JPH0416396B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、高層住宅において荷物の吊上げ、或
は吊下げさせるための組立式小型クレーンに関す
るものである。

(2) 従来の技術 従来、高層住宅において転居の為に荷物を搬送
する場合、タンス、家具等の大型荷物はエレベー
タの利用をなし得ないために階段を利用して人力
で搬送したり、或はクレーン車のクレーンでもつ
て吊り上げ、吊下げをなしていたものである。

しかし、人力での搬送は手間を要し、クレーン
車では２階までしかアームが届かず、大型クレー
ンを設置するには多大の経費を要するものであ
り、そこで、近年、実開昭57−62779号公報、実
開昭51−106470号公報、実公昭54−13243号公報
等に開示された小型クレーンが開発され、利用さ
れている。

(3) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前記小型クレーンにおいては、
ワイヤロープに吊下させた荷物の安定性が悪く、
昇降中に荷物が回転し、落下等を発生し易い欠点
があつた。

本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は伸縮ポストと、クレーン架
台と、クレーン部とを組立、分解自在に構成した
小型クレーンにおいて、クレーン部の腕杆にそつ
て延長垂下させたワイヤロープを腕杆の先端部を
周回して腕杆の下面に係止させ、このワイヤロー
プに吊下安定杆を係装させて吊下安定杆に荷物を
吊下しながら安定した状態で揚げ、降しをなし得
る様になしたことを特徴とする組立式小型クレー
ンを提供することにある。

発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は適当高幅
の中空ポスト４と、この中空ポスト４内に上下摺
動自在に嵌合された内部中空ポスト４′と、前記
中空ポスト４の両側面に上下スライド可能に装架
された上下架台支持筒７，７′と、前記中空ポス
ト４内に着脱自在に挿入され内部中空ポスト４′
の下端に当接して内部中空ポスト４′を上方へス
ライドさせるためのジヤツキ１０と、を備えた伸
縮ポストＡと、 前記伸縮ポストＡの両側面の上下架台支持筒
７，７′に嵌挿し得る左右一対の上下腕杆１１，
１１′と、この上下腕杆１１，１１′に連設された
左右竪杆１２，１２′と、下部腕杆１１，１１に
延長連設され先端にクレーン支柱の嵌合筒１５が
固定された下部台枠１３と、前記左右竪杆１２，
１２′の上端に嵌着され先端にクレーン支柱１７
の嵌合筒１５′が固定された上部台枠１３′と、を
備えたクレーン架台Ｂと、 前記クレーン架台Ｂの上下台枠１３，１３′の
嵌合筒１５，１５′に嵌着し得るクレーン支柱１
７と、このクレーン支柱１７の外面上部位置に枢
着されクレーン支柱１７の下部位置に枢支された
方杖杆１９に傾斜調整自在に支架された管状腕杆
１８と、この管状腕杆１８に伸縮自在に嵌挿され
たへ型腕杆１８′と、クレーン支柱１７の内面下
部位置に突設された台板２２に設置されたウイン
チ２３と、を備えたクレーン部Ｃとを組立、分解
自在に構成した組立式小型クレーンにおいて、 前記クレーン部Ｃは、前記ウインチ２３よりへ
型腕杆１８′の上面へ延長されへ型腕杆１８′の先
端部を下方へと周回してへ型腕杆１８′の下面に
係止されたワイヤロープ２４と、このワイヤロー
プ２４の周回部に水平に通係され下面両端に一対
のフツク２９，２９を設けた吊下安定杆２６とを
備え、前記クレーン部Ｃのウインチ２３でワイヤ
ロープ２４を巻き込み、巻き戻しする時に吊下安
定杆２６を水平に保持しつつ吊下安定杆２６に吊
下させた荷物３０を安定した状態で昇降させるこ
とを特徴とする組立式小型クレーンを構成するも
のである。

(2) 作用 本発明の組立式小型クレーンは、高層ビルの所
定の階層まで、伸縮ポスト、クレーン架台、クレ
ーン部を別体となして搬送させ、例えばベランダ
と天井スラブに伸縮ポストを設置し、中空ポスト
内にジヤツキをセツトして内部中空ポストを天井
スラブに密着して半固定状態となし、伸縮ポスト
にクレーン架台とクレーン部との所定の部位を嵌
合させて組み立てするものである。

次に、ウインチを電源に接続してクレーン部の
吊下安定杆の下面にフツクに荷物を吊下させてワ
イヤロープをウインチに巻込み、巻戻しながら荷
役作業をなすものであり、吊下安定杆のために昇
降中のワイヤロープが回転したり、荷物が傾斜し
たりすることなく、荷物を常に安定した状態に保
持しながら作業を成し得るものである。

(3) 実施例 以下、添付図面を引例しながら、本発明の好適
な実施例を説明する。

第１図には、本発明の実施例に係る組立式小型
クレーンが示されている。

図において、組立式小型クレーンＡは伸縮ポス
トと、クレーン架台Ｂと、クレーン部Ｃとで組設
されている。

第２図乃至第４図に示す様に、前記伸縮ポスト
Ａは、角型の中空ポスト４と、この中空ポスト４
内に嵌合された内部中空ポスト４′と、前記中空
ポスト４の両側面に水平に装架された上下架台支
持筒７，７′と、中空ポスト４内に挿入され内部
中空ポスト４′の下端に当接して内部中空ポスト
４′とを上方へスライドさせるためのジヤツキ１
０とを備えている。

前記ジヤツキ１０を作動させることにより内部
中空ポスト４′は上方へスライドするものである。

前記中空ポスト４は、ベース板１の上面に立設
された右前後支柱２，２と、左前後支柱２′，
２′と、この各支柱の上端に連設された前後横杆
３，３と、左右横杆３′，３′とで形成され、前記
中空ポスト４の前後面の中間位置には上下補強杆
５，５が連設されると共に両側面の下部位置には
複数の受杆５′が連設されている。

前記中空ポスト４に嵌合された内部中空ポスト
４′は上端に受板６が固定されている。

前記上下補強杆５や受杆５′に台盤９を支架さ
せ、この台盤９の上面にジヤツキ１０を設置する
ものである。

前記上下架台支持筒７，７′は内面両端部に固
定されたガイド８，８′が左右の前後支柱２，
２′に嵌合されて上下にスライドし得るものであ
る。

第１図、第３図、第４図に示す様に、前記クレ
ーン架台Ｂは、前記伸縮ポストＡの両側面に装架
させた上下架台支持筒７，７′に嵌挿し得る左右
一対の下部腕杆１１，１１と、上部腕杆１１′，
１１′と、この上下腕杆の端部に連設された左右
竪杆１２，１２′と、前記下部腕杆１１，１１に
延長連設され先端にクレーン支柱に嵌着するため
の嵌合筒１５が固定された下部台枠１３と、前記
左右竪杆１２，１２′の上端に嵌着するための嵌
合筒１６，１６′より延長連設され先端にクレー
ン支柱に嵌着するための嵌合筒１５′が固定され
た上部台枠１３′とを備えている。

前記下部台枠１３の下面にはベランダ等の外面
に係着して位置を設定するための係止杆１４が垂
下され、上下腕杆１１，１１′は上下架台支持筒
７，７′との相互に連通するボルト孔をボルトで
係止する様になしている。

第１図に示す様に、前記クレーン部Ｃは、クレ
ーン架台Ｂの上下台枠１３′，１３の先端の嵌合
筒１５，１５′に嵌着し得るクレーン支柱１７と、
このクレーン支柱１７の外面上部位置に枢着され
クレーン支柱１７の下部位置に枢支された方杖杆
１９の上端に調整自在に支架された管状腕杆１８
と、この管状腕杆１８に嵌挿されたへ型腕杆１
８′と、前記クレーン支柱１７の内面下部位置に
設定された台板２２に設置されたウインチ２３と
を備えている。

前記方杖杆１９の上端は管状腕杆１８の下面に
設けた取付部２０にピンで角度調整自在に係止さ
れ、同時に方杖杆１９は管状腕杆１８の基部より
突設された腕杆２１のＵ型部に嵌合されＵ型部の
ボルトピンに受着されている。

クレーン支柱１７の内面上端部には滑車２５
が、へ型腕杆１８′の上面両端には滑車２５′，２
５′がそれぞれ設けられている。

前記組立式小型クレーンにおいて、前記クレー
ン部Ｃは、ウインチ２３よりクレーン支柱１７の
滑車２５、へ型腕杆１８′の滑車２５′，２５′へ
通系されへ型腕杆１８′の先端部を下方へ周回し
て下面に係止されたワイヤロープ２４と、前記周
回部のワイヤロープ２４を水平に通係させるため
上面両端に滑車２５″，２５″を設けると共に下面
両端に荷物を吊下させるためのフツク２９，２９
を設けた吊下安定板２６とを備えている。

そして、高層ビルの所定の階層まで、伸縮ポス
トＡ、クレーン架台Ｂ、クレーン部Ｃを別体とな
して搬送させ、例えばベランダ２７と天井スラブ
２８に伸縮ポストＡを設置し、中空ポスト４内に
ジヤツキ１０をセツトして内部中空ポスト４′を
天井スラブ２８に密着して半固定状態となし、伸
縮ポストＡにクレーン架台Ｂとクレーン部Ｃとの
所定の部位を嵌合させて組み立てするものであ
る。

次に、ウインチ２３を電源に接続してクレーン
部Ｃの吊下安定杆２６の下面のフツク２９，２９
に荷物３０を吊下させてワイヤロープ２４をウイ
ンチ２３に巻き込み、巻き戻しながら荷役作業を
なすものであり、吊下安定杆２６のために昇降中
のワイヤロープ２４が回転したり、傾斜したりす
ることなく、荷物３０を常に安定した状態に保持
しながら作業を遂行しうるものである。

発明の効果 以上、説明した様に本発明は、伸縮ポストと、
クレーン架台と、クレーン部とを組立、分解自在
に構成した小型クレーンにおいて、クレーン部の
腕杆にそつて延長垂下させたワイヤロープを腕杆
の先端部を周回して腕杆の下面に係止させ、この
ワイヤロープに吊下安定杆を係装させたことによ
り、吊下安定杆に荷物を吊下した時に吊下安定杆
が常に水平に保持されながら安定した状態で揚
げ、降しをなし、ワイヤロープが回転することも
なく、荷役作業中に荷物の落下もなく、安全に作
業を成し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る組立式小型クレ
ーンの右側面図、第２図はその一部を切欠した正
面図、第３図はそのＡ−Ａ線拡大断面図、第４図
は同じくＢ−Ｂ線拡大断面図である。 ４……中空ポスト、４′……内部中空ポスト、
７，７′……架台支持筒、１０……ジヤツキ、１
３，１３′……上下台枠、１７……クレーン支柱、
１８……杆状腕杆、１８′……へ型腕杆、２３…
…ウインチ、２４……ワイヤロープ、２５，２
５′，２５″……滑車、２６……吊下安定杆、２９
……フツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 適当高幅の中空ポストと、この中空ポスト内
   に上下摺動自在に嵌合された内部中空ポストと、
   前記中空ポストの両側面に上下スライド可能に装
   架された上下架台支持筒と、前記中空ポスト内な
   着脱自在に挿入され内部中空ポストの下端に当接
   して内部中空ポストを上方へスライドさせるため
   のジヤツキと、を備えた伸縮ポストと、 前記伸縮ポストの上下架台支持筒に嵌挿し得る
   左右一対の上下腕杆と、この上下腕杆に連設され
   た左右竪杆と、前記下部腕杆に延長連設され先端
   にクレーン支柱の嵌合筒が固定された下部台枠
   と、前記左右竪杆の上端に嵌着され先端にクレー
   ン支柱の嵌合筒が固定された上部台枠と、を備え
   たクレーン架台と、 前記クレーン架台の上下台枠の嵌合筒に嵌着し
   得るクレーン支柱と、このクレーン支柱の外面上
   部位置に枢着されクレーン支柱の下部位置に枢支
   された方杖杆に傾斜調整自在に支架された管状腕
   杆と、この管状腕杆に伸縮自在に嵌挿されたへ型
   腕杆と、前記クレーン支柱の内面下部位置に突設
   された台板に設置されたウインチと、を備えたク
   レーン部と、を組立、分解自在に構成した組立式
   小型クレーンにおいて、 前記クレーン部は、前記ウインチよりへ型腕杆
   の上面へ延長されへ型腕杆の先端部を下方へと周
   回してへ型腕杆の下面に係止されたワイヤロープ
   と、 このワイヤロープの周回部に水平に通係され下
   面両端に一対のフツクを設けた吊下安定杆とを備
   え、 前記クレーン部のウインチでワイヤロープを巻
   き込み、巻き戻しする時に吊下安定杆を水平に保
   持しつつ吊下安定杆に吊下させた荷物を安定した
   状態で昇降させることを特徴とする組立式小型ク
   レーン。