JPH0416243B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、棒材その他の圧延機のための圧延ユ
ニツトに関する。更に詳しくは、ローラー及びそ
の支持体を含むケーシングと、ベアリングと、油
回路を乳剤回路から分離するシール材とを含む型
式の圧延ユニツトに関する。

［従来の技術］ この型式の圧延ユニツトは、一般に他のユニツ
トと並べて架台上にのせられ、通常、噛み合いク
ラツチを経由して駆動体からその作動が与えられ
る。駆動体は、圧延列に占める各ユニツトの位置
に従い前もつて正確にセツトされた回転数で、各
ユニツトが動作を受けるように構成されている。

該ユニツトは、一般に、互いに120゜の角度で配
置された軸を有する三個のローラーを含み、その
中の二個のローラーは第二のローラーであり、残
りは主ローラーである。主ローラーはクラツチを
介して駆動体により駆動される軸に取付けられて
おり、この軸の動作は傘歯車列を介して第二ロー
ラーの軸に伝えられる。

この型式の圧延ユニツトは、例えば英国特許第
1202792号に述べられている。

主軸は、ケーシングから突出して駆動体と噛み
合つており、ケーシングにあけられた穴の中に収
容されているベアリングに支持されている。この
ような圧延ユニツトにおいて、ローラーは下記の
ような手順で組立てられるものである。

まず、主ローラーの組立てについて説明する。
まず、主軸のクラツチエンドにおいて主軸と傘歯
車及びベアリングを組み合わせ、次いで主軸をケ
ーシング内へ部分的に挿入する。その後各ローラ
ーを開口部を通して、軸に対して径方向にケーシ
ング内に降ろし、主軸上をスライドさせて、主軸
と組合わせた後、主軸をその取付位置に押し込
む。次いで、第二ベアリング、第二傘歯車及び固
定部材を、クラツチから離れた位置、即ちクラツ
チと反対側にあけられた穴を通して挿入する。

次に、二個の第二ローラーについて説明する。
まず第二ローラーと各々の傘歯車を、ボツクスに
形成された穴に設置されたベアリングに支持され
た各軸に取付ける。次に、該ボツクスを、ケーシ
ングに特別に形成された座部内に挿設し、ネジに
よつてケーシングに固定する。

従つて、この型式の圧延ユニツトは、比較的困
難で時間のかかる組立て操作を必要とする。これ
は、ローラーの度盛り調整についていくつかの制
約を生じさせている。ここでローラーの度盛り調
整とは、圧延される金属と接触するローラーの表
面を、理論上の圧延軸前方を一点に集中させかつ
計算によつてあらかじめ与えられたものと完全に
同じ圧延断面を区画するように配置するために微
細位置調整することをいう。

上述の型式の圧延ユニツトは、主ローラーは固
定して設けられており、軸方向にも径方向にも調
整することはできない。二個の第二ローラーは、
ベアリングとボツクスの間並びにボツクスとケー
シングの間にシムを挟むことにより、軸方向にも
径方向にも調整できる。しかしながら、軸方向の
調整には、最初に一応のセツトをし、計測をした
後、分解し、シムを入れ替えて、最終的組立てを
行なうという手順が必要となる。径方向の調整
は、複雑さこそ少ないが、同じように長つたらし
い分解手順が必要である。換言すれば、上記の型
式の圧延ユニツトには、調整が必要となつた場合
にいくつかの重大な不都合があるものである。

米国特許第3987657号明細書には、第二のロー
ラーの軸方向調整のための複雑性を軽減した仕組
がすでに提案されており、これによれば、ローラ
ーの分解を必要とせずに圧延ユニツトの外側から
調整することが可能である。該明細書において、
第二ローラーは円筒状の台に設置される。この円
筒状の台は、軸方向に移動可能であり、その円周
上にねじが形成されている。このねじは外部の伝
動手段の回転により、各ローラーの軸方向の変位
を発生させるリング材と噛み合う。即ち、外部の
伝動手段を回転すれば、円筒状の台と共に第二ロ
ーラーが軸方向に移動し、外部より第二ローラー
の軸方向の調整が可能となる。径方向の調整は、
シムの挿入によつて得られるため、操作は比較的
に複雑である。

この試みは、第二ローラーの軸方向の調整能力
に関しては明らかに有利な点があるものの、特に
主軸および主ローラーの組立ての困難性を完全に
解決しておらず、組立てと手入れにやはり長い時
間を要する。

上記した困難性は、最初の組立て時だけのもの
ではなく、すりへつたローラーやベアリングの取
り換えが必要になつた場合等においても問題とな
ることを考慮に入れておくべきである。ある場合
にはローラーの寿命が数日に限られているので、
数日の間隔でこの取り換え作業が票要となること
もあろう。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の第一の目的は、ローラーの組立てと手
入れとを容易かつ速やかならしめると共に、すべ
てのローラーの調整を可能にした、棒材その他の
圧延機のための圧延ユニツトを提供することであ
る。

本発明の別の目的は、すりへつたローラーの取
り換えを容易ならしめ、この取り換えが傘歯車お
よびベアリングのいずれをも分解することなく行
なうことのできる、圧延ユニツトを提供すること
である。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的は、ローラー及びそれぞれの支持体
を含むケーシングと、ベアリングと、油回路を乳
剤回路から分離するシール材とから成り、ローラ
ーはその軸が互いに120゜の角ごとに配置され、こ
れらローラーの一個は噛み合いクラツチを経由し
て駆動体によつて回転される、棒材その他の圧延
機のための圧延ユニツトであり、主ローラーが本
ユニツトのケーシングに取り外し可能に位置され
たボツクス上に支持され、このボツクスは少なく
とも主ローラーの軸の方向へケーシング上で調整
可能であり、主ローラーは、駆動体によつて駆動
されるカプリング軸と、軸方向へスライド可能な
状態で噛み合うことを特徴とする圧延ユニツトに
よつて達成される。

［作用］ 本発明の特徴は、ボツクスがケーシング上に取
り外し可能に配置されているため、主ローラーは
主軸および傘歯車とともに組立てることが可能な
ことであり、最終的に、ローラーを正確に調整し
た位置に設定できる。

特に好ましい本発明の具体例では、すべてのロ
ーラーは調整可能なボツクス上にのせられ、これ
によつて完全な調整可能性を与えている。この調
整は、外部より制御されるカム手段、またはシム
もしくはくさびを用いて実施され得る。

更に別の好ましい本発明の具体例によれば、ロ
ーラーは、二個の部品により構成されるものであ
る。即ち、各ローラーは、それぞれの駆動軸に取
り付け可能な鋼製のハブと、圧延外形を有し、ハ
ブに取り外し可能に連結された特殊材料の外周リ
ングとから成るものであつてもよい。かくして、
すりへつたローラーの取り換えは、ベアリング及
び傘歯車を取り去ることなく、外周リングを取り
換えるだけで、極めて短い時間で行なうことがで
きる。

本発明のその他の特色および利点は、以下に述
べる好ましい具体例の説明からより明らかとなる
であろう。

［実施例］ 図面を参照しつつ説明すると、本発明に係る圧
延ユニツト１は、一体の鋳造物又は熔接された金
属板構造物であるケーシング２を包含し、このケ
ーシング２は、それぞれの軸６，７，８上に互い
に中心軸が120゜の角度となるよう配置された三個
のローラー３，４，５を収容している。主ローラ
ー３は、後述する駆動体９からその作動が与えら
れるもので、第二ローラー４，５は、主軸６及び
二次軸７，８の各々取付けられた対をなす傘歯車
１０，１１を経由してその作動を与えられるもの
である。

主軸６は、キヤツプ１４及びねじ１５によつて
ボツクス１２に固定されているベアリング１３を
介してボツクス１２内に支持されている。ボツク
ス１２は、圧延ユニツト１のケーシング２上に取
り外し可能に配置されているもので、ボツクス１
２は、特に、主ローラー３の軸方向へ移動調整可
能なものとなつている。即ち、ボツクス１２は、
ケーシング２の肩部１６上に配置されており、肩
部１６間に形成された開口部１７内に十分な水平
方向の余裕をもつて収容されている。肩部１６に
は位置ぎめピン１８が噛み合い、このピン１８
は、主ローラー３の軸心に平行に延びるボツクス
１２中の座部１９内で、その軸心方向に移動可能
である。ボツクス１２の外側には、ピン１８に対
して直角でボツクス１２の外側からピン１８まで
到達し得るよう調整シヤフト２２が配置され、こ
の調整軸２２の偏心端２１がピン１８の横断座部
２０内に接している。

適当な工具によつてこの軸２２を回転させる
と、その結果ピン１８が軸方向に移動されて、主
ローラー３の軸心方向にボツクス１２がケーシン
グ２に対して調整されることになり、これによつ
て主ローラー３はそれ自体の軸心方向に調整され
る。一旦この調整が完了すれば、ボツクス１２は
ねじ２３でケーシング２に固定することができ
る。

上記の調整は、ベアリング２５を介してケーシ
ング２に回転可能に支持されかつその両末端にそ
れぞれ噛み合いクラツチ２６，２７を有するカプ
リング軸２４を、主軸６と駆動体９との間に設け
ることによつて可能となる。噛み合いクラツチ２
６には、主軸６の歯形端末２８が、軸心方向にす
べりを生じる余裕をもつて噛み合わされており、
クラツチ２７は駆動体９の作動部材２９によつて
回転できるように噛み合わされている。

第１図、第２図に示すごとく、主ローラー３は
二個の部材により形成されていることが好まし
い。これらは、軸６にキー止めされた鋼製ハブ３
０と、特殊の材料でできている外周リング３１と
であり、この外周リング３１は、圧延外形を有
し、締め付け円盤３２によりハブ３０に取外しで
きるように取り付けてある。

主ローラー３の組立ては、まず主ローラーをベ
アリング１３および傘歯車１０と共に主軸６に設
置し、次いでこの組み立て物全体をケーシング２
内に収めると同時に、歯形端末２８をカプリング
軸２４に挿入し、キヤツプ１４とボツクス１２を
第２図で矢印で示すように設置し、ボツクス１２
をケーシング２上の定位置に固定することにより
容易なものとなる。また、ボツクス１２ごと取り
外すことにより、ベアリング１３および傘歯車１
０に何らの妨げも与えることなく、外周リング３
１の取り換えがより容易になる。

勿論第１図にも示されるように、第二ローラー
４，５も、主ローラー３同様に、二個の部材より
なる構造であつてもよく、また、ボツクス１２に
ついて説明したものと同じ型式の調整手段を伴な
つた同じ型式のボツクス内に支持されて、それぞ
れの軸心方向へ調整可能としてもよい。

圧延ユニツト１は、もちろん主軸と主ローラー
とを、上部ではなくて下部に配置することができ
る。より詳細には、本発明に係る圧延ユニツトで
構成される圧延機においては、その主ローラーを
底部に有するユニツトと、その主ローラーを頂部
に有するユニツトとが、第４図に示されるごとく
交互に設置されていることが好ましい。本発明の
ユニツトと圧延機は、鉛、アルミニウム、銅、及
びそれぞれの合金、ならびに鉄材で作られた圧延
ワイヤロツド、棒、及びパイプに特に有用であ
る。

尚、径方向、即ち圧延軸心に対して直角方向の
調整は、主ローラー用のクラツチ２６のバツクラ
ツシユを無理なく受け入れるように、それぞれの
ボツクスとケーシング２との間にシムを置くか、
軸心方向の調整に関して説明したものと同じ型式
の調整軸構成によるなどによつて、可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る圧延ユニツトの圧延軸に
垂直方向の断面図で、特に主ローラーの取付構造
を示す図、第２図は組立前の分解された状態にあ
る主ローラーの支持構造を示す図、第３図は軸方
向調整手段の詳細図、第４図は本発明に係る複数
の圧延ユニツトを並べた圧延機を示す図である。 １：圧延ユニツト、２：ケーシング、３：主ロ
ーラー、４，５：第二ローラー、６：主軸、７，
８：第二軸、９：駆動体、１０，１１：傘歯車、
１２：ボツクス、１３：ベアリング、１４：キヤ
ツプ、１５：ねじ、１６：肩部、１７：開口部、
１８：ピン、１９：座部、２０：横断座部、２
１：偏心端、２２：調整軸、２３：ねじ、２４：
カプリング軸、２５：ベアリング、２６，２７：
噛み合いクラツチ、２８：歯形端末、２９：作動
部材、３０：ハブ、３１：外周リング、３２：締
め付け円盤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ローラー及びそれぞれの支持体を含むケーシ
   ングと、ベアリングと、油回路を乳剤回路から分
   離するシール材とから成り、ローラーはその軸が
   互いに120゜の角度で配置され、これらローラーの
   一個は噛み合いクラツチを経由して駆動体によつ
   て回転される、棒材その他の圧延機のための圧延
   ユニツトであり、主ローラーが該圧延ユニツトの
   ケーシングに取り外し可能に位置されたボツクス
   上に支持され、このボツクスは少なくとも主ロー
   ラーの軸の方向へケーシング上で調整可能であ
   り、主ローラーは、駆動体によつて駆動されるカ
   プリング軸と、軸心方向へスライド可能な状態で
   噛み合うことを特徴とする圧延ユニツト。 ２ 主ローラーの軸とカプリング軸には、相互に
   噛み合い回転するための噛み合いクラツチが端部
   に設けられていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の圧延ユニツト。 ３ ボツクスが圧延軸心に関して径方向でかつ軸
   心方向にすべらせることができるようケーシング
   に取りつけることができるものであることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項または第２項記載の
   圧延ユニツト。 ４ ボツクスがケーシング上の二個の肩部に支持
   され、かつその一部が肩部間に形成された開口部
   に余裕をもつて収容され、肩部は、ボツクスに支
   持されるローラーの軸心と平行に延びるボツクス
   内の座部に収容された調整ピンと噛み合い、調整
   ピンは、ボツクスをローラー軸心の方向へ調整で
   きるように軸方向へ移動可能であり、かつ座部に
   固着可能であることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項ないし第３項のいずれかに記載の圧延ユニ
   ツト。 ５ 位置きめピンが、当該ピンに関して直角に延
   びる調整軸の偏心端と噛み合わされた横断座部を
   有し、ボツクスに支持されたローラーを軸心方向
   へ調整するために、ボツクスの外側から操作でき
   るようになつていることを特徴とする特許請求の
   範囲第４項記載の圧延ユニツト。 ６ すべてのローラーが、それぞれのローラーの
   軸心の方向へケーシングに対して調整可能なそれ
   ぞれのボツクス上に支持されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項ないし第５項のいずれ
   かに記載の圧延ユニツト。 ７ ボツクスが径方向、即ち圧延軸に直角方向に
   ケーシング上で調整可能であることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項ないし第６項のいずれかに
   記載の圧延ユニツト。 ８ すべてのローラーが、ローラー軸に締め付け
   られたハブと、特殊の材料でできている外周リン
   グとの二個の部品により形成され、バブに取り外
   し可能に固定されていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項ないし第７項のいずれかに記載の
   圧延ユニツト。