JPH0418353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、芝刈り装置を前車輪と後車輪の間に
配置した状態でリンク機構を介して水平姿勢また
はこれに近い姿勢のままで昇降するように走行機
体に連結すると共に、前記芝刈り装置を人為力に
よつて昇降操作する操作具を前記後車輪の近くに
配置した乗用型芝刈り機の芝刈り装置昇降用装置
に関する。

〔従来の技術〕

上記乗用芝刈り機において、従来、芝刈り装置
を走行機体に昇降可能に連結するリンク機構が平
行型のリンク機構になつており、次の如き不都合
があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

芝刈り装置が昇降に伴い走行機体に対してこれ
の前後方向に大巾に移動し、走行機体から芝刈り
装置への動力伝達を伝動ベルトですると共に、こ
の伝動ベルトをクラツチ用ベルトに利用する場
合、芝刈り装置の持ち上げ状態において、伝動ベ
ルトの張り具合が芝刈り装置の下降時よりも強く
なつて伝動ベルトの弛緩状態になる余裕がなくな
り、クラツチの切り操作が不能になるとか重くな
ることがあつた。

本考案の目的は、芝刈り装置の昇降に伴う前後
移動を極力抑制できるように、しかも、芝刈り装
置の昇降操作が極力楽にできると共にその操作構
成が極力構造簡単に得られるようにすることにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、芝刈り装置を前車輪と後
車輪の間に配置した状態でリンク機構を介して水
平姿勢またはこれに近い姿勢のままで昇降するよ
うに走行機体に連結するとともに、芝刈り装置を
人為力によつて昇降操作する操作具を後車輪の近
くに配置してある乗用型芝刈機の芝刈り装置昇降
用装置において、さらに、下記〔イ〕〜〔ハ〕に
記載した構成を備えてあることを特徴とする。

〔イ〕 リンク機構は、前端側を走行機体に、か
つ、後端側を芝刈り装置の後端側に夫々連結し
た第１揺動リンクと、前端側を芝刈り装置の前
端側に、かつ、後端側を走行機体に夫々連結し
た第２揺動リンクとから構成されている。

〔ロ〕 第１揺動リンクは、走行機体及び芝刈り
装置に対して機体進行方向での左右方向に沿う
横軸周りで揺動自在に枢支連結されているとと
もに、第２揺動リンクは、走行機体に対して機
体進行方向での左右方向に沿う横軸周りで揺動
自在に枢支連結され、かつ、芝刈り装置に対し
ては機体進行方向での前後方向に相対移動自在
に連結され、さらに、第１揺動リンクの途中部
分と第２揺動リンクの途中部分とが相対揺動及
び相対前後動が自在に連結されている。

〔ハ〕 第１揺動リンクは、芝刈り装置に対する
連結箇所よりもさらに後端側に延設されてい
て、その延設された第１揺動リンクの後端部に
位置する箇所を、第１揺動リンクの所定範囲内
での自由な揺動上昇移動を許容する長孔を介し
て、操作具に連動させてある。

〔作用〕

リンク機構が前記第１揺動リンクと第２揺動リ
ンクとからクロス型のリンク機構になる。

第１揺動リンクの操作具に連動された箇所が芝
刈り装置に対する連結箇所より後端側に在ること
により、対芝刈り装置連結箇所と同一の箇所やこ
れよりも前端側に位置させる場合よりも、第１揺
動リンクの走行機体に対する連結箇所と操作具へ
の連動箇所との間隔が長くなり、昇降操作時に芝
刈り装置を支持するのに必要な力を小に抑えるの
であり、かつ、第１揺動リンクの操作具への連動
箇所が操作具に接近して、第１揺動リンクと操作
具を連動させるための構成の軽小化を可能にす
る。

しかも、第１揺動リンクは、その単独での上昇
移動がある程度許容される融通を持つて操作具に
連動されているので、操作具を係止させての芝刈
り作業中に芝面の多少の凹凸があつて該芝刈り装
置は上下に移動して追従できるようになる。

また、クロス配置の第１及び第２揺動リンクが
共に上端部を機体に位置固定に枢支し、かつ、芝
刈り装置のハウジング後部を第１揺動リンクに位
置固定の枢支構造にするとともに、第１及び第２
揺動リンクのクロス連結部と、第２揺動リンクと
ハウジングとの連結部とを融通枢支構造にしてあ
るので、芝刈り装置が他物に乗り上げた場合や操
作具が操作された場合には該芝刈り装置は水平姿
勢またはこれに近い姿勢のままで上昇変位するよ
うになる。

つまり、小なる持ち上がり量であつても芝刈り
装置全体を一様に対地浮上できるから、芝刈り装
置が前後に傾斜しながら昇降移動するものに比べ
て、他物との衝突回避や移動走行するときの持ち
上げ操作を迅速、確実に行うことができる。

これは、前後輪間の機体下腹部という限られた
狭い空間内において芝刈り装置を対地上昇させる
点で非常に有効である。

〔考案の効果〕

リンク機構がクロス型になることにより、芝刈
り装置の昇降に伴う前後移動を極つ少なく抑え得
るようになり、芝刈り芝刈り装置にベルト伝動す
る場合でも、芝刈り装置の昇降にかかわらず伝動
ベルトの張力があまり変化せず、ベルトクラツチ
を確実に切りにできるとか楽に切り操作できるよ
う有利に構成できるようになつた。

芝刈り装置の支持が楽にできることにより、芝
刈り装置の昇降操作の容易化が可能になり、芝刈
り装置の上昇格納位置と下降使用位置への出し入
れが容易かつ迅速にできるようになつた。

第１揺動リンクと操作具の連動が軽小な連動機
構でできることにより、連動構成の面から構造の
簡略化ができるようになり、経済面で有利にでき
た。

また、リンク機構の平行的な昇降移動により、
少ない操作量で有効・迅速に、かつ、安全に芝刈
り装置の昇降が行えるものにできた。

〔実施例〕

第４図に示すように、左右一対の前車輪１，１
及び後車輪２，２並びに、後車輪２の近くに配置
された運転座席３が備えられた走行機体に、前記
前車輪１と後車輪２の間に配置した状態でリンク
機構４を介して昇降するように芝刈り装置５を連
結すると共に、走行機体に搭載されているエンジ
ン６の出力をクラツチ用に利用の伝動ベルト７を
介して芝刈り装置５に伝達するように構成し、そ
して、前記走行機体の後部に集草装置８をダクト
９を介して切断芝が供給されるように芝刈り装置
５に接続した状態で連設して、乗用型芝刈り機を
構成してある。

前記リンク機構４は、第１図及び第３図に示す
ように左右一対の第１揺動リンク１０ａ，１０ｂ
と、機体横方向視で一対の前記第１揺動リンク１
０ａ，１０ｂと交差するように配置した左右一対
の第２揺動リンク１１ａ，１１ｂとからクロス型
に構成してあり、そして、一対の前記第１揺動リ
ンク１０ａ，１０ｂの夫々にあつては、走行機体
部分１２に機体前後方向の軸芯P₁の周りで上下
に揺動するように連結してある前車軸１３に連結
ピン１４ａまたは１４ｂを介して枢支されるよう
に前端側を連結し、芝刈り装置５の刈刃ハウジン
グ１５の後端側に備えられたリンク連結部１５ａ
に連結ピン１６ａまたは１６ｂを介して揺動可能
に後端側を連結してあり、一対の前記第２揺動リ
ンク１１ａ，１１ｂの夫々にあつては、前記刈刃
ハウジング１５の前端側に備えられたリンク取付
部１５ｂに連結ピン１７ａまたは１７ｂを介して
揺動可能に前端側を連結し、走行機体部分１８に
連結ピン１９ａまたは１９ｂを介して枢支される
ように後端側を連結してある。そして、左側の第
１揺動リンク１０ａと第２揺動リンク１１ａの途
中部分どおしを、かつ、右側の第１揺動リンク１
１ｂの途中部分どおしを夫々、第１揺動リンク１
０ａまたは１０ｂの長孔２０ａまたは２０ｂに一
端側が入り込む状態で第２揺動リンク１１ａまた
は１１ｂに付設した連結ピン２１ａまたは２１ｂ
により相対揺動及び相対前後動が自在に連結する
と共に、一対の前記第２揺動リンク１１ａ，１１
ｂ夫々と芝刈り装置５との相対前後動が可能にな
るように一対の前記リンク連結部１５ｂ，１５ｂ
夫々の連結ピン挿通孔２２ａまたは２２ｂを長孔
に形成して、第１揺動リンク１０ａまたは１０ｂ
が前記連結ピン１４ａまたは１４ｂの軸芯周りで
上下に揺動されるに伴い第２揺動リンク１１ａま
たは１１ｂが第１揺動リンク１０ａまたは１０ｂ
と同一方向に前記連結ピン１９ａまたは１９ｂの
軸芯周りで揺動するように構成してある。

第１図に示すように、一対の前記第１揺動リン
ク１０ａ，１０ｂ夫々の芝刈り装置５に対する連
結箇所としての前記連結ピン１６ａまたは１６ｂ
より後端側に位置する箇所Ａにリンク式連動機構
２３を介して連動させた操作具２４を、後車輪２
の近くに位置させて、かつ、軸芯P₂周りで揺動
するように走行機体に取付けてあり、前記操作具
２４の揺動操作による、かつ、人為力による第１
揺動リンク１０ａ，１０ｂの揺動操作により、芝
刈り装置５を水平姿勢またはこれに近い姿勢のま
まで第１図に示す如く前後一対のゲージ輪２５，
２６が接地する下降使用位置と、第２図に示す如
く前記グージ輪２５，２６が対地浮上する上昇格
納位置とに昇降操作するように、かつ、前記操作
具２４に付設してあるロツク爪２７を機体側のロ
ツク具２８に係合させて操作具２４を揺動しない
ように固定することにより、芝刈り装置５を上昇
位置にロツクするようにしてある。

第１図に示す長孔２９は、地面の凹凸に起因す
る芝刈り装置５の昇降を許容するように第１揺動
リンク１０ａおよび１０ｂの上下揺動を可能にす
るものであり、押しボタン３０は前記ロツク爪２
７の係合解除操作をするためのものである。

〔別実施例〕

第５図に示すリンク機構４にあつては、第２揺
動リンク１１ａ，１１ｂとリンク連結部１５ｂ，
１５ｂとを伸縮調節自在な連結杆３１により連結
してあり、この連結杆３１の長さ調節により芝刈
り装置５の地面に対する傾斜調節をするように、
かつ、連結杆３１の第２揺動リンク１１ａ，１１
ｂ及び刈刃ハウジング１５に対する揺動により、
第２揺動リンク１１ａ，１１ｂと芝刈り装置５の
相対前後動を可能にするように構成してある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乗用型芝刈り機の芝刈り装
置昇降用装置の実施例を示し、第１図はリンク機
構の芝刈り装置下降時における側面図、第２図は
リンク機構の芝刈り装置上昇時における側面図、
第３図はリンク機構の平面図、第４図は乗用型芝
刈り機全体の側面図、第５図は別実施リンク機構
の側面図である。 １……前車輪、２……後車輪、４……リンク機
構、５……芝刈り装置、１０ａ，１０ｂ……第１
揺動リンク、１１ａ，１１ｂ……第２揺動リン
ク、１４ａ，１４ｂ，１６ａ，１６ｂ，１９ａ，
１９ｂ……横軸、２４……操作具、２９……長
孔、Ａ……連結箇所。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 芝刈り装置５を前車輪１と後車輪２の間に配置
   した状態でリンク機構４を介して水平姿勢または
   これに近い姿勢のままで昇降するように走行機体
   に連結するとともに、前記芝刈り装置５を人為力
   によつて昇降操作する操作具２４を前記後車輪２
   の近くに配置し、さらに、下記〔イ〕〜〔ハ〕に
   記載した構成を備えている乗用型芝刈機の芝刈り
   装置昇降用装置。 〔イ〕 前記リンク機構４は、前端側を走行機体
   に、かつ、後端側を前記芝刈り装置５の後端側
   に夫々連結した第１揺動リンク１０ａ，１０ｂ
   と、前端側を前記芝刈り装置５の前端側に、か
   つ、後端側を走行機体に夫々連結した第２揺動
   リンク１１ａ，１１ｂとから構成されている。 〔ロ〕 前記第１揺動リンク１０ａ，１０ｂは、
   走行機体及び芝刈り装置５に対して機体進行方
   向での左右方向に沿う横軸１４ａ，１４ｂ，１
   ６ａ，１６ｂ周りで揺動自在に枢支連結されて
   いるとともに、前記第２揺動リンク１１ａ，１
   １ｂは、走行機体に対して機体進行方向での左
   右方向に沿う横軸１９ａ，１９ｂ周りで揺動自
   在に枢支連結され、かつ、芝刈り装置５に対し
   ては機体進行方向での前後方向に相対移動自在
   に連結され、さらに、前記第１揺動リンク１０
   ａ，１０ｂの途中部分と前記第２揺動リンク１
   １ａ，１１ｂの途中部分とが相対揺動および相
   対前後動が自在に連結されている。 〔ハ〕 前記第１揺動リンク１０ａ，１０ｂは、
   前記芝刈り装置５に対する連結箇所１６ａ，１
   ６ｂよりもさらに後端側に延設されていて、そ
   の延設された前記第１揺動リンク１０ａ，１０
   ｂの後端部に位置する箇所Ａを、該第１揺動リ
   ンク１０ａ，１０ｂの所定範囲内での自由な揺
   動上昇移動を許容する長孔２９を介して、前記
   操作具２４に連動させてある。