G2)チップ
と台金の間に、応力緩和材として銅を用い、超硬合金と
応力緩和材の間に72%Ag−27%Cu−1%Tiろ
う材をインサートし、並びに鋼と応力緩和材の間に72
%Ag−27%Cu −1%’l”jろう材又は72%
Ag−28%Cuろう材をインサートして、第2図に示
す積層構造とし、第1表に示す条件で真空炉中にて10
分間加熱し、接合した。 真空炉の作業手順は以下のとおりである。 ■被接合体を炉中にセツティングする。 ■ロータリーポンプでlo’Torr台まで真空引きす
る。 ■デイツユジョンポンプで10’Torr台まで真空引
きする。 ■加熱を開始する。 (注)表中の真空度は接合温度に達したときの真空度で
ある。炉によっては加熱により金属蒸気やCにより真空
度が悪くなる場合があるが、このときは分圧が酸素でな
いためT]は酸化されない。 得られた超硬合金−鋼ハンマ接合体について、超音波探
傷試験を行い、その後衝撃式破砕機に接合ハンマを取付
け、砕石試験を行った。使用した石は硬砂岩である。 試験結果を第1表に示すが、本発明例の場合、超音波探
傷試験での接合率はいずれも92%以上であり、健全な
接合がなされていることがわかる。 また砕石試験の結果では、超硬合金と鋼が剥離したもの
は1個もなく、すべて超硬合金の摩耗により使用できな
くなったものであった。寿命は1500時間から250
0時間で、後述する比較例1に比らべて3倍以上の長寿
命化が図られた。 なお、第1表中で真空度或いは加熱温度が本発明範囲外
の比較例では、超硬合金が剥離し、寿命が極めて短い。 失嵐粁I 48mmX48mmの超硬合金(G2)チップと台金の
間に、応力緩和材として銅を用い、超硬合金と応力緩和
材との間に72%Ag−27%Cu−1%=11− Tiろう材をインサー1へし、鋼と応力緩和材との間に
72%A、g−27%Cuろう材又は72%Ag−28
%Cuろう材をインサー1− して、第2図に示す積層
構造とし、第2表に示す条件で不活性雰囲気中にて分間
加熱し、接合した。 不活性雰囲気炉の作業手順は以下のとおりである。 (1)Ar雰囲気炉(76Q Torr以−Lの場合)
:■被接合体を炉中にセツティングする。 ■ロータリーポンプで1.0−3Torr台まで真空引
きする。 ■炉を締めきる。 ■Arガスを炉中に入れる。 ■炉内が設定値以」二の圧力になった時点でArガスを
外へたれ流す。 ■加熱を開始する。 (2) A r雰囲気炉(760Torr未謂の場合;
キャリアガス法): ■被接合体を炉中にセツティングする。 ■ロータリーポンプで10 ’−1T orr台まで真
空引きする。 ■ロータリーポンプで炉内を引きながら、Arガスを炉
内に入れる。 ■Arガス量、真空引の能力を調節することにより、1
0Torr、1O−ZTorrで平衡状態を保つように
する。 ■加熱を開始する。 得られた超硬合金−鋼ハンマ接合体について、超音波探
傷試験を行い、その後衝撃式破砕機に接合ハンマを取付
け、砕石試験を行った。使用した石は安山岩と硬砂岩で
ある。 試験結果を第2表に示すが、本発明例の場合、超音波探
傷試験での接合率はいずれも95%以上(安山岩)又は
92%以上(硬砂岩)であり、健全な接合がなされてい
ることがわかる。また砕石試験の結果では、超硬合金と
鋼が剥離したものは1個もなく、すべて超硬合金の摩耗
により使用できなくなったものであった。寿命は240
0〜3000時間(安山岩)又は1600〜1800時
間(硬砂岩)で、後述する比較例2に比らへて倍以」二
の長寿命化が図られた。 比較例L 48 n+m X 4−8 +umの超硬合金(G2)
チップと台金の間に、応力緩和材として銅を用い、超硬
合金と応力緩和材の間、並びに鋼と応力緩和材の間にそ
れぞれ40%Ag−30%Cu−28%Zn−2%Ni
ろう材をインサートして、第2図tこ示す積層構造とし
て、フラックスを用いて大気中にて高周波ろう付した。 得られた超硬合金−鋼ハンマ接合体について、超音波探
傷試験を行い、その後衝撃式破砕機に接合ハンマを取付
け、砕石試験を行った。使用した石は硬砂岩である。 試験結果を第3表に示すが、超音波探傷試験での接合率
は最低20%で、40〜50%のものが多かった。また
砕石試験の結果では、接合率が20%のハンマは使用開
始後、僅か10時間で超硬合金と鋼が剥離し、使用不可
能となった。残りのハンマは200時間程度から超硬合
金の微小剥離が始まり、200〜600時間で超硬合金
が殆どなくなり使用できなくなり、前述の実施例1の本
発明例に比較して173以下の寿命しかなかった。 比較例2 48mmX48mmの超硬合金(G2)チップと白金の
間に、応力緩和材として銅を用い、超硬合金と応力緩和
材の間、並びに鋼と応力緩和材の間にそれぞれ50%A
g−15%Cu−16%Zn−1,6%Cd−3%Ni
ろう材をインサートして、第2図に示す積層構造として
、フラックスを用いて大気中にて高周波ろう付した。 得られた超硬合金−鋼ハンマ接合体について、超音波探
傷試験を行い、その後衝撃式破砕機に接合ハンマを取付
け、砕石試験を行った。使用した石は硬砂岩である。 試験結果を第3表に示すが、超音波探傷試験での接合率
は最低15%で、40〜50%のものが多かった。また
砕石試験の結果では、接合率が15%のハンマは使用開
始後、僅か2時間で超硬合金と鋼が剥離し、使用不可能
となった。残りのハンマは200時間程度から超硬合金
の微小剥離が始まり、200〜600時間で超硬合金が
殆どなくなって使用できなくなり、前述の実施例2の本
発明例に比較して]/4以下の寿命しがながった。
(発明の効果)
以上詳述したように、本発明によれば、超硬合金と鋼を
応力緩和材を介して接合するに際し、応力緩和材として
銅を用い、特定のインサー1〜材を用いると共に接合条
件を規制したので、接合面が健全であり、接合強度が高
く、使用時に剥離などがない接合体が得られる。したが
って、特に衝撃式破砕機用ハンマに適用した場合、長寿
命で、安定的な超硬合金−鋼製ハンマが得られる。
応力緩和材を介して接合するに際し、応力緩和材として
銅を用い、特定のインサー1〜材を用いると共に接合条
件を規制したので、接合面が健全であり、接合強度が高
く、使用時に剥離などがない接合体が得られる。したが
って、特に衝撃式破砕機用ハンマに適用した場合、長寿
命で、安定的な超硬合金−鋼製ハンマが得られる。
第1図は衝撃式破砕機の一例を示す側断面図、第2図は
被接合体の構造を示す断面図、第3図は本発明の方法で
接合した接合ハンマの接合部の摩耗状態を示す説明図、 第4図は従来方法で接合した接合ハンマの接合部の摩耗
状態を示す説明図である。 1・・衝撃式破砕機、2・・・原料投入口、3・・・破
砕室、4・・・主軸、5・・・回転ロータ、6・・・ハ
ンマ、7・・・第1反発板、7a・・・ライナ、8・・
・第2反発板、8a・・・ライナ、10・・・ホルダ、
21・・超硬合金製チップ、22・超硬合金一応力緩和
材間ろう材、23 ・応力緩和材、24・・応力緩和材
−鋼量ろう材、25・・鋼製台金、26 ・未接合部、
27 岩石。 特許出願人 株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士 中 村 尚 hへ゛ つ M 々ik 、i E月 クツ リ μ 2μ 1ト5J
被接合体の構造を示す断面図、第3図は本発明の方法で
接合した接合ハンマの接合部の摩耗状態を示す説明図、 第4図は従来方法で接合した接合ハンマの接合部の摩耗
状態を示す説明図である。 1・・衝撃式破砕機、2・・・原料投入口、3・・・破
砕室、4・・・主軸、5・・・回転ロータ、6・・・ハ
ンマ、7・・・第1反発板、7a・・・ライナ、8・・
・第2反発板、8a・・・ライナ、10・・・ホルダ、
21・・超硬合金製チップ、22・超硬合金一応力緩和
材間ろう材、23 ・応力緩和材、24・・応力緩和材
−鋼量ろう材、25・・鋼製台金、26 ・未接合部、
27 岩石。 特許出願人 株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士 中 村 尚 hへ゛ つ M 々ik 、i E月 クツ リ μ 2μ 1ト5J
Claims (1)
- (1)超硬合金と鋼を、インサート材として応力緩和材
と銀基ろう材を用いて接合する方法において、上記超硬
合金と銅からなる応力緩和材との間にTiを含有する銀
基ろう材をインサートすると共に、上記応力緩和材と上
記鋼との間に銀基ろう材をインサートした後、上記超硬
合金、鋼及びインサート材からなる被接合体を炉中に置
き、次いで、この炉を5×10^−^ZTorr以下の
真空下或いは不活性ガス雰囲気下に保ちながら780〜
950℃の温度に加熱することにより、上記インサート
材を溶融して上記超硬合金と上記鋼を接合することを特
徴とする超硬合金と鋼の接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33645490A JPH0790362B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 超硬合金と鋼の接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33645490A JPH0790362B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 超硬合金と鋼の接合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04210869A true JPH04210869A (ja) | 1992-07-31 |
JPH0790362B2 JPH0790362B2 (ja) | 1995-10-04 |
Family
ID=18299308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33645490A Expired - Fee Related JPH0790362B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 超硬合金と鋼の接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0790362B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100330025B1 (ko) * | 1999-08-26 | 2002-03-27 | 한중석 | 코발트가 함유된 초경합금과 구조용강의 접합을 위한 동계 삽입금속 및 이를 이용한 초경합금과 구조용강의 접합방법 |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP33645490A patent/JPH0790362B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100330025B1 (ko) * | 1999-08-26 | 2002-03-27 | 한중석 | 코발트가 함유된 초경합금과 구조용강의 접합을 위한 동계 삽입금속 및 이를 이용한 초경합금과 구조용강의 접합방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0790362B2 (ja) | 1995-10-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |