JPH04202160A - 高純度亜硝酸アルキルエステルの製造法 - Google Patents

高純度亜硝酸アルキルエステルの製造法

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JPH04202160A
JPH04202160A JP33010690A JP33010690A JPH04202160A JP H04202160 A JPH04202160 A JP H04202160A JP 33010690 A JP33010690 A JP 33010690A JP 33010690 A JP33010690 A JP 33010690A JP H04202160 A JPH04202160 A JP H04202160A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、高純度の亜硝酸アルキルエステルの製造法
に関するものである。
亜硝酸アルキルエステルは、有機合成反応の原料として
、例えば、ジアゾ化、オキシム化、ニトロソ化などに使
用することができ、また、よく知られているように、亜
硝酸エチルや亜硝酸アミル等は、血管拡張作用を有して
おり、そのものが医薬品として使用されるなど、有用な
化合物である。
〔従来技術の説明〕
亜硝酸エステルの製造方法としては、これまでに幾つか
知られているが、大きく分けて次の2つの方法がある。
一つは、最も一般的な方法としてよく使われている亜硝
酸塩(ナトリウム塩またはカリウム塩)と強酸とを使用
する方法であり、例えば、オルガ−’−7り・シンセシ
ス(Org、 Syn、)  16巻(1936年)や
ジャーナル・オブ・アメリカン・ササイアティー(J、
 Am、 Chem、 Soc、) 55巻3888頁
(1933年)などにその製法が開示されている。
もう一つは、アルコールにNo、(窒素酸化物)を接触
させて製造する方法である。
その他の方法として、塩化ニトロシルや硫酸ニトロシル
をアルコールに作用させる方法、無水亜硝酸をアルコー
ルに作用させる方法、ハロゲン化アルキルと亜硝酸銀と
を反応させる方法などが小規模の合成で実施されている
そして、上記第一の方法においてこれまで実施されてき
た方法は、アルコールに亜硝酸を作用させる方法であり
、具体的には、亜硝酸ナトリウムの水溶液に、目的とす
る亜硝酸アルキルエステルのエステル部分と同一のアル
キル基を有するアルコールを加え、これに硫酸を添加し
ていく方法が大部分を占めるが、塩酸を使用する方法や
、一部、モノクロル酢酸や蟻酸等の有機酸を使用する方
法も行われている。
上記の公知の方法にて、亜硝酸アルキルエステルを製造
する場合、何れの方法を用いても収率よ(製造すること
が可能である。
しかしながら、これら公知の方法で亜硝酸アルキルエス
テルを製造した場合は、それぞれ、以下に述べるような
欠点を有する。
まず、最も一般的な方法である硫酸を使用する製法であ
るが、亜硝酸塩とアルコールとの反応は、不純物を生ず
る副反応を抑えるために、低い温度で行う必要があるが
、高い濃度の硫酸を使用すると、硫酸の溶解熱が極めて
大きいため、如何に撹拌を強くしても局部的に高温部分
が生じ、不純物の生成が顕著に起こる。この不純物はア
ルコール   −の酸化生成物であるアルデヒドおよび
その派生物であり、高純度の亜硝酸アルキルエステルを
製造するためには、さらに蒸留等の精製を実施しなけれ
ばならないという問題がある。従って、硫酸を使用する
亜硝酸アルキルエステルの製法では、亜硝酸塩とアルコ
ールとの反応を不純物を生成しないように行わせるため
、かなり希釈した硫酸を前記反応に供する必要があり、
装置的に不利である。
また、前記亜硝酸塩とアルコールとの反応によって生成
する硫酸ナトリウムの溶解度が低温ではかなり低いので
、反応液が硫酸ナトリウムのスラリーとなるなど、工業
的に製造する方法としては問題が大きい。
次に、塩酸を使用する方法であるが、この場合、不純物
の生成は抑えられるが、塩酸を使用するために装置腐食
の問題があり、工業的規模で生産するには特殊な装置が
要求されるなどの欠点を有する。
その他、有機酸を使用する方法や、ニトロシル化合物を
使用する方法などは、そのものが高価であり、工業的製
法としては意味がない。
また、NOXガスを使用する方法は、ラジカル反応等を
含み、やはり不純物の生成は避けられない。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来公知の亜硝酸アルキルエステルの製造方法は、前述
したように、何れの方法も、高純度の亜硝酸アルキルエ
ステルを製造する方法としては、工業的に満足の行くも
のではないという欠点があったのである。
そこで、この発明の目的は、不純物の生成を抑制し、簡
便かつ安価に高純度の亜硝酸アルキルエステルを高収率
で製造し得る工業的に好適な亜硝酸アルキルエステルの
製造法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段] この発明者らは、従来法における前述したような問題点
を解決し、高純度の亜硝酸アルキルエステルを簡便に製
造する方法について鋭意検討を行ってきた。その結果、
亜硝酸塩使用による亜硝酸アルキルエステルの製法にお
いて、硫酸に代えて硝酸を使用した場合、不純物が殆ど
生成しない事実を発見し、この発明に到達した。
すなわち、この発明は、 アルコールに亜硝酸を作用させて亜硝酸アルキルエステ
ルを製造する方法において、 (1)炭素数4〜6の脂肪族一価アルコールと、亜硝酸
のアルカリ金属塩の水溶液とを混合・攪拌しながら、該
混合溶液に、その温度を0〜30℃に保つようにして、
生成する反応液の水相のpH値が1〜3の範囲になるま
で硝酸水溶液を滴下する第一工程;および、 (2)第一工程で得られた反応液の水相を分離・除去し
、さらに、有機相を、洗浄液のpH値が4以上になるま
で水洗する第二工程; からなることを特徴とする高純度亜硝酸アルキルエステ
ルの製造法に関する。
〔本発明の各要件の詳しい説明〕
以下に、この発明の方法を詳しく説明する。
前述のように、亜硝酸塩を使用する方法においては、そ
の殆どが硫酸を使用しており、硝酸を反応に具している
例はない。その理由は2つ考えられる。1つは、亜硝酸
塩とアルコールとの反応であるために、極めて高い爆発
性を有する硝酸エステルの生成が考えられるためである
。しかしながら、この発明の方法における亜硝酸塩とア
ルコールとの反応は、後述するように、温和な条件で操
作され、かつ、添加される硝酸は速やかに亜硝酸塩と反
応するため、反応液中には極めて低濃度でしか存在せず
、実質的に硝酸エステルの生成は起こらない。もう1つ
の理由は、過去において多量の高純度の亜硝酸エステル
の需要が高くなかったためである。しかし、前述したよ
うに、昨今、該亜硝酸エステルの用途が拡大し、同時に
純度の高い製品が要求されているのである。
この発明で使用される亜硝酸塩としては、亜硝酸のアル
カリ金属塩であり、具体的には、亜硝酸リチウム、亜硝
酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなどが好適に挙げられる
が、特に亜硝酸ナトリウムと亜硝酸カリウムが好ましく
、中でも亜硝酸ナトリウムが最も好ましい。
また、この発明で用いられるアルコールとしては、n−
ブチルアルコール、イソブチルアルコール、5ec−ブ
チルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ア
ミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアル
コールなど、炭素数4〜6の直鎖または分岐鎖の飽和脂
肪族一価アルコールが好適に挙げられる。
この発明の操作方法としては、公知の硫酸を使用する方
法〔例えば、オルガニック・シンセシーズ(Organ
ic 5yntheses)第■巻、108頁〕に準す
るものである。
すなわち、この発明の製造法の第一工程においては、ま
ず前記亜硝酸のアルカリ金属塩を水に溶解する。このと
きの得られる水溶液の濃度は特に限定されないが、後述
する亜硝酸塩とアルコールの反応を操作上容易に行える
ようにするため、通常、生成する硝酸塩の溶解度も考慮
して、飽和濃度以下で行うのが好ましい。
次に、この水溶液に目的とする亜硝酸アルキルエステル
と同一のアルキル基を有する前述したようなアルコール
を加える。添加量は、亜硝酸塩1モルに対して0.8〜
1.2モル、好ましくは0.95〜1.05モルの範囲
であることが望ましい。もちろん、この範囲に限定され
るものではないが、アルコールが少なければ、亜硝酸塩
が残り経済的でなく、また、アルコールが多ければ、生
成物中に未反応アルコールが不純物として残り、精製が
必要となり、あまり好ましいことではない。この亜硝酸
塩とアルコールの反応は、濃度が低くても十分な速度で
進行するため、亜硝酸塩とアルコールを等モル量混合す
ることが最も好ましい。
この発明の方法においては、次に、前述のようにして得
られた亜硝酸塩とアルコールとの混合溶液を攪拌しなが
ら、該混合溶液に硝酸水溶液を、得られる反応液の水相
のpH値が1〜3の範囲になるまで滴下していくのであ
る。従って、滴下する硝酸の量は、溶液中の亜硝酸塩1
モルに対して0.9〜1.1モル、好ましくは0.95
〜1.05モルの範囲であることが望ましい。この滴下
量の範囲の限定は、前述のアルコールの添加量の限定と
同じ理由によるものである。硝酸の濃度としては、特に
限定されるものではないが、生成する硝酸塩の回収を考
慮する場合には、あまり薄い濃度であると不利である。
前記混合溶液に硝酸を滴下するに際して、得られる反応
液の温度は、生成する亜硝酸アルキルエステルが分解し
易い物質であるため低い方が好ましく、従って、前記亜
硝酸塩とアルコールとの反応は、通常0〜30℃の範囲
で行われるが、0〜15℃の範囲で行われるのが最も好
ましい。このように、この発明では、亜硝酸塩とアルコ
ールとの反応が温和な条件下で行われるのが特に特徴的
であり、前記反応操作が発熱を伴う操作であるため、反
応中、外部より冷却しなければならないことは言うまで
もない。
そこで、この発明において、硝酸の滴下速度は、前記混
合溶液への硝酸の滴下中、得られる反応液が前記の温度
範囲に維持されるよう調整されればよく、反応液の冷却
設備能力や攪拌の程度により決められるべきであるが、
前記混合溶液への硝酸の滴下が通常1〜10時間の範囲
で終了するような速度であることが好ましい。
なお、硝酸の滴下量は、反応液の水相のp Hで知るこ
とができ、前記のような条件で行えば、約pH2に当量
点があることからこれを利用すれば操作が容易である。
次に、この発明の製造法における第二工程について説明
する。
前述のようにして硝酸水溶液の滴下が終了した後、反応
液の攪拌を止めて静置し、有機相と水相とに分液を行い
、水相を抜き出す。
目的生成物の亜硝酸アルキルエステルからなる有機相は
、この段階で既に高い純度を有しているが、なお残存す
る微量の酸やアルコールを除去するため、引き続き水洗
を行うのである。
水洗に使用する水の量は特に制限はないが、亜硝酸アル
キルエステルの安定性を増すために、有機相中に残存す
る酸量を50重量ppm以下にすることが好ましい。従
って、水洗時の水相のp H値が4以上になるまで水洗
を行うことが好ましい。
もちろん、−膜内に実施されるように、水洗時に炭酸ナ
トリウム等のアルカリを加えて行うことも有効ではある
が、有機相中に残存する酸は水洗のみで十分に除去でき
、有機相、すなわち、亜硝酸アルキルエステル中の酸量
について特に厳密であることが必要であるとき以外は、
特に必要ではない。
〔実施例〕
次に、実施例および比較例を挙げて、この発明の方法を
具体的に説明するが、これらは、この発明の方法を何ら
限定するものではない。
実施例1 4つ目フラスコ(容量2fi)に攪拌機、温度計、滴下
ロート、pH計、およびドラフトへの排気管を取付け、
これに36重量%亜硝酸ナトリウム水溶液958g (
亜硝酸ナトリウム分;5.0モル)とn−ブタノール3
 LO,g (5;0モル)を入れ、攪拌しながら氷水
バスで5℃に冷却した。
次に滴下ロートに60重量%硝酸を仕込み、攪拌下の前
記亜硝酸ナトリウム水溶液とn−ブタノールの混合溶液
中にゆっくり滴下していった。この間、得られる反応液
の温度を5〜15℃に保つように、硝酸の滴下速度を調
整した。そして、反応液のpHが2.0になったところ
で硝酸の滴下および反応液の攪拌を止めた。硝酸の滴下
量は、全部で530g (硝酸分;5.05モル)であ
った。
そこで、反応液を分液ロートに移して静置・分液し、水
相を抜き出した。さらに、分液ロート内の有機相に水3
0′OmI!、を加えて水洗し、分液した。この操作を
2回繰り返したよき、分液ロートから抜き出した水相の
pHが4.3になった。
以上のようにして得られた有機相の重量は508gで、
これをガスクロマトグラフで分析したところ、亜硝酸ブ
チルの含量98.5重量%、n−ブタノールの含量1.
4重量%および蟻酸ブチルの含量0.05重量%で、そ
の他の不純物は確認されなかった。また、水分含量80
重量pp、mであった。
実施例2 n−ブタノール370g 、(5,0モル)に代えてイ
ソアミルアルコール440g(5,0モル)を使用した
ことのほかは、実施例1と同様の操作を行って、主とし
て亜硝酸イソアミルを含有する有機相573gを得た。
この有機相をガスクロマトグラフで分析したところ、亜
硝酸イソアミルの含量99.1重量%およびイソアミル
アルコールの含量0.7重量%で、その他の不純物は確
認されなかった。また、水分含量50重量ppmであっ
た。
比較例1 60重量%硝酸に代えて濃硫酸を使用したことのほかは
、実施例1と同様の操作を行った。このとき、濃硫酸の
滴下量は255gであった。
得られた主として亜硝酸ブチルを含有する有機相は51
2gであった。さらに、この有機相をガスクロマトグラ
フで分析したところ、その組成は、亜硝酸ブチル;94
.8重量%、n−ブタノール;1.8重量%、蟻酸ブチ
ル;0.7重量%、酪酸ブチル;0.1重量%およびブ
チルアルデヒドジブチルアセタール1.5重量%であり
、その他酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、吉草酸ブチ
ル等が確認された。なお、水分は120重量ppmであ
った。
比較例2 4つロフラスコ(容量12)に攪拌機、温度計、ガス吹
き込みノズル、およびドラフトへの排気管を取付け、こ
れにn−ブタノール370g(5,0モル)を仕込み、
攪拌しながら氷水バスで5℃に冷却した。
これにNOXガス(No ; 10容量%、No2゜1
0容量%、Nz;80容量%の混合ガス)をミ約1で7
分の流量で前記ガス吹き込みノズルから1時間吹き込ん
だ。ガスを吹き込んでいる間、反応液の温度を5〜10
℃に維持した。
ガス吹き込み終了後、反応液を分液ロートに移し、30
0mI!、の水を加えて洗浄した。この水洗操作を2回
行った後、得られた有機相は502gであり、次にこの
有機相をガスクロマトグラフにて分析した。その結果、
亜硝酸ブチル、 91.2重量%、n−ブタノール;5
.4重量%、蟻酸ブチル;1.2重量%、醋酸ブチル;
0.2重量%およびブチルアルデヒドジブチルアセター
ル;1.8重量%が含まれており、その他、酢酸ブチル
、プロピオン酸ブチル、吉草酸ブチル等が確認された。
なお、水分は140重itppm含有されていることが
判った。
〔作用効果の説明〕
この発明の方法は、前述したように、従来公知の亜硝酸
アルキルエステルの製造法が、操作の容易性、経済性、
製品純度等において工業的には十分満足の行くものでは
ないという問題があったのに対し、亜硝酸アルカリ金属
塩の水溶液とアルコールとを、反応液のpHを硝酸で調
整しながら、反応させることによって、不純物の生成を
抑制しながら、温和な条件下で簡便かつ安価に高純度の
亜硝酸アルキルエステルを高収率で製造する方法を提供
し得る効果を奏するものである。
特許出願人  宇部興産株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 アルコールに亜硝酸を作用させて亜硝酸アルキルエステ
    ルを製造する方法において、 (1)炭素数4〜6の脂肪族一価アルコールと、亜硝酸
    のアルカリ金属塩の水溶液とを混合・攪拌しながら、該
    混合溶液に、その温度を0〜30℃に保つようにして、
    生成する反応液の水相のpH値が1〜3の範囲になるま
    で硝酸水溶液を滴下する第一工程;および、 (2)第一工程で得られた反応液の水相を分離・除去し
    、さらに、有機相を、洗浄液のpH値が4以上になるま
    で水洗する第二工程; からなることを特徴とする高純度亜硝酸アルキルエステ
    ルの製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004536878A (ja) * 2001-08-02 2004-12-09 デューク・ユニバーシティ 注入ガスに配合した血流減少阻害剤の使用
JP2005511708A (ja) * 2001-12-06 2005-04-28 デューク・ユニバーシティー 形成外科における組織弁壊死の予防
JP2018527326A (ja) * 2015-09-16 2018-09-20 ロンザ・リミテッド 亜硝酸n−ブチルの調製方法

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