JPH0417781Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は玩具用２サイクルエンジンに使用され
る燃料中に含まれる潤滑油をシリンダから排出さ
れたガス体から回収する回収装置に関する。

（従来技術とその問題点） 一般に玩具用２サイクルエンジンのシリンダの
燃焼室中に気化燃料を送給するときは潤滑油を霧
状にして混入させることが行なわれている。潤滑
油は排気ガスとともに排気口から排出されるが、
このとき潤滑油の一部はシリンダの外周部には付
着するので、付着した潤滑油を取り除く作業は煩
わしいものであつた。しかもこうして除去された
潤滑油は再使用されることなく廃棄処分されてい
た。

（考案の技術的課題） 本考案は上記欠点を解消し、特に、玩具用２サ
イクルエンジンから排気されるガス体中に含まれ
る潤滑油を効率よく回収することができる潤滑油
回収装置を提供することをその技術的課題とす
る。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するため、本考案に係る玩具用
２サイクルエンジンにおける潤滑油回収装置は、
２サイクルエンジンのシリンダの燃焼室に連通す
る排気口の外部に起立壁を対向形成するととも
に、この起立壁の内面下部にオイル受け部を形成
し、上記排気口より吐出されたガス体を上記起立
壁の内面に当て、上記ガス体に含まれる霧状の潤
滑油を上記起立壁の内面に沿つて流下させオイル
受け部に回収させることを特徴とする。

（考案の作用、効果） 本考案は上述のように構成されているから、排
気口から吐出されたガス体は起立壁の内面に当る
ことになる。ガス体中の潤滑油は霧状になつてい
るが、起立壁に当つて付着するときに霧状の微粒
子同士が結合して大きな粒子となり、やがて液状
となつて起立壁の内面に沿つて下り、オイル受け
部に流れ落る。したがつて、このオイル受け部に
よつて潤滑油を効率よく回収することができる。

（実施例） 以下、図面によつて本考案の実施例について説
明する。

図面は玩具用の２サイクルエンジンを示すもの
で、具体的構造は既に出願済みのエンジン構造
（実願昭61−132385号）と同様であり、ロータリ
ーバルブを使用するタイプのものであり、その内
部構造自体は既知であるから、ここでは、本考案
の要部であるオイル回収装置部分について説明す
る。

シリンダ１の燃焼室１ａに連通する排気口２の
外周部にはオイル受け部３がパツキング４を介し
て密着固定されている。このオイル受け部３は、
その外周部には上部に通孔５ａを形成した筒状の
起立壁５を設け、また底部には垂下孔６を形成し
てある。そして、前記起立壁５の壁面５ｂは前記
排気口２と対向するように配置形成されており、
また通孔５ａの周部には内面５ｂに対して直交す
るように折り曲がる折曲げ部５ｃが形成されてい
る。

前記垂下孔６の下方にはオイルガイド体７が設
けられている。このオイルガイド体７は、側部に
燃焼供給口８を設け、かつロータリーバルブを構
成する開口１０と連通する混合室９に連結する。
また前記内面５ｂと混合室９との間には間隙１１
が形成され、空気の流入を可能にしている。１２
は混合室９の上方開口を閉鎖する蓋体である。

一般的に、上述のような玩具用２サイクルエン
ジンにおいては、燃料に潤滑油が混合されて燃焼
室に送られ、排気時にガス体Ｇとして通常の排気
ガス、すなわちCO、NOx、HC等が含まれるガ
スと、霧状となつた潤滑油Ｏが排気口２より吐出
される。

ところで、上記潤滑油回収装置によれば、排気
口２から吐出されたガス体Ｇは起立壁５に当り、
そのうち排気ガスと潤滑油Ｏの一部は起立壁５の
通孔５ａより外方へ排出される。潤滑油Ｏが起立
壁５の内面５ｂに付着するときに霧状の微粒子同
士が結合して大きな粒子となり、やがて液状とな
つて起立壁５の内面５ｂに沿つて下り、オイル受
け部３に流れ落る。したがつて、このオイル受け
部３によつて潤滑油を効率的に回収することがで
きる。

上述のようにしてオイル受け部３に集められた
回収潤滑油は垂下孔６を通り、オイルガイド体７
を経て混合室９に達する。この混合室９におい
て、燃料供給口８から燃料がガス状になつて噴出
しており、この燃料の噴出圧によつて間隙１１か
ら空気が混合室９に吸引されるため、燃料ガスＮ
と空気Ａとが混合室９にて混合されてロータリー
バルブの開孔１０へ達する。そして潤滑油はロー
タリーバルブの開孔１０からピストン部分へと送
られる。

すなわち、ピストン１３の上下動に同期して開
孔１０が中空状の出力軸１４の開口１５と一致
し、前記混合ガスが出力軸１４の中空部１４ａを
通つて、クランク室１６を経て掃気通路１７から
燃焼室１ａへ達する。この時、潤滑油Ｏは、出力
軸１４の周部と、中空部１４ａを経てコンロツド
１８の上下動にて上昇することによりピストン１
３とシリンダ１間とに入り込むことになる。

なお、前記オイル受け部３と起立壁５の形状、
構造は潤滑油の回収率などを考えると多くの態様
が考えられる。例えば、起立壁５の内面に複数の
突起を水平に形成すれば、潤滑油の回収率が高ま
る。また起立壁５の外面にフインを複数突設する
ことにより、起立壁５の内面５ｂを冷却させるこ
とができ、回収された潤滑湯の温度を下げること
ができる。

そのほか、オイル受け部３の潤滑油が集まる部
分に、垂下孔６につながるガイド溝のようなもの
を形成することも考えられる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案における２サイクルエンジンにお
ける潤滑油回収装置の断面説明図である。 符号Ｏ……潤滑油、１……シリンダ、２……排
気口、３……オイル受け部、５……起立壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２サイクルエンジンのシリンダの燃焼室に連通
   する排気口の外部に起立壁を対向形成するととも
   に、この起立壁の内面下部にオイル受け部を形成
   し、上記排気口より吐出されたガス体を上記起立
   壁の内面に当て、上記ガス体に含まれる霧状の潤
   滑油を上記起立壁の内面に沿つて流下させオイル
   受け部に回収させることを特徴とする玩具用２サ
   イクルエンジンにおける潤滑油回収装置。