JPH0420555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、実際の通水量に合わせてイオン交
換樹脂再生用の塩水量を制御する塩水コントロー
ル装置に係るものである。

〔従来の技術〕

従来の塩水コントロール装置においては、前回
の再生から今回の再生までのインターバルを決定
して、その間の通水量、硬度分を推定し、それに
見合つた塩水量に安全率を見込んで１回の再生に
使用する塩水（すなわち塩）の量を決定している
が、この場合、再生時間は固定するのが通例であ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

このため、前回の再生から今回の再生までの間
に、予測以上の通水量があつたときは再生不充分
な状態となり、一方、予測以下であれば無駄な塩
水を使用しつつ、これを廃棄せざるを得ない。ま
た、原水ラインの水圧の変動などにより塩水吸込
量が変化すると、適正な塩水量を供給することが
できないという問題点もある。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、上述したような問題点に着目し、
再生時に、イオン交換樹脂の通水量に見合つた塩
水量を制御することを目的とするものである。

即ち、この考案は、イオン交換樹脂を充填した
樹脂筒と、塩水を貯えた塩水タンクと、塩水ライ
ン、原水ライン、軟水ライン及び排水ラインの各
ラインの切換えを行うコントロールバルブと、前
記樹脂筒内に設けられ、前記コントロールバルブ
に連結された集水管とから成る硬水軟化装置にお
いて、前記集水管に流量計を挿設し、この流量計
からの信号を受けて、通水時の計測通水量に基づ
いて再生時の必要塩水量を決定する機能と、再生
時の計測塩水量が前記必要塩水量に達したとき再
生動作を終了させる機能を有する判別回路を備え
たことを特徴としている。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に基づいて説明する。図
中の１は、Na型のイオン交換樹脂であつて、原
水との接触により原水中に含まれる硬度分（例え
ばCa²⁺，Mg²⁺）とイオン交換を行い、原水を軟
水に換える働きをする。２は、イオン交換樹脂１
が充填された樹脂筒、４は、塩水３と原塩とを入
れる塩水タンクである。１２は集水管で、樹脂筒
２内の中央部に設けられ、該集水管の上端部にコ
ントロールバルブ５が連結されている。

コントロールバルブ５に対しては、塩水ライン
６、原水ライン７、軟水ライン８、排水ライン９
がそれぞれ連結されている。従つて、通水時に
は、原水が原水圧力にて樹脂筒２上部より流入
し、集水管１２を通して軟水ライン８へ移送さ
れ、再生時には、コントロールバルブ５の働きに
より塩水ライン６を通じて塩水が吸入され、イオ
ン交換樹脂が再生される。その際生成される、硬
度分を含むドレンは、排水ライン９から排出され
る。

前記集水管１２には流量計１０が挿設されてあ
り、この流量計１０は、判別回路１１と信号線１
３で連結されている。判別回路１１においては、
予め測定された原水の硬度分に関するデータと、
再生から次の再生までのインターバルが設定さ
れ、流量計１０にて検出した通水量に基づいて、
硬度分と通水量に見合つた再生時の必要塩水量が
決定される。コントロールバルブ５は、この塩水
量に基づいて再生動作を行うように構成されてい
る。又、再生時には、流量計１０にて塩水の流量
を計測し、計測値が上述の必要塩水量に達する
と、判別回路１１は、再生動作を終了させて次動
作へ移行させるように働く。

次に、作用について説明する。まず、判別回路
１１において、予め、原水の硬度分に関するデー
タと再生から次の再生までのインターバルが設定
される。通水軟化時には、原水は、原水の圧力に
て原水ライン７から樹脂筒２に入り、イオン交換
樹脂１と接触しイオン交換にて軟水化され、集水
管１２、コントロールバルブ５を通つて系外に移
送される。このときの通水量（積算通水量）は、
集水管に挿設した流量計１０にて検出され、判別
回路１１へ信号として送られる。樹脂筒のイオン
交換樹脂は、イオン交換により、上流側より順次
Na型からCa型のイオン交換樹脂に変換されてい
く。

次いで、予め設定されたインターバルにより、
再生に移行すると、判別回路１１で、予め設定さ
れた硬度分に関するデータと前記計測通水量とか
ら再生に必要な塩水量が決定される。決定後、判
別回路１１の信号に基づいて、コントロールバル
ブ５により塩水が一定の割合で吸入され、吸入さ
れた塩水により、イオン交換樹脂はイオン交換さ
れてCa型からNa型に再生される。再生時の硬度
分を含むドレン水は、排水ライン９を経て系外に
排出される。

この時、流量計１０にて塩水の流量を計測し、
計測値が、前述の判別回路１１で決定された再生
時の必要塩水量に達すると、再生動作を終了す
る。再生後、塩水タンク４には、塩水ライン６を
通して原水が供給され、この原水により塩水タン
ク内の原塩が溶解して塩水が補給される。続い
て、コントロールバルブ５が通水状態になり、原
水の軟水化が再開されるとともに、積算通水量が
リセツトされて再度０から通水量の積算を開始す
る。

〔考案の効果〕

この考案は、以上のように構成されており、硬
度分と通水量に応じて、再生時の必要塩水量を正
確に決定することができる。従つて、無駄な塩水
を使用しなくて済み、ランニングコストを低減す
ることができるとともに、塩水タンクの小型省ス
ペース化、低価格化を図ることができる。また、
塩水供給時にも塩水の供給量を計測し、算定され
た塩水量が実際に供給されているかどうかをチエ
ツクすることができるようになつおり、原水ライ
ンの水圧変動に伴う塩水吸込量の変化の影響を受
けず、適正な塩水量を確実に供給することができ
る。さらに、再生インターバルを１日にすれば、
毎日仕事はじめの時点で常に硬水軟化装置の能力
を高い状態に維持して使用することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案における一実施例の説明図で
ある。 １……イオン交換樹脂、２……樹脂筒、３……
塩水、４……塩水タンク、５……コントロールバ
ルブ、６……塩水ライン、７……原水ライン、８
……軟水ライン、９……排水ライン、１０……流
量計、１１……判別回路、１２……集水管、１３
……信号線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 イオン交換樹脂１を充填した樹脂筒２と、塩水
   ３を貯えた塩水タンク４と、塩水ライン６、原水
   ライン７、軟水ライン８及び排水ライン９の各ラ
   インの切換えを行うコントロールバルブ５と、前
   記樹脂筒２内に設けられ、前記コントロールバル
   ブ５に連結された集水管１２とから成る硬水軟化
   装置において、 前記集水管１２に流量計１０を挿設し、この流
   量計からの信号を受けて、通水時の計測通水量に
   基づいて再生時の必要塩水量を決定する機能と、
   再生時の計測塩水量が前記必要塩水量に達したと
   き再生動作を終了させる機能を有する判別回路１
   １を備えたことを特徴とする塩水コントロール装
   置。