JPH0415451B2 - - Google Patents

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JPH0415451B2
JPH0415451B2 JP60197444A JP19744485A JPH0415451B2 JP H0415451 B2 JPH0415451 B2 JP H0415451B2 JP 60197444 A JP60197444 A JP 60197444A JP 19744485 A JP19744485 A JP 19744485A JP H0415451 B2 JPH0415451 B2 JP H0415451B2
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liquid crystal
crystal element
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ferroelectric
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Akira Tsuboyama
Yutaka Inaba
Hiroyuki Kitayama
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、液晶表示素子や液晶−光シヤツタア
レイ等に適用する液晶素子に関し、詳しくは液晶
分子の初期配向状態を改善することにより、表示
ならびに駆動特性を改善した液晶素子に関する。 〔従来の技術〕 従来の液晶素子としては、例えばエム.シヤツ
ト(M.Schadt)とダブリユー.ヘルフリツヒ
(W.Helfrich)著“アプライド・フイジツクス・
レターズ”(“Applied Physics Letters”)第18
巻、第4号(1971年2月15日発行)、第127頁〜
128頁の“ボルテージ・デイペンダント・オプテ
イカル・アクテイビテイー・オブ・ア・ツイステ
ツド・ネマチツク・リキツド・クリスタル”
(“Voltage Dependent Optical Activity of a
Twisted Nematic Liquid Cryseal”)に示さ
れたツイステツド・ネマチツク(twisted
nematic)液晶を用いたものが知られている。こ
のTN液晶は、画素密度を高くしたマトリクス電
極構造を用いた時分割駆動の時、クロストークを
発生する問題点があるため、画素数が制限されて
いた。 又、各画素に薄膜トランジスタによるスイツチ
ング素子を接続し、各画素毎をスイツチングする
方式の表示素子が知られているが、基板上に薄膜
トランジスタを形成する工程が極めて煩雑な上、
大面積の表示素子を作成することが難かしい問題
点がある。 このような従来型の液晶素子の欠点を改善する
ものとして、双安定性を有する液晶素子の使用が
クラーク(Clark)およびラガウエル
(Lagerwall)により提案されている(特開昭56
−107216号公報、米国特許第4367924号明細書
等)。双安定性を有する液晶としては、一般に、
カイラルスメクテイツクC相(SmC*)又はH
相(SmH*)を有する強誘電性液晶が用いられ
る。この液晶は電界に対して第1の光学的安定状
態と第2の光学安定状態からなる双安定状態を有
し、従つて前述のTN型の液晶で用いられた光学
変調素子とは異なり、例えば一方の電界ベクトル
に対して第1の光学的安定状態に液晶が配向し、
他方の電界ベクトンに対しては第2の光学的安定
状態に液晶が配向される。またこの型の液晶は、
加えられる電界に応答して、極めて速やかに上記
2つの安定状態のいずれかを取り、且つ電界の印
加のないときはその状態を維持する性質を有す
る。このような性質を利用することにより、上述
した従来のTN型素子の問題点の多くに対して、
かなり本質的な改善が得られる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、従来の双安定性を有する強誘電
性液晶素子においては、液晶の均一な配向状態
が、必ずしも満足に形成されなかつたために、充
分な特性が得られなかつたのが実情である。この
ため、これまでにラビング処理や斜方蒸着処理し
た面の存在下で双安定性を示す強誘電性液晶を均
一な配向状態に配向させようとする方法が提案さ
れている。本発明者らは、すでに上述のラビング
処理や斜方蒸着処理を施した基板を用いることに
よつて、均一な配向状態をもつ双安定性強誘電性
液晶が得られることは判明していた。 しかしながら、本発明者らの実験によれば前述
した双安定状態が必ずしもクラークとラガーウオ
ルによつて発表された前掲の文献等で示された理
想的な双安定状態を持たないことが判明した。 すなわち、クラークとラガーウオルによれば双
安定性を実現する非らせん構造のカイラルスメク
チツク相でのチルト角(後述の第2図に示す角度
θ)がらせん構造をもつカイラルスメクチツク相
でのチルト角(後述の第1図に示す三角錐の頂角
)と同一の角度をもつはずであるが、実際には
非らせん構造でのチルト角θの方がらせん構造で
のチルト角より小さくなつている。しかも、こ
の非らせん構造でのチルト角θがらせん構造での
チルト角より小さくなる原因が非らせん構造で
の液晶分子のねじれ配列に帰因していることが判
明した。つまり、非らせん構造をもつカイラルス
メクチツク相では、液晶分子が第3図に示す様に
基板の法線に対して上基板に隣接する液晶分子の
軸32より下基板に隣接する液晶分子の軸33
(ねじれ配列の方向34)へ連続的にねじれ角δ
でねじれて配列しており、このことが非らせん構
造でのチルト角θがらせん構造でのチルト角よ
り小さくなる原因となつている。 尚、図中31は上下基板に形成したラビング処
理や斜方蒸着処理によつて得られた一軸性配向軸
を表わしている。 ところで、液晶の複屈折を利用した液晶素子の
場合、直交ニコル下での透過率は、 I/Io=sin24θsin2△nd/λπ [式中:Ioは入射光強度、Iは透過光強度、θは
チルト角、△nは屈折率異法性、dは液晶層の
膜厚、λ:入射光の波長である。] で表わされる。前述の非らせん構造におけるチル
トθは第1と第2の配向状態でのねじれ配列した
液晶分子の平均分子軸方向の角度として現われる
ことになる。上式によれば、かかるチルトθが
22.5°の角度の時最大の透過率となるが、双安定
性を実現する非らせん構造でのチルト角θは大き
くて10°程度の角度であり、従つて表示装置とし
ての適用を考慮した時にはその透過率は3〜5%
程度で十分なものとはならない問題がある。 従つて、本発明の目的は、前述の問題点を解決
すること、すなわち双安定性を実現する非らせん
構造のカイラルスメクチツク相でのチルト角を増
大し、これによつて画素シヤツタ開口時の透過率
を向上させた液晶素子を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕及び〔作用〕 本発明にかかる目的は、一軸性配向処理面を有
する2枚の基板間に双安定状態下の強誘電性液晶
を配置したセル構造を有する液晶素子において、
一軸性配向軸の方向を互いに同一とし、且つ無電
界とした時、前記強誘電性液晶の分子が前記基板
の法線に沿つてねじれて配列する傾向を有してお
り、前記一軸性配向処理面が前記ねじれ配列の方
向と反対方向の角度で互いに交差した一軸性配向
軸を有している液晶素子によつて達成される。 前述のねじれ配列によるねじれ角及びねじれ方
向は、液晶と基板の表面状態によつて決まるが、
その時上述のねじれ配列のねじれ方向とは反対方
向をなす角度で交差させた一軸性配向軸を用いる
ことにより、かかるねじれ配列を解消することが
できる。かかるねじ配列を解消した液晶素子では
直交ニコル下で最大の透過率/遮光率コントラス
トが得られ、しかもねじれ配列の双安定状態をも
つている液晶素子では非直交ニコル下で最大のコ
ントラストが得られるが、この時観察方向によつ
てそのコントラストが相異してしまう視野角依存
性を有しているが、かかるねじれ配列の解消とと
もに、上述の視野角依存性をも解消することがで
きる。 さらに、本発明者らは、前述したねじれ配列を
解消した液晶素子に予め交流印加処理を付加する
ことにより、非らせん構造のカイラルスメクチツ
ク相でのチルト角θをらせん構造でのチルト角
と同程度とすることができることを見い出した。 従つて、本発明によれば表示装置あるいは光学
シヤツタ等に適用した際に十分な透過率及びコン
トラストを現わすことができる点に特徴を有して
いる。 〔実施例〕 第1図は、らせん構造を用いた強誘電性液晶セ
ルの例を模式的に描いたものである。11aと1
1bは、In2O3、SnO2やITO(Indium Tin
Oxide)等の透明電極がコートされた基板(ガラ
ス板)であり、その間に液晶分子層12がガラス
面に垂直になるように配向したSmC*(カイラ
ルスメクチツクC相)の液晶が封入されている。
太線で示した線13が液晶分子を表わしており、
この液晶分子13は、その分子に直交した方向に
双極子モーメント(P⊥)14を有している。こ
の時の三角錐の頂角をなす角度がかかるらせん構
造のカイラルスメクチツク相でのチルト角を表
わしている。基板11aと11b上の電極間に一
定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子13
のらせん構造がほどけ、双極子モーメント(P
⊥)14はすべて電界方向に向くよう、液晶分子
13の配向方向を変えることができる。液晶分子
13は細長い形状を有しており、その長軸方向と
短軸方向で屈折率異方性を示し、従つて例えばガ
ラス面の上下に互いにクロスニコルの位置関係に
配置した偏光子を置けば、電圧印加極性によつて
光学特性が変わる液晶光学変調素子となること
は、容易に理解される。さらに液晶セルの厚さを
充分に薄くした場合(例えば1μ)には、第2図
に示すように電界を印加していない状態でも液晶
分子のらせん構造はほどけ、非らせん構造とな
り、その双極子モーメントPa又はPbは上向き2
4a又は下向き24bのどちらかの状態をとり、
双安定状態が形成される。このようなセルに第2
図に示す如く一定の閾値以上の極性の異る電界
Ea又はEbを付与すると、双極子モーメント電界
Ea又はEbは電界ベクトルに対応して上向き24
a又は、下向き24bと向きを変え、それに応じ
て液晶分子は第1の安定状態23aかあるいは第
2の安定状態23bの何れか一方に配向する。こ
の時の第1と第2の安定状態のなす角度の1/2が
チルト角θに相当している。 このような強誘電性液晶を光学変調素子として
用いることの利点は2つある。第1に、応答速度
が極めて速いこと、第2に液晶分子の配向が双安
定性を有することである。第2の点を、例えば第
2図によつて説明すると、電界Eaを印加すると
液晶分子は第1の安定状態23aに配向するが、
この状態は電界を切つても安定である。又、逆向
きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第2の安
定状態23bに配向して、その分子の向きを変え
るが、やはり電界を切つてもこの状態に留つてい
る。又、与える電界Eaが一定の閾値を越えない
限り、それぞれの配向状態にやはり維持されてい
る。このような応答速度の速さと、双安定性が有
効に実現されるには、セルとしては出来るだけ薄
い方が好ましく、一般的には、0.5μ〜20μ、特に
1μ〜5μが適している。この種の強誘電性液晶を
用いたマトリクス電極構造を有する液晶−電気光
学装置は、例えばクラークとラガバルにより、米
国特許第4367924号明細書で提案されている。 本発明の液晶素子で用いることができる強誘電
性液晶としては、例えばp−デシロキシベンジリ
デン−p′−アミノ−2−メチルブチルシンナメー
ト(DOBAMBC)、p−ヘキシロキシベンジリ
デン−p′−アミノ−2−クロルプロピルシンナメ
ート(HOBACPC)、p−デシロキシベンジリデ
ン−p′−アミノ−2−メチルブチル−α−シアノ
シンナメート(DOBAMBCC)、p−テトラデシ
ロキシベンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブ
チル−α−シアノシンナメート
(TDOBAMBCC)、p−オクチルオキシベンジ
リデン−p′−アミノ−2−メチルブチル−α−ク
ロロシンナメート(OOBAMBCC)、p−オクチ
ルオキシベンジリデン−p′−アミノ−2−メチル
ブチル−α−メチルシンナメート、4,4′−アゾ
キシシンナミツクアシツド−ビス(2−メチルブ
チル)エステル、4−o−(2−メチル)ブチル
レゾルシリデン−4′−オクチルアニリン、4−
(2′−メチルブチル)フエニル−4′−オクチルオ
キシビフエニル−4−カルボキシレート、4−ヘ
キシルオキシフエニル−4−(2″−メチルブチル)
ビフエニル−4′−カルボキシレート、4−オクチ
ルオキシフエニル−4−(2″−メチルブチ)ビフ
エニル−4′−カルボキシレート、4−ヘプチルフ
エニル−4−(4″−メチルヘキシル)ビフエニル
−4′−カルボキシレート、4−(2″−メチルブチ
ル)フエニル−4−(4″−メチルヘキシル)ビフ
エニル−4′−カルボキシレートなどを挙げること
ができ、これらは単独又は2種以上組合せて用い
ることができ、又強誘電性を示す範囲で他のコレ
ステリツク液晶やスメクチツク液晶を含有させる
ことができる。 又、本発明では強誘電性液晶としてカイラルス
メクチツク相を用いることができ、具体的には、
カイラルスメクチツクC相(SmC*)、H相
(SmH*)、I相(SmI*)、K相(SmK*)や
G相(SmG*)を用いることができる。 第4図は、本発明の液晶素子の態様を模式的に
表わした平面図である。本発明の液晶素子は、上
基板と下基板に形成する一軸性配向処理面では、
無電界時にそれぞれの一軸性配向軸41と42が
第3図に示すねじれ配列の方向34とは反対方向
45の角度で交差している。この様な一軸性配向
処理面の存在下にカイラルスメクチツク相を該相
より高温側の相よりの降温で配向させた時に、上
下基板の隣接する液晶分子の軸43は互いに行と
なる。このカイラルスメクチツク相では降温下で
一軸性配向軸41と42の中間の角度をもつて配
向したスメチツクA相(SmA)での液晶分子の
軸44からチルト角θ(又は−θ)をもつて液晶
分子が配向し、第1と第2の安定状態(チルト角
θのとき第1の安定状態、チルト−θの時第2の
安定状態)を形成することができる。 この液晶分子では、直交ニコルの一方の偏光軸
46を第1の安定状態における分子軸方向に対応
する液晶分子の軸43と平行として、他方の偏光
軸47を偏光軸46と直交させた時に最大コント
ラストを得ることができる。 本発明の好ましい具体例では、交流印加前処理
により前述したチルトθをらせん構造でのチルト
と等しいか、あるいは同程度の角度まで増大さ
せることができる。この時のチルト角をθ′とす
る。この際に用いる交流としては、電圧20〜500
ボルト、好ましくは30〜150ボルトで周波数10〜
500Hz、好ましくは10〜200Hzを用いることがで
き、その印加時間を数秒〜10分間程度で交流印加
前処理を施すことができる。又、かかる交流印加
前処理は、液晶素子を例えば映像信号や情報信号
に応じて書込みを行う前の段階で行なわれ、好ま
しくはかかる液晶分子を装置に組込み、かかる装
置を操作する時のウエイトタイムで前述の交流印
加前処理を行なうか、あるいはかかる液晶素子の
製造時でも交流印加前処理を施すことができる。 かかる交流印加前処理は、本発明者らが行なつ
た実験、すなわち第4図に示す双安定状態をもつ
強誘電性液晶素子に交流電場を印加すると、印加
前のチルト角θがらせん構造でのチルトと同程
度にまで増大させたチルト角θ′とすることがで
き、しかもかかる交流印加を除去した後であつて
もその増大されたチルト角θ′を維持できることを
見い出した点に基いたものである。又、かかる交
流印加前処理は、自発分極の大きい強誘電性液晶
(例えば25℃で5nc/cm2以上、好ましくは10nc/
cm2〜300nc/cm2;ncは+1クーロンを示す単位で
ある)に対して有効である。この自発分極は
100μセルで三角波印加法により測定すること
ができる。 ジヤパニーズ・ジヤーナル・オブ・アプライ
ド・フイジイツクス(Japanese Journal of
Applied Physics)22(10)号、661〜663頁
(1983年)に掲載されたケー・ミヤサト(K.
Miyasato)らの共著の“ダイレツクト・メソツ
ド・ウイズ・ドライアングラー・ウエーブズ・フ
オー・メジヤーリング・スポンタナス・ポーラリ
ゼーシヨン・イン・フエロエレクトリツク・リキ
ツド・クリスタル”(“Direct Method with
Triangular Waves for Measuring Spontaneus
Polarization in Ferroelectric Liquid
Crystal”)による。 本発明の液晶素子で用いる一軸性配向処理面と
しては、特に限定されるものではないが、シリコ
ン窒化物、水素を含有するシリコン窒化物、シリ
コン炭化物、水素を含有するシリコン窒化物、シ
リコン酸化物、硼素窒化物、水素を含有する硼素
窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、
ジルコニウム酸化物、チタン酸化物やフツ化マグ
ネシウムなどの無機絶縁物質、あるいはポリビニ
ルアルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、
ポリエステルイミド、ポリパラキシリレン、ポリ
エステル、ポリカーボネト、ポリビニルアセター
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミ
ド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹
脂、ユリヤ樹脂、アクリル樹脂やフオトレジスト
樹脂などの有機絶縁物質が絶縁膜で形成された面
を使用することができ、又一軸性配向処理法とし
てはラビング法と斜方蒸着法などを用いることが
できる。 以下、本発明の詳細な具体例を示す。 実施例 1 まず、液晶素子における基板の法線方向に対す
る液晶分子のねじれ配列方向を知るために、約
3μmの液晶膜厚をもつ液晶素子を作成した。この
液晶素子では下記の強誘電性混合液晶も用いた。
【表】 3μmセルの基板の構成は0.7mmのガラス板、
1000ÅのITD(Indutim Tin Oxeide)と1000Å
のPUA(ポリビニルアルール)被膜からなり、そ
のPVA被膜にはラビング処理により一軸性配向
処理がなされ、それぞれのラビング方向を互いに
平行になるように二枚の基板をセル組みした。 セル厚(上下基板の間隔)は3μmのビーズ状ス
ペーサで保持した。 この液晶セルに前述の混合液晶を等方相下で真
空注入してから、等方相から0.5℃/hで30℃ま
で徐冷することにより配向させることができた。
以後の実験は30℃で行つた。 クロスニコル下でこのセルを観察すると、一様
で欠陥のないモノドメインが得られていた。 液晶は、SmS*の状態でコントラストは非常
に低いが青と黄のドメインの双安定状態が存在し
ていることが判明した。 この液晶素子にパルス電界より、一方の安定状
態に液晶分子方向をそろえ、クロスニコル下でセ
ル回転させることにより、最も透過光量の少ない
位置を捜した。しかし、その最暗状態は黒色には
ならず青色であつた。液晶分子が基板に平行でか
つ、液晶分子が一方向にそろえば黒色が得られる
はずである。 本発明者らは、この着色が基板の垂直方向(法
線)に対する液晶分子のねじれ配列が原因と考
え、さらに実験を行つた。 光源側にある偏光子と観察者側にある検光子の
偏光軸の角度をずらすことにより、より暗状態が
得られるかどうかで、ねじれ配列状態が検出する
ことができる。 観察者から見て、時計まわりを正とし、反時計
まわりを負とする。検光子を直交ニコルから負方
向に10〜13°回転し、次いで液晶セルを回転して
暗状態を捜すことができた。また、偏光子を直交
ニコルから正方向に10〜13°回転しても同様に暗
状態が得られた。従つて、この素子での液晶分子
は、正方向にねじれ配列を形成しており、上下基
板の隣接面にある液晶分子の長軸が10〜13°のね
じれ角δをもつてねじれていることが判る。 次に、上下基板の間隔を1.8μmとした点及び交
差したラビング軸を用いたほかは、前述の液晶素
子を作用した時の方法と全く同様の方法で液晶素
子を作成した。上下基板の間隔を1.8μmとしたの
は、前述の3μmセルと比較してコントラスト及び
双安定性を得る上で優れていることが経験的に判
つているからである。又、上下基板の一軸性配向
処理面としては、互いに正方向(+)に45°と20°
の角度で交差したラビング軸、負方向(−)に
45°と20°の角度で交差したラビング軸及び互いに
平行(0°)なラビング軸を用いた5種の液晶素子
をそれぞれ作成した。 前述の各液晶素子のチルト角θを測定したとこ
ろ、何れも7〜9°であつた。これら5種の液晶素
子は、SmC*の高温側にSmAが存在しているが、
SmAの光軸は交差したラビング軸のなす角度の
二等分線上に存在していることが判つた。 次いで、上述した5種の液晶素子にそれぞれ電
圧70ボルトで周波数70Hzの高電界交流を約5分間
印加した(交流印加前処理)。この時のチルト角
θ′を測定した。この結果を下表1に示す。
【表】 この5種の液晶素子について、前述の3μmセル
の液晶素子でのねじれ角δを測定した時の方法と
同様の方法で第3図に示すねじれ角δを測定した
ところ、交差角−45°と−20°の交差ラビング軸を
用いた液晶素子では、上下基板の法線に対する液
晶分子のねじれ角δは観察されず、上下基板に隣
接する液晶分子軸は互いに平行であることが判つ
た。しかも、交差角−45°と−20°の交差ラビング
軸を用いた液晶素子では+19ボルトと−19ボルト
の駆動用矩形パルスを1msecで交互に印加し続け
ても表1のチルト角θ′を維持することができた。
これは、実際に映像信号や情報信号に応じて、こ
の液晶素子に例えば特開昭59−193426号公報や同
59−19347号公報に記載された様な時分割駆動法
を適用した場合であつても、最大チルト角θ′を維
持することができる点に対応したものである。
又、この時の透過率を測定したところ、何れも約
17%であつた。 一方、交差角0°、+20°と+45°の交差ラビング軸
を用いた液晶素子では、前述の交流印加前処理を
施こす前の第3図に示すねじれ角δを測定したと
ころ、何れの場合も10°〜13°のねじれ角δが測定
された。次に交流印加前処理を施した後にそれぞ
れのねじれ角δを測定したところ、ねじれ角δは
解消され、前述の表1に示したチルト角θ′をもつ
て液晶分子が配向されていたが、それぞれの液晶
素子に前述の同様の駆動用矩形パルスを印加して
双安定状態の反転を繰返し行つたところ、液晶素
子におけるチルト角は最大チルト角θ′から徐々に
小さくなり、最終的には交流印加前処理前の小さ
いチルト角θに減衰することが判つた。この時の
液晶素子の透過率を測定したところ、何れの場合
も3〜4%であつた。 この現象の詳細なメカニズムは明らかではない
が、以下のように推論できる。 ねじれ角δをもつねじれ配列状態の方向は、基
板とその界面付近の液晶との相互作用により決ま
る。つまり、界面付近の液晶分子の分極方向が基
板に対して内向きか、外向きかが、基板の性質に
より決められ、上下基板とも同一の配向制御膜を
用いた場合、基板間の液晶は強制的にねじれ配列
をもつて配向させられる。 基板の法線に沿つたねじれ配列の方向と一軸性
配向軸のずらし方向が同一方向の場合、基板の界
面付近の分子は各基板の配向軸方向に配列するた
め、ねじれ配列状態がより安定化され、前述の交
流印加前処理の後のチルト角θ′の状態では準安定
の配向状態となる。 前述の交流印加前処理の後のチルト角θ′の状態
では界面付近の分子の分極が、一方の基板では内
向きで、他の基板では外向きの配列をとる必要が
ある。 液晶のねじれ配列方向と反対方向に一軸性配向
軸をずらした場合、すなわち、ねじれ配列方向と
反対方向の角度で一軸性配向軸を交差した場合、
分子分極と界面との相互作用による安定G化エネ
ルギーよりも、一軸性配向軸による強制的なアン
カリングによる安定化エネルギーの方が大きく、
従つて安定なチルド角θ′をもつ状態が実現でき
る。 従つて、透過率が高い強誘電性液晶素子を実現
するためには、ねじれ配列状態を解消し、しかも
交流印加前処理によつて付加された理想的な配列
状態を安定化する方向に一軸性配向軸に互いにず
らすことが必要である。その方向とは、液晶と基
板界面によつて決められるねじれ角δをもつ液晶
のねじれ配列方向の反対方向である。 実施例 2 前述の実施例1で用いた1.8μmセルを作成した
際に用いたPVAに代えてポリイミド被膜(ピロ
メリツト酸二無水物と4,4−ジアミノジフエニ
ルエーテルとの脱水縮合物であるポリアミド酸液
を被膜形成後、加熱により脱水閉環として形成し
たポリイミド膜)を用いたほかは、同様の方法で
液晶素子を作成した。但し、液晶素子としては、
交差角0°、−20°と−45°のラビング軸を用いた。 交差角0°のラビング軸を用いた液晶素子でのね
じれ角δ及びねじれ方向を測定したところ、ねじ
れ角δは9〜11°で、ねじれ方向は正方向である
ことが判つた。 次に、交差角−20°と−45°のラビング軸を用い
た液晶素子に電圧120ボルトで周波数50Hzの交流
で交流印加前処理を施した。これらの液晶素子で
は、上下基板の法線方向に形成される液晶分子の
ねじれ配列は解消されていた。又、前述の交流印
加前処理した後の液晶素子ではチルト角θ′を測定
した。その結果とその時の透過率を表2に示す。
【表】 次に、+21ボルト−21ボルトの駆動用矩形パル
スを1msecで印加し、双安定状態間の反転を繰返
し行なつたところ、その時のチルト角及び透過率
には何ら変化を生じていないことが判つた。 実施例 3 前述の実施例1で用いた1.8μmセルを作成した
際に用いた混合液晶に代えてDOBAMBCを用い
たほかは、同様の方法で液晶素子を作成した。但
し、液晶素子としては、交差角0°、−20°と−45°の
ラビング軸を用いた。 交差角0°のラビング軸を用いた液晶素子でのね
じれ角δ及びねじれ方向を測定したところ、ねじ
れ角δは13〜14°で、ねじれ方向は正方向である
ことが判つた。 次に、交差角−20°と−45°のラビング軸を用い
た液晶素子に電圧80ボルトで周波数50Hzの交流で
交流印加前処理を施した。これらの液晶素子で
は、上下基板の法線方向に形成される液晶分子の
ねじれ配列は解消されていた。又、前述の交流印
加前処理した後の液晶素子でのチルト角θ′を測定
した。その結果とその時の透過率を表2に示す。
〔発明の効果〕
本発明の双安定性強誘電性液晶素子によれば、
上下基板に隣接する強誘電性液晶分子の軸を平行
に配列することができ、このために直交ニコルで
最大のコントラストが得られ、ねじれ配列で形成
された双安定性強誘電性液晶素子では最大のコン
トラストを得るために非直交ニコルを利用してい
たが、このために生じていた視野角依存性も生じ
ることがない。さらに本発明によれば前述のねじ
れ配列を解消した双安定性強誘電性液晶素子に交
流印加前処理を付加することによつて、非らせん
構造のカイラルスメクチツク相でのチルト角を増
大でき、この結果表示装置あるいは光学スイツチ
ング素子に適用するのに十分な透過率を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、らせん構造のカイラルスメクチツク
相を用いた液晶素子を模式的に表わす斜視図であ
る。第2図は、非らせん構造のカイラルスメクチ
ツク相を用いた液晶素子を模式的に表わす斜視図
である。第3図は、基板の法線に沿つてねじれ配
列した液晶分子を模式的に表わす平面図である。
第4図は本発明の液晶素子で用いた一軸配向軸と
液晶分子の軸との関係を表わす平面図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一軸性配向処理面を有する2枚の基板間に双
    安定状態下の強誘電性液晶を配置したセル構造を
    有する液晶素子において、一軸性配向軸の方向を
    互いに同一とし、且つ無電界とした時、前記強誘
    電性液晶の分子が前記基板の法線に沿つてねじれ
    て配列する傾向を有しており、前記一軸性配向処
    理面が前記ねじれ配列の方向と反対方向の角度で
    互いに交差した一軸性配向軸を有していることを
    特徴とする液晶素子。 2 前記一軸性配向軸がラビング処理によつて形
    成した配向軸である特許請求の範囲第1項記載の
    液晶素子。 3 前記一軸性配向軸が斜方蒸着によつて形成し
    た配向軸である特許請求の範囲第1項記載の液晶
    素子。 4 前記一軸性配向処理面が有機樹脂によつて形
    成した面である特許請求の範囲第1項記載の液晶
    素子。 5 前記有機樹脂がポリビニルアルコール、ポリ
    イミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミ
    ド、ポリパラキシリレン、ポリエステル、ポリカ
    ーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビ
    ニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレ
    ン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリヤ樹
    脂、アクリル樹脂及びフオトレジスト樹脂からな
    る樹脂類より選択された少なくとも1種の樹脂で
    ある特許請求の範囲第4項記載の液晶素子。 6 前記強誘電性液晶が交流印加処理された液晶
    である特許請求の範囲第1項記載の液晶素子。 7 前記交流印加処理が電圧20〜500ボルト及び
    周波数10〜500Hzの交流で行なう特許請求の範囲
    第6項記載の液晶素子。 8 前記強誘電性液晶が該強誘電性液晶より高温
    側の相よりの降温で形成された液晶である特許請
    求の範囲第1項記載の液晶素子。 9 前記強誘電性液晶がカイラルスメクチツク液
    晶である特許請求の範囲第1項記載の液晶素子。 10 前記カイラルスメクチツク液晶がカイラル
    スメクチツクC相、H相、I相、K相又はG相で
    ある特許請求の範囲第9項記載の液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3994567A (en) * 1974-12-04 1976-11-30 Dai Nippon Insatsu Kabushiki Kaisha Electro-optical cell for field effect type liquid crystal display
JPS56107216A (en) * 1980-01-08 1981-08-26 Clark Noel A Liquid crystal electrooptical device and production thereof

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