JPH0418419B2 - - Google Patents

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JPH0418419B2
JPH0418419B2 JP59248619A JP24861984A JPH0418419B2 JP H0418419 B2 JPH0418419 B2 JP H0418419B2 JP 59248619 A JP59248619 A JP 59248619A JP 24861984 A JP24861984 A JP 24861984A JP H0418419 B2 JPH0418419 B2 JP H0418419B2
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JP
Japan
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filament
electron beam
electron
beam shaping
ray tube
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JP59248619A
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English (en)
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JPS61128451A (ja
Inventor
Katsuhiro Ono
Tatsuya Sakuma
Hiroshi Takahashi
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Toshiba Corp
Original Assignee
Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Tokyo Shibaura Electric Co Ltd filed Critical Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority to JP59248619A priority Critical patent/JPS61128451A/ja
Priority to US06/739,101 priority patent/US4698835A/en
Priority to DE8585106753T priority patent/DE3572083D1/de
Priority to EP85106753A priority patent/EP0164665B1/en
Publication of JPS61128451A publication Critical patent/JPS61128451A/ja
Publication of JPH0418419B2 publication Critical patent/JPH0418419B2/ja
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J35/00X-ray tubes
    • H01J35/02Details
    • H01J35/04Electrodes ; Mutual position thereof; Constructional adaptations therefor
    • H01J35/06Cathodes
    • H01J35/064Details of the emitter, e.g. material or structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J35/00X-ray tubes
    • H01J35/02Details
    • H01J35/04Electrodes ; Mutual position thereof; Constructional adaptations therefor
    • H01J35/06Cathodes
    • H01J35/066Details of electron optical components, e.g. cathode cups

Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕 本発明は、X線管装置に係わり、とくにフイラ
メントを改良して焦点形状の経時的変化を抑制す
るとともに、微小焦点を実現しうるX線管装置に
関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 一般にX線管装置は例えばX線診断として医療
用に利用されているが、胃の検診などの場合には
従来第16図に示すようなX線管が用いられてい
る。このX線管はいわゆる回転陽極形で、真空外
囲器31内に陰極構体32と傘形陽極ターゲツト
33が管軸から偏心して相対向配設されている。
そして陽極ターゲツト33は、ステータ34によ
り電磁誘導で回転駆動されるロータ35により回
転するようになつている。 従来一般のX線管の陰極構体32は第17図に
示すように構成され、集束電極102の集束溝1
06内に陰極フイラメント101が配設されてい
る。この陰極フイラメント101は熱電子を放出
するためタングステンコイルからなり、熱電子を
集束電極102により集束させる。このためフイ
ラメント101と集束電極102は同電位とされ
る。尚、図中、点線103は集束電極102の近
傍の等電位曲線を表わし、符号104は陰極フイ
ラメント101のほぼ中央部から放出された電子
の軌跡を表わし、105は陰極フイラメント10
1の側面に近い所から放出された電子の軌跡を表
わしている。 ところで上記従来の陰極構体32においては、
陰極フイラメントをほぼ温度制限領域で使用する
ため、陰極フイラメント101の近傍の電界を強
くする目的でこのフイラメントの一部を集束電極
102の中に突出させている。このため陰極フイ
ラメント101の近傍の等電位面は、点線103
で示すように陰極フイラメント101の中央でふ
くらんだ形となり、陰極フイラメント101の略
側壁から放出された電子105は側方に向うこと
となる。この電子105と、陰極フイラメント1
01の略中央部から放出されて前方に向う電子1
04とを同一方向に集束させることができなく、
図示したようにこれらの軌跡は軸上で交差する。
従つて、およそ全ての電子をある程度集束させた
位置では、図示したように双峰性の電子強度分布
107を示す。 ところが上記のように、陰極フイラメント10
1から放出された電子を集束電極102によつて
十分小さく集束できないので、陽極ターゲツト3
3の位置で小さな焦点を得るためには、小さな陰
極を用いる必要がある。従つて、陰極温度を高め
ないと十分な高密度の電子を得ることができず、
陰極フイラメントの信頼性に問題があつた。 又、陽極ターゲツトの位置での電子の進行方向
が揃わないため、微小焦点が得られず、また電子
分布にシヤープさがなく、所望した電子分布を得
ることができない。このために十分な高解像度を
得ることと、陽極ターゲツト上での電子入射によ
る温度上昇の最高値を低下させて入射電子量を増
大させることを両立させることができない。これ
らは、陽極ターゲツトから発生するX線によつて
投影画像を作る場合に、解像度の増大とフオトレ
ノイズの減少の防害となり、十分に鮮明な画像を
得ることができない。 この欠点を除去する方法としては、平板状の陰
極フイラメントを使用することが考えられる。 この例として特開昭55−68056号公報に開示さ
れる提案がある。 このような帯状平板からなる陰極フイラメント
を有する第18図の従来例について述べる。同図
中の符号201は帯状平板からなり状に形成さ
れた陰極フイラメントで、フイラメント支柱(図
示せず)に取付けられており、通電により直熱さ
れ熱電子を放出する。符号202は集束溝の深さ
Hが浅い集束電極であり、陰極フイラメント20
1から出てきた電子を集束する。符号203は集
束電極202の近傍の等電位曲線である。208
で示す陽極ターゲツトは陰極フイラメント201
及び集束電極202に対して正の高電位に保た
れ、その位置は集束電極202の電子レンズの焦
点距離fと等しくしてある。 ところがこの従来例では、以下に述べる欠点を
有している。その第1は、電子の集束に限界があ
ることである。即ち、陽極ターゲツト208上の
電子ビームの広がりの幅Wは、 W=2f・√p a …(1) で与えられることが知られている。ここで、Vp
は電子の初速エネルギー(eV)でVaは陽極電位
である。ところが実際に使用される値を考える
と、f=15mm、Vp=0.2eV、Va=30keVを上式(1)
に代入すると、W=0.08mmとなり、十分な微小焦
点が得られない。 欠点の第2は、陰極フイラメントの側面から出
た電子が中央から出た電子とその軌道が大きく異
なり、陽極ターゲツト上の電子分布は副焦点を持
つことになる。 又、集束電極をフイラメントと同電位とした上
で、より一層集束効果を持たせるために集束電極
の深さHを大きくしてfを小さくする場合には、
陰極フイラメントの近傍の電界が弱くなり、空間
電荷制限状態となつて陽極電位によつて電流値が
変化する。又、陽極電圧Vaが30kV程度では、電
流値が10mA以上とれない場合がある。 なお、集束電極又は少し前方に浅い集束溝をも
つ電極を置きこれに陰極フイラメントに対して正
のバイアス電圧を印加する例もあるが、この場合
には、陰極フイラメントの長手方向(第18図と
直角の方向)における電子ビームの集束性が悪く
なることが考えられる。もつとも、前記公開公報
に示される技術は焦点形状の相似的変化を得る目
的での実現方策は何ら示されていない。 ところで、第19図に示すように薄肉平板のフ
イラメントを状に折曲げて両端を一対のフイラ
メント支持柱215,215に固定する構造で
は、X線管装置の動作中のフイラメント熱膨張に
より、一点鎖線201aに示すように中央部すな
わち電子放射部が湾曲するとともに上方に大きく
ずれてしまう。また両脚部も外方に変形する。と
くに電子放射部の位置がフイラメント温度の変化
にともなつて変化すると、ビーム整形電極すなわ
ち集束電極の集束溝との相対位置関係が変化し、
ターゲツト上の焦点形状が変化してしまう。この
ことはまた焦点形状のみならず焦点幅Wの大きな
変化としてあらわれるので、微小焦点の実現の妨
げとなる。 〔発明の目的〕 本発明は、以上の事情に鑑みてなされたもの
で、フイラメントの形状を改良することにより電
子放射部のと電子ビーム整形電極との位置関係が
経時的および電子放射部の温度変化に対してほと
んど変化せず、ターゲツト上でのビーム焦点形状
の変化を抑制しえ、したがつてまた微小焦点を実
現しうるX線管装置を提供するものである。 〔発明の概要〕 本発明は、集束溝を備える電子ビーム整形電極
のビーム制限孔に対応し近接して配設される平板
状フイラメントの形状として、ビーム制限孔に対
向する平坦な電子放射部からその両側が陽極ター
ゲツトに対して反対方向に折曲げられたうえほぼ
U字状に折返され、さらに両端部が垂直に横方向
に折曲げられて一対のフイラメント支持柱に接合
されてなることを特徴とするX線管装置である。
そして好ましくはフイラメントの平坦な電子放射
部からU字状折返し下端部までの軸方向寸法L1
に対するこのU字状折返し部下端部からフイラメ
ント支持柱に接合された位置までの軸方向寸法
L2の比L2/L1が、0.5以上、1.5以下の範囲に設定
されてなるものである。 これによつてX線管装置の動作中においてフイ
ラメント温度の変化があつてもその電子放射部と
ビーム整形電極のビーム制限孔および集束溝との
相対位置関係がほとんど変化せず、陽極ターゲツ
ト上での焦点形状の変化が抑制される。したがつ
てまた微小焦点を形成するのにきわめて有利であ
る。 〔発明の実施例〕 以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。なお同一部分は同一符号であらわす。 この発明を例えば乳房撮影用として陽極電圧
30kV、最大陽極電流20mA、X線焦点が50μm乃
至1mmの範囲を変えられるX線管に適用した場合
を例に示す。これは第1図乃至第7図に示すよう
に構成され、X線管の図示しない真空外囲器内に
陽極ターゲツト33及びこれに対向して陰極構体
300が設けられている。この陰極構体は、直熱
型陰極フイラメント301が一対のフイラメント
支持柱302,302に取付けられている。この
場合、陰極フイラメント301は帯状平板、例え
ば幅Dcが全体にわたつて均等で約2mmを有し、
厚さが0.03mm程度のタングステン薄板からなり、
中央部が電子放射部301aとなるように平坦に
形成され、その両側は直角に折曲げられて脚部と
なり、さらにU字状に折曲げられて折返し部30
1bが形成され、各端部は外方へ直角に延長さ
れ、上記電子放射部301aに近い高さのところ
でフイラメント支持柱302,302に溶接され
電気的に接続されている。なおフイラメント30
1の材料は純タングステンのほか、ランタンモリ
ブデンのような高融点合金材を使用することもで
きる。 このような陰極フイラメント301を取囲むよ
うに、円形カツプ状の電子ビーム整形電極303
が配設され、この電子ビーム整形電極303に上
記フイラメント支持柱302,302が絶縁性支
持柱(図示せず)を介して固定されている。電子
ビーム整形電極303には、上記陰極フイラメン
ト301の電子放射部301aに対して、電子ビ
ーム制限孔304が形成されている。この電子ビ
ーム制限孔304は、上記電子放射部301aの
面積より小さい面積の例えば長方形にして、電子
放射部301aの約0.7mm(寸法d1)前方に位置
しており、電子放射部301a側の開口面は電子
放射部301aと実質的に平行となつている。こ
のような電子ビーム制限孔304に連続してその
前方に集束溝305が電子ビーム整形電極に穿設
されている。この集束溝305は電子ビーム制限
孔304より径大な例えば長方形にして、電子ビ
ーム制限孔304、電子放射部301aと共に同
軸的に形成され、深さd2が十分深い寸法に形成さ
れている。そして集束溝305の底面は制限孔3
04にかけてテーパ状に形成されている。このテ
ーパ面の中心軸C方向に沿う寸法は深さd2に対し
て数分の1以下のわずかな寸法となるように形成
されている。 さて、X線管の使用中においては、脚部がU字
状に折返された陰極フイラメント301は、支持
柱に溶接された端部寄りは比較的低温となるが電
子放射部301aとこれに近いU字状部は略同等
の温度に上昇し電子放出可能となる。そこで、フ
イラメントのうち電子放射部301a以外の部分
から出ようとする熱電子が正電位が印加される電
子ビーム整形電極303の内壁面に流入すること
およびフイラメントからの熱輻射を防止するた
め、図示のように両者間にシールド部材316が
介在されている。このシールド部材316は、フ
イラメントのU字状部および一対のフイラメント
支持柱302をとり囲こむ略有底円筒状に構成さ
れ、フイラメントの電子放射部301aが突出す
る部分に矩形孔320が形成されてなる。そして
この矩形孔320の周壁にフイラメント脚部をと
りまく角筒部317が固定されている。またフイ
ラメントの平坦な電子放射部301aのすぐ下に
このフイラメント平坦部の裏面からの電子放出を
抑制するとともに熱反射作用を呈する補助シール
ド板318が矩形孔に橋渡しされた形でとりつけ
られている。このようにして第5図から理解され
る通り、シールド部316から実質的にフイラメ
ントの電子放射部301aのみが突出している。
このシールド部材316は、フイラメントに対し
て電気的に絶縁して例えば負の電位を与えうるよ
うに構成してもよいが、図示のように一方のフイ
ラメント支持柱302に溶接して電気的に同電位
とし、他方の支持柱に絶縁スペーサ321を介し
て機械的に固定させている。 フイラメントの脚部端部と支持柱との接合構造
の好ましい例としては、第4図に示すように支持
柱302とL字状に成形したM0製金属片319
とでフイラメント端部をはさみ、矢印Pの如く金
属片の上方から電子ビームあるいはレーザビーム
を当てて溶接した構造である。これによつてフイ
ラメント自体の局部的溶融による脆化が防止され
るとともに、広い面積で溶接できる。 次に、微小焦点を得る構成について説明する。 ターゲツト33が、電子ビームeの中心軸(こ
の例では管軸Cと一致する)とターゲツト面とが
交わる角度をβとし、ターゲツト面とX線をとり
出す方向のX線放射軸Xとの交わる角度をθとす
る。またターゲツト面上の電子ビーム断面形状ep
の短辺をlx、長辺をlyとする。そしてX線放射軸
方向からみた焦点形状Xpが、当該分野で広く認
められているように長辺と短辺との比が1.4以下
に保たれるようにする場合を考える。この比が
1.0となれば焦点形状が正方形であり最も好まし
い状態である。そのようになるために、ターゲツ
ト面上の電子ビーム射突面形状が次の条件を満足
するように設定される。 ly/lx=sinβ/sinθ=cotθ なお、上記のようにX線放射軸方向からみた焦
点形状は、短、長辺比が約1.4まで許容されるの
で、ビーム焦点epの長、短辺比は次の範囲にあれ
ば十分である。 そして所定ビーム電流において最小の焦点(例
えば一辺が50μm)を得るとき、ビームウエスト
すなわち電子ビームeの断面寸法が最小となる位
置が丁度ターゲツト面に一致するように形成され
ている。なお、電子ビームeはビームウエストの
下流では電子の相互反発で次第に広がり、断面寸
法が増大してゆく。なおビーム焦点形状の長手方
向がX線放射軸Xと一致する方向にする。 そこで、ターゲツト上のビーム焦点epの電流密
度分布が均一となるようにするために、ビーム焦
点epの形状とビーム整形電極303のビーム制限
孔304の平面形状を略相似形とする。最小焦点
を得る整形電極バイパス電位の下で細長い制限孔
304を出た電子ビームが、その短手方向xも長
手方向yも、ともにターゲツト面上にビームウエ
スト位置が一致するようにしなくてはならない。
これを満足するために、各部の寸法を次のように
設定している。 まず、集束溝305の深さ寸法d2は、製作が容
易となるようにx方向にもy方向にも等しい寸法
にしてあり、この電極303からターゲツト焦点
位置までの距離d3に対して1/4乃至1の範囲と
なるように構成する。すなわち 1.0≦d3/d2≦4.0 を満足するようにしている。 また、ビーム制限孔304と集束溝305の平
面形状、寸法関係を次のように定めている。制限
孔の開口長辺をDy、短辺をDxとし、また矩形状
集束溝の長辺をSy、短辺をSxとして、Sy/Dy
P、Sx/DxをQとしたとき、 0.4<P/Q<2.0 となる範囲に設定している。つまり、制限孔の矩
形に対して集束溝はその長辺寸法が相対的に短か
くなるようにしている。なお、ビーム制限孔30
4の側壁の厚さは、溝305の深さd2の1/10以
下、好ましくは1/20程度に極めて薄く形成して
ある。 前述の動作条件で好ましい各部の寸法例を示す
と次のようになる。 Dx=1.2mm Dy=3.0mm Sx=5.2mm Sy=6.0mm d2=4.1mm d3=8.0mm 制限開口の側壁厚さd4=0.2mm β=70゜、θ=
20゜ そしてフイラメント301にフイラメント電源
306から加熱電力を与え直熱する。またフイラ
メントに対してビーム整形電極303に0〜+
1000Vの範囲を可変できるバイアス電源307か
らバイアス電位を与え、さらに陽極ターゲツト3
3に正の30kV程度の陽極電圧を電源308から
与えて動作させる。これによつてバイアス電位が
約200V付近で電子ビームeのビームウエストが
ターゲツト面に合致する。 そしてターゲツト面上の電子ビーム焦点epの大
きさは、短辺lxが約50μm、長辺lyが約125μmとな
り、X線放射軸Xの方向からみた実効焦点X0
一辺が約50μmのほぼ正方形となり、均等な電子
密度分布が得られた。 また、バイアス電位を0Vから+1000Vの範囲
で変化することにより焦点形状をほぼ相似的にし
て大きさを一辺が約50μmから約1mmの寸法まで
変化させることができた。 しかも上述の各寸法関係の範囲にすることによ
り、陽極電圧を最大150kV、陽極電流を600mA
までの範囲で使用するX線管装置に適用して、実
効焦点を長、短辺比が約1.4以下にとどめること
ができた。バイアス電位と電子ビーム焦点の短辺
lx、長辺lyの関係は第8図に示すようになり、X
線実効焦点X0の辺の比はおよそ1.4以下にとどめ
ることができる。 上記実施例の電子ビーム集束状態を電子計算機
によるシミユレーシヨンの結果を第9図に示して
説明する。即ち、第9図は第1図に相当する断面
図である。そして、既述のように陰極フイラメン
ト301は幅が略2mm程度で、厚さが0.03mm程度
のタングステン薄板からできており、フイラメン
ト支持柱302を通して通電され加熱される。陰
極フイラメント301の表面から放出された熱電
子は、電子ビーム制限孔304と陰極フイラメン
ト301の間に印加されたバイアス電圧によつて
できる電界によつて加速され、電子ビーム制限孔
304に到達する。 この際、陰極フイラメント301の表面と電子
ビーム制限孔304の表面が略平行となつている
ため、その間の等電位曲線310は略平行とな
り、電子ビーム制限孔304の端部を通る電子軌
道をあまり乱さない。又、陰極フイラメント30
1の端部及び側面より出た電子312は電子ビー
ム制限孔304の壁に吸収され、集束溝305に
入らない。 従つて、陰極フイラメント中央部の電子放射部
301aから出たフリンジング効果を含まない電
子ビームのみ陽極ターゲツト33に達することに
なる。電子ビーム制限孔と陰極フイラメントの距
離d1は、陰極フイラメントの表面から出た電子が
バイアス電圧によつて温度制限領域で動作するよ
うに決められている。従つて、電子ビーム制限孔
304を通過する電子の量は、陰極フイラメント
の温度のみによつて決まり、陽極ターゲツト上で
の電子密度分布の大きさは、バイアス電圧によつ
て電流値と独立に可変できるようになつている。
電子ビーム制限孔によつて制限された電子312
は内壁313を加熱するが、内壁313は電子ビ
ーム整形電極303の放射方向にテーパ状に厚く
なつており、十分熱伝導を良くして局部過熱とな
らない。電子ビーム制限孔304を通過した電子
は、距離d1を通過する間に、その間の凹レンズ作
用によつて拡散させられるが、その電子ビーム密
度は極めて均一となつている。この電子ビーム
は、十分深くて強い凸レンズ作用を有する集束溝
305によつて強く集束され、短径、長径の両方
ともそのビームウエストが陽極ターゲツト33の
表面に位置する。 又、集束溝305はその内部の等電位線314
が中央部の電子軌跡315および端部の電子軌跡
311で収差をほとんど生じない。 以上、第1図に示す短辺がわについて述べた
が、第2図に示す長辺がわでも同様の集束作用が
得られる。 このX線管装置によれば、次のような優れた効
果が得られる。 陰極フイラメントの中央部からの電子のみを
加速するため、収差の少ないエツジがシヤープ
な微小焦点を得ることができる。又、陰極フイ
ラメントの側面から出た電子ビームが、電子ビ
ーム制限孔にてカツトされるため、副焦点を生
じない。 X線焦点の形状を常にほぼ一定に保ちなが
ら、その大きさをバイアス電圧の制御によつて
制御できる。そして陽極電流を増大しても焦点
形状および電子密度分布が劣化しない。 そしてとくに、陰極フイラメントの位置変化が
少なく、熱電子放射部301aの温度が均一であ
るため、安定した動作が得られる。即ち、第10
図に示すように、陰極フイラメント301の脚部
の熱膨張はU字状折返し部301b,301bに
よつて殆ど打ち消され、破線で示すように熱電子
放射部301aの移動が少ない。又、熱電子放射
部301aの膨張は脚部の折返し部301b,3
01bで吸収されるため、湾曲することがない。
更に、脚部の強度が十分あり、フイラメント自身
の重量が少ないため、外部振動によるゆれも少な
い。このようにして、電子集束特性を常に一定で
良好に保つことができる。 〔発明の変形例〕 上記実施例では、電子ビーム制限孔及び集束溝
はいずれもフイラメントの長手方向に沿つた長方
形に形成されていたが、第11図に示すように、
電子ビーム制限孔304及び集束溝305をいず
れもフイラメントの長手方向に細長い楕円形に形
成してもよい。そしてそれらの短径Dx,Sx、長
径Dy,Syを前述の関係式の範囲を満足するよう
に構成する。これにより上記実施例と同様効果が
得られる。この場合、陽極ターゲツト上での電子
ビーム焦点は長軸が短軸の1/sinθになる楕円形
となる。従つて、X線管のX線放射口から見たX
線焦点X0はほぼ真円形となる。又、バイアス電
圧を変えた場合は、X線焦点は常に略円形を保ち
ながらその大きさを変えることになる。上記した
関係はバイアス電圧等の設定条件を変えた場合に
もほぼ
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明はフイラメントが
陽極ターゲツトに対向する平坦な電子放射部から
その両側がターゲツトに対して反対方向に折曲げ
られたうえほぼU字状に折返され、さらに横方向
に折曲げられて延長された両端部がそれぞれ一対
のフイラメント支持柱に接合されてなり、且つシ
ールド部材が平板部にフイラメントの平坦電子放
射部よりもわずかに大きい寸法の孔を有し、この
孔から平坦電子放射部が非接触で電子ビーム整形
電極側に露出しており、このシールド部材がフイ
ラメントのU字状部と電子ビーム整形電極内壁面
との間に隔壁として配置されているので、動作
中、平坦な電子放射部の温度よりは低いものの電
子放出可能な温度に発熱するフイラメントのU字
状部に電子ビーム整形電極に印加された正電位が
及ぶのが遮蔽され、このU字状部から電子ビーム
整形電極の内面壁に電子が到達するのがより一層
確実に抑制される。また、フイラメントのU字状
部で発生する輻射熱が電子ビーム整形電極に至る
のも遮蔽されるので、この電子ビーム整形電極の
過熱、ガス放出等が防止され、安定な動作が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す要部縦断面
図、第2図はその直角方向の縦断面図、第3図は
同じくその要部拡大図、第4図および第5図は
各々はその要部斜視図、第6図はその整形電極の
上面図、第7図は同じくその斜視図、第8図はビ
ーム整形電極のバイアス電位とビーム焦点寸法と
の関係を示す特性図、第9図は本発明装置の電子
計算機による集束作用のシミユレーシヨン結果を
示す模式図、第10図は本発明のフイラメントの
動作説明図、第11図は本発明の他の実施例を示
す要部平面図、第12図は本発明のさらに他の実
施例を示す要部縦断面図、第13図および第14
図は各々本発明の実施例における寸法関係を示す
側面図、第15図はさらに他の実施例を示す要部
断面図、第16図はX線管装置の概略図、第17
図は従来の陰極構体によるビーム集束模式図、第
18図は同じく従来例におけるビーム集束の状態
を示す模式図、第19図は従来のフイラメント構
造による熱変形の状態を示す縦断面図である。 31…真空外囲器、300…陰極構体、33…
陽極ターゲツト、301…陰極フイラメント、3
01a…電子放射部、301b…U字状折曲げ
部、302…フイラメント支持柱、303…電子
ビーム整形電極、304…電子ビーム制限孔、3
05…集束溝、316…シールド部材、L1…電
子放射部からU字状折返し部までの軸方向寸法、
L2…U字状折返し部からフイラメント支持柱に
接合された位置までの軸方向寸法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 真空外囲器内に陽極ターゲツトおよび陰極構
    体が相対向して設けられ、前記陰極構体が平板状
    フイラメント、該フイラメントの前方に配置され
    た電子ビーム制限孔および集束溝を有する電子ビ
    ーム整形電極、および前記フイラメントに近接し
    て配置され該フイラメントと同電位またはそれに
    近い電位にされてフイラメントからの放出電子が
    上記電子ビーム整形電極を衝撃するのを抑制する
    シールド部材を有するX線管と、 前記X線管のフイラメントに対して電子ビーム
    整形電極を正電位にして動作させるバイアス電源
    とを備えてなるX線管装置において、 上記フイラメントは、上記陽極ターゲツトに対
    向する平坦な電子放射部からその両側が上記ター
    ゲツトに対して反対方向に折曲げられたうえほぼ
    U字状に折返され、さらに横方向に折曲げられて
    延長された両端部がそれぞれ一対のフイラメント
    支持柱に接合されてなり、 上記シールド部材は、平板部に上記フイラメン
    トの平坦電子放射部よりもわずかに大きい寸法の
    孔を有し、該孔から前記フイラメントの平坦電子
    放射部が非接触で上記電子ビーム整形電極側に露
    出しており、該シールド部材が上記フイラメント
    のU字状部と電子ビーム整形電極内壁面との間に
    隔壁として配置されていることを特徴とするX線
    管装置。
JP59248619A 1984-05-31 1984-11-27 X線管装置 Granted JPS61128451A (ja)

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