JPH04152888A - 抗体,抗体産生ハイブリドーマおよび抗体の製造法 - Google Patents

抗体,抗体産生ハイブリドーマおよび抗体の製造法

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JPH04152888A
JPH04152888A JP2204439A JP20443990A JPH04152888A JP H04152888 A JPH04152888 A JP H04152888A JP 2204439 A JP2204439 A JP 2204439A JP 20443990 A JP20443990 A JP 20443990A JP H04152888 A JPH04152888 A JP H04152888A
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JP
Japan
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human
antibody
basement membrane
hybridoma
antibodies
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JP2204439A
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Takashi Hashimoto
隆 橋本
Takeji Nishikawa
武二 西川
Susumu Iwasa
岩佐 進
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はヒトモノクローナル抗基底膜抗体、該抗体を産
生ずるハイブリドーマおよび該抗体の製造法に関する。
本発明のヒトモノクローナル抗体(以下、MoAbと略
記することがある)は天庖癒、類天庖癒、角化異常症や
、機能的異常を有するいくつかの先天性水痘症(主とし
て先天性表皮水痘症)の診断あるいはその発生機序の解
明、さらには細胞接着障害を目的とする治療(例えば癌
の転移阻止など)に有用である。
従来の技術 ケーラーとミルスタインにより開発されたハイブリドー
マを用いるMoAbの製造法は、単一特異性を示す抗体
を大量にかつ安定的に得られるという利点を有しており
、その技術は広範囲に応用されている[ K5hler
、 G、、 Milstein、 C,:ネイチャー(
Nature)、256.495(1975)]。特に
最近では抗原の検出・精製あるいは診断薬の開発だけで
なく、予防薬や治療薬の創製に大きく寄与しつつある。
しかし、一方で予防薬・治療薬としてMoAbを用いる
場合、ヒトにとって異種蛋白であるマウスMoAbを投
与することは、ヒト体内でのマウスMoAbに対する抗
体の産生による治療効果の低減あるいはIiHなアレル
ギー反応を誘起する危険性がある。したがって予防薬・
治療薬としては、ヒトMoAbを用いるのがはるかに望
ましいが、一般にその作製技術はマウスのそれに比べて
著しく遅れており、実際の成功例も少ない。
また、実際にヒトの各種疾患に関連する抗体を得たい時
には、ヒト由来のリンパ球、特に対象とする疾患患者由
来のリンパ球を用いてヒトMoAbを作成するのが好ま
しい。
このようなヒトMoAbはヒト−ヒトハイブリドーマ、
マウス−ヒトヘテロハイブリドーマあるいはヒトリンパ
球のエプスタイン−バーウイルス(以下、EBVと略記
することがある)トランスホーマント(ヒトリンパ球を
EBVにより活性化した形質転換細胞)などにより産生
されるが、後2者は抗体産生能の安定性および増殖能に
劣るため、前者のヒト−ヒトハイブリドーマによる産生
が望ましい。
通常抗ウイルス抗体、抗菌体由来毒素抗体あるいは抗癌
抗体を作成する場合、抗体産生細胞として用いるリンパ
球は、それぞれウィルスや細菌に感染したヒト、あるい
は癌患者由来のリンパ球を用いるが、特に自己免疫病患
者由来のリンパ球は、生体の重要な成分に対する種々の
抗体−自己抗体−を産生じ、その疾患病理と密接に関わ
っていることから抗体産生細胞のソースとして貴重であ
り、疾患発生機序の解明に重要な役割を果たすことが期
待されている。天庖癒や類天庖厘のような水痘症を伴う
自己免疫疾患についても、患者血清中に種々の自己抗体
(例えば、杭表皮細胞膜抗体や抗基底膜(baseme
nt  membrane  zone)抗体などが出
現し、その病理に重要な関わりをもつことが示唆されて
いるが、その認識するエピトープあるいは疾患との関連
については十分に理解されていないのが現状である。
一方、本発明者らによって、ヒトモノクロナール抗基底
膜抗体を産生ずるEBVトランスホーマントが確立され
ている[ J、 Cl1n、 Invest、、 84
 。
1050(1989)]が、該ヒトンスホーマントは抗
体産生能、抗体産生安定性、増殖能等が劣るため、Mo
Abを大量に調製し、産生されるMoAbの純度を向上
させることが困難であり、例えば医薬。
抗KM製用のカラムとして該MoAbを用いる場合には
、その純度をさらに向上させ、かつ大量に調製すること
が望まれている。
発明が解決しようとする課題 本発明は、順天庖癒抗原を認識するヒトモノクロナール
抗基底膜抗体(自己抗体)を安定的に産生し、また増殖
能の優れたヒトーピトハイプ++ y−マ、該ハイブリ
ドーマを用いる抗体の大量製造法および該製造法によっ
て大量に調製される高純度の抗体を提供するものである
課題を解決するための手段 本発明者らはかかる技術的背景のもとに、ヒト基底膜反
応性ヒトMoAbを安定的に産生するヒトヒトハイブリ
ドーマを作成することを目的として鋭意研究した結果、
ウワバイン抵抗性のヒl−Bリンパ芽球様細胞株AC−
33を、EBVで形質転換した類天疱瘡患者由来リンパ
球と融合することにより、抗体産生安定性および増殖能
の優れたハイブリドーマが得られ、ヒト抗基底膜MoA
bの高純度精製品を大量に調製することが可能となるこ
とを見いだした。
すなわち本発明は、(1)ヒトモノクロナール抗基底膜
抗体、(2)ヒトモノクロナール抗基底膜抗体産生ヒト
−ヒトハイブリドーマおよび(3)該ハイブリドーマを
培地に培養し、ヒトモノクロナール抗基底膜抗体を採取
することを特徴とする抗体4111社)トー縛貝−← 
1 本発明の基底膜に対するヒトモノクロナール抗体は治療
用または診断用ヒト免疫グロブリン製剤等として有用で
あり、また天庖癒、類天庖癒や角化異常症、さらには機
能的異常を有する先天性水痘症などの発生機序、関与す
る抗原の解明等に重要な知見を与える。
本発明で用いられるヒトモノクロナール抗基底膜抗体産
生ヒト細胞としては、基底膜と反応しうるヒトモノクロ
ナール抗体(好ましくはIgG型ヒトMoAb)を産生
しうる細胞であればいずれでもよく、類天庖癒などの水
痘症を伴う自己免疫病患者由来の、例えばリンパ節、末
梢血、牌臓由来のいずれのリンパ球でも用いられるが、
特に末梢血リンパ球が好ましく用いられ、これらの患者
由来リンパ球にEBVを感染させ活性化後、目的とする
抗基底膜抗体産生ヒト細胞を選別・濃縮し、この形質転
換細胞を後述する親細胞株と融合させるのがよい。
親株のヒトBリンパ芽球様細胞としては、上記EBV形
質転換細胞と融合させることにより目的とするヒトMo
Abを安定的に産生するハイブリドーマを作成しうるも
のであればいずれでもよく、公知のHAT感受性・ウワ
バイン抵抗性株TAW−925(IFO50095X特
開昭63−84488号公報)やAC−33(IFO5
0155、FERM  BP−2143)[特開平2−
429号公報]、あるいはHO−323[山田幹路、村
上浩紀:発酵と工業、土5,218(1987)]また
はそれらの継代株などが用いられるが、安定した抗体産
生能と増殖能を持つハイブリドーマが効率良く得られる
AC−33株が好都合に用いられる。
以上のようにEBV)ランスホーマントを用いる方法で
、より効率的に抗体産生ハイブリドーマを取得できるが
、かかるEBV含有液としては、例えばマーモセット細
胞B95−8株[プロシーディング・オブ・ナショナル
・アカデミ−・オブ・サイエンス(Proc、 Nat
l、 Acad、 Sci、 USA )。
70.190(1973)]の培養上清が用いられる。
EBVトランスホーマントの調製に際しては、培地にヒ
トリンパ球を約0.5〜5XlO’個/−1好ましくは
約lX10’個/1112の濃度になるよう浮遊させ、
これに上記の895−8培養上清を適量加える。約37
℃で約1時間軽く振とうし感染後、さらに約37℃で約
5〜30日間培養することにより、目的のヒトリンパ球
のEBV)ランスホーマントが取得できる。
ヒトBリンパ芽球様細胞(好ましくはAC−33株)と
ヒトモノクローナル抗基底膜抗体産生ヒト細胞(好まし
くはEBV)ランスホーマント)とを融合させるために
は、これらの細胞混合浮遊液にセンダイウィルスやポリ
エチレングリコール(PEG)などの融合剤を加えたり
、あるいは電気刺激を与えるなどの処理をする。PEG
を用いる方法は好ましい方法の一例であるが、もちろん
この方法に限定されるものではない。PEGを用いる方
法において、PEGの分子量は一般に約1゜000〜9
,000.インキュベージ2ンは約0゜5〜30分、P
EGの濃度は約lO〜80%などが用いられる。好まし
くは、約35〜55%のPEG6000を用いて約37
℃で5〜lO分細胞を処理するのがよい。融合細胞の選
択は、AC−33株を親株として用いる場合、例えばH
AT+ウワバイン添加培地(HA T O培地)などに
より実施でき、この操作で親株は死滅する。増殖してき
たハイブリドーマの培養上清を抗体価測定試験に供する
ことにより、抗体活性陽性の細胞が選別される。
ヒトモノクローナル抗基底膜抗体測定のためには種々の
方法が使用できるが、例えばヒト皮膚切片への該モノク
ローナル抗体の結合を蛍光標識第2抗体(例、ウサギ抗
ヒトIgG抗体など)でみる間接蛍光抗体標識法(以下
、IIF法と略記することがある)が挙げられる。
抗体活性陽性ハイブリドーマは直ちにクローニングに供
されるが、これは通常限界希釈法などで容易に実施され
る。クローン化されたヒト−ヒトハイブリドーマの培養
上清については、上記の方法でその抗体価を測定し、安
定的に力価の高い抗体を産生ずるハイブリドーマを選択
することによリ、目的とするモノクローナルなノ\イブ
リドーマを取得することができる。以上のようにして得
られるヒト−ヒトハイブリドーマとしては、例えば後述
のヒト−ヒトハイブリドーマ5E−HY−4B、ヒト−
ヒトバイブリド−=lOD−HY−3Bなどが挙げられ
る。
上記した本発明のヒトモノクローナル抗基底膜抗体産生
ヒト−ヒトハイブリドーマまたはその継代株から由来す
るハイブリドーマを用いて抗体を生成、蓄積せしめ、こ
れを採取することにより抗体を製造することができる。
該抗体の生成、蓄積は、本発明の/%イブリドーマを培
養することにより行われ、培養は、通常液体培地中また
は動物の腹腔内(通常はヌードマウス等哺乳動物の腹腔
内)で行うが、以下に液体培地中での培養の一例を挙げ
る。
培地としては、例えば動物細胞培養用基礎培地[イスコ
ツ培地とハムF12培地の等量混合培地(I・H培地)
やRPMI  1640培地など]に牛胎児血清(Fe
2)等を添加したものあるいはGIT培地(和光純薬工
業株式会社販売)(哺乳動物の血清を混在微生物の不活
化工程および塩析、脱塩工程を含む精製処理に付すこと
によって製造される哺乳動物血清由来の動物細胞培養用
組成物;特開昭60−145088号公報参照)などが
挙げられ、特にGIT培地が以下に述べる抗体の精製に
関して有利に用いられる。
培養は通常約3〜60日間、好ましくは約5〜10日間
、約30〜38℃、好ましくは約37℃で行う。
培養液中の抗体の精製については公知の生化学的手法を
組み合わせて用いることによりできる。
例えば、細胞培養液を遠心分離し、培養上清を取り出し
、塩析(通常は硫酸アンモニウムを用いる)を実施する
。得られたタンパク沈澱物を適当な溶液に溶解し、透析
後カラムクロマトグラフィー(イオン交換カラム、ゲル
ろ過カラム等)に付し、目的とする抗体を分離精製する
ことができる。以上のような分離精製操作により、例え
ば612の培養上清からタンパク重量比で90%以上、
好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上の
純度のヒトモノクローナル抗基底膜抗体(好ましくはI
gG型ヒトMoAb)を約10−30mg得ることがで
きる。
本発明の製造法により目的とするヒトMoAbの大量調
製が可能となった結果、極めて純度が高いヒトモノクロ
ーナル抗基底膜抗体を得ることができるので、例えば類
天庖厘なとの水痘症の診断薬などとして用いる場合好都
合である。また、この精製抗体標品においては、異種タ
ンパクであるウシ血清アルブミンおよびウシ血清グロブ
リンの含有量は各々約0.1%以下であり、EBV混入
の可能性もないため、医薬などとして人体に投与する場
合、好都合である。
以上のようにして得られたヒトMoAbを蛋白分解酵素
(パパイン、ペプシンなど)処理ならびに還元剤無理な
どにより、基底膜に対する結合能を保持するF ab、
 F ab’、 F (ab’)z断片などを得ること
ができ、本発明のヒトMoAbと同様の目的で用いるこ
とができる。
本発明により製造されるヒトモノクローナル抗基底膜抗
体はヒト皮膚組織の基底膜を特異的に認識し、これと強
く結合する。かかる抗体は均質で高力価なため、生化学
的製剤として用いるのにきわめて適している。例えば、
メンブレンフィルター等によるろ過除菌操作の後に、そ
れ自体あるいは適宜の薬理的に許容され得る担体、賦形
剤、希釈剤などと混合し、注射剤などとして製剤化する
こともできる。
以上のようにして得られたヒトMoAb製剤は、単に天
庖厘、類天庖癒、角化異常症、先天性水痘症などの発症
機序の解明に役立つばかりでなく、これら疾患の診断に
も使用できる。また、本発明の抗体は細胞接着に重要な
機能を果たす抗原を認識しており、それを阻止する機能
を利用した医薬への応用、特に癌の転移阻止剤としても
有用である。さらに、病態動物モデルの作成への応用あ
るいは天庖厘、類天庖厘、角化異常症、先天性水痘症な
との水痘症を伴う自己免疫疾患に関連する抗原を精製す
るために用いるアフィニティー力ラムヘの応用なども考
えられる。
以下、参考例および実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない
なお、実施例1に開示するヒト−ヒトハイブリドーマ5
E−HY−4Bおよび10D−HY−8Bは、平成2年
6月26日から財団法人発酵研究所(IFO)にそれぞ
れ寄託番号IFO50249およびIFO50250と
して寄託されており、また平成2年7月4日から通商産
業省工業技術院微生物工業技術研究所(FRI)にそれ
ぞれ寄託番号FERM  BP−2994およびFER
MBP−2995として寄託されている。
一方、実施例1に開示するヒトBリンパ芽球様細胞株A
C−33は、昭和62年12月14日からIFOに寄託
番号IFO50155として、またFRIに寄託番号F
ERM  P−9788として寄託され、該寄託はブダ
ペスト条約に基づく寄託に切り換えられて、寄託番号F
ERM  BP−2143としてFRIに保管されてい
る。
参考例I  EBVトランスホーマントの作成類天庖漬
患者の末梢血からFicoll−Hypaqueを用い
た比重遠心法でリンパ球を分離し、20%FC5添加■
・H培地(■・H−20F)に2×107個になるよう
に浮遊させた。
このリンパ球浮遊液lに対しEBVを含有するBO2−
8細胞培養上清を容量にしてlOの割合に加え、37℃
で1時間軽く振とうしながら感染を行った。感染後、l
−H−20F培地を加え、96ウエルマイクロプレート
にlウェル当り8X10’個播種し、37℃炭酸ガス培
養器で2〜3日毎に半量ずつ新しい培地と交換し、2〜
4週間培養を行ないEBV形質転換細胞を得た。
の細胞融合 参考例1により得られるEBvトランスホーマントとヒ
トBリンパ芽球様細胞株AC−33とをl:1の細胞比
になるように混合し、45%PEG6000(コツホラ
イト社製)で7分間処理して細胞融合を実施した。融合
後、トランスホーマントをl−H−10F培地に6X1
03〜8XIO’個/−になるように浮遊させ、リンプ
ロ24ウエルマルチデイツシユに1mずつ播種し、37
℃炭酸ガスインキュベーター中で培養した。24時間後
、HAT・ウワバイン(ヒポキサンチン:l×10−’
M、アミノプテリン: 4 X 10−’M、チミジン
: 1.6 X 10−’M、ウワバイン:2XIO−
6M)含有■・H−10F(HATO)培地を1−加え
、HATO選択培養を開始した。さらに3.5.7日の
奇数8後にl+a12ずつのHATO新鮮培地の交換を
実施し、HATO選択培養を継続した。
(2)抗基底膜抗体産生ハイブリドーマのクローニング 実施例1−(1)に記載した細胞融合の9〜lO日後に
出現したハイブリドーマの培養上清を、後述の実施例2
に記載のIIF法に供し抗体価を測定した。次いで、特
に強い抗体活性を示したウェルを公知の限界希釈法によ
るクローニングに供した。す、なわち、ハイブリドーマ
が3個/−になるようにl−H−10F培地に浮遊させ
、96穴マイクロプレートにlウェル当りO,1gal
lずつ分注した。分注する際、フィーダー細胞としてB
ALB/cマウスの脚線細胞をウェル当り5XIO’個
になるように加えた。約10〜15日後に細胞の増殖が
認められ、その上清を採取して抗体の有無を後述の実施
例2に記載のIIF法で測定した。
その結果、増殖能および抗体産生能の優れたヒト−ヒト
ハイブリドーマ5E−HY−4Bおよび10D−HY−
8Bが選別・育種された。
(3)モノクローナル抗体の製造 実施例1−(2)で得られたヒト−ヒトハイブリドーマ
5E−HY−4Bおよび10D−HY−8Bをそれぞれ
GIT培地(日本製薬(株)製造・和光純薬工業(株)
販売)に浮遊させ、37℃で培養を継続し、順次培養容
量を増加した。得られた培養上溝6Qに硫酸アンモニウ
ムを47%の濃度になるように加え、4℃で撹拌しなが
ら60分間塩析を行ない、遠心分離(10,000回転
、15分間)した。得られた沈澱物を10mMリン酸食
塩緩衝液(PBS、pH7,3)に溶解し、上溝を十分
量のPBSで緩衝化したプロティンAカラム(ファルマ
シア社製造)に供し、十分に洗浄後、pH3−0のO,
1Mグリシン・塩酸緩衝液で抗体画分を溶出した。溶離
抗体液は0 、1 M!jIjlナトリウム緩衝液(p
H10,0)で直ちに中和し、PBSに対し透析後、さ
らに限外濾過により濃縮し、以下の実験に供した。
ヒト−ヒトハイブリドーマ5E−HY−4Bおよび10
D−HY−8Bの培養上清6Lから、それぞれタンパク
重量比で純度が95%以上の18111gおよび21m
gの精製ヒトモノクローナル抗基底膜抗体5 E −H
Y−4Bおよび10D−HY−8Bを取得した。抗体の
純度の確認にはラエムリらの方法[ネイチャー(Nat
ure)、227.680(1970)】に従い、5D
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた。すなわ
ち硫安塩析し、DEAE−セルロースカラムで素通りし
た画分を、2メルカプトエタノールで還元して10%5
DS−ポリアクリルアミドゲル、180ポルト、22時
間の条件で泳動した。その結果、分子量約52キロダル
トン前後にH鎖、約28キロダルトン前後にL鎖の2つ
のバンドが認められ、不純物にもとづくバンドは観察さ
れなかった。さらに、TSKゲルG3000SW[東ソ
ー(株)〕を用いるHPLCに供し、抗体の純度がいず
れも95%以上であることを確認した。得られた抗体の
免疫グロブリンクラス、サブクラスはオフタロニー法に
よる測定で、いずれもIgG、であった。
実施例2  IIF法によるヒトモノクローナル抗体の
性状分析(1) 公知の技術[R,E、 Jordonら:アーカイブス
・オブ・デルマトロジー(Arch、 Dermato
l、l 103 。
486(1971)]に従い、正常ヒト皮膚切片を用い
て実施例1で得られたヒトMoAbのIIF法を実施し
た。
すなわち、クリオスタット内で手術時入手した正常ヒト
皮膚の未固定6μm切片を作成し、まず希釈MoAbを
37℃で30分間反応させ、次いで20倍希釈FITC
標識抗ヒト1gG抗血清を30分間反応させて蛍光顕微
鏡にて観察した。その結果、5E−HY−4B抗体およ
びI 0D−HY−8B抗体とも表皮基底膜部に線状の
陽性反応を示した。5E−HY−4B抗体の正常ヒト皮
膚切片(皮膚組織)に対する反応性をIIF法によって
蛍光顕微鏡で観察した結果を第1図に示す。
さらに、正常皮膚をIM  NaCQ溶液中で4℃にて
48時間インキュベートして表皮・真皮を刺離後、上記
と同様にしてIIF法を実施した。その結果、5E−H
Y−4B抗体および10D−HY−8B抗体とも基底膜
の表皮側にのみ点状の陽性反応を示した。この結果は、
通常の類天庖厘患者の血清を用いてIIF法を実施した
時に得られる結果と同様であった。10D−HY−8B
抗体のIM  NaCM剥離表皮(皮膚組織)に対する
反応性をIIF法によって蛍光顕微鏡で観察した結果を
第2図に示す。
いずれのMoAbも、蛍光抗体法による抗体価は5.1
20−10.240倍を示し、類天庖癒患者血清中の抗
体価(40〜640倍)の約10〜300倍の抗体価を
示した。
ヒト表皮および5nm金コロイド標識抗ヒトIgG抗血
清を用いて、post−embedding法により実
施例1で得られたMoAbの反応局在を検討した。
その結果、5E−HY−4B抗体およびIOD・HY−
8B抗体ともに、表皮基底膜部ヘミデスモゾームの接着
板に一致して金粒子の結合が認められた。この部位は順
天庖厘患者血清の反応部位とほぼ同様であったが、血清
ではより広い範囲の反応性が認められた。
これまでの知見では、表皮デスモゾーム構成蛋白が多数
同定されており、細胞接着機構における役割が種々の研
究により解明されつつあるが、表皮へミデスモゾームの
構成蛋白は、上記反応部位である順天庖艙抗原以外には
知られていない。それ故に、これらのへミデスモゾーム
に特異的なMoAbは、ヘミデスモゾームの細胞−基質
接着における役割を解析する上で、重要かつ唯一の手段
となっている。
正常ヒト皮膚を2mM  EDTA含有PBSにて48
時間インキュベートすることにより表皮を剥離した。こ
の表皮の2%5DS−トリス・塩酸緩衝液抽出液を抗原
として、免疫プロット法を実施した。すなわち、抽出液
を5%ゲルを用いた5DS−PAGEに供したのち、ニ
トロセルロース膜に転写した。3%スキムミルクでブロ
ック後、実施例1で得られたヒトモノクローナル抗体、
HRP標識抗ヒトIgG抗体の順に反応させ、クロロナ
フトールで陽性バンドを発色させた。
結果は第3図に示した通りであった。5E−HY−4B
抗体は230kDの単一バンドと反応したが、10D−
HY−8B抗体は全く反応性を示さなかった。類天庖癒
患者血清を用いた免疫プロット法では、最も重要な類天
庖癒抗原と考えられている230kD蛋白を中心に、2
10,200゜190.170kD等の複数バンドが認
められた(第3図中、レーン1〜2は5E−HY−4B
抗体を、レーン3は10D−HY−8B抗体を、レーン
4〜6は類天庖漬患者血清をそれぞれ用いた免疫プロッ
ト法の結果を示す)。
実施例5 免疫沈降法によるヒトモノクローナル抗体の
性状分析(4) 培養ヒト表皮細胞を1′Cアミノ酸で標識後、0゜5%
NP−40(表面活性剤)含有トリス緩衝液で抽出した
。この抽出液をまず正常ヒト血清にて前沈降し、さらに
実施例1で得られたヒトMoAbに反応させたのち、p
rotein A含有ブドウ球菌(Pansorbin
)で沈降させた。試料緩衝液内で100℃、2分間加熱
後、5DS−PAGEに供し、乾燥後オートラジオグラ
フィーを実施した。
結果は第4図に示した通りであった。5E−HY−4B
抗体および10D−HY−8B抗体は共に230kD蛋
白を沈降した。類天庖癒患者血清もその多くがこの23
0kD蛋白のみを沈降した(第4図中、レーン1〜3は
順天庖唐患者血清を、レーン4は5E−HY−4B抗体
を、レーン5は10D−HY−8B抗体をそれぞれ用い
た免疫沈降法の結果を示す)。すなわち、実施例4に記
載の免疫プロット法の結果とも考え併せると、この2つ
のヒトMoAbはいずれも主要類天庖虐抗原である23
0kD蛋白を認識するが、2つのM o A bの認識
エピトープは異なり、5E−HY−4B抗体は直線アミ
ノ酸1次構造のエピトープを認識するが、10D−HY
−8B抗体は立体的な3次元エピトープを認識すると判
定された。
実施例6 蛍光抗体法によるヒトモノクローナル抗体の
性状分析(5) 5E−HY−4B抗体および10D−HY−8B抗体の
認識するエピトープと、順天庖癒患者血中抗体の認識す
るエピトープとの関連を検討するため、ブロッキング蛍
光抗体法を実施した。
すなわち、実施例4に記載のヒト表皮切片をまず種々の
類天庖厘患者血清でブロック後、予めビオチン標識した
MoAb 5E−HY−4Bおよび10D−HY−8B
をそれぞれ反応させた。次に、FITC(フルオレセイ
ン・インチオシアネート)標識アビジンと反応後、蛍光
顕微鏡で観察した。
5E−HY−4B抗体の反応性は30名中17名の血清
によりブロックされ、10D−HY−8B抗体の反応性
は18名の血清によりブロックされた。これらの結果か
ら、実施例1で得られたMoAbはいずれも順天庖厘患
者血清中に比較的広く見られる抗体種と考えられる。
公知のトリプシン・ギムザ法による染色体の解析を実施
した[「動物細胞利用実用化マニュアル」、5内田ら編
、リアライズ社刊、337−346Jr(1984)]
。]5E−HY−4Bハイプリドーは染色体数90−9
3に分布し、92にモードを有した。10D−HY−8
Bハイプリドーマは染色体数85−92に分布し、87
にモードを有した。これらのハイブリドーマはほぼ4倍
体と考えられる。
実施例8 サチンプロット法によるヒトモノクロ−ナル
抗体H鎖遺伝子再配列の解析 ヒト−ヒトハイブリドーマ5E−HY−4B。
ヒト−ヒトハイブリドーマ10D−HY−8Bおよびヒ
トBリンパ芽球様細胞株AC−33よりDNAを抽出後
、制限酵素(EcoRI 、HindnI。
BamHI)にて切断した。次いでアガロース電気泳動
後、サチンプロット法によりニトロセルロース膜に転写
した。
オリゴプライマー法により3!pl[識した免疫グロブ
リンHf1cDNAをプローブとしてハイブリダイゼー
ションし、オートラジオグラフィーにて観察した[ T
、 Maniatisら:「モレキュラー・クローニン
グ(Mo1ecular  Cloning )J 、
ColdSpring  Harbor  Labor
atory刊(米国)1゜結果は第5図に示した通りで
あった。AC33株にはgerm  1ine  ba
ndの他に特異的遺伝子再配列が見られた。さらに、5
E−HY−4Bおよび10D−HY−8Bハイブリドー
マには、AC’−33株のバンドに加えて、互いに異な
る特異的遺伝子再配列が見られた(第5図中、レーンl
は5E−HY−4Bハイブリドーマを、レーン2は10
D−HY−8Bハイブリドーマを、レーン3はAC−3
3株を用いたサチンプロット法の結果を示し、→はge
rm  1ine  bandを示し、二◇はAC−3
3株の遺伝子再配列を示し、−および〉はそれぞれ5E
−HY−4Bおよび1OD−HY−8Bハイブリドーマ
の遺伝子再配列を示す。) これらの結果より、2種のハイブリドーマはそれぞれ2
つの遺伝子再配列を有し、またそれぞれの産生ずる免疫
グロブリンが異なることが証明された。
発明の効果 本発明のヒトモノクローナル抗基底膜抗体産生ヒト−ヒ
トハイブリドーマは、増殖能、抗体産生能および抗体産
生安定性に優れているので、ヒトモノクローナル抗基底
膜抗体を大量に効率良くしかも高純度に製造することが
でき、工業的生産上有利である。かかるハイブリドーマ
より産生される抗体は、ヒト皮膚組織における基底膜に
強く結合する性質を有するため、類天庖涜、角化異常症
、先天性表皮水痘症などの診断やその発生機序の解明に
有用である。また、細胞接着阻害能をもつことから、癌
の転移阻止にも効果を発揮し、転移抑制剤として有用で
ある。さらに、高純度に精製されたヒトモノクローナル
抗基ffE[抗体は、類天庖厘抗原の精製に用いるアフ
ィニティーカラムを作成する際に有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ヒト正常皮膚切片(皮膚組織)に対する抗体
の反応性を示す蛍光顕微鏡写真(IIF法)である(実
施例2参照)。 第2図は、LM  NaCQ剥離表皮(皮膚組織)に対
する抗体の反応性を示す蛍光顕微鏡写真(IIF法)で
ある(実施例2参照)。 第3図は、実施例4に記載の免疫プロット法の結果を示
したものである。 第4図は、実施例5に記載の免疫沈降法の結果を示した
ものである。 tJ5図は実施例8に記載のサチンプロット法による免
疫グロブリンH鎖遺伝子再配列の解析結果を示したもの
である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ヒトモノクローナル抗基底膜抗体を産生するヒト
    −ヒトハイブリドーマ。
  2. (2)ヒトモノクローナル抗基底膜抗体産生ヒト細胞と
    ヒトBリンパ芽球様細胞とを融合することにより得られ
    る請求項1記載のハイブリドーマ。
  3. (3)ヒトモノクローナル抗基底膜抗体産生ヒト細胞が
    、類天疱瘡患者由来のリンパ球をエプスタイン−バーウ
    イルスにより活性化した形質転換細胞である請求項2記
    載のハイブリドーマ。
  4. (4)ヒトBリンパ芽球様細胞がヒトBリンパ芽球様細
    胞株AC−33またはその継代株である請求項2記載の
    ハイブリドーマ。
  5. (5)ヒト−ヒトハイブリドーマ5E・HY−4B。
  6. (6)ヒト−ヒトハイブリドーマ10D・HY−8B。
  7. (7)請求項1、2、3、4、5又は6記載のハイブリ
    ドーマを培地に培養し、ヒトモノクローナル抗基底膜抗
    体を採取することを特徴とする該抗体の製造法。
  8. (8)純度90%以上のヒトモノクローナル抗基底膜抗
    体。
JP2204439A 1990-07-02 1990-07-31 抗体,抗体産生ハイブリドーマおよび抗体の製造法 Pending JPH04152888A (ja)

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