JPH0418776Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はホツチキス本体にステープル用カー
トリツジを着脱自在に設けたホツチキスにおける
カートリツジの固定装置に関する。

（従来技術） 最近、新しいタイプのホツチキスとして、所定
数の真直状未成形ステープルを接着剤によつてシ
ート状に連結してなるシート状ステープルをカー
トリツジ内に多段に積層収納し、これをマガジン
に取付けてカートリツジの前壁下端に形成された
排出口からシート状ステープルを最下段のものよ
り順次に外部に送り出し、さらに排出したシート
状ステープルを先端の未成形ステープルから順に
コの字形に成形した後、被綴り材中に打込むもの
が提案されている。そして、このホツチキスに
は、シート状ステープルの排出を円滑ならしめる
ためにカートリツジ内にウエイトが設けられ、該
ウエイトの重力によつてシート状ステープルを下
方に付勢している。しかし、上記ホツチキスを上
下反転して用いる場合、重力利用方式は採用する
ことができず、カートリツジ自体もホツチキス本
体に確実に固定する必要がある。

また、上記ホツチキスは他の機械の付属品とし
て用いられる場合もあり、この場合はホツチキス
が正置状態であつても、機械側の固有振動等によ
りホツチキス本体も振動するため、カートリツジ
がマガジンに対して浮き上がつたり、カートリツ
ジ内でシート状ステープルが浮き上る現象が生
じ、シート状ステープルの円滑な排出が損なわ
れ、送り不良が生じる原因となつた。

（考案の技術的課題） この考案は上記問題点に鑑みて成立したもので
あつて、ホツチキスを上下反転して用いる場合に
もカートリツジを確実に固定するとともに、ホツ
チキス本体の振動等によつてもカートリツジ内の
シート状ステープルを円滑に排出することができ
るホツチキスにおけるカートリツジ固定装置を提
案することをその技術的課題とする。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために、この考案に係るホ
ツチキスにおけるカートリツジ固定装置は、所定
数の未成形ステープルをシート状に連結してなる
シート状ステープルを上端開放部から積層して収
納する収納部の底部に最下段のシート状ステープ
ルの下面両側を支持する支持用リブを残して開口
部を形成し、上記収納部の前壁下端には上記シー
ト状ステープルの排出口を形成し、前記開口部に
位置する最下段のシート状ステープルを順次排出
口に一枚づつ供給可能としたカートリツジをホツ
チキス本体に着脱自在に設けたホツチキスにおい
て、上記カートリツジの上端開放部には収納部内
のシート状ステープルを押圧する押圧部材を有す
るキヤツプを係合し、該キヤツプの上面には弾性
変形する受部材を設け、且つ上記キヤツプの裏面
には上記押圧部材をカートリツジ内部のシート状
ステープル側に付勢するための収納されたシート
状ステープルの荷重よりも大きい出力を持つバネ
を設ける一方、ホツチキス本体側にはＵ字形又は
コ字形のリンクにより形成した押え手段を回動自
在に設け、該押え手段を回動させてキヤツプ上面
の受部材を弾性変形させて係合させることにより
上記キヤツプの上面からカートリツジ全体をホツ
チキス本体側に押圧固定することを特徴とする。

（実施例） 以下、図面によりこの考案の実施の一例につい
て説明する。

第１図〜第３図において符号Ａはカートリツジ
を示す。このカートリツジＡはシート状ステープ
ルＳを上端開放部１ａから積層して収納する収納
部１の底部に最下段のシート状ステープルＳの下
面両側を支持する支持用リブ２，２を残して開口
部３を形成するとともに、収納部１の前壁下端に
は上記シート状ステープルＳの排出口４を設ける
とともに、前部にはシート状ステープルＳの案内
手段５を設けたものである。

また、上記カートリツジＡの上端両側部には係
合片６，６が形成され、該係合片６，６にはキヤ
ツプ７が係合装着されている。このキヤツプ７は
上面中央に凹部８ａを形成した弾性変形可能な板
バネ製受部材８を有する本体７ａの両側部にカー
トリツジＡの係合片６，６に対応する係合突片
９，９を備え、さらに下部には圧縮バネ１０を介
して押圧部材１１を設けてなるものである。カー
トリツジＡ内にシート状ステープルＳを多段に積
層収納した後、係合突片９，９を係合片６，６に
係合することによりキヤツプ７はカートリツジＡ
に装着され、押圧部材１１はカートリツジＡ内の
シート状ステープルＳを下方に押圧する。したが
つて、振動等によつてシート状ステープルＳが収
納部１内で浮き上ることはない。なお、圧縮バネ
１０は押圧部材１１をカートリツジＡ内部のシー
ト状ステープルＳ側に付勢するためのもので、そ
のバネ出力は少なくとも、収納部１内のシート状
ステープルＳの荷重よりも大きく設定させてい
る。これによりカートリツジＡを上下反転して用
いた場合でも、シート状ステープルＳは反転前と
同様に開口部３側に押圧される。

上記カートリツジＡはホツチキス本体Ｂに着脱
自在に設けられている。ホツチキス本体Ｂは、機
台１２上にマガジン１３を揺動自在に装着し、該
マガジン１３の下部に無端ベルト１４とマグネツ
ト部材１５とからなるステープル供給装置を設け
るとともに、マガジン１３の前部にはフオーミン
グプレート１９とドライバプレート２１とを備え
たステープル成形・打込み装置を設け、これらス
テープル供給装置及び成形・打込み装置を上記機
台１２に設けたモータ等の駆動装置（図示せず）
によつて駆動するもので、上記マガジン１３の後
部にはカートリツジ取付部が設けられ、その両側
部にはカートリツジ押え手段としてＵ字形又はコ
字形の固定用リンク１６が回動軸１７に軸着され
ている。該固定用リンク１６の頂部裏側には押え
部１６ａが突出形成されている。

カートリツジＡをホツチキス本体Ｂに装着する
ときは、第１図に示すように、マガジン１３のカ
ートリツジ取付部上にカートリツジＡを載せ、固
定用リンク１６を回動させて該リンク１６の頂部
押え部１６ａをカートリツジＡに設けられたキヤ
ツプ７の上面受部材８の凹部８ａに強く係合させ
て受部材８を弾性変形させることにより、上記キ
ヤツプ７の上面からカートリツジＡ全体をホツチ
キス本体Ｂ側に押圧固定する。受部材８は板バネ
によつて形成されているから、上記係合によつて
カートリツジＡ全体はホツチキス本体Ｂ側に弾性
的に押圧固定される。したがつて、上記ホツチキ
ス本体Ｂの固有の振動又は他の機械に附設した場
合の機械の振動によつてカートリツジＡがホツチ
キス本体Ｂに対して浮き上ることはなく、ホツチ
キス本体Ｂに確実に固定される。

次に、上記ホツチキスの作動について簡単に説
明すると、カートリツジＡをホツチキス本体Ｂに
装着した後、駆動装置を作動させると、無端ベル
ト１４が移動し、カートリツジＡ内の最下段のシ
ート状ステープルＳはマグネツト部材１５の磁力
に強く吸引されて無端ベルト１４と強い係合摩擦
力が生じ、無端ベルト１４の移動に従つて移動し
てカートリツジＡの排出口４から案内手段５に沿
つて送り出され、ステープル成形・打込み装置に
供給される。

排出口４から排出されたシート状ステープルＳ
は成形・打込み装置に供給される。そして、上記
駆動装置に連係するホルダ１８に支持されたフオ
ーミングプレート１９とマガジン前部のアンビル
２０との間に移送され、第４図ａ，ｂに示すよう
に、該プレート１９によつてコの字形に成形され
る。同時に、既に該フオーミングプレート１９に
よつて成形済みの最前部のステープルはフオーミ
ングプレート１９の前のドライバプレート２１に
より押し下げられてマガジン１３から綴り台１２
ａ上の被綴り材２２中に打込まれ、綴りが行なわ
れる。

ホツチキスを上下反転して用いた場合でも、カ
ートリツジＡは固定用リンク１６によつて押圧固
定されているから、確実にホツチキス本体Ｂに固
定される。また、シート状ステープルＳはキヤツ
プ７の押圧部材１１によつて反転前と同様に開口
部３側に押圧されているから、その送りは円滑に
行なわれる。

上述のように、押え手段（固定用リンク）１６
がカートリツジＡのキヤツプ７の受部材８を弾性
変形させ、その変形の反力によりカートリツジＡ
をホツチキス本体Ｂに固定するため、使用中のホ
ツチキス本体Ｂの振動は上記受部材８の変形によ
り吸収される。したがつて、押え手段１６には疲
労による破断等が発生しにくい。これに加えて、
シート状ステープルＳはバネ１０により押圧され
ているから、振動等によつてカートリツジＡ内で
シート状ステープルＳが浮くことがない。しかも
ホツチキス本体Ｂが上下反転した場合でも、カー
トリツジＡは押え手段１６によりホツチキス本体
Ｂに押圧固定され、またシート状ステープルＳは
キヤツプ７の押圧部材１１により上方に押し上げ
られるので、反転前と同様にシート状ステープル
Ｓは順次排出口から排出される。

また、各カートリツジＡに弾性変形する受部材
８が設けられ、この受部材８はカートリツジＡ内
部のステープルが消耗される間だけの耐久性を有
していればよい。このように、弾性変形して耐久
性に劣る受部材８をカートリツジＡ側に設けたた
め、ホツチキス本体Ｂに設けられている押え手段
１６を弾性変形の少ない硬質部材により構成する
ことができる。このため、ホツチキス本体Ｂの耐
久性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るホツチキスにおけるカ
ートリツジ固定装置の要部断面図、第２図は上記
カートリツジ固定装置の要部の分解斜視図、第３
図はカートリツジの斜視図であり、第４図ａ，ｂ
は未成形ステープルの成形態様説明図である。 符号、Ａ……カートリツジ、Ｂ……ホツチキ
ス、Ｓ……シート状ステープル、１……収納部、
３……開口部、４……排出口、７……キヤツプ、
８……受部材、１０……バネ、１１……押圧部
材、１６……固定用リンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定数の未成形ステープルをシート状に連結し
   てなるシート状ステープルを上端開放部から積層
   して収納する収納部の底部に最下段のシート状ス
   テープルの下面両側を支持する支持用リブを残し
   て開口部を形成し、上記収納部の前壁下端には上
   記シート状ステープルの排出口を形成し、前記開
   口部に位置する最下段のシート状ステープルを順
   次排出口に一枚づつ供給可能としたカートリツジ
   をホツチキス本体に着脱自在に設けたホツチキス
   において、上記カートリツジの上端開放部には収
   納部内のシート状ステープルを押圧する押圧部材
   を有するキヤツプを係合し、該キヤツプの上面に
   は弾性変形する受部材を設け、且つ上記キヤツプ
   の裏面には上記押圧部材をカートリツジ内部のシ
   ート状ステープル側に付勢するための収納された
   シート状ステープルの荷重よりも大きい出力を持
   つバネを設ける一方、ホツチキス本体側にはＵ字
   形又はコ字形のリンクにより形成した押え手段を
   回動自在に設け、該押え手段を回動させてキヤツ
   プ上面の受部材を弾性変形させて係合させること
   により上記キヤツプの上面からカートリツジ全体
   をホツチキス本体側に押圧固定することを特徴と
   するホツチキスにおけるカートリツジ固定装置。