JPH0418840B2 - - Google Patents

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JPH0418840B2
JPH0418840B2 JP8249383A JP8249383A JPH0418840B2 JP H0418840 B2 JPH0418840 B2 JP H0418840B2 JP 8249383 A JP8249383 A JP 8249383A JP 8249383 A JP8249383 A JP 8249383A JP H0418840 B2 JPH0418840 B2 JP H0418840B2
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glutamyl
hydroxyanilide
leucyl
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Hideo Misaki
Akira Ootsuka
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Toyo Jozo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、式一般式 (式中、R1はL−ロイシル基またはγ−L−グ
ルタミル基を示し、R2、R3、R4、R5およびR6
各々水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
低級アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、水
酸基、カルボキシル基またはスルホン酸基を示
す)で表わされるアミド化合物またはその水溶性
塩を合成基質とする被験中のペプチダーゼの新規
な活性測定法に関する。
ペプチダーゼは一般的にはペプチドのペプチド
結合に作用してアミノ末端から切断してアミノ酸
またはより低級のペプチドを遊離させる酵素の総
称として古くから知られている。例えばロイシン
アミノペプチダーゼ(臨床化学においてTrue
LAPともいう)やアリルアミダーゼ(臨床化学
においてClinical LAPともいう、以下時として
AAと称する)などのアミノペプチダーゼ(以下
True LAPとClinical LAPを併せて単にLAPと
称する)シスチンアミノペプチダーゼ、プロリン
アミノペプチダーゼ、アルギニンアミノペプチダ
ーゼ、アラニンアミノペプチダーゼ、γ−グルタ
ミルトランスペプチダーゼ(γ−GTP)などが
知られている。
上記酵素のうち、特にロイシンアミノペプチダ
ーゼ(LAP)やγ−グルタミルトランスペプチ
ダーゼ(γ−GTP)は、生体内のあらゆる組織
に広く分布し、血清中にも存在しており、病的条
件によつて増加することが知られており、臨床検
査上重要な酵素活性測定項目の対称となつている
酵素であり、そのLAP活性測定法、γ−GTP活
性測定法も種々報告されている。
例えば、それらの大部分は合成基質よりLAP
によつて遊離されるアミン化合物を比色定量する
ことによりLAP活性値を求める方法であつて、
これに用いる合成基質としてL−ロイシル−p−
ニトロアニリドを用い、LAPの酵素作用により
生成するp−ニトロアニリンの黄色を比色定量す
る方法が挙げられるが、この比色定量の際、その
合成基質の呈色波長がオーバー・ラツプする欠点
があり、また血清成分、特にビリルビン形色素に
よる測定の影響も免れることが出来ない欠点があ
つた。さらに、合成基質としてL−ロイシル−β
−ナフチルアミドを用いる方法が挙げられるが、
この方法では生成するβ−ナフチルアミンに5−
ニトロ−2−アミノメトキシベンゼンアゾテート
などをカツプリングさせて色素を形成させるかあ
るいは生成するβ−ナフチルアミンを亜硝酸ナト
リウムでジアゾ化し、N−(1−ナフチル)−エチ
レンシアミンにカツプリングさせるか、もしくは
p−ジメチルアミノベンズアルデヒドまたはp−
ジメチルアミノシンナムアルデヒドを縮合させて
色素を形成せしめ、次いでこれを比色定量する方
法であるが、反応過程が複雑で、かつ厳密な操作
を必要とするため、検査法として尚不便であるば
かりでなく、標準物質たるβ−ナフチルアミンの
毒性が著しく、近年膀胱の腫瘍や癌を発生するこ
とが明らかとなつたゝめ、発癌物質として、その
使用に特に厳密な注意を用いるなどの欠点があつ
た。
又、L−ロイシル−p−アミノアニリド誘導体
あるいは、L−ロイシル−4−ヒドロキシアニド
誘導体を合成基質として用い、LAPによつて遊
離されるアミン化合物を、カプラーを共存させ、
化学的酸化剤を用いて酸化縮合して生成する色素
を比色定量して測定する方法(特公昭54−32359
号公報)も報告された又実用化されているが、こ
れまでの方法はすべて二段反応である為、操作が
煩雑で測定に長時間を要するなどの点で自動分析
におけるレイトアツセイ法としては実用性に欠け
ていた。
また、γ−GTP活性の測定法も多数報告され
ているが、それらの大部分は合成基質よりγ−
GTPによつて遊離されるアミン化合物を比色定
量することによりγ−GTP活性値を求める方法
であつて、それを用いる合成基質としてγ−L−
グルタミル−p−ニトロアニリドを用い、γ−
GTPの酵素作用により生成するp−ニトロアニ
リンの黄色を410nmで比色定量する方法が挙げ
られるが、血清成分、特にビリルビン系色素など
の影響を避けるため、各検体に対して検体ブラン
クを厳密に測定しなければならず、正確な測定値
を得ることが困難であるという欠点があつた。ま
た生成するp−ニトロアニリンをp−ジメチルア
ミノシンナムアルデヒド、p−ジメチルアミノベ
ンズアルデヒドなどのアルデヒド化合物と縮合さ
せて長波長側の赤色で測定する方法も挙げられる
が、発色感度に対する温度の影響が大きく、測定
値の再現性に問題があつた。また生成するp−ニ
トロアニリンをジアゾ化し、3,5−キシレノー
ルと縮合させて生ずる赤色を測定する方法が提案
されたが反応操作段階で多く簡便性に欠けるとい
う欠点があつた。さらに合成基質としてγ−L−
グルタミル−β−ナフチルアミドを用いれ方法が
挙げられるが、これらの方法としてγGTPにより
遊離したβ−ナフチルアミンをジアゾニウム塩と
して比色定量する方法、3−メチル−2−ベンゾ
チアゾリノンヒドラゾンと酸化剤で発色させて比
色定量する方法、または前記アルデヒド化合物を
発色剤として縮合させて比色定量する方法がある
が、前記と同様β−ナフチルアミンの発癌性が一
般に指摘されているところであり、操作が煩雑で
測定に長時間を要するなどの点で実用性に欠けて
いる。又、L−γ−グルタミル−p−アミノアニ
リド誘導体やL−γ−グルタミル−4−ヒドロキ
シアニリド誘導体を合成基質として用い、γ−
GTPによつて遊離されるアミン化合物を、カプ
ラーを共存させ、化学的酸化剤を用いて酸化縮合
して生成する色素を比色定量して測定する方法も
報告され実用化されているが、これまでの方法は
すべて二段反応である為、操作が煩雑で測定に長
時間を要するなどの点で、自動分析におけるレイ
トアツセイ法としては実用性に欠けている。
本発明者らは、かゝる欠点を有する従来の
LAPやγ−GTP活性測定法を改良すべく鋭意研
究を続けた結果、LAPやγ−GTP活性測定にお
いて、化学的酸化剤の代りに、酸化縮合を行なわ
せる酵素、例えば、アスコルビン酸オキシダーゼ
やラツカーゼなどを用いる方法を見い出し、一段
階反応で簡便にLAPやγ−GTP活性測定が行な
える。すなわち、レイトアツセイ法をなし得るこ
とを完成した(特願昭57−198862号)。
更に、本発明者らは、酸化縮合反応を詳細に検
討した結果、通常、過ヨウ素酸ナトリウム、次亜
塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムなどの
化学的酸化剤は酵素活性を失なわせる作用を有し
ているが、全く意外にも、化学的酸化剤のうち、
フエリシアン化カリウムのみがLAP、γ−GTP
を阻害しない事を見い出した。しかも、フエリシ
アン化カリウムとカプラー共存下で、1段階で
LAP、γ−GTPが測定できる、すなわち、レイ
トアツセイ法が行なえる事を見い出し、本発明を
完成したものである。
フエリシアン化カリウムの様な酸化剤は、通
常、酵素活性を失なわせる作用を有しているの
で、フエリシアン化カリウム存在下での酵素反応
は考えられない事であつた。
フエリシアン化カリウムの濃度は、LAP活性
測定の場合、0.1〜2mMが良好で、特に0.25〜
1mMが好適であるが、又、γ−GTP活性測定
の場合、0.1〜2mMが良好で、特に、0.5〜1m
Mが好適であることを見い出した。
本発明はアミド化合物〔〕またはその塩に、
被験液に含有されているペプチダーゼを、 (式中、R1はL−ロイシル基またはγ−L−グ
ルタミル基を示し、R2、R3、R4、R5およびR6
各々水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
低級アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、水
酸基カルボキシル基またはスルホン酸基を示す)
フエリシアン化カリウムとカプラー共存下で、一
段反応を行い、生成する発色化合物を比色定量す
る事を特徴とする測定法である。
本発明においてペプチダーゼの合成基質として
用いられるアミド化合物〔〕は、ペプチド合成
の常法によつて製造することができる。即ち、L
−ロイシンのα−カルボキシル基やL−グルタミ
ン散のγ−カルボキシル基とアニリン誘導体
〔〕との縮合反応により得られる。
上記の縮合反応に際しては、予め反応に関与し
てはならない官能基、即ちL−ロイシンのα−ア
ミノ基やL−グルタミン酸のα−アミノ基および
α−カルボキシル基を保護するのがよい。α−ア
ミノ基の保護基としては通常ペプチド合成に用い
られるα−アミノ保護基が用いられる。例えばt
−ブチルオキシカルボニル、t−アミルオキシカ
ルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル、アダマンタチルオ
キシカルボニル、o−ニトロフエニルチオ基など
が挙げられる。L−グルタミン酸のα−カルボキ
シル基はメチルエステル、エチルエステル、t−
ブチルエステル、ベンジルエステル、p−ニトロ
ベンジルエステル、p−メトキシベンジルエステ
ルなどで保護するのが好ましいが、脱離の際α−
アミノ基の保護基と共に一段階で脱離される条件
で脱離されるような保護基で保護するのが特に好
ましい。例えばα−アミノ基をベンジルオキシカ
ルボニル基、α−カルボキシル基をベンジルエス
テルで保護するのがその一例である。
上記縮合反応に用いるアニリン誘導体〔〕の (式中、R2、R3、R4、R5およびR6は前記と同じ
意味を有する) 例としては、3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シアニリン、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
アニリン、3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロ
キシアニリン、N,N−ジエチル−p−フエニレ
ンジアミレ、2−メチル−4−ジエチルアミノア
ニリン、N,N−ジメチル−p−フエニレンジア
ミン、N,N−ジ−n−プロピル−p−フエニレ
ンジアミン、5−アミノサリチル酸、3−スルホ
−4−ヒドロキシアニリンなどが挙げられる。
上記の縮合反応は、α−アミノ基が保護された
L−ロイシンのα−カルボキシル基またはα−ア
ミノ基およびα−カルボキシル基が保護されたL
−グルタミン酸のγ−カルボキシル基を酸ハライ
ド、酸無水物、酸アジド、酸イミダゾリド、活性
エステル、例えばシアノメチルエステル、p−ニ
トロフエニルエステル、2,4−ジニトロフエニ
ルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエス
テル、N−ヒドロキシフタルイミドエステルなど
の活性化アシル誘導体に変換してアニリン誘導体
〔〕と反応させるか、あるいはカルボジイミド、
例えばN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、N,N′−カルボニルイミダゾール、イソオ
キサゾリウム塩、例えばウツドワード試薬などの
縮合剤の存在下上記の保護されたL−ロイシンま
たはL−グルタミン酸とアチリン誘導体〔〕を
反応させることにより行われる。
上記の縮合反応においては、通常不活性有機溶
媒、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トイアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ベンゼン、クロロホル
ム、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどの溶媒
中、両者ほぼ等量を加え、室温またはそれ以下の
温度で反応させることにより行われる。上記の反
応経過はシリカゲルなどの薄層クロマトグラフイ
ー(TLC)、高速液体クロマトグラフイー
(HPLC)などにより追跡できるので、出発物質
のいずれかの消失を待つて適宜反応を終了すれば
よい。
このようにして得られた反応生成物は、反応溶
媒を留去するかまたは留去することなく、非親水
性有機溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタ
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチル
ケトン、ベンゼン、ジエチルエーテルなどに溶か
し、酸性水およびアルカリ性水で洗浄した後、溶
媒を留去することにより採取できる。さらに精製
する必要がある場合には、適当な再結溶媒で再結
晶化するか、あるいはシリカゲル、活性アルミ
ナ、吸着樹脂などの吸着剤を用いるカラムクロマ
トグラフイーにより精製することができる。
次いで得られた反応生成物の保護基を脱離する
のであるが、この脱離化はペプチド化学における
保護基の脱離法を用いて行われる。例えばα−ア
ミノ保護基がt−ブチルオキシカルボニル基であ
る場合には、2N塩化水素の酢酸溶液、トリフル
オロ酢酸、ギ酸などを用いる方法、ベンジルオキ
シカルボニル基である場合には、パラジウム−炭
素触媒を用いる接触還元により方法、臭化水素酸
の酢酸溶液を用いる方法により行えばよい。L−
グルタミン酸のα−カルボキシル基の保護基がベ
ンジルエステルである場合には、パラジウム−炭
素触媒を用いる接触還元による方法で行えばよ
い。
このようにして得られたアミド化合物〔〕を
反応液から採取するには、先ず保護基の脱離化が
酸分解による場合には、中和し、接触還元による
場合には触媒を除去した後、非親水性有機溶媒、
例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロ
エタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブ
チルケトン、ベンゼン、ジエチルエーテルなどの
溶媒中、酸性水およびアルカリ性水で洗浄した
後、溶媒を留去することにより採取できる。さら
に精製する必要がある場合には、適当な再結溶媒
で再結晶化するか、あるいはシリカゲル、活性ア
ルミナ、吸着樹脂などの吸着剤を用いるカラムク
ロマトグラフイーにより精製することができる。
このようにして得られたアミド化合物〔〕の
好ましい化合物を例示すれば、L−ロイシル−
3,5−ジハロゲノ−4−ヒドロキシアニリド、
例えばL−ロイシル−3,5−ジブロモ−4−ヒ
ドロキシアニリド、L−ロイシル−3,5−ジク
ロロ−4−ヒドコキシアニリドなどが挙げられ、
また下記一般式 (式中R7、R8は低級アルキル基を示し、R9は水
素原子または低級アルキル基を示す)で表わされ
るL−ロイシル−p−アミノアニリド誘導体、例
えばL−ロイシル−4−N,N−ジエチルアミノ
アニリド、L−ロイシル−2−メチル−4−N,
N−ジエチルアミノアニリド、L−ロイシル−4
−N,N−ジメチルアミノアニリド、L−ロイシ
ル−4−ジ−n−プロピルアミノアニリドなどが
挙げられ、さらに下記一般式 (式中、R10はカルボキシル基またはスルホン酸
基を示す)で表わされるL−ロイシル−4−ヒド
ロキシアニリド誘導体、例えばL−ロイシル−3
−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリド、L−ロ
イシル−3−スルホ−4−ヒドロキシアニリドな
どが挙げられ、また、γ−L−グルタミル−3,
5−ジハロゲノ−4−ヒドロキシアニリド、例え
ばγ−L−グルタミル−3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシアニリド、γ−L−グルタミル−3,
5−ジクロロ−4−ヒドロキシアニリドなどが挙
げられ、さらに下記一般式 (式中、R11、R12は水酸基を有してもよい低級
アルキル基を示し、R13は水素原子、低級アルキ
ル基、カルボキシル基またはスルホン酸基を示
す)で表されるγ−L−グルタミル−p−アミノ
アニリド誘導体、例えばγ−L−グルタミル−4
−N,N−ジメチルアミノアニリド、γ−L−グ
ルタミル−4−N,N−ジエチルアミノアニリ
ド、γ−L−グルタミル−4−N,N−ジ−n−
プロピルアミノアニリド、γ−L−グルタミル−
o−メチル−4−N,N−ジエチルアミノアニリ
ド、γ−L−グルタミル−4−N−エチル−N−
ヒドロキシエチルアミノアニリドなどが挙げら
れ、またγ−L−グルタミル−4−ヒドロキシア
ニリド誘導体、例えばγ−L−グルタミル−3−
カルボキシ−4−ヒドロキシアニリドが挙げられ
る。
本アミド化合物〔〕は必要に応じ、塩酸、硫
酸、硝酸、リン酸などの無機酸との塩、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石
酸、シユウ酸などの有機酸との塩を形成すること
ができる。
次に、本アミド化合物〔〕を用いるペプチダ
ーゼ活性測定法について述べる。本測定法におい
ては、上記アミド化合物〔〕またはその塩に被
験液に含有されているペプチザーゼ、特にLAP
またはγ−GTPを、フエリシアン化カリウムと
カプラー共存下で、一段反応を行い、生成する発
色化合物を比色定量するものである。使用するカ
プラーとしては、アニリン誘導体〔〕と酸化縮
合して発色化合物を形成する芳香族化合物であれ
ば、どのような化合物でもよいが、これらのうち
代表的な芳香族化合物としてはフエノール系化合
物、アミノフエノール系化合物、アニリン系化合
物またはナフトール系化合物が挙げられる。フエ
ノール系化合物の例としては、フエノール、サリ
チル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキ
シ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、サ
リチル酸メチル、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、o−エチルフエノール、m
−エチルフエノール、2,3−キシレノール、
2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、
3,5−キシレノール、2,6−キシレノール、
o−メトキシフエノール、m−メトキシフエノー
ル、p−メトキシフエノール、2,6−ジメトキ
シフエノール、o−クロロフエノール、m−クロ
ロフエノール、p−クロロフエノール、2,4−
ジクロロフエノール、2,6−ジクロロフエノー
ル、p−ブロモフエノール、m−ブロモフエノー
ル、p−グロモフエノール、2,4−ジブロモフ
エノール、2,6−ジブロモフエノール、2−メ
チル−6−クロロフエノール、2−クロロ−5−
メチルフエノール、o−カルボキシメチルフエノ
ール、2−ヒドロキシ−4−アミノエチルフエノ
ールなどが挙げられ、アミノフエノール系化合物
の例としては、4−クロロ−2−アミノフエノー
ル、N,N−ジエチル−m−アミノフエノール、
4−メチル−2−アミノフエノール、5−アミノ
−2−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−3−ヒ
ドロキシ安息香酸、o−アミノフエノール、m−
アミノフエノール、p−アミノフエノールなどが
挙げられ、アニリン系化合物の例としては、アニ
リン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−ト
ルイジン、N−メチルアニリン、N−エチルアニ
リン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエ
チルアニリン、N,N−ジメチル−o−トルイジ
ン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N
−ジエチル−o−トルイジン、N,N−ジエチル
−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トル
イジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリ
ン、m−ブロモアニリン、アントラニン酸、3−
アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、
p−クロロ−o−トルイジン、3−アミノ−4−
メチル安息香酸、m−フエニレンジアミン、N,
N−ジメチル−m−フエニレンジアミン、2−メ
チル−m−フエニレンジアミン、4−メチル−o
−フエニレンジアミン、4−メチル−m−フエニ
レンジアミン、2−クロロ−m−フエニレンジア
ミン、3−クロロ−o−トルイジン、2−メトキ
シ−5−クロロアニリン、o−エチルアニリン、
2,5−ジエトキシアニリン、N−エチル−N−
ヒドロキシエチルアニリン、N−エチル−N−ヒ
ドロキシエチル−m−トルイジンなどが挙げら
れ、ナフトール系化合物の例としてはα−ナフト
ール、β−ナフトール、2−カルボキシ−1−ナ
フトール、4−クロロ−1−ナフトール、1−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ナフトール−2
−スルホン酸、1−ナフトール−3−スルホン
酸、1−ナフトール−4−スルホン酸、2−ナフ
トール−6−スルホン酸、2−ナフトール−3,
6−ジスルホン酸などが挙げられる。
上記の酵素反応及び酸化縮合反応は、この反応
の至適PHは6.5〜8.0の範囲にあるから、この範囲
内で適宜PHを設定すればよい。PHを保持するため
の緩衝液としては、リン酸塩、バルビタール、ホ
ウ酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタンな
どの緩衝液が用いられる。
アニリン誘導体〔〕と上記カプラーとの酸化
縮合により生成する発色化合物は、カプラーの種
類により極大吸収波長が約550−770nmに巾広く
分布するが、通常は殆んど570〜680nmに極大吸
収を有する有色系色素であり、呈色も極めて高感
度で安定性も良く、しかも温度による変動も殆ん
どなく、生体試料中のビリルビンなどの夾雑物に
よる影響も受けにくいため、正の誤差も殆んど受
けることがないので、LAPやγ−GTPなどのペ
プチダーゼ活性測定に極めて好結果を与える。
次に、LAPの活性測定について更に詳しく説
明する。LAPの活性測定を行うに当つては、先
ずLAPの合成基質であるL−ロイシル−3,5
−ジハロゲノ−4−ヒドロキシアニリドに被験液
中のLAPを、フエリシアン化カリウムとカプラ
ー共存下で一段反応(酵素反応)を行い、生成す
る発色化合物を比色定量すればよい。被験液とし
ては血清を0.01〜5mlの範囲内で用いられる。上
記酵素反応は通常37℃付近で5分以上反応させれ
ばよい。この反応の至適PHは6.5〜8.0の範囲にあ
るから、この範囲内で適宜PHを設定すればよい。
PHを保持するための緩衝液としては、リン酸塩、
バルビタール、ホウ酸塩、トリスヒドロキシメチ
ルアミノメタンなどの緩衝液が用いられる。カプ
ラーとしては、例えば、p−キシレノールや1−
ナフトール−2−スルホン酸などが用いられる。
又、フエリシアン化カリウムの濃度は、通常
0.1mM〜2mMの範囲、好適量としては0.25〜
1mMであり、此の範囲で使用すれば充分であ
る。
次にγ−GTPの活性測定について更に詳しく
説明する。γ−GTPの活性測定を行うに当つて
は、先ずγ−GTPの合成基質であるγ−L−グ
ルタミル−3,5−ジハロゲノ−4−ヒドロキシ
アニリドに被検液中のγ−GTPを、フエリシア
ン化カリウムとカプラー共存下で、一段反応(酵
素反応)を行い、生成する発色化合物を比色定量
すればよい。被験液としては血清を0.01〜5mlの
範囲内で用いられる。上記酵素反応は通常37℃付
近で5分以上反応させればよい。この反応の至適
PHは7.5〜9.0の範囲にあるから、この範囲内で適
宜PHを設定すればよい。反応に際しては受容体と
してアミノ酸やペプチド、例えばグリシルグリシ
ンの適当量を含むPH7.5〜9.0の緩衝液中で反応さ
せればよい。PHを保持するための緩衝液として
は、リン酸塩、バルビタール、ホウ酸塩、炭酸
塩、トリエタノールアミン、グリシン、トリスヒ
ドロキシメチルアミノメタンなどの緩衝液が用い
られる。カプラーとしては、例えば、p−キシレ
ノールや1−ナフトール−2−スルホン酸などが
用いられる。
又、フエリシアン化カリウムの濃度は、通常
0.1mM〜2mMの範囲、好適量としては、0.5〜
1mMであり、此の範囲で使用すれば充分であ
る。
前記したように本発明の合成基質を用いる測定
法は、各反応工程が簡便なため、速やかに且つ正
確なLAP、γ−GTPなどのペプチダーデ活性値
を測定することができるばかりでなく、生成する
発色化合物が通常550〜750nm附近に極大吸収を
有するため、生体試料中の夾雑物による影響を受
けにくく、ペプチダーゼ活性測定が精度の高い方
法である。
又、フエリシアン化カリウムの様な酸化剤は、
通常酵素活性を失なわせる作用を有している。そ
こで、フエリシアン化カリウム存在下での酵素反
応は考えられない事であつた。
本発明方法は、酸化縮合剤として用いるフエリ
シアン化カリウムが、以外にも、LAPやγ−
GTPを阻害しないことを見い出して完成したも
のであり、しかも一段反応で簡便にLAPやγ−
GTPの酵素活性測定がなし得るものである上に、
測定の自動化が容易になし得るものであつて、従
来の化学的発色法の二段反応では不可能であつた
レイト・アツセウを可能にしたものである。
次に参考例および実施例を挙げて本発明を具体
的に説明するが、これにより本発明を限定するも
のではなく、また参考例は特願昭57−150701号に
記載されているものである。
尚、参考例中に記載の略記号は次の意味を有す
る。
Leu;L−ロイシル r−Vlu;γ−L−グルタミル BOC;t−ブチルオキシカルボニル OSu;N−ヒドロキシスクシンイミドエステル AcOH;酢酸 参考例 1 L−ロイシル−3,5−ジクロロ−4−ヒドロ
キシアニリド・塩酸塩 2,6−ジクロロ−4−アミノフエノール1.78
g(10ミリモル)および炭酸水素ナトリウム1.26
g(15ミリモル)を水25mlに溶かし、これに0〜
5℃に冷却しつゝBOC−Leu−OSu3.28g(10ミ
リモル)のジオキサン(25ml)溶液を攪拌下滴下
した。室温で一夜攪拌した後、30℃以下でジオキ
サンを減圧下留去した。残渣を酢酸エチル200ml
に溶かし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、
1N塩酸、飽和食塩水の順で各50mlで3回づつ洗
浄した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥した後、減圧濃縮してBOC−L−ロイシル
−3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシアニリド
2.96gを得た。次いで、これを2N−HCl/
AcOH1 5mlに溶かし、室温で2時間攪拌した
後、乾燥ジエチルエーテル100mlを加えて結晶化
し、乾燥エーテルで2回デカンテーシヨンした。
得られた結晶を減圧乾燥してL−ロイシル−3,
5−ジクロロ−4−ヒドロキシアニリド・塩酸塩
を得た。
収量 1.89g(収率57.7%) 分子式 C12H16N2O2Cl2・HCl 融点;127〜133℃(分解) シリカゲル薄層クロマトグラフイ(TLC);Rf=
0.63〔n−ブタノール−酢酸−水(4:1:
1)〕 参考例 2 L−ロイシル−3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシアニリド・塩酸塩 2,6−ジブロモ−4−アミノフエノール4.90
g(13.3ミリモル)および炭酸水素ナトリウム
1.68g(20ミリモル)を水70mlに溶かし、これに
0〜5℃に冷却しつつBOC−Leu−OSu6.01g
(18.3ミリモル)のジオキサン(70ml)溶液を攪
拌下滴下した。室温で一夜攪拌した後、30℃以下
でジオキサンを減圧下留去した。残渣を酢酸エチ
ル400mlに溶かし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、水、1N塩酸、飽和食塩水の順で各100mlで3
回づつ洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、減圧濃縮してBOC−L−
ロイシル−3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシア
ニリド5.8gを得た。次いでこれを2N−HCl/
AcOH30mlに溶かし、室温で2時間攪拌した後、
乾燥エーテルを加えて結晶化させてL−ロイシル
−3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシアニリド・
塩酸塩を得た。
収量 2.50g(収率32.8%) 分子式 C12H16N2O2Br2・HCl(416.54) シリカゲル薄層クロマトグラフイ(TLC);Rf=
0.65〔n−ブタノール:酢酸:水=4:1:1〕 融点;131〜134℃(分解) 参考例 3 γ−L−グルタミル−3,5−ジクロロ−4−
ヒドロキシアニリド N,N−フタロイル−L−グルタミン酸無水物
5.16g(20ミリモル)および4−アミノ−2,6
−ジクロロフエノール3.56g(20ミリモル)をジ
オキサン50mlに溶かし、60℃で2時間攪拌した。
ジオキサンを減圧下留去し、残渣にヒドラジン・
ヒドラート1.5mlのメタノール(50ml)溶液を加
え、室温で2日間放置した。メタノールを減圧下
留去し、残渣に水を加えた後、0.5N−HClでPH
3に調節して析出したγ−L−グルタミル−3,
5−ジクロロ−4−ヒドロキシアニリド3.96gを
得た。
収量 3.96g(収率64.5%) 分子式 C11H12O4Cl2 融点;214〜217℃(分解) シリカゲルTLC;Rf=0.49(n−ブタノール:酢
酸:水=4:1:1) 参考例 4 γ−L−グルタミル−3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシアニリド N,N−フタロイル−L−グルタミン酸無水物
2.18g(8.4ミリモル)および4−アミノ−2,
6−ジブロモフエノール2.26g(8.4ミリモル)
をジオキサン20mlに溶かし、60℃で1.5時間攪拌
した。ジオキサンを減圧下留去し、残渣にヒドラ
ジン・ヒドラート0.7mlのメタノール(20ml)溶
液を加え、室温で2日間放置した。メタノールを
減圧下留去し、残渣に水を加てた後、0.5N−
HClでPH3に調節して析出したγ−L−グルタミ
ル−3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシアニリド
2.13gを得た。
収量 2.13g(収率64.0%) 分子式 C11H12N2O4Br2 融点;191〜194℃(分離)〔日本薬局方一般試験
法融点測定の項に準じて測定した結果は199〜
200℃に(分解)であつた。〕 シリカゲルTLC;Rf0.53(n−ブタノール:酢
酸:水=4:1:1) 実施例 1 L−ロイシル−3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシアニリド・塩酸塩、p−キシレノール、フ
エリシアン化カリウムを用いるLAP活性測定
法 L−ロイシル−3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシアニリド・塩酸塩1mM、p−キシレノール
5mMおよびフエリシアン化カリウム0.5mMを
含有する0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)を調製して
基質溶液とした。此の基質溶液2mlに、LAPを
含有する患者血清(515G−R単位)20μを加え
て37℃で反応させた。又、此の反応時間ごとに反
応によつて発色する色素を585nmの波長にて吸
光度を測定した。
その結果を第1図に示した。
又、比較の為、フエリシアン化カリウムの代り
に、化学的方法で通常使用されている酸化剤、過
ヨウ素酸カリウム0.5mMを使用する以外は同様
な反応を行なつたが、第1図に示した様に、過ヨ
ウ素酸カリウムがLAP反応を阻害する為、LAP
活性測定が測定不可能であつた。
すなわち、本発明に使用した酸化剤、フエリシ
アン化カリウムは、LAP反応を阻害せず、LAP
反応が始まると同時に呈色が起る為、レイトアツ
セイが行なえる特色を有するものであつた。
実施例 2 L−ロイシル−3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシアニリド・塩酸塩、1−ナフトール−2−
スルホン酸、フエリシアン化カリウムを用いる
LAP活性測定法 L−ロイシル−3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシアニリド・塩酸塩1mM、1−ナフトール−
2−スルホン酸0.5mM、フエリシアン化カリウ
ム0.5mMを含有する0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)
を調製して基質溶液とした。此の基質溶液2ml
に、LAPを含有する患者血清(515G−R単位)
20μを加えて37℃で反応させた。又、此の反応
時間ごとに反応によつて発色する色素を630nm
の波長にて吸光度を測定した。その結果を、第2
図に示した。此の第2図に示す通り、本発明の測
定法は、LAP活性を良好に測定する事が出来、
しかも、従来の化学発色法と異なり、反応液の呈
色がLAPの反応が始まると同時に生ずる為、レ
イトアツセイが行なえる特色を有するものであつ
た。
実施例 3 L−ロイシル−3,5−ジクロロ−4−ヒドロ
キシアニリド・塩酸塩、p−キシレノール、フ
エリシアン化カリウムを用いるLAP活性測定
法 実施例1のL−ロイシル−3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシアニリド・塩酸塩の代りにL−ロ
イシン−3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシアニ
リド・塩酸塩を用いる以外は同様な方法で実施し
た。その結果を第3図に示した。此の第3図に示
す通り、本発明の測定法は、LAP活性を良好に
測定する事が出来、しかも、従来の化学発色法と
異なり、反応液の呈色がLAPの反応が始まると
同時に生ずる為、レイトアツセイが行なえる特色
を有するものであつた。
実施例 4 L−ロイシル−3,5−ジクロロ−4−ヒドロ
キシアニリド・塩酸塩、1−ナフトール−2−
スルホン酸、フエリシアン化カリウムを用いる
LAP活性測定法 実施例2のL−ロイシル−3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシアニリド・塩酸塩の代りに、L−
ロイシル−3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシア
ニリド塩酸塩を用いる以外は、同様な方法で実施
した。
その結果を第4図に示した。此の第4図に示す
通り、本発明の測定法は、LAP活性を良好に測
定する事が出来、しかも、従来の化学発色法と異
なり、反応液の呈色がLAPの反応が始まると同
時に生ずる為、レイトアツセイが行なえる特色を
有するものであつた。
実施例 5 γ−L−グルタミル−3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシアニリド、p−キシレノール、フエ
リシアン化カリウムを用いるγ−GTP活性測
定法。
γ−L−グルタミル−3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシアニリド7.5mM、グリシルグリシン
100mM、p−キシレノール2mM、および、フ
エリシアン化カリウム1mMを含有する50mMト
リスー塩酸緩衝液(PH7.9)を調製して基質溶液
とした。此の基質溶液2mlにγ−GTPを含有す
る患者血清(278mU/ml)20μを加えて37℃
で反応させた。又、此の反応時願ことに反応によ
つて発色する色素を585nmの波長にて吸光度を
測定した。
その結果を第5図に示した。
又、比較の為、フエリシアン化カリウムの代り
に、化学的方法で通常使用されている酸化剤、過
ヨウ素酸カリウム1mMを使用する以外は同様な
反応を行なつたが、第5図に示した様に、過ヨウ
素カリウムがγ−GTP反応を阻害する為、γ−
GTP活性側が測定不可能であつた。
すなわち、本発明に使用した酸化剤、フエリシ
アン化カリウム、γ−GTP反応を阻害せず、γ
−GTP反応が始まると同時に呈色が起る為、レ
イトアツセイが行なえる特色を有するものであつ
た。
実施例 6 γ−L−グルタミル−3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシアニリド、1−ナフトール−2−ス
ルホン酸、フエリシアン化カリウムを用いるγ
−GTP活性測定法。
γ−L−グルタミル−3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシアニリド7.5mM、グリシルグリシン
10mM、1−ナフトール−2−スルホン酸0.5m
M、およびフエリシアン化カリウム1mMを含有
する50mMTris−HCl緩衝液(PH7.9)を調整し
て基質溶液とした。此の基質溶液2mlにγ−
GTPを含有する患者血清(275mU/ml)20μ
を加えて37℃で反応させた。又、此の反応時間ご
とに反応によつて発色する色素を630nmの波長
にて吸光度を測定した。
その結果を、第6図に示した。此の第6図に示
す通り、本発明の測定法は、γ−GTP活性を良
好に測定する事が出来、しかも、従来の化学発色
法と異なり、反応液の呈色が、γ−GTPの反応
が始まると同時に生ずる為、レイトアツセイが行
なえる特色を有するものであつた。
実施例 7 γ−L−グルタミル−3,5−ジクロロ−4−
ヒドロキシアニリド、P−キシレノール、フエ
リシアン化カリウムを用いるγ−GTP活性測
定法。
実施例5のγ−L−グルタミル−3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシアニリドの代りにγ−L−
グルタミル−3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
アニリドを用いる以外は同様な方法で実施した。
その結果を第7図に示した。此の第7図に示す通
り、本発明の測定方法は、γ−GTP活性を良好
に測定する事が出来、しかも、従来の化学発色法
と異なり、反応液の呈色がγ−GTPの反応が始
まると同時に生ずる為、レイトアツセイが行なえ
る特色を有するものであつた。
実施例 8 γ−L−グルタミル−3,5−ジクロロ−4−
ヒドロキシアニリド、1−ナフトール−2−ス
ルホン酸、フエリシアン化カリウムを用いるγ
−GTP活性測定法 実施例6のγ−L−グルタミル−3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシアニリドの代りに、γ−L
−グルタミル−3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シアニリドを用いる以外は同様な方法で実施し
た。その結果を第8図に示した。此の第8図に示
す通り、本発明の測定方法は、γ−GTP活性を
良好に測定する事が出来、しかも、従来の化学発
色法と異なり、反応液の呈色がγ−GTPの反応
が始まると同時に生ずる為、レイトアツセイが行
なえる特色を有するものであつた。
実施例 9 L−ロイシル−4−N,N−ジエチルアミノア
ニリド二塩酸塩、1−ナフトール−2−スルホ
ン酸、フエリシアン化カリウムを用いるLAP
活性測定法 L−ロイシル−4−N,N−ジエチルアミノア
ニリド二塩酸塩2mM、1−ナフトール−2−ス
ルホン酸塩0.5mM、フエリシアン化カリウム塩
0.5mMを含有する0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)を
調製して基質溶液とした。此の基質溶液2mlに、
LAPを含有する患者血清(515G−R単位)20μ
を加えて37℃で反応させた。又、此の反応時間ご
とに反応によつて発色する色素を655nmの波長
にて吸光度を測定した。
その結果を第9図に示した。此の第9図に示す
通り、本発明の測定方法は、LAP活性を良好に
測定する事が出来、しかも、従来の化学発色法と
異なり、反応液の呈色がLAPの反応が始まると
同時に生ずる為、レイトアツセイが行なえる特色
を有するものであつた。
実施例 10 L−ロイシル−3−カルボキシ−4−ヒドロキ
シアニリド、p−キシレノール、フエリシアン
化カリウムを用いるLAP活性測定法 L−ロイシル−3−カルボキシ−4−ヒドロキ
シアニリド2mM、p−キシレノール5mM、フ
エリシアン化カリウム0.5mMを含有する0.1Mリ
ン酸緩衝液(PH7.0)を調製して基質溶液とした。
此の基質溶液2mlに、LAPを含有する患者血清
(515G−R単位)20μを加えて37℃で反応させ
た。又、此の反応時間ごとに反応によつて発色す
る色素を575nmの波長にて吸光度を測定した。
その結果を第10図に示した。此の第10図に
示す通り本発明の測定方法は、LAP活性を良好
に測定する事が出来、しかも、従来の化学発色法
と異なり、反応液の呈色がLAPの反応が始まる
と同時に生ずる為、レイトアツセイが行なえる特
色を有するものであつた。
実施例 11 γ−L−グルタミル−P−N−エチル−N−ヒ
ドロキシエチルアミノアニリド、1−ナフトー
ル−2−スルホン酸、フエリシアン化カリウム
を用いるγ−GTP活性測定法 γ−L−グルタミル−P−N−エチル−N−ヒ
ドロキシエチルアミノアニリド7.5mM、グリシ
ルグリシン100mM、1−ナフトール−2−スル
ホン酸0.5mMおよびフエリシアン化カリウム1
mMを含有する50mM Tris−HCl緩衝液(PH
7.9)を調製して基質溶液とした。此の基質溶液
2mlにγ−GTPを含有する患者血清(275mU/
ml)20μを加えて37℃で反応させた。又、此の
反応時間ごとに反応によつて発色する色素を
670nmの波長にて吸光度を測定した。その結果
を第11図に示した。此の第11図に示す通り、
本発明の測定法は、γ−GTP活性を良好に測定
する事が出来、しかも、従来の化学発色法と異な
り反応液の呈色が、γ−GTPの反応が始まると
同時に生ずる為に、レイトアツセイが行なえる特
色を有するものであつた。
実施例 12 γ−L−グルタミル−3−カルボキシ−4−ヒ
ドロキシアニリド、p−キシレノール、フエリ
シアン化カリウムを用いるγ−GTP活性測定
法 γ−L−グルタミル−3−カルボキシ−4−ヒ
ドロキシアニリド7.5mM、グリシルグリシン100
mM、p−キシレノール0.5mMおよびフエリシ
ア化カリウム1mMを含有する50mM Tris−
HCl緩衝液(PH7.9)を調製して基質溶液とした。
此の基質溶液2mlにγ−GTPを含有する患者血
清(275mU/ml)20μを加えて37℃で反応さ
せた。又、此の反応時間ごとに反応によつて発色
する色素を615nmの波長にて吸光度を測定した。
その結果を第12図に示した。此の第12図に示
す通り、本発明の測定法は、γ−GTP活性を良
好に測定する事が出来、しかも、従来の化学発色
法と異なり、反応液の呈色が、γ−GTPの反応
が始まると同時に生ずる為に、レイトアツセイが
行なれる特色を有するものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図はL−ロイシル−3、5−ジブロモ−4
−ヒドロキシアニリド、p−キシレノール、フエ
リシアン化カリウムを用いるLAP測定法と従来
法による酸化剤を用いた場合の比較、第2図はL
−ロイシル−3、5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
アニリド、1−ナフトール−2−スルホン酸、フ
エリシアン化カリウムを用いるLAP活性測定法、
第3図はL−ロイシル−3、5−ジクロロ−4−
ヒドロキシアニリド、p−キシレノール、フエリ
シアン化カリウムを用いるLAP活性測定法、第
4図はL−ロイシル−3、5−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシアニリド、1−ナトール−2−スルホン
酸、フエリシアン化カリウムを用いるLAP活性
測定法、第5図はγ−L−グルタミル−3、5−
ジブロモ−4−ヒドロキシアニリド、p−キシノ
レール、フエリシアン化カリウムを用いるγ−
GTP活性測定法と従来法による酸化剤を用いた
場合の比較、第6図はγ−L−グルタミル−3、
5−ジブロモ−4−ヒドロキシアニリド、1−ナ
フトール−2−スルホン酸、フエリシアン化カリ
ウムを用いるγ−GTP活性測定法、第7図はγ
−L−グルタミル−3、5−ジクロロ−4−ヒド
ロキシアニリド、P−キシレノール、フエリシア
ン化カリウムを用いるγ−GTP活性測定法、第
8図はγ−L−グルタミル−3、5−ジクロロ−
4−ヒドロキシアニリド、1−ナフトール−2−
スルホン酸、フエリシアン化カリウムを用いるγ
−GTP活性測定法、第9図はL−ロイシル−4
−N,N−ジエチルアミノアニリド、1−ナフト
ール−2−スルホン酸、フエリシアン化カリウム
を用いるLAP活性測定法、第10図はL−ロイ
シル−3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリ
ド、P−キシレノール、フエリシアン化カリウム
を用いるLAP活性測定法、第11図はγ−L−
グルタミル−P−N−エチル−N−ヒドロキシエ
チルアミノアニリド、1−ナフトール−2−スル
ホン酸、フエリシアン化カリウムを用いるγ−
GTP活性測定法、第12図はγ−L−グルタミ
ル−3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリド、
p−キシレノール、フエリシアン化カリウムを用
いるγ−GTP活性測定法である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ロイシンアミノペプチダーゼまたはγ−グル
    タミルトランスペプチダーゼを含有する被検液中
    のロイシンアミノペプチダーゼまたはγ−グルタ
    ミルトランスペプチダーゼの酵素活性の測定にお
    いて、一般式 (式中、R1はL−ロイシル基またはγ−L−グ
    ルタミル基を示し、R2、R3、R4、R5およびR6
    各々水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、水
    酸基カルボキシル基またはスルホン酸基を示す)
    で表わされるアミド化合物またはその水溶性塩に
    該被検液、フエリシアン化カリウム、およびカプ
    ラーを共存させて酸化縮合を一段で行い、生成す
    る発色化合物を比色定量することを特徴とする酵
    素活性の測定法。 2 アミド化合物がL−ロイシル−3,5−ジハ
    ロゲノ−4−ヒドロキシアニリドである特許請求
    の範囲第1項記載の測定法。 3 L−ロイシル−3,5−ジハロゲノ−4−ヒ
    ドロキシアニリドがL−ロイシル−3,5−ジブ
    ロモ−4−ヒドロキシアニリドまたはL−ロイシ
    ル−3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシアニリド
    である特許請求の範囲第2項記載の測定法。 4 アミド化合物が一般式 (式中R7、R8は低級アルキル基を示し、R9は水
    素原子または又は低級アルキル基を示す)で表わ
    されるL−ロイシル−p−アミノアニリド誘導体
    である特許請求の範囲第1項記載の測定法。 5 L−ロイシル−p−アミノアニリド誘導体
    が、L−ロイシル−4−N,N−ジエチルアミノ
    アニリド、L−ロイシル−2−メチル−4−N,
    N−ジエチルアミノアニリド、L−ロイシル−4
    −N,N−ジメチルアミノアニリドまたはL−ロ
    イシル−4−ジ−n−プロピルアミノアニリドで
    ある特許請求の範囲第4項記載の測定法。 6 アミド化合物が一般式 (式中、R10はカルボキシル基またはスルホン酸
    基を示す)で表わされるL−ロイシル−4−ヒド
    ロキシアニリド誘導体である特許請求の範囲第1
    項記載の測定法。 7 L−ロイシル−4−ヒドロキシアニリド誘導
    体が、L−ロイシル−3−カルボキシ−4−ヒド
    ロキシアニリドまたは、L−ロイシル−3−スル
    ホ−4−ヒドロキシアニリドである特許請求の範
    囲第6項記載の測定法。 8 アミド化合物がγ−L−グルタミル−3,5
    −ジハロゲノ−4−ヒドロキシアニリドである特
    許請求の範囲第1項記載の測定法。 9 γ−L−グルタミル−3,5−ジハロゲノ−
    4−ヒドロキシアニリドがγ−L−グルタミル−
    3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシアニリドまた
    はγ−L−グルタミル−3,5−ジクロロ−4−
    ヒドロキシアニリドである特許請求の範囲第8項
    記載の測定法。 10 アミド化合物が一般式: (式中、R11、R12は水酸基を有してもよい低級
    アルキル基を示し、R13は水素原子、低級アルキ
    ル基、カルボキシル基またはスルホン酸基を示
    す)で表されるγ−L−グルタミル−p−アミノ
    アニリド誘導体である特許請求の範囲第1項記載
    の測定法。 11 γ−L−グルタミル−p−アミノアニリド
    誘導体がγ−L−グルタミル−4−N,N−ジメ
    チルアミノアニリド、γ−L−グルタミル−4−
    N,N−ジエチルアミノアニリド、γ−L−グル
    タミル−4−N,N−ジ−n−プロピルアミノア
    ニリド、γ−L−グルタミル−o−メチル−4−
    N,N−ジエチルアミノアニリドまたは、γ−L
    −グルタミル−4−N−エチル−N−ヒドロキシ
    ジエチルアミノアニリドである特許請求の範囲第
    10項記載の測定法。 12 アミド化合物が、γ−L−グルタミル−4
    −ヒドロキシアニリド誘導体である特許請求の範
    囲第1項記載の測定法。 13 γ−L−グルタル−4−ヒドロキシアニリ
    ド誘導体が、γ−L−グルタミル−3−カルボキ
    シ−4−ヒドロキシアニリドである特許請求の範
    囲第12項記載の測定法。
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