JPH0421080B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は頭部カバー内に位置するモータの冷却
構造を改良した扇風機に関する。

〔発明の技術的背景〕

従来よりこの種扇風機に於いては、その頭部カ
バーの前方に位置した送風羽根を、該頭部カバー
の内部に配設したモータによつて回転駆動する様
にしており、而してそのモータの冷却について
は、頭部カバーの後端壁部及び前端壁部に夫々通
風孔を形成する等で該頭部カバーを後方から前方
へ通風可能に構成することにより、前記送風羽根
が起こす風をその頭部カバー内に通し、この風に
より冷却するというものであつた。

〔背景技術の問題点〕

然しながら上記従来のものは、頭部カバー内に
送風羽根が起こす風が自然に入ることを期待して
モータの冷却をするというものであつて、その入
る風は実際には極く少量であり、そのため充分な
冷却効果が得られないという問題点があつた。

〔発明の目的〕

本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであ
り、従つてその目的は、頭部カバー内に位置する
モータの冷却について充分な効果を得ることので
きる扇風機を提供するにある。

〔発明の概要〕

本発明は、頭部カバーの前部外周に送風羽根に
よる該頭部カバー外の前方への風の流れを遮断す
る遮風鍔部を設け、それにより送風羽根後方の負
圧となる領域を広げて頭部カバー内により早く且
つより多くの風を流入せしめる様にしたことを特
徴とするものである。

〔発明の実施例〕

以下本発明の一実施例を図面に従つて説明する
に、先ず第１図において、１は扇風機全体のベー
スであり、２はネツクピースで、３はネツクピー
ス２を介してベース１上に配設した頭部、４は頭
部３の前方に配設した送風羽根、５は送風羽根４
を囲繞したガードである。次に第２図に於いて、
６は前記頭部３に於けるカバー即ち頭部カバーで
あり、詳細にはカバー蓋６ａとこれにより前面の
開放部を塞がれた残り全部のカバー本体６ｂとか
ら成るもので、その全体の後端壁部であるカバー
本体６ｂの後端壁部から後下部にかけては通風孔
７を、前端壁部であるカバー蓋６ａには通風孔８
を夫々所要数形設しており、これらによつて頭部
カバー６を後方から前方へ通風可能に構成してい
る。９は頭部カバー６により覆われ従つて該頭部
カバー６内に配設したモータで、これも詳細には
その全体を、鉄板等のプレス加工により前フレー
ム１０ａ及び後フレーム１０ｂとも容器状に形成
したフレーム１０により覆つて成るもので、その
内部には巻線１１ａを有する固定子１１及び回転
子１２等が存する。又、該モータ９の回転軸１３
は前端部がフレーム１０内から前記カバー６外の
前方に突出しており、この突出した回転軸１３の
前端部に前記送風羽根４をスピンナ１４によつて
取着している。そしてフレーム１０後部である後
フレーム１０ｂにはその後端壁部に通風孔１５を
所要数形設し、一方、フレーム１０前部である前
フレーム１０ａにはその後端壁部に通風孔１６
を、周側壁部に通風孔１７を夫々所要数形設して
いる。尚、前記カバー蓋６ａはその外周部をカバ
ー本体６ｂの内面に密接させると共に上記前フレ
ーム１０ａの外周に密接させることによつて前端
部に於ける頭部カバー６及びモータフレーム１０
間の通風も遮断する様にしており、又、該カバー
蓋６ａの中央部には筒部１８を前方に向け突設し
ていて、これに前記ガード５のガード支え１９を
嵌合し締付リング２０によつて締付固定してい
る。而して２１は遮風鍔部であり、これを前記頭
部カバー６殊にそのカバー本体６ｂの前縁部外周
に前方寄りの外方へ張出すラツパ状に形設してい
る。

さて、以上の様な構成とした本実施例の場合、
モータ９に通電してこれを起動させることにより
送風羽根４を回転させれば、該送風羽根４が前方
へ送風することに合わせ、その後方殊に頭部カバ
ー６内は負圧となり、それに基づいて更にその後
方即ち頭部カバー６の後方から空気を吸引するこ
とにより、該頭部カバー６内を第２図中矢印で示
す如く風が流れ、而して該風はモータ９の熱を奪
つて前方へと出ることから、該モータ９が冷却さ
れるのであるが、この折り殊に本実施例に於いて
は上記頭部カバー６の前部外周に遮風鍔部２１を
設けていて、それが頭部カバー６外の前方への風
の流れを遮断し上記送風羽根４の後方に於いて負
圧となる領域を広げるため、その負圧に基づいて
頭部カバー６後方からその内部に入る風の量も又
速度も増し、斯くしてその風による前記モータ９
の冷却効果も充分に増すことができるものであ
る。

尚、遮風鍔部２１は頭部カバー６のカバー本体
６ｂからではなくカバー蓋６ａから或いはガード
５のガード支え１９から突出させて設ける様にし
ても良く、又、夫々ラツパ状にではなく真直ぐ外
方に張出させて設ける様にしても良い。

その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施
例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱し
ない範囲内で適宜変更して実施し得る。

〔発明の効果〕

以上にて明らかな様に本発明は、後方から前方
へ通風可能に構成した頭部カバー内に、その前方
に位置した送風羽根を回転駆動するモータを配設
した扇風機にあつて、その頭部カバーの前部外周
に前記送風羽根による該頭部カバー外の前方への
風の流れを遮断する遮風鍔部を設けたことを特徴
とするものであり、以て送風羽根後方の負圧とな
る領域を広げて頭部カバー内により早く且つより
多くの風を流入せしめ得るというものであるか
ら、その頭部カバー内に位置するモータの冷却に
ついても充分な効果を得ることができるという著
効を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示したものにて、第
１図は全体の側面図、第２図は主要部の拡大縦断
側面図である。 図中、３は頭部、４は送風羽根、６は頭部カバ
ー、７，８は通風孔、９はモータ、１０はフレー
ム、１５，１６，１７は通風孔、２１は遮風鍔部
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 後方から前方へ通風可能に構成した頭部カバ
   ー内に、この前方に位置した送風羽根を回転駆動
   するモータを配設したものであつて、その頭部カ
   バーの前部外周に前記送風羽根による該頭部カバ
   ー外の前方への風の流れを遮断する遮風鍔部を設
   けたことを特徴とする扇風機。