JPH0415874B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、洋服だんす等の各種の家具に於ける
開閉扉を閉動限位置に保持するために使用される
家具用マグネツトキヤツチに関するものである。

（従来の技術及びその問題点） この種のマグネツトキヤツチは、一般的に開閉
扉の閉動限位置を規制するストツパーを兼用して
いる。従つて開閉扉側の磁性板を吸着する吸着端
部の位置は、閉動限位置にある扉が正常な位置と
姿勢を保つように精度良く設定されなければなら
ない。

そこでこの種のマグネツトキヤツチには、家具
本体側への取付け位置に多少の前後方向誤差があ
つても前記吸着端部の位置を正常位置に調整し得
るようにすることと、家具本体側への取付け姿勢
に多少の左右横方向誤差があつても前記吸着端部
が扉側の磁性板に面接触し得るように揺動可能と
することとが要求されている。

而して従来、例えば実開昭59−104943号公報に
開示されたように、前記吸着端部を有する磁石ユ
ニツトを前後方向に位置調整する調整螺軸を設け
ることや、例えば実開昭54−182533号公報に開示
されたように、マグネツトキヤツチの後方で家具
本体側に揺動可能に枢着した揺動部材に前記マグ
ネツトキヤツチを取付けて、当該マグネツトキヤ
ツチを揺動可能に構成することが知られている。

従つて、上記両公知例の構成を組み合わせれば
所期の目的を達成し得ることにはなるが、マグネ
ツトキヤツチを揺動可能に構成する前記従来構成
（実開昭54−182533号公報に開示された構成）で
は、マグネツトキヤツチの後方に前記揺動部材を
取付けるスペースを確保しなければならず、当該
マグネツトキヤツチの直後に中間支柱が配置され
ているような場合には採用することが出来ないば
かりでなく、部品点数が多く、家具本体側への取
付けに手間がかかり、大幅なコストアツプを免れ
ない。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記のような従来の問題点を解決する
ために、家具本体側に取付けられるケース、吸着
端部が前記ケースの前面から突出するように前後
移動自在に前記ケースに内装された磁石ユニツ
ト、及びこの磁石ユニツトを前後方向に位置調整
するための調整螺軸を備えた家具用マグネツトキ
ヤツチに於いて、前記ケースの底部に、家具本体
側の取付け孔に打ち込み固定する１本の打ち込み
固定具を、当該固定具の垂直軸心の周りで一定範
囲内左右揺動自在に枢着して成る家具用マグネツ
トキヤツチを提案するものである。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。

１は偏平なケースであつて、本体１ａと底板１
ｂとから成る。２は前記ケース１の下側に突設さ
れた取り付け手段であつて、ケース底板１ｂから
一体に突設された固定筒部３、この固定筒部３に
内嵌固定された固定ピン４、及び固定筒部３と固
定ピン４とに対して遊嵌された打ち込み固定具５
から構成され、この打ち込み固定具５は、その内
周に前記固定筒部３と固定ピン下端フランジ部４
ａとの間に嵌合する小径部５ａを備え、この小径
部５ａに形成した周方向80度に及ぶ切り欠き凹部
５ｂには、前記固定筒部３から下向きに突設され
た周方向60度に及ぶ扇形突起３ａが嵌合し、打ち
込み固定具５を固定ピン４を中心に20度の範囲内
で回転可能ならしめている。前記打ち込み固定具
５の外周面には周方向環状で断面鋸歯状の抜け止
め突条５ｃが軸方向多段に突設されている。

６は前後方向（矢印７方向）に移動可能にケー
ス１に内装された磁石ユニツトであつて、磁石本
体８とこれを上下から挟む一対のヨーク９ａ，９
ｂ、及び一対のヨーク９ａ，９ｂの後端部間に挟
まれ且つ上下に突出するピン１０ａが前記ヨーク
９ａ，９ｂに形成された貫通穴に嵌合する被動部
材１０から構成され、前記一対のヨーク９ａ，９
ｂの先端部、即ち磁石ユニツト６の吸着端部１１
は、前記ケース本体１ａの前壁部に形成された開
口１２からケース１外に突出している。

１３は螺軸部１３ａが前記磁石ユニツト６に於
ける被動部材１０の側端部に形成されたねじ穴１
０ｂに前後方向（矢印７方向）に螺合貫通する調
整螺軸であつて、その大径頭部１３ｂは、ケース
本体１ａの前壁部に形成された開口１４に表面が
略面一となる状態で回転可能に遊嵌すると共に、
前記螺軸部１３ａの後端は、ケース本体１ａの後
壁部内側に形成された凹部１５に回転可能に遊嵌
している。更に前記大径頭部１３ｂの後端近傍に
形成された環状溝１３ｃには、前記ケース底板１
ｂから突設された抜け止め用突起１６が遊嵌し、
調整螺軸１３が開口１４から抜け出るのを阻止
し、回転のみ可能ならしめている。

上記のように構成されたマグネツトキヤツチ
は、扉によつて開閉される収納空間を構成する例
えば底板１７上の所定位置に取り付け手段２によ
り取り付けられる。即ち、前記底板１７には予
め、前記取り付け手段２の打ち込み固定具５に於
ける抜け止め突条５ｃの直径より適当に小さな内
径の穴が穿設され、この穴に前記打ち込み固定具
５をケース１上からの打ち叩き操作により打ち込
み、穴内周面に対する抜け止め突条５ｃの食い込
みにより打ち込み固定具５を底板１７に埋没固定
する。この結果、固定された打ち込み固定具５側
の切り欠き凹部５ｂとケース１側の扇形突起３ａ
との間の周方向の遊び空間、即ち周方向20度の範
囲内で、ケース１が打ち込み固定具５の垂直軸心
（固定ピン４の軸心）の周りで左右に揺動するこ
とが出来るが、この左右揺動範囲の中央位置に前
記ケース１を位置させたとき、当該ケース１から
突出している磁石ユニツト６の吸着端部１１が真
正面を向くように、前記左右揺動範囲を越えてケ
ース１を回転させ、打ち込み固定具５を回転させ
る。

このように取り付けられたマグネツトキヤツチ
は、従来のこの種のマグネツトキヤツチと同様、
扉を閉動限位置まで閉動させたときに当該扉の内
側に取り付けられている磁性板を前記磁石ユニツ
ト６に於ける吸着端部１１に於いて吸着保持する
ものであるが、この吸着保持位置、即ち前記磁石
ユニツト６に於ける吸着端部１１の位置は次のよ
うに調整することが出来る。

即ち、調整螺軸１３の大径頭部１３ｂに形成さ
れている回転操作溝１３ｄ（第２図参照）を介し
てケース１外からドライバー等の適当な工具によ
り調整螺軸１３を回転させることにより、この調
整螺軸１３の螺軸部１３ａに螺嵌する被動部材１
０を介して磁石ユニツト６を前後方向に移動させ
ることが出来、この磁石ユニツト６の移動により
ケース１から突出している吸着端部１１を前後に
位置調整することが出来る。この吸着端部１１の
前後位置調整により、当該吸着端部１１によつて
閉動限位置で保持される扉の位置や姿勢を修正す
ることが出来る。

又、ケース１が左右に20度の範囲内で揺動し得
るので、扉側の磁性板と前記磁石ユニツト６に於
ける吸着端部１１とは確実に面接触状態で吸着す
ることになる。

尚、扉側の磁性板が吸着端部１１に衝突したと
きのシヨツクを緩和するために、調整螺軸１３を
一定範囲内で軸方向に移動可能に構成すると共
に、磁石ユニツト６を前記調整螺軸１３と共に前
方へ押圧付勢するスプリングを併用することも可
能である。更に、上記実施例ではケース１を左右
に20度の範囲内で揺動可能に枢着するように構成
したが、その揺動範囲は20度に限定されない。

（発明の作用及び効果） 以上のように本発明の家具用マグネツトキヤツ
チによれば、家具本体側へのマグネツトキヤツチ
の取付けは、当該家具本体側に１つの取付け孔を
穿設しておき、この孔にマグネツトキヤツチ側の
ケース底部から突出している１本の打ち込み固定
具を打ち込むだけで良く、極めて簡単容易且つ迅
速に行える。又、前記打ち込み固定具や家具本体
側の取付け孔は、マグネツトキヤツチ側のケース
下に隠れ、外側からはマグネツトキヤツチのケー
スのみしか見えないので、マグネツトキヤツチの
ケースの外側に取付け手段が見える場合と比較し
て、外観をシンプル且つ美麗に仕上げることが出
来ると共に、マグネツトキヤツチの後方や左右両
側等に余分なスペースを確保する必要もなく、あ
らゆる家具に容易に活用することが出来る。

しかも部品点数が少なく、前記のように取付け
も簡単容易に行えるので、コストダウンを図るこ
とが出来る。

一方、前記のように１つの取付け孔に１本の打
ち込み固定具を打ち込んで取付けるのであるか
ら、マグネツトキヤツチの取付け位置や取付け姿
勢にバラツキが生じる恐れが多分にあるが、本発
明によれば、前記打ち込み固定具の軸心の周りで
マグネツトキヤツチが一定範囲内で揺動可能であ
り、且つ磁石ユニツトを前後方向に位置調整して
吸着端部の突出量を調整することが出来るので、
取付け位置や姿勢の誤差を確実に解消させ、以
て、扉側を所定位置に確実良好に保持させること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は横断平面図、第２図は使用状態での正
面図、第３図は縦断右側面図、第４図は第３図の
Ａ−Ａ線断面図、第５図は調整螺軸位置での縦断
左側面図である。 １……ケース、２……取り付け手段、３……固
定筒部、３ａ……扇形突起、４……固定ピン、５
……打ち込み固定具、５ａ……小径部、５ｂ……
切り欠き凹部、５ｃ……抜け止め突条、６……磁
石ユニツト、８……磁石本体、９ａ，９ｂ……ヨ
ーク、１０……被動部材、１０ｂ……ねじ穴、１
１……吸着端部、１２，１４……開口、１３…調
整螺軸、１３ａ……螺軸部、１３ｂ……大径頭
部、１３ｃ……環状溝、１６……抜け止め突起。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 家具本体側に取付けられるケース、吸着端部
   が前記ケースの前面から突出するように前後移動
   自在に前記ケースに内装された磁石ユニツト、及
   びこの磁石ユニツトを前後方向に位置調整するた
   めの調整螺軸を備えた家具用マグネツトキヤツチ
   に於いて、前記ケースの底部に、家具本体側の取
   付け孔に打ち込み固定する１本の打ち込み固定具
   を、当該固定具の垂直軸心の周りで一定範囲内左
   右揺動自在に枢着して成る家具用マグネツトキヤ
   ツチ。