JPH0419914B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、都市ガス導管において、埋設された
又は構造物で隠された主管、及び、その主管に接
続した複数本の分岐管を、それらの内部に加圧ガ
スによつて供給されるシール剤又はライニング剤
で補修する方法に関する。

〔従来技術〕

従来、第４図に示すように、主管１のうち補修
対象域１ａの両側部分を掘出して開口させると共
に、補修対象の分岐管３，４の地上部分３ａ，４
ａを開口させ、主管１の一方の開口を蓋１４で閉
じ、主管１の他方の開口から、あるいは、分岐管
３，４の開口夫々から、シール剤又はライニング
剤を送風機１５からの加圧ガスで供給していた
（文献を示すことができない。） 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、いずれの従来方法においても、主管の
掘出し及び開口に多くの作業時間を必要とし、掘
削作業及び掘出し土砂の処理に多大の経費を必要
とし、かつ、都市ガス供給を中断しなければなら
ず、作業性、工費面及びガス供給面のいずれにお
いても改良の余地があつた。

本発明の目的は、極めて合理的な手段でもつ
て、埋設又は隠蔽された主管、及び、それに接続
した複数の分岐管に対する補修を、主管に対する
掘出しや開口形成を全く必要とすること無く、か
つ、都市ガス供給を中断すること無く行えるよう
にする点にある。

〔問題を解決するための手段〕

本発明の特徴手段は、地上から膨張収縮操作自
在で引出し自在に構成した少くとも２個のバツグ
を、主管内に少くとも２本の分岐管の地上部分
夫々から送つて膨張させ、その膨張したバツグで
前記主管を少くとも２個所で遮断し、前記主管の
うち前記バツグの相隣るものの間に接続した上流
側分岐管の地上部分に、前記バツグよりも上流側
で前記主管に接続した最上流側分岐管からの加圧
都市ガスによつて、シール剤又はライニング剤を
供給しながら、かつ、前記相隣るバツグの間に前
記主管に接続した下流側分岐管の地上部分から前
記バツグよりも下流側で前記主管に接続した最下
流側分岐管に、回収器でシール剤又はライニング
剤を分離した都市ガスを供給しながら、前記上流
側分岐管から前記下流側分岐管に前記主管を通つ
て、シール剤又はライニング剤を送ることにあ
り、その作用効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、上流側分岐管の地上部分から下流側分
岐管の地上部分までシール剤又はライニング剤を
加圧都市ガスで送り、主管及び複数の分岐管に対
するシール処理又はライニング処理を施し、ま
た、分岐管の地上部分から導入したバツグにより
主管を２個所で遮断して、主管内において不必要
な個所にシール剤又はライニング剤が流れること
を阻止するのである。

また、シール剤又はライニング剤の移送のため
の都市ガスを、最上流側分岐管から上流側分岐管
に供給すると共に、シール剤又はライニング剤の
移送に使つた都市ガスを最下流側分岐管から主管
に供給し、バツグよりも下流側においても主管に
よる都市ガス供給を継続するのである。

そして、主管及び分岐管に対するシール処理又
はライニング処理を完了すれば、バツグを収縮さ
せて分岐管から取出して、都市ガス供給を再開で
きる。

〔発明の効果〕

その結果、バツグによる主管遮断、主管と分岐
管に対するシールやライニング、及び、バツグの
取出しの全てを、分岐管の地上部分を有効利用し
て、主管の掘出しや開口形成を全く必要とするこ
と無く行え、工事を容易迅速にかつ経費少く行え
るようになつた。

また、主管からの都市ガスを利用して、シール
剤又はライニング剤を送ると共に、使用後の都市
ガスを主管に戻すから、都市ガスの無駄が無く、
かつ、特別な圧送用加圧ガスを準備する必要が無
く、この面からも工事の簡略化及び経費節減を一
層十分に図れ、さらには、工事箇所の下流側にお
ける都市ガス供給継続によつて、需要先の不便を
最小限に抑えることができるようになり、全体と
して、作業性、工費面、ガス供給面の全てにおい
て有利な状態で、主管及び分岐管の補修を行える
ようになつた。

〔実施例〕

次に実施例を示す。

第１図に示すように、地中の都市ガス供給用主
管１の補修対象部分１ａに対して上流側に接続さ
れた２本の分岐管２，３と、下流側に接続された
２本の分岐管４，５の地上部分３ａ，２ａ，４
ａ，５ａに開口を形成する。つまり、例えば、分
岐管２，３，４，５としてのメーター立管におい
て顧客用ガスメーター及びメーターコツクを外す
等して、開口を形成する。

次に、第２図に示すように、ホース６に接続し
た加圧流体供給装置７により膨張操作自在で、ホ
ース６からの流体排出により収縮操作自在で、か
つ、ホース６により引出し自在に構成したバツグ
８ａ，８ｂを、最上流側及び下流側分岐管２，４
の地上部分２ａ，４ａから主管１内に、送風機９
付パイプ１０で上流側又は最下流側分岐管３又は
５からの加圧都市ガスによつて圧送し、装置７か
らの加圧流体で膨張させて、膨張したバツグ８
ａ，８ｂで主管１を２個所で遮断する。

次に、第３図に示すように、最上流側分岐管２
から上流側分岐管３に加圧都市ガスを供給する送
風機９付パイプ１０を接続し、送風機９の吐出側
においてパイプ１０に、シール剤又はライニング
剤を供給するタンク１１を接続し、シール剤又は
ライニング剤をガスから分離回収する回収器１２
を、下流側及び最下流側分岐管４，５に接続した
パイプ１０に設ける。

次に、送風機９によつて加圧都市ガスを上流側
分岐管３に供給しながら、タンク１１からのシー
ル剤又はライニング剤を泡状であるいは気流搬送
で上流側分岐管３、主管１、下流側分岐管４の順
に送り、主管１及び両分岐管３，４のシール処理
又はライニング処理を行う。そして、シール剤又
はライニング剤の移送に使用したガスを、回収器
１２によりシール剤又はライニング剤を除いて、
最下流側分岐管５から主管１に供給し、補修個所
の下流側においても都市ガス供給を継続する。

また、シールやライニング処理が完了すれば、
パイプ１０を分岐管２ないし５から外し、バツグ
８ａ，８ｂを収縮させてホース６により引出し、
４本の分岐管２，３，４，５を復元接続し、都市
ガス供給を再開する。

〔別実施例〕

次に別の実施例を説明する。

バツグ８ａ，８ｂを挿脱する分岐管２，４は、
上流側及び下流側の一方又は両方において複数本
でもよく、上流側分岐管３や最下流側分岐管５を
利用してもよい。

バツグ８ａ，８ｂは、材質や形状、その他にお
いて適当に選択でき、また、バツグ８ａ，８ｂを
分岐管２，４に対して挿入したり取出したりする
ために、適当な治具を分岐管２，４に接続して利
用すればよい。さらに、バツグ８ａ，８ｂを圧送
するに、各種の送風設備が利用でき、また、可撓
性の押込具でバツグ７を送つてもよい。バツグ８
ａ，８ｂを膨張するに、各種のガス用又は液用供
給設備を利用でき、バツグ８ａ，８ｂを引出す
に、そのための索具をバツグ８ａ，８ｂに連結し
てもよい。

シール剤としては、例えば種々のエマルジヨン
ラテツクス、その他適当なものを利用でき、そし
て、ライニング剤としては、例えばエポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、その他適当なものが利用でき
る。

主管１は構造物に隠されたものでもよく、その
場合において、分岐管２，３，４，５の外部露出
部を地上部分２ａ，３ａ，４ａ，５ａと称する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は、本発明方法の手順を例
示する概念図である。第４図は従来例の概念図で
ある。 １……主管、２，３，４，５……分岐管、２
ａ，３ａ，４ａ，５ａ……分岐管の地上部分、８
ａ，８ｂ……バツグ、１２……回収器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 地上から膨張収縮操作自在で引出し自在に構
   成した少くとも２個のバツグ８ａ，８ｂを、主管
   １内に少くとも２本の分岐管２，４の地上部分２
   ａ，４ａ夫々から送つて膨張させ、その膨張した
   バツグ８ａ，８ｂで前記主管１を少くとも２個所
   で遮断し、前記主管１のうち前記バツグ８ａ，８
   ｂの相隣るものの間に接続した上流側分岐管３の
   地上部分３ａに、前記バツグ８ａよりも上流側で
   前記主管１に接続した最上流側分岐管２からの加
   圧都市ガスによつて、シール剤又はライニング剤
   を供給しながら、かつ、前記相隣るバツグ８ａ，
   ８ｂの間に前記主管１に接続した下流側分岐管４
   の地上部分４ａから、前記バツグ８ｂよりも下流
   側で前記主管１に接続した最下流側分岐管５に、
   回収器１２でシール剤又はライニング剤を分離し
   た都市ガスを供給しながら、前記上流側分岐管３
   から前記下流側分岐管４に前記主管１を通つて、
   シール剤又はライニング剤を送る都市ガス導管の
   補修方法。