JPH04162207A - 反強磁性薄膜およびこれを用いた磁気抵抗効果素子 - Google Patents
反強磁性薄膜およびこれを用いた磁気抵抗効果素子Info
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- JPH04162207A JPH04162207A JP28700090A JP28700090A JPH04162207A JP H04162207 A JPH04162207 A JP H04162207A JP 28700090 A JP28700090 A JP 28700090A JP 28700090 A JP28700090 A JP 28700090A JP H04162207 A JPH04162207 A JP H04162207A
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- Magnetic Heads (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
本発明は高い耐食性を有する反強磁性薄膜に関し、特に
磁気ディスク装置などに用いる再生用磁気ヘッドにおけ
る磁気抵抗効果素子のバルクハウゼンノイズを抑止する
ために用いる反強磁性薄膜に関する。
磁気ディスク装置などに用いる再生用磁気ヘッドにおけ
る磁気抵抗効果素子のバルクハウゼンノイズを抑止する
ために用いる反強磁性薄膜に関する。
パーマロイを用いた磁気抵抗効果素子のバルクハウゼン
ノイズを抑制するために、特開昭62−40610に記
載されているように、パーマロイ薄膜に反強磁性薄膜を
接触させ1反強磁性薄膜からのバイアス磁界によってパ
ーマロイの磁壁移動を抑止する方法が行われている。現
在、反強磁性材料としては、F e −M n系合金が
用いられている、 しかし、Fe−Mn系合金の耐食性は悪く、上記方法の
適用を困難にしていた。そこで、Fe−M n系合金の
耐食性を改善するために、特開平1−213819に記
載されているように、Fe−M n系合金にTi、Rh
、Crを添加し、耐食性を改善してきた。
ノイズを抑制するために、特開昭62−40610に記
載されているように、パーマロイ薄膜に反強磁性薄膜を
接触させ1反強磁性薄膜からのバイアス磁界によってパ
ーマロイの磁壁移動を抑止する方法が行われている。現
在、反強磁性材料としては、F e −M n系合金が
用いられている、 しかし、Fe−Mn系合金の耐食性は悪く、上記方法の
適用を困難にしていた。そこで、Fe−M n系合金の
耐食性を改善するために、特開平1−213819に記
載されているように、Fe−M n系合金にTi、Rh
、Crを添加し、耐食性を改善してきた。
しかし、Fe−Mn系合金にTi、Rh、Crを添加し
た合金薄膜の耐食性は、まだ不十分であり、さらに、耐
食性を改善することが望まれている。 本発明の目的は、上述のFeMn系合金の耐食性を、F
e−Mn系合金にTi、Rh、Crを添加した合金薄膜
以上に改善し、実用に適した反強磁性薄膜を提供するこ
とにある。 【課題を解決するための手段1 本発明者等は、Fe−Mn系合金に種々の元素を添加し
た合金薄膜について鋭意研究を重ねた結果、F e −
M n系合金にIrを添加すると著しく耐食性が向上す
ることを明らかにした。また、上記合金のIrの濃度を
4〜15原子%とすることにより、耐食性に優れ、バイ
アス磁界の大きい反強磁性薄膜を得ることができる。上
記Fe−Mn−Ir系合金に、Ru、Rh、Ptから選
ばれる1種以上の添加元素を添加し、上記添加元素とI
rの合計が4〜15原子%とすることにより、さらに耐
食性に優れ、バイアス磁界の大きい反強磁性薄膜を得る
ことができる。さらに、上記の反強磁性薄膜にTi、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Ni、C
uを0.1〜2原子%添加することにより、さらに耐食
性の優れた反強磁性薄膜を得ることができる。また、上
記合金薄膜を磁気抵抗効果素子の少なくとも一部に用い
ることにより、バルクハウゼンノイズのない磁気抵抗効
果素子を得ることができる。さらに、上記磁気抵抗効果
素子を磁気ヘッドの少なくとも一部に用いることにより
、バルクハウゼンノイズのない高感度磁気ヘッドを得る
ことができる。 【作用1 上述のように、Fe−Mn系合金にIr’を添加すると
著しく耐食性が向上する。また、上記合金のIrの濃度
を4〜15原子%とすることにより、耐食性に優れ、バ
イアス磁界の大きい反強磁性薄膜を得ることができる。 上記Fe−Mn−Ir系合金に、Ru、Rh、Ptから
選ばれる1種以上の添加元素を添加し、上記添加元素と
Irの合計が4〜15原子%とすることにより、さらに
耐食性に優れ、バイアス磁界の大きい反強磁性薄膜を得
ることができる。さらに、上記の反強磁性薄膜にTi、
Zr、Hf、V−Nb、Ta5Cr、MO2W、Ni、
Cuを0.1〜2原子%添加することにより、さらに耐
食性の優れた反強磁性薄膜を得ることができる。また、
上記合金薄膜を磁気抵抗効果素子の少なくとも一部に用
いることにより、バルクハウゼンノイズのない磁気抵抗
効果素子を得ることができる。さらに、上記磁気抵抗効
果素子を磁気ヘッドの少なくとも一部に用いることによ
り、バルクハウゼンノイズのない高感度磁気ヘッドを得
ることができる。 【実施例] 以下に本発明の一実施例を挙げ、図表を参照しながらさ
らに具体的に説明する。 [実施例1] 反強磁性薄膜およびパーマロイ薄膜の作製にはイオンビ
ーム・スパッタリング装置を用いた。スパッタリングは
以下の条件で行った。 イオンガス・・・Ar 装置内Arガス圧力・・・2.5X1002Pa蒸着用
イオンガン加速電圧・・・400v蒸着用イオンガンイ
オン電流・・・60mAターゲット基板間距離・・・1
27mm基板にはコーニング社製7059ガラスを用い
た。まず、基板上に、膜厚40nmのパーマロイ薄膜を
形成し、その上に、従来例の膜厚50nmのFe−Mn
系合金薄膜およびF e −M n系合金にTi、Rh
、Crを添加した合金薄膜1本発明のF e −M n
系合金にIrを添加した合金薄膜を形成した。 形成した薄膜を温度60℃、湿度90%の環境に7日間
置き、その耐食性を比較した。耐食性は、耐食性試験前
のF e −M n系合金よりパーマロイ薄膜に印加さ
れるバイアス磁界と、試験後のバイアス磁界との比よっ
て評価した。この比が1.0の時に、上記恒温恒湿試験
を行なっても、バイアス磁界が変化しないことを示す。 また、この比が0の時、上記恒温恒湿試験により、Fe
−Mn系合金薄膜が完全に腐食して、バイアス磁界が消
失したことを、示す。 第1図に、添加したIr濃度と試験前後のバイアス磁界
の比との関係を示す。この図のように、Ir濃度が0%
、すなわち、Irを添加していないFe−Mn系合金は
、耐食性が悪く、恒温恒湿試験によって、バイアス磁界
は30%程度に減少している。これに対し、Irを0.
1原子%以上添加すると、耐食性は向上する。また、I
rを4原子%以上添加した合金薄膜は、全く腐食せず。 パーマロイに印加されるバイアス磁界の変化がない。 以上の結果から、Fe−Mn系合金にIrを添加した合
金は、Irを添加しない合金に比べて、優れた耐食性を
示すことがわかった。また、第1図のように、特開平1
−213819に記載の、Ti、Rh、Crを添加した
合金よりも、Irを添加した合金の方が、少ない添加量
で耐食性を改善できる。 なお、上記のF e −M n系合金のFeとMnの組
成比は約5:4であるが、Fe−Mn系合金が反強磁性
を示す限り、FeとMnの組成比が変化しても、上記の
添加元素による耐食性の向上は、上記実施例と同様とな
る。 また、本実施例では、パーマロイ合金薄膜の上にFe−
Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn系合金が反強
磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成の前にFe−
Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と同様の効果が
ある。 また、本実施例では、薄膜の形成にイオンビームスパッ
タリング法を用いたが、高周波スパッタリング法、直流
スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形成法を用いて
も同様の結果が得られる。 [実施例2コ 実施例1と同様の方法で、Fe−Mn−Ir/パーマロ
イ薄膜を作製した。Fe−Mn系合金よりパーマロイ薄
膜に印加されるバイアス磁界と添加したIr元素濃度の
関係を第2図に示す。同図のように、Fe−Mn系合金
にIrを添加すると、バイアス磁界は減少する。Ir濃
度を15原子%以下にすると、50e以上のバイアス磁
界が得られる。実施例1では、Irを4原子%以上添加
すると良好な耐食性を示すことを示した。従って、良好
な耐食性および50 e以上のバイアス磁界を同時に得
るためには、Ir濃度を4〜15原子%とすることが好
ましい。 また、第2図のように、100e以上のバイアス磁界を
得るためには、Ir濃度を11原子%以下にする必要が
ある。従って、良好な耐食性および100e以上のバイ
アス磁界を同時に得るためには、Ir濃度を4〜11原
子%とすることが好ましい。 また、第2図のように、150e以上のバイアス磁界を
得るためには、Ir濃度を7.5原子%以下にする必要
がある。従って、良好な耐食性および150e以上のバ
イアス磁界を同時に得るためには、Ir濃度を4〜7.
5原子%とすることが好ましい。 なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜の上にFe−
Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−M n系合金が反
強磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成の前にFe
−Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と同様の効果
がある。 また、本実施例では、薄膜の形成にイオンビームスパッ
タリング法を用いたが、高周波スパッタリング法、直流
スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形成法を用いて
も同様の結果が得られる。 [実施例3コ 実施例1と同様の方法で、パーマロイ合金薄膜上に、F
e−Mn−Ir系合金にRu、Rh。 Ptを添加した合金薄膜を形成した。Ir濃度は、7.
5原子%、Ru、Rh、Pt濃度は3.O原子%とした
。また、比較例として、パーマロイ薄膜上に、Irを1
0.5原子%添加したFe−Mn−Ir系合金薄膜を形
成した。 形成した薄膜を温度60℃、湿度90%の環境に14日
間置き、その耐食性を比較した。耐食性は、耐食性試験
前のFe−Mn系合金よりパーマロイ薄膜に印加される
バイアス磁界と、試験後のバイアス磁界との比よって評
価した。 添加元素と試験前後のバイアス磁界の比との関係を第1
表に示す。添加元素欄にIrと記載しである結果は、I
rを10.5原子%添加した時の結果である。 第1表に示すごとく、Ru、Rh、Ptを添加すること
により、耐食性がさらに向上する。また、Ru、Rh−
Ptの添加によるバイアス磁界の減少は、Ir添加の時
とほぼ同様であるため、良好な耐食性および50e以上
のバイアス磁界を同時に得るためには、Irと添加元素
の合計の濃度を4〜15原子%とすることが好ましい。 また、良好な耐食性および100e以上のバイアス磁界
を同時に得るためには、Irと添加元素の合計の濃度を
4〜11原子%とすることが好ましい。また、良好な耐
食性および150e以上のバイアス磁界を同時に得るた
めには、Irと添加元素の合計の濃度を4〜7.5IJ
K子%とすることが好ましい。 なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜の上にFe−
Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn系合金が反強
磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成の前にFa−
Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と同様の効果が
ある。 また、本実施例では、薄膜の形成にイオンビームスパッ
タリング法を用いたが、高周波スパッタリング法、直流
スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形成法を用いて
も同様の結果が得られる。 [実施例4] 実施例1と同様の方法で、パーマロイ合金薄膜上に、F
e−Mn−Ir系合金にTi、Zr、Hf、■、Nb、
Ta、Cr−Mo、W、Ni、Cuを添加した合金薄膜
を形成した。Ir濃度は、7.5原子%、添加元素濃度
は2原子%とした。 形成した薄膜を温度60℃、湿度90%の環境に14日
間置き、その耐食性を比較した。耐食性は、耐食性試験
前のFe−Mn系合金よりパーマロイ薄膜に印加される
バイアス磁界と、試験後のバイアス磁界との比よって評
価した。 添加元素と試験前後のバイアス磁界の比との間第2表 第1表に示すごと<、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Cr、Mo、W、Ni、Cuを添加することにより
、耐食性がさらに向上する。また、添加元素濃度が0.
1原子%以上において、上記添加元素の効果が生じる。 また、添加元素濃度を2原子%より多くしても、添加元
素濃度2原子%の時と耐食性はほぼ同等である。バイア
ス磁界は、添加元素量にほぼ比例して減少する。以上の
結果より、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W、Ni、Cuの添加量は0.1〜27!子%が
好ましい。 なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜の上にFe−
Mn系合金薄膜を形成したが、Fa−Mn系合金が反強
磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成の前にFe−
Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と同様の効果が
ある。 また、本実施例では、薄膜の形成にイオンビームスパッ
タリング法を用いたが、高周波スパッタリング法、直流
スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形成法を用いて
も同様の結果が得られる。 [実施例5コ 実施例1〜4で論じたFe−Mn系合金/パーマロイ薄
膜を用いて、磁気抵抗効果素子を作製した。磁気抵抗効
果素子の印加磁界による出力変化を調べたところ、バル
クハウゼンノイズのない磁気抵抗効果素子が得られたこ
とが確認された。 また、上記磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドには、
バルクハウゼンノイズによる再生波形の歪みは見られな
かった。 【発明の効果1 以上詳細に説明したごとく、Fe−Mn系合金にIrを
添加すると著しく耐食性が向上する。また、上記合金の
Irの濃度を4〜15原子%とすることにより、耐食性
に優れ、バイアス磁界の大きい反強磁性薄膜を得ること
ができる。上記Fe−Mn−Ir系合金に、Ru、Rh
、Ptから選ばれる1種以上の添加元素を添加し、上記
添加元素とIrの合計が4〜15原子%とすることによ
り、さらに耐食性に優れ、バイアス磁界の大きい反強磁
性薄膜を得ることができる。さらに、上記の反強磁性薄
膜にTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta−Cr、Mo、
W、Ni、Cuを0.1〜2原子%添加することにより
、さらに耐食性の優れた反強磁性薄膜を得ることができ
る。また、上記1、合金薄膜を磁気抵抗効果素子の少な
くとも一部に用いることにより、バルクハウゼンノイズ
のない磁気抵抗効果素子を得ることができる。さらに、
上記磁気抵抗効果素子を磁気ヘッドの少なくとも一部に
用いることにより、バルクハウゼンノイズのない高感度
磁気ヘッドを得ることができる。
た合金薄膜の耐食性は、まだ不十分であり、さらに、耐
食性を改善することが望まれている。 本発明の目的は、上述のFeMn系合金の耐食性を、F
e−Mn系合金にTi、Rh、Crを添加した合金薄膜
以上に改善し、実用に適した反強磁性薄膜を提供するこ
とにある。 【課題を解決するための手段1 本発明者等は、Fe−Mn系合金に種々の元素を添加し
た合金薄膜について鋭意研究を重ねた結果、F e −
M n系合金にIrを添加すると著しく耐食性が向上す
ることを明らかにした。また、上記合金のIrの濃度を
4〜15原子%とすることにより、耐食性に優れ、バイ
アス磁界の大きい反強磁性薄膜を得ることができる。上
記Fe−Mn−Ir系合金に、Ru、Rh、Ptから選
ばれる1種以上の添加元素を添加し、上記添加元素とI
rの合計が4〜15原子%とすることにより、さらに耐
食性に優れ、バイアス磁界の大きい反強磁性薄膜を得る
ことができる。さらに、上記の反強磁性薄膜にTi、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Ni、C
uを0.1〜2原子%添加することにより、さらに耐食
性の優れた反強磁性薄膜を得ることができる。また、上
記合金薄膜を磁気抵抗効果素子の少なくとも一部に用い
ることにより、バルクハウゼンノイズのない磁気抵抗効
果素子を得ることができる。さらに、上記磁気抵抗効果
素子を磁気ヘッドの少なくとも一部に用いることにより
、バルクハウゼンノイズのない高感度磁気ヘッドを得る
ことができる。 【作用1 上述のように、Fe−Mn系合金にIr’を添加すると
著しく耐食性が向上する。また、上記合金のIrの濃度
を4〜15原子%とすることにより、耐食性に優れ、バ
イアス磁界の大きい反強磁性薄膜を得ることができる。 上記Fe−Mn−Ir系合金に、Ru、Rh、Ptから
選ばれる1種以上の添加元素を添加し、上記添加元素と
Irの合計が4〜15原子%とすることにより、さらに
耐食性に優れ、バイアス磁界の大きい反強磁性薄膜を得
ることができる。さらに、上記の反強磁性薄膜にTi、
Zr、Hf、V−Nb、Ta5Cr、MO2W、Ni、
Cuを0.1〜2原子%添加することにより、さらに耐
食性の優れた反強磁性薄膜を得ることができる。また、
上記合金薄膜を磁気抵抗効果素子の少なくとも一部に用
いることにより、バルクハウゼンノイズのない磁気抵抗
効果素子を得ることができる。さらに、上記磁気抵抗効
果素子を磁気ヘッドの少なくとも一部に用いることによ
り、バルクハウゼンノイズのない高感度磁気ヘッドを得
ることができる。 【実施例] 以下に本発明の一実施例を挙げ、図表を参照しながらさ
らに具体的に説明する。 [実施例1] 反強磁性薄膜およびパーマロイ薄膜の作製にはイオンビ
ーム・スパッタリング装置を用いた。スパッタリングは
以下の条件で行った。 イオンガス・・・Ar 装置内Arガス圧力・・・2.5X1002Pa蒸着用
イオンガン加速電圧・・・400v蒸着用イオンガンイ
オン電流・・・60mAターゲット基板間距離・・・1
27mm基板にはコーニング社製7059ガラスを用い
た。まず、基板上に、膜厚40nmのパーマロイ薄膜を
形成し、その上に、従来例の膜厚50nmのFe−Mn
系合金薄膜およびF e −M n系合金にTi、Rh
、Crを添加した合金薄膜1本発明のF e −M n
系合金にIrを添加した合金薄膜を形成した。 形成した薄膜を温度60℃、湿度90%の環境に7日間
置き、その耐食性を比較した。耐食性は、耐食性試験前
のF e −M n系合金よりパーマロイ薄膜に印加さ
れるバイアス磁界と、試験後のバイアス磁界との比よっ
て評価した。この比が1.0の時に、上記恒温恒湿試験
を行なっても、バイアス磁界が変化しないことを示す。 また、この比が0の時、上記恒温恒湿試験により、Fe
−Mn系合金薄膜が完全に腐食して、バイアス磁界が消
失したことを、示す。 第1図に、添加したIr濃度と試験前後のバイアス磁界
の比との関係を示す。この図のように、Ir濃度が0%
、すなわち、Irを添加していないFe−Mn系合金は
、耐食性が悪く、恒温恒湿試験によって、バイアス磁界
は30%程度に減少している。これに対し、Irを0.
1原子%以上添加すると、耐食性は向上する。また、I
rを4原子%以上添加した合金薄膜は、全く腐食せず。 パーマロイに印加されるバイアス磁界の変化がない。 以上の結果から、Fe−Mn系合金にIrを添加した合
金は、Irを添加しない合金に比べて、優れた耐食性を
示すことがわかった。また、第1図のように、特開平1
−213819に記載の、Ti、Rh、Crを添加した
合金よりも、Irを添加した合金の方が、少ない添加量
で耐食性を改善できる。 なお、上記のF e −M n系合金のFeとMnの組
成比は約5:4であるが、Fe−Mn系合金が反強磁性
を示す限り、FeとMnの組成比が変化しても、上記の
添加元素による耐食性の向上は、上記実施例と同様とな
る。 また、本実施例では、パーマロイ合金薄膜の上にFe−
Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn系合金が反強
磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成の前にFe−
Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と同様の効果が
ある。 また、本実施例では、薄膜の形成にイオンビームスパッ
タリング法を用いたが、高周波スパッタリング法、直流
スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形成法を用いて
も同様の結果が得られる。 [実施例2コ 実施例1と同様の方法で、Fe−Mn−Ir/パーマロ
イ薄膜を作製した。Fe−Mn系合金よりパーマロイ薄
膜に印加されるバイアス磁界と添加したIr元素濃度の
関係を第2図に示す。同図のように、Fe−Mn系合金
にIrを添加すると、バイアス磁界は減少する。Ir濃
度を15原子%以下にすると、50e以上のバイアス磁
界が得られる。実施例1では、Irを4原子%以上添加
すると良好な耐食性を示すことを示した。従って、良好
な耐食性および50 e以上のバイアス磁界を同時に得
るためには、Ir濃度を4〜15原子%とすることが好
ましい。 また、第2図のように、100e以上のバイアス磁界を
得るためには、Ir濃度を11原子%以下にする必要が
ある。従って、良好な耐食性および100e以上のバイ
アス磁界を同時に得るためには、Ir濃度を4〜11原
子%とすることが好ましい。 また、第2図のように、150e以上のバイアス磁界を
得るためには、Ir濃度を7.5原子%以下にする必要
がある。従って、良好な耐食性および150e以上のバ
イアス磁界を同時に得るためには、Ir濃度を4〜7.
5原子%とすることが好ましい。 なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜の上にFe−
Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−M n系合金が反
強磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成の前にFe
−Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と同様の効果
がある。 また、本実施例では、薄膜の形成にイオンビームスパッ
タリング法を用いたが、高周波スパッタリング法、直流
スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形成法を用いて
も同様の結果が得られる。 [実施例3コ 実施例1と同様の方法で、パーマロイ合金薄膜上に、F
e−Mn−Ir系合金にRu、Rh。 Ptを添加した合金薄膜を形成した。Ir濃度は、7.
5原子%、Ru、Rh、Pt濃度は3.O原子%とした
。また、比較例として、パーマロイ薄膜上に、Irを1
0.5原子%添加したFe−Mn−Ir系合金薄膜を形
成した。 形成した薄膜を温度60℃、湿度90%の環境に14日
間置き、その耐食性を比較した。耐食性は、耐食性試験
前のFe−Mn系合金よりパーマロイ薄膜に印加される
バイアス磁界と、試験後のバイアス磁界との比よって評
価した。 添加元素と試験前後のバイアス磁界の比との関係を第1
表に示す。添加元素欄にIrと記載しである結果は、I
rを10.5原子%添加した時の結果である。 第1表に示すごとく、Ru、Rh、Ptを添加すること
により、耐食性がさらに向上する。また、Ru、Rh−
Ptの添加によるバイアス磁界の減少は、Ir添加の時
とほぼ同様であるため、良好な耐食性および50e以上
のバイアス磁界を同時に得るためには、Irと添加元素
の合計の濃度を4〜15原子%とすることが好ましい。 また、良好な耐食性および100e以上のバイアス磁界
を同時に得るためには、Irと添加元素の合計の濃度を
4〜11原子%とすることが好ましい。また、良好な耐
食性および150e以上のバイアス磁界を同時に得るた
めには、Irと添加元素の合計の濃度を4〜7.5IJ
K子%とすることが好ましい。 なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜の上にFe−
Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn系合金が反強
磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成の前にFa−
Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と同様の効果が
ある。 また、本実施例では、薄膜の形成にイオンビームスパッ
タリング法を用いたが、高周波スパッタリング法、直流
スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形成法を用いて
も同様の結果が得られる。 [実施例4] 実施例1と同様の方法で、パーマロイ合金薄膜上に、F
e−Mn−Ir系合金にTi、Zr、Hf、■、Nb、
Ta、Cr−Mo、W、Ni、Cuを添加した合金薄膜
を形成した。Ir濃度は、7.5原子%、添加元素濃度
は2原子%とした。 形成した薄膜を温度60℃、湿度90%の環境に14日
間置き、その耐食性を比較した。耐食性は、耐食性試験
前のFe−Mn系合金よりパーマロイ薄膜に印加される
バイアス磁界と、試験後のバイアス磁界との比よって評
価した。 添加元素と試験前後のバイアス磁界の比との間第2表 第1表に示すごと<、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Cr、Mo、W、Ni、Cuを添加することにより
、耐食性がさらに向上する。また、添加元素濃度が0.
1原子%以上において、上記添加元素の効果が生じる。 また、添加元素濃度を2原子%より多くしても、添加元
素濃度2原子%の時と耐食性はほぼ同等である。バイア
ス磁界は、添加元素量にほぼ比例して減少する。以上の
結果より、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W、Ni、Cuの添加量は0.1〜27!子%が
好ましい。 なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜の上にFe−
Mn系合金薄膜を形成したが、Fa−Mn系合金が反強
磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成の前にFe−
Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と同様の効果が
ある。 また、本実施例では、薄膜の形成にイオンビームスパッ
タリング法を用いたが、高周波スパッタリング法、直流
スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形成法を用いて
も同様の結果が得られる。 [実施例5コ 実施例1〜4で論じたFe−Mn系合金/パーマロイ薄
膜を用いて、磁気抵抗効果素子を作製した。磁気抵抗効
果素子の印加磁界による出力変化を調べたところ、バル
クハウゼンノイズのない磁気抵抗効果素子が得られたこ
とが確認された。 また、上記磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドには、
バルクハウゼンノイズによる再生波形の歪みは見られな
かった。 【発明の効果1 以上詳細に説明したごとく、Fe−Mn系合金にIrを
添加すると著しく耐食性が向上する。また、上記合金の
Irの濃度を4〜15原子%とすることにより、耐食性
に優れ、バイアス磁界の大きい反強磁性薄膜を得ること
ができる。上記Fe−Mn−Ir系合金に、Ru、Rh
、Ptから選ばれる1種以上の添加元素を添加し、上記
添加元素とIrの合計が4〜15原子%とすることによ
り、さらに耐食性に優れ、バイアス磁界の大きい反強磁
性薄膜を得ることができる。さらに、上記の反強磁性薄
膜にTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta−Cr、Mo、
W、Ni、Cuを0.1〜2原子%添加することにより
、さらに耐食性の優れた反強磁性薄膜を得ることができ
る。また、上記1、合金薄膜を磁気抵抗効果素子の少な
くとも一部に用いることにより、バルクハウゼンノイズ
のない磁気抵抗効果素子を得ることができる。さらに、
上記磁気抵抗効果素子を磁気ヘッドの少なくとも一部に
用いることにより、バルクハウゼンノイズのない高感度
磁気ヘッドを得ることができる。
第1図は本発明の反強磁性薄膜と従来の反強磁性薄膜の
耐食性試験の結果を示すグラフ、第2図は本発明のFe
−Mn−Ir系合金反強磁性薄膜のIr濃度によるバイ
アス磁界の変化を示すグラフである。 符号の説明 11、Ir添加による耐食性の変化、 12、Ti添加による耐食性の変化、 13、Rh添加による耐食性の変化、 14、Cr添加による耐食性の変化、
耐食性試験の結果を示すグラフ、第2図は本発明のFe
−Mn−Ir系合金反強磁性薄膜のIr濃度によるバイ
アス磁界の変化を示すグラフである。 符号の説明 11、Ir添加による耐食性の変化、 12、Ti添加による耐食性の変化、 13、Rh添加による耐食性の変化、 14、Cr添加による耐食性の変化、
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、Fe−Mn−Ir系合金であることを特徴とする反
強磁性薄膜。 2、特許請求の範囲第1項に記載の反強磁性薄膜におい
て、Irの濃度が4〜15原子%であることを特徴とす
る反強磁性薄膜。 3、特許請求の範囲第1項または第2項に記載の反強磁
性薄膜において、さらに、Ru、Rh、Ptから選ばれ
る1種以上の添加元素を含み、上記添加元素とIrの合
計が4〜15原子%であることを特徴とする反強磁性薄
膜。 4、特許請求の範囲第1項から第3項のうちいずれかに
記載の反強磁性薄膜にTi、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Cr、Mo、W、Ni、Cuを0.1〜2原子%添
加したことを特徴とする反強磁性薄膜。 5、特許請求の範囲第1項から第4項のうちいずれかに
記載の反強磁性薄膜を少なくとも一部に使ったことを特
徴とする磁気抵抗効果素子。 6、特許請求の範囲第5項に記載の磁気抵抗効果素子を
少なくとも一部に用いた磁気ヘッド。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28700090A JPH04162207A (ja) | 1990-10-26 | 1990-10-26 | 反強磁性薄膜およびこれを用いた磁気抵抗効果素子 |
US07/668,069 US5287237A (en) | 1990-03-16 | 1991-03-12 | Antiferromagnetic film superior in corrosion resistance, magnetoresistance-effect element and magnetoresistance-effect head including such thin film |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28700090A JPH04162207A (ja) | 1990-10-26 | 1990-10-26 | 反強磁性薄膜およびこれを用いた磁気抵抗効果素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04162207A true JPH04162207A (ja) | 1992-06-05 |
Family
ID=17711728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28700090A Pending JPH04162207A (ja) | 1990-03-16 | 1990-10-26 | 反強磁性薄膜およびこれを用いた磁気抵抗効果素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04162207A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5729411A (en) * | 1995-07-12 | 1998-03-17 | Fujitsu Limited | Magnetoresistive head and magnetoresistive recording/reproducing drive with an antiferromagnetic layer of high corrosion resistance |
US5986858A (en) * | 1997-03-26 | 1999-11-16 | Fujitsu Limited | Ferromagnetic tunnel-junction magnetic sensor utilizing a barrier layer having a metal layer carrying an oxide film |
US6007643A (en) * | 1995-07-12 | 1999-12-28 | Fujitsu Limited | Method of manufacturing magnetoresistive head |
US6057049A (en) * | 1994-12-13 | 2000-05-02 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Exchange coupling film and magnetoresistive element |
-
1990
- 1990-10-26 JP JP28700090A patent/JPH04162207A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6057049A (en) * | 1994-12-13 | 2000-05-02 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Exchange coupling film and magnetoresistive element |
US6455178B1 (en) | 1994-12-13 | 2002-09-24 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Exchange coupling film and magnetoresistive element |
US5729411A (en) * | 1995-07-12 | 1998-03-17 | Fujitsu Limited | Magnetoresistive head and magnetoresistive recording/reproducing drive with an antiferromagnetic layer of high corrosion resistance |
US6007643A (en) * | 1995-07-12 | 1999-12-28 | Fujitsu Limited | Method of manufacturing magnetoresistive head |
US5986858A (en) * | 1997-03-26 | 1999-11-16 | Fujitsu Limited | Ferromagnetic tunnel-junction magnetic sensor utilizing a barrier layer having a metal layer carrying an oxide film |
US6165287A (en) * | 1997-03-26 | 2000-12-26 | Fujitsu Limited | Ferromagnetic tunnel-junction magnetic sensor |
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