JPH0418558B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多色印字を行うワイヤドツトプリン
タ装置等のドツトに依り印字を形成するシリアル
プリンタ装置に係り、時にインクリボンを幅方向
に揺動するシフト機構に関する。

近来、多色印字の要望が高まり、例えばインク
リボンの幅方向に複数の色別された領域を設けた
カラーインクリボンを使用して幅方向にシフト
し、所望の色を選択して行う方法がある。

斯かる方式に於いては、機構の小形化と共にイ
ンクリボンシフトが精度良く行われることが要望
されている。

〔従来の技術〕

以下従来の技術について、第３図乃至第５図を
参照して説明する。

第３図は本発明が適用されるプリンタ装置の印
字部の概要を示す平面図、第４図は第３図のＡ矢
視図、第５図はカラーインクリボンの部分拡大図
である。

プリンタ装置は第３図に示す如く、両側のサイ
ドフレーム１にプラテン２が回動自在に支持され
ている。

プラテン２には印字用紙３が２点鎖線で示す如
く巻掛けられており、印字用紙３は図示省略した
移送機構に依り図中矢印Ｂ方向に送られる。

一方プラテン２の前面、図中下方にはキヤリア
４がプラテン２と平行に設けられたガイドシヤフ
ト５に摺動自在に係合し、同様にプラテン２と平
行に設けられた送りねじ６と螺合している。

送りねじ６は図示省略したモータに接続してお
り、従つて送りねじ６はモータの性逆回転に依つ
てキヤリア４を図中矢印Ｃ−Ｄ方向に往復移動さ
せることが出来る。

キヤリア４には印字ヘツド７が搭載され、印字
ヘツド７にはドツトに依つて印字を形成させる複
数個の印字マグネツトが設けられている。

インクリボンカセツト８は第４図に示す如く、
プレート９に搭載されていて、プレート９の後
端、（図に於いて右方）９ａはカム１０の端面に
当接しており、プレートの中間部に設けた回転支
点１１を中心にカム１０の回転に依つてインクリ
ボンカセツト８を矢印Ｅ−Ｆの如く揺動させるよ
うになつている。

そして、キヤリア４にはアーム１２が回転支点
１３を中心に上記プレート９と同様に矢印Ｅ−Ｆ
の如く回動自在に設けられていて、先端部（図に
於いて左端）１２ａはリボンガイド１４と係合し
ており、一方後端部（図に於いて右端）１２ｂは
キヤリア４に設けられたコイルばね１５に依つて
矢印Ｇ方向に牽引されていて常にプレート９に摺
動自在に当接するようになつている。

又、カム１０はパルスモータ１６に取付けられ
ており、プレート９の後端９ａがコイルばね１７
で矢印Ｈ方向に牽引されて互いに当接するように
なつている。

カラーインクリボン１８の一例を説明すると、
第５図に示す如く幅方向に４段の色帯を有してい
て、上から黒１８ａ、青１８ｂ、赤１８ｃ、黄１
８ｄの如くカラーインクを付着させて構成されて
いる。

斯かる構成のプリンタ装置で所望の色の印字を
行うには、インクリボン１８を上下方向にシフト
し希望色を選択する必要があり、上記した如き揺
動機構を設けて対応している。

即ち、色の選択はパルスモータ１６を正逆回転
させ、カム１０を所定方向に所定量回転すること
でプレート９に搭載したインクリボンカセツト８
と、アーム１２に依つてリボンガイド１４を矢印
Ｅ−Ｆの如く揺動することで目的を達成してい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

以上説明した如く、インクリボンのシフト機構
はカムを介して揺動するようにしているが、カラ
ーインクリボンの如き幅広で、従つてシフト量の
大きい場合にはカムの外形が大きくなり、又回転
角度も大きくする必要があり、それと共に摺動動
作部分が多いこと等の構造から負荷変動を生じモ
ータを大型にしなければならない。この為に装置
が大型化する他、高価になり、又負荷変動時にモ
ータが追従出来ない場合には誤動作を生じる問題
点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点は、駆動する軸１６ａに回動範囲を
規制する規制手段を備え、ベースフレームに固定
した動力駆動源のパルスモータ１６と、前記軸１
６ａに回動自在に張架した無端状のベルト２１
と、ベルト２１にインクリボンカセツト８を載置
するプレート９′の一端９′ｂを係止し、中間部を
ベースフレームに設けた回転支点１１に枢支さ
せ、他端部には前記インクリボン１８を支承する
ようにした揺動機構とから成り、ベルト２１の回
動によつてインクリボン支承部が揺動するように
した本発明のインクリボンシフト機構により解決
される。

〔作用〕

即ち、インクリボンのシフトの為の揺動を、カ
ム等の摺動部品を用いずに、回動するベルトを用
い、該ベルトに揺動機構の一端を係止することに
依つて負荷変動の心配が減少し、又、パルスモー
タ１６の軸１６ａの回動を所定範囲に規則する規
則手段を設けたことにより、モータの起動位置の
設定が自動的に行われて負荷変動時に反応出来、
装置の小形化を達成出来る。

〔実施例〕

以下本発明の一実施例を第１図及び、第２図を
参照して説明する。

第１図ａは本発明のインクリボンシフト機構を
示す側面図、動図ｂは同図ａに於いてインクリボ
ンを上方にシフトした状態を示す側面図、第２図
ａは回動ベルトに揺動機構を係止する係止部分と
微調機構を示す斜視図、同図ｂは同図ａの係止部
材を示す斜視図である。

図に於いて、４′はキヤリア、９′はプレート、
１９は微調機構、２０は係止部材、２１はベル
ト、２２はプーリ、２３は回転角規制部材、２４
はストツパ、２５は回転部材、２６はアーム、２
７は係止部材、２８は係合金具、２９は摘みね
じ、３０はコイルばね、３１はピンである。全図
を通じて同一部分には同一符号を付して示した。

第１図ａ，ｂに示す如く、インクリボンカセツ
ト８はプレート９′に搭載されており、プレート
９′は中間に回転支点１１を備えて一端部（図に
於いて右側）にはその全長にわたつて係合部９′
ａを設け、他端部（図に於いて左側）９′ｂは微
調機構１９を介して係止部材２０に依り無端状の
ベルト２１に係止している。

ベルト２１はパルスモータ１６の軸１６ａと、
所定位置に設けられたプーリ２２に回動自在に張
架されている。

更にパルスモータ１６の軸１６ａには、半円形
の回転角規制部材２３が取付けられていて、所定
位置に設けたストツパ２４に端部が当接してパル
スモータ１６を脱調状態にしてその回転を停止さ
せるようになつている。

係合部９′ａには例えばベアリングの如き回転
部材２５を介してアーム２６が係止されていて、
回転部材２５は係合部９′ａ内を自在に回転して
移動することが出来るようになつている。

アーム２６の係合部から図に於いて左方に延長
した端部２６ａは、キヤリア４′に設けた係止部
材２７に回転支点１３を以て回動自在に係止され
ており、一方、他端部（図に於いて右方）２６ｂ
はリボンガイド１４と係合している。

微調機構１９は第２図ａに示す如く、プレート
９′の端部９′ｂに穿設した角穴９′ｃに摺動自在
に係合した両端部２８ａを有するＵの字形の係合
金具２８と、端部９′ｂに穿設したばか穴（図示
省略）を介して係合金具２８の底部に螺刻したね
じ２８ｂに螺合する摘みねじ２９と、係合金具２
８を常に矢印Ｉ方向に付勢するコイルばね３０と
から構成されている。

一方、係止部材２０は同図ｂに示す如き形状を
しており、Ｕの字形の底面に相当する部分に複数
のスリツト２０ａと両側面に挿通孔２０ｂとを備
えている。

係止部材２０は同図ａに示す如く、係合金具３
０の図に於いて左側面から突出した突出部２８ｃ
にピン３１に依つて係止されている。ベルト２１
はタイミングベルトを使用しているが、該ベルト
２１に係止する際にはベルト２１が有する凹凸部
を係止部材２０のスリツト２０ａと係合し、ベル
ト２１の裏面は前記ピン３１に依つて係止部材２
０との間に挾持するようにしている。

従つて、摘みねじ２９の摘み２９ａを何れか所
定の方向例えば右回りに回転すると、係合金具２
８は例えばコイルばね３０の押圧力に抗して矢印
Ｊ方向に持ち上がり、同時にベルト２１を持ち上
げてベルト係止部と端部９′ｂの相対位置は接近
する。反対に摘みねじ２９の回転方向を上記と反
対方向に回転するとベルト係止部と端部９′ｂの
相対位置は離れる、斯くの如き操作に依つてベル
ト係止位置と端部９′ｂとの相対位置の微小な調
整が出来る。

以上説明した如き構成のプリンタ装置を使用し
て印字を行う場合には、先ず色の選択を行う為に
カラーインクリボン１８をシフトして所望の色を
印字ヘツド７の前面に露出する。

このシフトの為に第１図ａ，ｂに示す如き揺動
機構が使用される。

同図ａはカラーインクリボン１８を最下段にシ
フトし、黒の色帯１８ａを印字ヘツド７の前面に
位置せしめた状態を示している。

今、例えばこの状態をカラーインクリボン１８
のイニシアル状態とすると、斯かるイニシアル状
態にする為には、先ずパルスモータ１６に所定の
イニシアル信号を与え、パルスモータ１６を矢印
Ｋ方向に回転させて回転角規制部材２３をストツ
パ２４に衝突せしめ、過負荷状態にしてパルスモ
ータ１６に脱調を発生させて停止させるようにす
る。

斯かるイニシアル状態から同図ｂに示す如き最
大シフト状態（黄色）にする為には、パルスモー
タ１６に所定の色信号を与え、パルスモータ１６
を矢印Ｌ方向に回転させて回転角制御部材２３を
ストツパ２４に衝突せしめ停止するように構成し
てある。

この停止位置とカラーインクリボン１８との位
置調整は上記した微調機構１９に依つて行う。

回転角規制部材２３はオペレータの触手等に依
つて過負荷状態になつて発生する周期ずれを、ス
トツパ２４を衝突することに依つて自動的に修正
する働きをしている。

従つて、同図ａ，ｂに示す状態から所定の色信
号をパルスモータ１６に与えることで、カラーイ
ンクリボン１８を所定量シフトして所望の色を印
字へツド７の前面に位置せしめることが出来る。

例えばオペレータの触手等の何等かの過負荷に
依つてパルスモータ１６が変動し、同図ａに示す
イニシアル位置から所定の色迄シフトされないよ
うなシフト不良が生じても、次にイニシアル信号
又は黒１８ａ或いは黄１８ｄの色信号が発せられ
た時は、ストツパ２４に回転角規制部材２３が衝
突して停止し、同図ａ，ｂに示す如き状態となり
シフト不良は自動的に修正される。

斯くて、印字は上記の如く色を選択した後、第
３図の従来技術で説明したと同様の手段で、送り
ねじ６を正逆回転して印字ヘツド７をプラテン２
に沿つて移動させ乍ら行う。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明のインクリボンシ
フト機構をプリンタに適用することに依り、シフ
ト不良が発生しても自動的に修正されてシフト動
作が確実になると共に、シフト機構の効率が良く
なり、又イニシアル位置設定用の微調機構を設け
た為に組立、調整が容易になつて低コスト化を達
成出来産業上に及ぼす効果は甚大である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本発明のインクリボンシフト機構を
示す側面図、第１図ｂは同図ａに於いてインクリ
ボンを上方にシフトした状態を示す側面図、第２
図ａは回動ベルトに揺動機構を係止する係止部分
と微調機構を示す斜視図、第２図ｂは同図ａの係
止部材を示す斜視図、第３図は本発明が適用され
るプリンタ装置の印字部の概要を示す平面図、第
４図は第３図のＡ矢視図、第５図はカラーインク
リボンの部分拡大図、 図に於いて、２はプラテン、３は用紙、４，
４′はキヤリア、５はガイドシヤフト、６は送り
ねじ、７は印字ヘツド、８はインクリボンカセツ
ト、９，９′はプレート、１１，１３は回転支点、
１４はリボンガイド、１６はパルスモータ、１８
はカラーインクリボン、１９は微調機構、２１は
ベルト、２２はプーリ、２３は回転角規制部材、
２４はストツパ、２５は回転部材、２６はアーム
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プラテン２と、これに対向し、該プラテン２
   の長軸方向に移動自在とするキヤリア４′に載置
   した印字ヘツド７と、前記プラテン２と印字ヘツ
   ド７との間に在るインクリボン１８を繰り出し再
   収容するインクリボンカセツト８とを備え、前記
   インクリボン１８を印字ヘツド７の前面で前記プ
   ラテン２の長軸に対して直交方向にシフトするシ
   フト機構であつて、 駆動する軸１６ａに回動範囲を規制する規制手
   段を備え、ベースフレームに固定した動力駆動源
   のパルスモータ１６と、 前記軸１６ａに回動自在に張架した無端状のベ
   ルト２１と、 該ベルト２１に該インクリボンカセツト８を載
   置するプレート９′の一端９′ｂを係止し、中間部
   をベースフレームに設けた回転支点１１に枢支さ
   せ、他端部には前記インクリボン１８を支承する
   ようにした揺動機構とから成ることを特徴とする
   インクリボンシフト機構。