JPH0416044Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は外部又は内部を通過する流体の温度変
化に応じて該流体の流量を制御し得る流量制御器
に関するものである。

（従来の技術） 従来、弁構造を持つ流量制御弁又はサーモカツ
プルと電磁弁との組合せ等により流体の流量を調
節する流量制御器が知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記従来の流量制御器においては、弁開度の増
減又は弁の開閉により流体の流量を精度良く制御
する機能を備えていたが機構的に複雑でかつ大型
化し、さらに高価であるという問題点を有してい
た。

（考案の目的） 本考案は前記従来の問題点に鑑み、構造が簡単
でかつ小型で製造コストの安価な流量制御器を提
供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するため、熱伝導性を
有する剛性部材により形成された所定長さの筒体
と、該筒体の両端に設けられた蓋と、該筒体内に
充填され、熱膨張係数が該筒体のそれよりも大き
な第１の熱可逆性充填部材とを備え、該第１の熱
可逆性充填部材には前記各蓋に設けられた接続穴
と同心でかつ筒体の長さ方向に貫通する流体通路
が設けられ、該流体通路の周壁又は該第１の熱可
逆性充填部材の外周の局所には該第１の熱可逆性
充填部材よりも熱膨張係数の大きな第２の熱可逆
性充填部材とが設けられていることを特徴とす
る。

（作用） 本考案によれば、外部の温度が上昇し、熱伝導
性を有する筒体を通して熱が第１の熱可逆性充填
部材及び第２の熱可逆性充填部材に加わると、該
筒体及び該筒体の両端に設けられた蓋は前記第１
及び第２の充填部材の膨張を拘束するため、該第
１及び第２の充填部材は流体通路の中心部に向つ
て膨張するので、該第１及び第２の充填部材の長
さ方向に貫通する流体通路の内径は縮小する。又
外部温度が降下すると、該第１及び第２の充填部
材の体積は収縮するので、前記流体通路の内径は
もとに復帰する。又外部の温度が異常に上昇した
場合には前記第１の充填部材より熱膨張係数の大
きな第２の充填部材の膨張により前記流体通路は
局所的に閉塞する。

（実施例） 第１図及び第２図は本考案の第１の実施例を示
し、１０は流体制御器本体、１１は熱伝導性を有
する剛性部材例えばステンレスにより形成された
所定長さの筒体、１２はステンレスにより形成さ
れ、中央に接続穴１２ａを設けた一対の蓋で、一
方は前記筒体１１に溶着され、他方は接着剤にて
固着されている。１３は筒体１１よりも熱膨張係
数の大きな第１の充填材料により形成されたチユ
ーブ、例えば第１のシリコーンチユーブで、中央
部の貫通穴は流体例えば燃料ガスの流体通路１４
を形成している。１５は該流体通路１４の周壁に
沿いかつ前記第１のシリコーンチユーブ１３の両
端から中央に向つて２個設けられかつ前記第１の
シリコーンチユーブ１３よりも熱膨張係数の大き
な第２の充填材料により形成されたチユーブ、例
えば第２のシリコーンチユーブで、常温において
は前記流体通路１４と同一の径を有するように設
けられている。２０は前記一対の蓋１２の接続穴
１２ａに設けられた管継手である。

本第１の実施例によれば、筒体１１の外側に設
けられた加熱源（図示せず）にて外部より加熱さ
れるとステンレス製の筒体１１を通して熱が第１
のシリコーンチユーブ１３及び第２のシリコーン
チユーブ１５に加わり、該第１のシリコーンチユ
ーブ１３及び第２のシリコーンチユーブ１５は
徐々に体積膨張する。このとき筒体１１及び一対
の蓋１２は剛性を有しかつ互いに固着されている
ため、前記第１のシリコーンチユーブ１３及び第
２のシリコーンチユーブ１５は半径の広がり方向
及び長さ方向の膨張は拘束を受け、半径の縮小方
向に即ち前記燃料ガスの通路１４を狭める方向に
膨張する。従つて燃料ガスの流量は少なくなる。
次に外部の温度が降下すると前記シリコーンチユ
ーブ１３の体積は収縮するため狭められていた前
記燃料ガスの通路面積はもとに復帰する。

このように設定温度が高くなればなる程燃料ガ
スの流体通路１４は徐々に小さくなるので、燃料
ガスの流量は設定温度の変化に応じて連続的に変
化できる。又外部の温度が異常に上昇した場合は
熱膨張係数の大きな第２のシリコーンチユーブ１
５の膨張により前記燃料ガスの流体通路１４は閉
塞し燃料の供給は遮断される。

又本第１の実施例によれば、流量制御器本体１
０は機械的に作動する部分がなく機構的に簡単な
為、故障が発生する頻度も少ないとともに、小
型、軽量で製造コストも安価である。

第３図及び第４図は本考案の第２の実施例を示
し、１５は前記第１のシリコーンチユーブ１３の
外周に沿いかつ該第１のシリコーンチユーブ１３
の両端から中央に向つて２個設けられ前記第１の
シリコーンチユーブ１３よりも熱膨張係数の大き
な第２の充填材料により形成されたチユーブ、例
えば第２のシリコーンチユーブである。

本実施例によれば外部の温度が異常に上昇した
場合には熱膨張係数の大きな第２のシリコーンチ
ユーブ１５が前記ステンレスにて形成された筒体
１１と当接状態にあるため、速やかに膨張し前記
第１のシリコーンチユーブ１３を収縮させるので
早い応答速度で前記流体通路１４を閉塞する。

なお本第２の実施例で説明を省略した部分の構
成、作用、効果は前記第１の実施例と同じであ
る。

また、以上の説明においては外部から加熱時の
燃料流量の制御に対して述べたが、燃料ガスの通
路１４を通過する流体の温度変化に対しても同様
に燃料ガスの通路１４が収縮するため流体自体に
よる自己制御ができ、さらに用途は拡がる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案は外部の温度が上
昇し、熱伝導性を有する筒体を通して熱が第１及
び第２の熱可逆性充填部材に加わると、該筒体及
び該筒体の両端に設けられた蓋は前記充填部材の
膨張を拘束するため、該第１及び第２の熱可逆性
充填部材は流体通路の中心部に向つて膨張し、該
第１及び第２の熱可逆性充填部材の長さ方向に貫
通する流体通路は徐々に縮小する。従つて、該通
路を流れる流体の流量は徐々に低下するため、該
流体の流量を温度変化に応じて連続的に変化でき
る。さらに外部の温度が異常に上昇した場合には
前記第１の熱可逆性充填部材よりも熱膨張係数の
大きな第２の熱可逆性充填部材の膨張により流体
通路が局所的に閉塞し流体の供給が遮断され安全
であるという効果を有する。又本考案の流量制御
器は機械的に作動する部分がないため、機構的に
簡単で、故障が発生する頻度が少ないとともに、
小型、軽量でしかも安価な流量制御器を提供でき
るという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示し、
第１図は本考案の第１の実施例の流量制御器の正
面断面図、第２図は本考案の第１の実施例の流量
制御器の第１図Ａ−Ａ矢視方向の側面断面図、第
３図は本考案の第２の実施例の流量制御器の正面
断面図、第４図は本考案の第２の実施例の流量制
御器の第３図Ｂ−Ｂ矢視方向の側面断面図であ
る。 図中、１０……流量制御器本体、１１……筒
体、１２……蓋、１３……第１の熱可逆性充填部
材（第１のシリコーンチユーブ）、１４……流体
通路、１５……第２の熱可逆性充填部材（第２の
シリコーンチユーブ）、２０……管継手。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 熱伝導性を有する剛性部材により形成された
   所定長さの筒体と、該筒体の両端に設けられた
   蓋と、該筒体内に充填され、熱膨張係数が該筒
   体のそれよりも大きな第１の熱可逆性充填部材
   とを備え、該第１の熱可逆性充填部材には前記
   各蓋に設けられた接続穴と同心でかつ筒体の長
   さ方向に貫通する流体通路が設けられ、該流体
   通路の周壁又は該第１の熱可逆性充填部材の外
   周の局所には、該第１の熱可逆性充填部材より
   も熱膨張係数の大きな第２の熱可逆性充填部材
   とが設けられていることを特徴とする流体制御
   器。 (2) 第１の熱可逆性充填部材及び第２の熱可逆性
   充填部材がシリコーンゴムチユーブであること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の流量制御器。