JPH10501411A - 細胞周期非依存性グリオーマ細胞表面抗原特異的ヒト・モノクロナール抗体 - Google Patents

細胞周期非依存性グリオーマ細胞表面抗原特異的ヒト・モノクロナール抗体

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JPH10501411A JP8501432A JP50143296A JPH10501411A JP H10501411 A JPH10501411 A JP H10501411A JP 8501432 A JP8501432 A JP 8501432A JP 50143296 A JP50143296 A JP 50143296A JP H10501411 A JPH10501411 A JP H10501411A
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Abstract

(57)【要約】 IgMイソタイプの2個のモノクロナール抗体(HMAb)の可変領域鎖を、その鎖をコードするcDNAの構造解明により特定した。このHMAbは細胞周期により変化しないグリオーマ関連抗原にたいして特異的であり、かつこの抗体は正常ヒト星状細胞を認識しない。特定された配列に基づく免疫複合体は、インビボで増殖性グリオーマ細胞・非増殖性グリオーマ細胞の両方を標的とするはずなので、これら腫瘍の治療において貴重な補助療法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞周期非依存性グリオーマ細胞表面抗原特異的 ヒト・モノクロナール抗体 本発明は、IgMイソタイプのモノクロナール抗体類(MAb)とそれをコードする cDNA類の特定に関する。詳しく言えば、本発明は悪性グリオーマ細胞系統にたい し抑制的に働く二種のヒトMAbに関する。これらのヒト抗グリオーマMAbは、この 侵襲的脳腫瘍の治療において有望な臨床的価値を持つ。本発明はこれらMAbが結 合する細胞表面マーカーをも含むものである。 悪性グリオーマは、原発性脳腫瘍の中でももっとも高頻度に見られる。悪性グ リオーマはまた臨床的処置のもっとも難しいものの一つである。脳内に局在する ために、はっきりした症状を引き起こす前に実質的な大きさにまで成長すること がある。その生物学的性質は侵襲性の高いことで知られている。もっとも中枢神 経の外に転移することはめったにない。 外科的処置や放射線治療だけではめったに治癒することはない。すなわち最善 の手当てを尽くしても、生存中央値は1年未満である。さらに新たに補助的治療 を導入しようと大きな努力がなされているにも拘わらず、悪性グリオーマ患者の 予後は、過去30年ほとんど変わっていない。 免疫治療を始めとする補助的治療の多くは現在無効であるか、または受け入れ がたいほどの病状悪化の危険性を持つかのいずれかである。しかしながら、ケー ラーとミルシュタイン(Koehler and Milstein,1975)により齧歯類ハイブリド ーマが開発されたことにより、モノクロナール抗体による、腫瘍免疫診断および 免疫治療が、有望な研究領域として登場してきた。 齧歯類MAbによる研究によって、グリオーマの生物学や異質性が相当わかって きた。しかしこれら齧歯類由来の試薬は、様々な理由によりヒトにたいする臨床 応用には適さない。一方、ヒトMAbは齧歯類由来のものよりも特異性が高く、生 物学的適合性も高い可能性がある。 悪性グリオーマは、一般に大脳半球内に生ずる神経上皮性腫瘍である。一つの グループとして、脱分化星状細胞腫、脱分化乏突起神経膠腫、脱分化脳室上皮腫 、および、多形性膠芽腫を含む。これらの腫瘍は皆ある顕微鏡的特質を共通に持 っている。例えばそれは高密度の細胞集合、有糸分裂像の増加、濃染色性を伴う 核の多形性、および細胞多形性である。多形性膠芽腫においても上記の特質は存 在するが、それと共に偽柵状構造を伴う壊死、偽ロゼット形成を伴う毛細管内皮 細胞の増殖、および、間葉細胞の増殖が見られる。上記腫瘍は均質ではなく、異 なる腫瘍間においても同一腫瘍間においても変異を示す。これが恐らく治療にた いする抵抗性の主な決定因子と考えられる。分化の低いグリオーマ細胞にたいし て選択的なマーカーはほとんど存在しない。従ってもしもこれらのその他の点で は異質な集団として存在する細胞を選択的に標的とすることができたら、それは きわめて有用であろう。なぜなら、このように分化の低い細胞から成る腫瘍を除 去できなければ、それは必ず腫瘍の再発を招くからである。 悪性グリオーマを持つ患者の多くは、重度の免疫抑制下にあること、特に細胞 介在性機能が強く抑制されていることは十分に確かめられている。しかし悪液性 となる患者はほとんどいない。身体全体にひどい消耗がないのに免疫抑制が見ら れるというのは、それが通常の場合のように腫瘍による過度の負荷が加わったこ とを反映しているのではなく、むしろ腫瘍固有の機構によることを示唆する。悪 性グリオーマ患者においては、体液性免疫機構もそのまま残っているとはいうも のの低下しているようである。 悪性グリオーマはその由来するところの正常細胞と多くの共通抗原を有してい る。そのため、グリオーマ組織にたいして従来のやり方でグリオーマ組織にたい するヘテロ抗血清を調製しても、ほとんど必ず正常の成人脳とある程度の交差反 応を引き起こすことになる。この共有抗原は細胞内性のものも、膜関連性のもの も、細胞外性のものもある。 最近、細胞間相互作用、分化、および腫瘍発生において、糖脂質や炭水化物の 構造の果たす役割について大きな関心が寄せられている。糖脂質のなかのガング リオシドと呼ばれる1群が細胞接着や増殖の制御に重要な役割を果たしている可 能性がある。細胞が悪性のトランスフォーメーションを起こすと、その表面ガン グリオシドの化学的性状に微妙な質的・量的変化が生じると思われる。 悪性グリオーマはきわめて血管の発達した腫瘍である。それなのに、正常で健 康な脳に存在する血液・脳関門が損壊ないし完全に欠失している。正常の脳は、 この血液・脳関門によって、免疫系の作用や、その他の血中作用因子からは「特 権的に守られている」、すなわち、孤立している。悪性グリオーマ患者では、こ の血液・脳関門が損壊しているため、免疫系が直接腫瘍細胞に接触する。 グリオーマ細胞系統にたいして誘導された齧歯類MAbに関する研究が、シュネ ッグら(Schnegg,et al.,1981)とバードンら(Bourdon,et al.,1983)によ って報告されている。いずれのグループも、マウスをヒト・グリオーマ細胞系統 由来の培養細胞で免疫化し、その脾臓細胞を前者ではマウスミエローマP3X63-Ag 8系統、後者ではP3X63-Ag8.653系統とそれぞれ融合させた。シュネッグら(1981) の記載によるMAb BF7,GE2が比較的グリオーマ特異的であったが、抗体CG12(ド ・トリボレら、de Tribolet,et al.,1984)は、グリオーマ、メラノーマ、お よび神経芽細胞腫と反応した。バードンら(1983)は抗体81C6を生産しその特徴 を明らかにしたが、それによるとこの抗体はグリオーマ、神経芽細胞腫、メラノ ーマ、肉腫、培養線維芽細胞の細胞表面に発現するグリオーマ・間葉細胞外基質 (GMEM)抗原と反応することが判明した。上記に加えてさらに、このGMEM抗原は 、正常肝の類洞、脾臓の赤色髄類洞、腎臓髄質介在性細管、および、糸球体メサ ンギウム細胞に認められた。CG12を正常成人脳、および、胎児脳で吸 収するとその結合活性は消失するのに、同じ処置をしてもBF7,GE2,および81C6 は影響を受けない。 悪性グリオーマ患者から得たヒト・モノクロナール抗体(HMAb)に関する報告 が文献にみられるが、その抗体のいずれもその特徴が十分明らかにされていない 。 シコラら(Sikora,et al.,1982)は、0.25%グルタールアルデヒド固定した グリオーマ細胞に反応するHMAbの生産を報告している。この研究者たちは、悪性 グリオーマ治療のために開頭手術を受けた12人の患者から腫瘍内リンパ球を入手 し、それらをEBNA+ 8-アザグアニン抵抗性ヒト・リンパ球芽細胞様細胞系統LICR -LONHMy2と融合させた。この細胞系統は、ガンマ鎖とラムダ鎖を分泌することが 知られている。5人の患者から、合計71個のハイブリドーマが得られた。このハ イブリドーマについては、サブクローニング実験の報告もないしそれらのモノク ローン性に関する例証も証明もない。またこの研究はHMAbが他の腫瘍細胞系統に たいして交差性反応を示すことを報告している。ヒト脳の腫瘍内細胞を出発物質 として用いることの不利益は明らかである。 続く研究(1983)においてシコラらは、単離したHMAbを調べ、標的との反応性 を示すのに高い濃度を必要としるのでこのHMAbの親和性は低いと結論した。 本発明者とその共同研究者らは、5種のハイブリドーマ細胞系統の作成につい て報告した。これらはいずれも、IgM型の抗グリオーマHMAbを生成した(ダンら、 Dan,et al.,1992)。この5種のハイブリドーマは、星状細胞腫を持つ4人の患 者の末梢血中のリンパ球をヒト骨髄腫様細胞系統TM-H2-SP2と細胞融合させて得 たものである。 この5種のハイブリドーマの作成は次の原理に基づいて行なわれた。すなわち 、神経腫瘍を持つ患者が循環する抗グリオーマ特異性を持つBリンパ球を有する であろうこと、さらにグリオーマ患者から得た腫瘍反応性抗体は、特異性と分布 が 外来の免疫系によって認識されるものとは異なる、共通で非対立遺伝子性のヒト グリオーマの決定基を認識しなければならないということである。 このようにして、この5種のハイブリドーマは、ヒト骨髄腫様細胞系統と、グ リオーマ患者から得たB細胞とを融合させて得たものである。得られたハイブリ ドーマを適当に培養することによって、ヒト・グリオーマにたいして効果的なHM Abの有効量が得られた。 得られたヒトMAbの顕著な特質は、互いの類似性がきわめて高いことであった 。しかもそれらは4人の別々の腫瘍患者の細胞から得たもので、それら患者はそ れぞれ腫瘍の種類においても、病歴においても、腫瘍の進行度においてもまちま ちであった。さらにこれらHMAbは従来のものに比べて、ヒト標的細胞と高い適合 性を示し、またヒト標的細胞認識について高い感度を示した。このHMAbは、ヒト の正常星状細胞には結合しない。 これらのHMAbは神経原性腫瘍を放射線標識してその診断画像を取るのに有用で あり、免疫療法においては、直接作用によってまたはこれらHMAbに化学療法剤を 結合して、腫瘍細胞を直接狙撃するのに有用である。ヒトMAbが臨床的価値を持 つためには、次の基準を満たさなければならない。すなわち、1)腫瘍細胞表面を 標識すること、すなわち、生きている腫瘍細胞に結合すること、2)細胞周期と無 関係な腫瘍特異的抗原を認識すること、および、3)培養活性、成長特性や培養密 度と無関係に、腫瘍細胞にインビトロでもよく結合すること、である。得られた 5種の抗グリオーマHMAbの内少なくとも二つはこの基準を満たしているようにみ え、その特性が明らかにされている。この二つのHMAbをBT34/A5とBT32/A6と名づ ける。 本発明は、HMAb BT34/A5とBT32/A6の可変領域の軽鎖と重鎖をコードするcDNA 配列を与える。本発明は、相当するアミノ酸配列、特定された可変域鎖を持つIg MイソタイプのヒトMAb、および、同じ可変域鎖を持つその他の蛋白や蛋白 複合体を含む。特に本発明は、本発明の軽・重鎖の超可変域と同一、または、90 %同等の超可変域(相補性決定域、または、CDR)を持つ軽・重鎖所有蛋白ないし 蛋白複合体を含む。当業者であれば分かるように、免疫複合体とは抗原結合成分 子構造と複合体を形成した薬剤類、毒物類、サイトカイン類、核種、酵素類、お よび、その他の診断用ないし治療用の分子を含む。本発明はさらに本発明のHHAb が結合する細胞表面マーカー即ち抗原を含む。ヒトMAbの調製 細胞融合は次のようにして行なった。すなわち、ヒト骨髄腫細胞様細胞系統TM -H2-SP2と、8人の別々の脳腫瘍患者(BT-24,BT-27,BT-32,BT-34,BT-38,BT -39,BT-54、および、BT-55と名づけた)から得られた末梢血Bリンハ球(PBL) とからハイブリドーマを調製した。患者は、男女から成り、5才から55才までで 、各種神経上皮性腫瘍を患っていた。その腫瘍としては、線維性星状細胞腫、小 星状細胞腫、原始的神経上皮性腫瘍、およびグリオーマが含まれる。融合は、前 に記載したやり方(ダンら、Dan et al.1992)で行なった。細胞は96穴のトレ ー上でインキュベートした。その際、新鮮な組織培養液と牛胎児血清(FCS)に、L -グルタミン(292mg/l)とL-アスパラギン(44mg/l)を添加したものを用いた。 ハイブリドーマの生育は0-19.5%の範囲にあった。この生育とは目でみえる(肉 眼で見える)コロニー(細胞数50-100個を越えるコロニー)を含むマイクロウェ ルの数を接種した全ウェル数で割り、それをパーセントで表わしたものである。 すべての標品において細胞融合に使えるPBLの数は、6.0 X 106から5.8 X 107 の範囲であった。リンパ球にたいする骨髄腫細胞の割合は、各細胞融合例につい て、1:4と一定にしたが、実際に蒔いた密度は骨髄細胞の数にして融合混合液1ml 当り1.0 x 105から2.5 x 105の範囲に亘った。いくつかの融合例では低い接種密 度を選んだがこれは、始めからモノクロナール性を得られやすくするためであっ た。一方高い接種密度では、ハイブリドーマの生育が促進されるように みえた。すべての融合例において、ポリエチレン・グリコールの濃度は、50%(v /v)とした。 通常、ハイブリドーマの生育は融合開始後4から6週後から認識できるように なり、マイクロウエル内での出現はしばしばその後数週間継続して観察された。 一般に、もっとも早期に出現するハイブリドーマ・コロニーが、もっとも安定性 の高い傾向があった。96マイクロウェル(0.28cm2/ウェル)培養が終わるまでに 肉眼的に観察できたコロニーで24ウェル・プレート(2.01cm2/ウェル)で生育で きる程の量まで増やすことができなかったものもあった。例えば、BT-54との細 胞融合の場合、最初、96マイクロウェルで生育した7個のコロニーの内、持続的 に培養できたのはただ1個だけであった。融合後3か月以後はハイブリドーマ生 育不良の例は観察されなかった。 このハイブリドーマについて、ヒト免疫グロブリンの存在と、および自己腫瘍 の3M KCl抽出物またはグルタールアルデヒド固定グリオーマ細胞系統を用いた反 応性についてスクリーニングした。 前記融合によるハイブリドーマと推定される新生物を含む合計1,121個のウェ ルをスクリーニングした。この内、162個(14.5%)が腫瘍抽出物またはグリオー マ細胞系統と反応した。BT-27とBT-32の融合例では、いくつかのグリオーマ細胞 系統との反応性を調べた結果、個々のマイクロウェルで複数ELISA(酵素結合イ ムノソルベント検定法)が陽性と判定されるものが見いだされた。 最後の二つの融合例、すなわち、BT-54とBT-55では、ELISAに改変を加え、反 応性IgM種を含むマイクロウェルだけを検出するようにした。この改変は、コン トロールとしてTM-H2の代わりにハイブリドーマBT27/2D2の培養上澄み液を用い 、さらにアルカリホスファターゼ複合山羊抗ヒトIgMを第2の抗体として加える ことであった。この根拠は次の通りである。すなわち、融合例BT-24,BT-27,BT -32、および、BT-34から得られた34個のハイブリドーマに存在する免 疫グロブリン鎖を分析してみたところ、34個全てがIgMを含むことが判明したこ と、さらに、これらハイブリドーマを数個丁寧に調べてみたところ、抗腫瘍活性 には、IgMだけがあずかっていることが明らかになったことである。患者BT-27の 細胞から得られたハイブリドーマBT27/2D2は、免疫反応性に関する各種ELISAに おいて一貫して陰性であったので、非特異的IgMコントロール(1-4μg/ml)とし て選んだ。 前記一連の融合例から得た合計9種の高い免疫グロブリン生産性を持つハイブ リドーマについて、FACS-IIIフロー・サイトメーターを用いてヒト・グリオーマ 細胞系統SK-MG-1との反応性についてスクリーニングした。BT27/1A2,BT27/2A3 ,BT32/A6,BT34/A5、および、BT54/B8と名づけたハイブリドーマから得られた 5種の上清液が、この特定のグリオーマ細胞系統を標識していることが判明した 。5種全てが腫瘍反応性IgM種を含んでいた。したがって、8例の融合実験で、 6週後に肉眼で観察できた合計59個のハイブリドーマの内、グリオーマ細胞系統 の細胞表面と反応しかつ持続的に培養されるものはたった5個(8.4%)であった 。ここで特記すべきことは、BT27/2A3によるヒトグリオーマ細胞系統SK-MG-1の 標識は、テスト前にSK-MG-1細胞を高い細胞密度に維持すると強化されることで ある。 5個のハイブリドーマ上清液はすべてμ重鎖を含んでいることが判明した。BT 34/A5だけがラムダ軽鎖を含んでおり、他の4個のHMAbはカッパ軽鎖を含んでい た。各HMAbは、フロー・サイトメトリー(FCM)分析とFITC複合山羊抗ヒトIgM( IgG分画、μ鎖特異的、キャペル研究所、Capple Laboratories,Cochranville, PA)によって、SK-MG-1の細胞表面を標識することが判明した。このことから、 これらのIgM分子は腫瘍細胞膜に結合することは明らかである(データは提示し ない)。 約6か月継続培養後評価したBT27/1A2のIgM濃度は5.0μg/mlであり、BT27/2A3 では44μg/mlであり、BT32/A6では3.5μg/mlであり、BT34/A5では 2.4μg/mlであり、かつ、BT54/B8では22.4μg/mlであった。さらに6か月の継続 培養後では、IgMの生産レベルはほぼ同等であることが判明した。 5個のHMAbの内3個について、ELISAで相対的反応性を調べた。上清液の最初 の濃度においては、反応性の順序は、BT27/2A3>BT27/1A2>BT32/A6であった。こ れはそれぞれのIgM濃度の順序と同じであった。ELISAによって最終力価を求める と、コントロールのIgM基礎値よりも有意に高いO.D.指示値が得られた。すなわ ち、BT/2A3では1:16、BT27/1A2では1:4、BT32/A6では1:2であった。この定量法 では、最初の手順で等量、すなわち、50μlのPBS添加を含むのであるから、ELIS Aでテストされる最初の希釈度は1:2であった。いずれの希釈曲線においても、初 期平坦相は認められなかった。これは、用いたELISA測定条件では、腫瘍抽出量 が制限因子となっていないことを示している。モノクローン性の決定 マニアチスら(Maniatis,et al.,1982)にしたがって、TM-H2-SP2,BT27/1A2 ,BT27/2A3、BT32/A6およびBT27/2D2からゲノムDNAを分離した。10μgのDNAを、 BamHi,HindIII制限酵素(>3単位/μg DNA、ベーリンガー・マンハイム、Boehi nger-Mannheim、西ドイツ)で37℃で一晩消化した。方法は、メーカーの指示し た条件にしたがって行なった。消化後、DNAを、0.8%(w/v)アガロースゲル上で 電気泳動にかけ(マニアチスら、Maniatis et al.,1982)、常法により、Genescr een Plus Membrane(エヌ・イー・エヌ、NEN,ボストン、マサチューセッッ州) に移した。ニシン精子DNA(ベーリンガー・マンハイム、Boehinger-Mannheim、 西ドイツ)によって予備ハイブリダイゼーションをした後、そのサザーン・ブロ ットを比放射活性5-6 x 108/μgの32P-標識JHプローブ(オンコール社、Oncor In c.,Gaithersburg,MD)で、65℃で一晩ハイブリダイズさせた。このプローブは ヒトJH全域を含み、合計5.6kbpの長さを持つ(ラベッチら、Ravetch,et al.,1 981)。洗浄後、このブロットを遮蔽を強化して-70℃でコダックX-線フィルムに 暴露した。 サザーン・ブロット分析により、ハイブリドーマBT27/1A2,BT27/2A3およびBT 32/A6はそれぞれJH遺伝子領域にたいして相同な2個の再構成バンドを持つこと が判明した。ハイブリドーマBT27/2D2はそのようなバンドを3本持っているよう であった。本実験で用いたB細胞融合の相手方すなわちTM-H2-SP2は、一本しか バンドを持っておらず、明白な欠損があった。さらに、「ハイブリドーマ」のい ずれにも、JH領域にTM-H2-SP2型の再構成の兆候は認められなかった。コントロ ールとして、60-70%のT細胞由来遺伝材料から成る正常PBL DNAをサザーン・ブ ロットで調べたところ、胎盤性(胚細胞系統)DNAとその配列が一致しているこ とが判明した。さらに、標本の各々に無関係の相同配列を含む低MWのバンドがあ った。 このIg重鎖遺伝子は、ヒトの14番染色体にあり、4個の別々の要素から成って いる。すなわち、VH(可変域)、DH(多様域)、JH(接合域)、および、CH(定 常域)である。胚細胞性DNAにおいては、これら領域は介在配列によって隔てら れている。この介在配列はその細胞が一旦B細胞分化に向かうと、切り離されて 捨てられる。 最初は、再構成を経るのはただ一本の染色体だけで、他方は、胚細胞性構成の まま留まると考えられていた(対立遺伝子排除原理)。しかしながらマウスの重 鎖遺伝子においては、第2遺伝子もほとんど必ず再構成される(ノッテンバーグ とワイスマン、Nottenburg and Weismann,1981)。このことからある任意の細 胞においてその機能的再構成の確率はきわめて低くなければならない、という仮 説が提出された(コールクロフら、Coleclough,et al.,1981)。したがって、一 つの細胞において、二つが非機能的という状況、または、一つが機能的で、もう 一つは非機能的という状況に出会うことはあろうが、二つが機能的な重鎖の再構 成が起こるということはめったにないと思われる。この所見はマウスでは正しく 、高等な哺乳動物種でも同様に妥当なようである(コルスマイヤーら、Korsmeye r,et al.,1983)。 この実験で使用した重鎖プローブは、ヒト胚細胞性JH領域全長をカバーする。 胚細胞性DNAの再構成の起こる状況では、制限酵素BamHIとHindIIIによる消化は 長さにおいて、5.6kbp JHプローブとは異なるDNA断片を与えると思われる。各ハ イブリドーマ塩基配列の中にはこのような断片が二つ観察されたが、これは各ハ イブリドーマについて二つの重鎖再構成が検出されたことを示すもので、このこ とはこの3個のハイブリドーマの各々がモノクロナール起源であることと一致す る。フロー・サイトメトリー 培養ヒト細胞系統と株についてフロー・サイトメトリーによる分析を行なった 。細胞を集密状態になるまで培養し、少なくとも標識24時間前に培養液を新しく してその状態に維持した。懸濁培養細胞系統は、高い細胞密度すなわちほとんど 飽和状態の培養で維持し使用した。スクリーニングは前述した方法にしたがって 、2回以上別々に行い、HMAbの免疫反応活性維持を確かめるため確立された陽性 細胞系統と平行して行なった。 ヒト細胞系統によるFCMスクリーニングの結果を第1,2表にまとめた。異な る分類項目に属するいくつかの神経外胚葉腫瘍および非神経外胚葉腫瘍組織につ いてテストした。5種のHMAbは調べた30個の細胞系統にたいし同様なパターンの 反応性を示し、目立った例外はほとんどなかった。わずかな例外としては例えば 、ヒト上皮子宮頸癌細胞系統ME180は、BT27/1A2とBT27/2A3とは反応したが、BT3 2/A6とは反応しなかった。抗体BT34/A5とBT54/B8はいずれもグリオーマ細胞系統 SKI-1とは反応しなかったが、メラノーマ細胞系統M-4は標識した。 HMAb BT32/A6だけが変わった反応パターンを示した。抗体BT27/1A2とBT27/2A3 と1つの反応パターンを呈し、抗体BT34/A5とBT54/B8とは別の反応パ ターンを示した。しかしこれらは互いに僅かしか違っていなかった。このHMAbの いずれも、試験した血液由来細胞系統のいずれとも反応しなかった。 一連のヒト腫瘍細胞系統にたいする反応パターンには若干の違いはあるものの 、5個のHMAbはすべて、それぞれ異なる腫瘍を持つ異なる患者から得られたもの であるにも拘わらず、生化学的な組成という点でも、生体内分布という点でも、 同じ分子構造を認識しているようである。免疫パーオキシダーゼ染色 一連の腫瘍細胞を用いた免疫パーオキシダーゼ染色試験法には、抗体BT32/A6 を選んだ。腫瘍細胞は、完全培養液中で2-3日間培養してカバーグラス上に生育 させ、PBSで洗い、2%フォルムアルデヒドで室温20分間固定した。PBSで洗浄した 後、細胞を1%正常山羊血清と共に60分インキュベートした。あらためてPBSで洗 浄した後、細胞を10-20μg/mlのMAbまたは、コントロールのヒト骨髄腫IgMと共 に室温で120分インキュベートした。さらにPBSで洗浄した後、細胞を、ビオチン 化山羊抗ヒトIgMで室温で60分染色し、HRP標識ストレプトアビジンと共にさらに 60分インキュベートし、その後PBSで洗浄した。パーオキシダーゼ反応は、0.06% ジアミノベンジジと50mMトリス-HCl,pH7.0に溶解した0.01%過酸化水素とを用い て開始させ、10分間続けた。細胞は、ヘマトキシリンで短時間対照染色した。第 3表から明らかなように、染色の結果は、大部分フローサイトメトリーの結果を 確認することになった。ただ例外として、この方法では、メラノーマ、神経芽細 胞腫細胞系統にたいするHMAbの結合は陽性であった。 正常ヒト星状細胞との反応性 培養ヒト星状細胞について、HMAbによる標識性を調べた。すべての抗体試薬は ヒト・グリオーマの確立された細胞系統(U-373)にたいして免疫反応性である ことをチェックした。HMAb BT27/1A2,BT27/2A3,および、BT32/A6のいずれも2 人から採取した別々の培養星状細胞を標識しなかった。抗体BT34/A5およびBT54/ B8も、1人から採取した正常ヒト星状細胞を標識しなかった。相対的親和性 5個のHMAbの相対的抗体親和性を定量するために、ド・ベルナードとデイビ ス(De Bernado and Davis,1987)の変法を用いた。5個のHMAbと、患者BT-37 (多形性膠芽腫)から得た腫瘍抽出物とを、4℃で長時間インキュベーション( 18時間)、または、短時間インキュベーション(4時間)してELISAで調べた結 果を、O.D.測定値で表わした。各HMAbについて、二つのインキュベーション時 間におけるO.D.値を比較したところ、BT32/A6とBT54/B8では、長時間のインキ ュベーションの方がO.D.が統計的に有意に高い(p<0.05)ことが明らかになっ た。他の3個のHMAb(BT27/1A2,BT27/2A3およびBT34/A5)では、いずれも、4 ℃で長時間インキュベーションした後でも、反応性に有意な増加は見られなかっ た。これらの結果から、BT32/A6とBT54/B8は、低温では、親和性の低い抗体とな ることが示唆された。 長時間インキュベートすると(4℃で18時間)、5個のHMAbはすべて、コント ロールに比べ、ELISA上で陽性である(p<0.05)ことが確かめられた。一方、短 時間インキュベーションでは(4℃で4時間)、わずかにBT27/1A2,BT27/2A3と BT34/A5だけが有意に陽性であったが、BT32/A6とBT54/B8は有意な反応性を示さ なかった。これは恐らくその親和性が低いためであろう。抗原特定のための予備実験 培養神経外胚葉細胞系統から得た全脂質抽出物について、そのドット・ブロッ トを調べた。LN-340とM-4はそれぞれグリオーマとメラノーマ細胞系統であるが 、すでに5個のHMAbのいずれとも反応しないことが確かめられている。グリオー マ細胞系統U-373由来の糖脂質にたいする反応を調べてみると、コントロールのH MAb BT27/2D2に比べると、5個のHMAbすべてにおいて、反応性のある兆候が窺わ れた。グリオーマ細胞系統SK-MG-1については、BT54/B8を除くすべてのHMAbが、 脂質抽出物にたいしてある程度の反応性を示すようであった。もっとも、これら のドット・ブロットの状態は全く満足すべきものとはいえなかった。 SK-MG-1グリオーマ細胞から調製した全脂質抽出物について、BT34/A5と、コ ントロールとして親細胞系統TM-H2を用いて、免疫クロマトグラフィを行なった 。Rf=0.60の単一特異バンドが観察された。Rf=0.80の非特異バンドがBT34/A5とT M-H2のレーンに認められた。BT27/2D2を対照としてBT27/1A2とBT27/2A3について 別に実験を行ったが、同様の結果、すなわちRf=0.60において特異的バンドが得 られた。HMAb BT54/B8による免疫クロマトグラフィでは、何ら特異的バンド・パ ターンは得られなかったが、この結果はドット・ブロットの実験と一致していた 。 上記の結果は、このHMAb類は決定基として糖脂質あるいはガングリオシドを認 識していることを示唆するが、糖蛋白との関連は見いだされなかった。図面の簡単な説明 第1A-1D図は、掻きとったSK-MG-1細胞のフローサイトメータ分析の結果である 。 第2Aと2B図は、グリオーマ細胞でPI透過性のあるものを、BT32/A6で標識した もの(第2B図)と、コントロール(第2A図)で標識したもののフロー・サイトメ ータ分析の結果である。 第3図は、SK-MG-1細胞の集密培養を各種スプリット比で通過させた時の、非 生存細胞にたいする生存細胞の割合を示す。 第4図は、種々のスプリット比における細胞生育率を示す。 第5図は、種々のスプリット比について、細胞周期の各相における細胞数の相 対値を示す。この図に見られる傾向は第4図の生育率の増加と一致する。 第6図は、培養スプリット比と、MAb BT32/A6によるSK-MG-1細胞標識の度 合いを示す。ヒト・モノクロナール抗体BT32/A6 今後の分析にはHMAb BT32/A6を選んだ。 BT32/A6の培養液上清は、細胞を10%ウシ胎児血清(FBS)、1% L-グルタミン、 1% HT(ギブコ、Gibco,Grand Island,NY)を添加したRPMI-1640培養液を用い 、T175 sq.cm.フラスコ(コスター Costar,Cambridge,MA)か、または、31 撹拌フラスコ(コンテス、Kontes,Vineland,NJ)中で育成して調製した。4ま たは5日の培養後、1-2 x 106の細胞密度において、500xgで10分間遠心して上清 を収集した。この上清を直接または使用前に濃縮精製して用いた。培養液上清を 濃縮するには、ミニトラン濃縮器(ミリポア、Millipore,Bradford,MA)にて 、100,000分子量分画接線流膜を用いた。IgM抗体の精製には、混合式イオン交換 ABx(ジェイ・ティー・ベーカー社、J.T.Baker Inc.,Philipsburg,NJ)、Q −セファロースファストフロー、および、スーパーローズ-6のカラムクロマトフ ラフィで行なった。MAbの最終濃度は、抗原捕捉ELISAにて、ポリクロナール・ヒ トIgM(カッペル研、Cappel Labs.,Malvern,PA)で作成した標準曲線を用いて 定量した。 すでに報告したように(ダンら、Dan,et al.,1992)、SK-MG-1グリオーマ細 胞(もとはAJと命名されていた。Pfreundshuh,et al.,1978)のFCM分析の結果 、「小型」、および、「大型」細胞と呼ばれる、明らかに異なる二つの細胞群の 存在が明らかになった(前方拡散像による)。この所見は、培養フラスコから機 械的に剥がし取ったSK-MG-1細胞について調べた結果に基づく。SK-MG-1細胞を細 胞にたいしてはより穏やかなトリプシンまたはEDTAで除去し、それについてFCM 分析すると細胞集団はただ一つしか得られないことが判明した(図示せず)。剥 がし取ったSK-MG-1細胞について蛍光活性化ソーティングを行なってみると、「 小型」細胞は2%のコロニー形成率(CFE)しか持たないのにたいし、 「大型」細胞は、38.0%のCFEを持っていた。これはほとんど20倍である。剥がし 取ったSK-MG-1グリオーマ細胞をPI(ヨウ化プロピウム)だけで標識すると、PI 蛍光の増加は「小型細胞」だけに観察されたが、「大型」細胞には観察されなか った。死んだ細胞がPIで染色されるのであるから、剥がし落としたSK-MG-1の内 、「大型」細胞は生育能力があり、「小型」細胞は生育能力がないものであると 結論された。生細胞の表面標識 生きていないの「小型」細胞を、前方拡散対90°拡散座標面において小形強調 (backgate)してみると、「小型」細胞は縦軸において、生きている「大型」細 胞の下に独立の集団として現われる。「大型」細胞の周囲には領域が区切られた (第1A図の'A')。さらに、生きていて生育能力を持つSK-MG-1グリオーマ細胞の みを通過させる作業をやりやすくするために、すべてのFCM標品にPIを加えた。 第1B図において、'B'とマークした領域は、PIによって標識されないSK-MG-1細胞 を表わす。'B'の右の二重ピークは、PIを取り込んだSK-MG-1細胞(領域'C')し たがって、非生存性細胞を表わす。この二重ピークはそれぞれ細胞サイクルのG0 /G1とG2/Mピークに相当する。第1C図は、領域'A'と領域'B'からダブルゲートし たSK-MG-1細胞を表わす。したがって、この細胞は、生きており、インビトロで コロニーを形成できる。これらの細胞はコントロールのMAbで標識されていた。H MAb BT32/A6を添加後これらの細胞の平均FITC蛍光は、>36%の係数で増加したこ とが判明した(第1D図)。したがって、ヒトIgM MAb BT32/A6は、生存活性を持 ちインビトロでコロニーを形成できる生存SK-MG-1グリオーマ細胞の表面を標識 する。細胞周期非依存性の抗原発現 細胞周期全体におけるBT32/A6抗原の発現を、PIにたいして透過性を持ち(第1 B図領域'C')かつ、MAb BT32/A6で標識したSK-MG-1グリオーマ細胞 のみを通行させて調べた。第2B図に示すように、この結果から腫瘍細胞の標識は 細胞周期のG0/G1およびG2/Mの両相で起こることが明らかになった。細胞周期の S相においてもごく僅かにSK-MG-1細胞の標識化が見られたが、これは、図には 反映されていない。 細胞周期の各相において標識が観察されるということは、生存SK-MG-1細胞の ほぼ100%に見られる蛍光増加所見から裏付けられる。どの時点においてもSK-MG- 1細胞のある割合は、細胞周期のいずれかの相にある。その細胞のほぼ100%が標 識されるということは、細胞周期の各相におけるすべてのSK-MG-1細胞がMAb BT3 2/A6によって標識されることを意味する。以上からBT32/A6抗原の生存細胞表面 における発現は、調べたSK-MG-1の細胞継代度と培養密度においては細胞周期に 影響されない。抗原発現と培養スプリット比 SK-MG-1グリオーマ細胞の集密培養を、0,1:2,1:4,1:8,1:16,1:32、およ び、1:64のスプリット比で通過させ、つぎに、標準条件で3日間その細胞を培養 すると、下記のパラメータに際だった傾向が生じた。そのパラメータとは、1)非 生存細胞にたいする生存細胞の割合(第3図)、2)細胞生育率(第4図)、およ び、3)細胞周期におけるG0/G1,S,および、G2/M相の細胞の相対数(第5図)で ある。培養細胞の生存率(非生存細胞にたいする生存細胞の割合で決める)と、 細胞生育速度(0日目の細胞数に対する3日目の細胞数をパーセントで表わした もので決める)の間にはきわめてよい相関があった。すなわち、r=0.991でp<0.0 1である。 培養細胞生存率、生育速度、および、細胞周期にはこのような傾向が見られる のに反して、SK-MG-1グリオーマ細胞にたいするBT32/A6の標識性を、培養体分割 比と関連づけたが、有意な傾向は認められなかった(r=-0.303,p>0.05、第6図 )。このデータはスチューデントのt-テストによる回帰直線の勾配がゼロ になるという帰無仮説を否定できなかった。したがって、SK-MG-1にたいするMAb BT32/A6の標識性は調べたスプリット比の範囲内では、1)培養細胞の生存性、2) 生育速度、および3)細胞周期に依存しない。補体仲介性細胞毒性 ヒト・グリオーマ細胞(SK-MG-1)を、5% FBSと5mM HEPESを含むRPMI-1640養 液pH7.2で洗浄した。5 x 105個/mlのSK-MG-1細胞懸濁液50μlを、96-穴プレート (コスター、Costar,Cambridge,MA)の丸底ミクロタイターウェルにて、各50 μlの培養液(コントロール)またはMAbの各種希釈液(試験試料)と一緒に、室 温で2時間インキュベートした。すべての標本は2連で同一工程処理した。次に 、このミクロタイター・プレートを400xgで5分間速心し、上清を取り除き、培 養液50μlまたはウサギ補体(セーダーレーン研究所、Cederlane Laboratories ,Hornby,ON、カナダ)50μlのどちらかを各ウェルに添加した。インキュベー ションを37℃で90分継続した。インキュベーション後、プレートを400xgで5分 遠心し上清25μlを取って氷上に置いた。分析の終了時、細胞懸濁液標本を等容 量の0.2%トリパン・ブルーで染色しヘモサイトメータで生存細胞のパーセントを 計測した。2連の標品から平均生存率を求めた。MAbによる比細胞毒性パーセン トを、下記の式にしたがって求めた。 結果を、第4表にまとめた。 HMAb BT32/A6とBT34/A5の特定 標準法(ル・ベーフら、Le Boeuf et al.1989、シュレーダーら、Schroeder et al.,1990)を用いて、HMAb BT32/A6とBT34/A5の軽鎖・重鎖の可変域につい てDNA配列を得た。すなわち、ハイブリドーマ細胞系統BT32/A6とBT34/A5からmRN Aを抽出し、V-領域特異性プライマーによるPCRを用いてV-領域cDNAを増幅した。 適当なクローニング発現ベクトルを調製し、細菌培養物をアンピシリン含有LB培 養液で生育させた。dsDNAの小標本をアルカリ法(分子クローニング法、マニア ーチス、Maniatis)にて調製し、ユナイテッド・ステーツ・バイオケミカル(th e United States Biochemical)製キットとプロトコールを用いてDNAの塩基配列 を決めた。 ヒトIgM軽・重鎖定常域のDNA配列は既知であるから、ヒトIgM可変域の配列決 定は、全部を特定することになる。 配列表には各種配列が載せてある。HMAb BT34/A5は、363個のヌクレオチドか ら成るVH(μ)鎖の配列をコードするcDNAを持っている(配列番号1)。30ヌク レオチドから成るVH(μ)BT34/A5の部分的シグナル配列(配列番号2)も明らか にされた。このcDNAのコード配列から、BT34/A5 VH(μ)は121個のアミノ酸残基 (配列番号3)から成り、前述の部分シグナル配列は10個のアミノ酸残基(配列 番号4)から成ることが明らかになった。 HMAb BT34/A5のVL(λ)鎖は、333個のヌクレオチド配列(配列番号5)のcDNA コード配列を持ち、これは、111個のアミノ酸残基(配列番号6)から成る蛋白 質をコードする。10個のアミノ酸残基(配列番号8)をコードする、30個のヌク レオチド(配列番号7)からなる部分シグナル配列も特定された。 HMAb BT32/A6 VL(κ)鎖は、113個のアミノ酸残基(配列番号9)から成る蛋 白鎖をコードする339個のヌクレオチド配列(配列番号10)のcDNAコード配列を 持つ。20個のアミノ酸残基(配列番号12)をコードする、60個のヌクレオチド( 配列番号11)から成る部分シグナル配列も特定された。 HMAbBT32/A6のVH(μ)鎖は完全には特定されず、FR1およびFR2領域の一部の配 列が明らかにされただけであった。したがって、このVH(μ)鎖のcDNA部分配列 は、120個のアミノ酸残基(配列番号14)から成る蛋白鎖をコードする360個のヌ クレオチド(配列番号13)から成る。 これらの配列結果の初期の分析から、少なくともBT32/A6のVH(μ)に関しては 、抗原結合部位はCDR3領域すなわち配列番号14のアミノ酸92-114にあるらしいこ とが明らかになった。 ここに特定されたV鎖の超可変領域、すなわち、相補性決定領域(CDR)は特 に興味深い。なぜなら、少なくともこの内のいくつかは抗原結合に関係している からである。従って本発明はCDRがここに特定されたCDRと少なくとも90%相 同な免疫グロブリン可変領域軽・重鎖を持つ分子を含む。 従って、HMAb BT34/A5のVH(μ)鎖は、下記の相補性決定領域(CDR)を持つ。 すなわち、 CDR1配列番号 15 CDR2配列番号 16 CDR3配列番号 17 HMAb BT34/A5のVL(λ)鎖は下記のCDRを持つ、すなわち、 CDR1配列番号 18 CDR2配列番号 19 CDR3配列番号 20 HMAb BT32/A6のVH(μ)鎖は下記のCDRを持つ、すなわち、 CDR1配列番号 21 CDR2配列番号 22 CDR3配列番号 23 HMAb BT32/A6のVL(κ)鎖は、下記のCDRを持つ、すなわち、 CDR1配列番号 24 CDR2配列番号 25 CDR3配列番号 26。考察 ここに掲げたデータから、MAb BT32/A6によって認識される抗原の発現性は他 に例のないものであることが明らかになった。なぜなら、SK-MG-1細胞のほとん ど100%が(FCMで調べると)、培養細胞密度、培養細胞の生存活性や細胞周期と 無関係にこの抗原を発現しているようにみえるからである。HMAb BT34/A5もBT32 /A6に類似しているので、BT34/A5結合に関しても同様の結果が期待される。この 抗原認識がこれほど驚くべきものなのは、悪性グリオーマは通常不均一な腫瘍と 考えられていることが挙げられる。すなわち、ある腫瘍中ですべての細胞に共通 する生物学的共通項が見られるのは例外的なことである。実際この異質性は腫瘍 組織の全部と言わないまでも大部分に共通な特質である。異質性は「正常」な機 構を通じて形成されるのかもしれないし、癌細胞に固有の遺伝的不安定性の増加 のために生じるのかもしれない。従来次のことが指摘されている。すなわち最も 厳密に言えば、「腫瘍異質性」という用語は細胞系統に違いのある場合は使うべ きでないといわれている。細胞周期性作用やその他の遺伝周辺の現象が腫瘍細胞 の変動性の情況を別のレベルでさらに複雑にしている。 SK-MG-1のような継代を重ねてきた系統にたいしても、そのすべての腫瘍細胞 を100%認識する腫瘍特異的MAbはほとんど存在しない。コンピュータ支援による サイトフルオロメトリーを利用した優れた研究において、スターブルーら(Star vrou,et al.,1989)は、ある種の星状細胞腫とグリア芽細胞腫細胞系統(例え ば、86HG-63,86HG-39)の培養細胞を100%まで認識する二つのMAb,MUC 8-22とM UC 2-63を報告しているが、このような完全認識の観察例は稀ではあった。同じ 研究グループが次の所見を得た。すなわち抗体結合を示す細胞のパーセントは細 胞系統によってまちまちであり、しかもそれが個々の細胞系統においても継代が 異なるとまちまちになるという。 コクナイら(Kokunai,et al.,1990)の報告によれば、あるヒトMAb(CLN-Ig G)は、グリオーマ関連抗原を認識するが、その抗原の細胞表面発現は細胞周期 状態の影響を受けるという。CLN-IgGによって認識される抗原の発現は、細胞周 期がG2/M相に入るとグリオーマ細胞表面に著明に増加するが、G0/G1相の細胞 においては有意に減少することが分かった。これらの所見は治療的見地から重要 な意味を持つ。なぜなら通常の補助治療(例えば、放射線治療や化学療法)は、 腫分裂を繰り返している瘍細胞に向けられており、かつ腫瘍幹細胞は細胞分裂的 には静穏な、非周期性の細胞中にいると考えられているからである。MAbによる 腫瘍免疫療法が成功するためには、活発に分裂している細胞にたいするのと同様 に、細胞分裂を休止している腫瘍細胞にも狙いを定めなければならない。このこ とはMAbが細胞周期依存性腫瘍関連抗原にたいするものではなくて細胞系統依存 性腫瘍関連抗原にたいするものでなければならないということを意味する。 これまでのところ、星状細胞腫関連抗原に対するMAbについては、他にただ一 つ報告があるにすぎない。この抗原は、FCM分析で調べたところ細胞周期と無関 係に発現されている(サラワルら、Sarawar et al.,1991)。このM2と名づけら れた特定のMAbは、広範な中枢神経腫瘍上に発現される抗原を認識する齧歯類MAb である。これの発現される腫瘍としては、若年性星状細胞腫、脳室上皮腫、髄芽 細胞腫、髄膜腫、および、乏突起神経膠腫がある。M2はさらに正常ヒト成人脳の あらゆる領域の星状細胞と反応するばかりか、少数の神経細胞や、胎児脳とも反 応することが知られている。 以上から、ヒトMAb BT32/A6は、生存活性を持つSK-MG-1細胞に細胞周期とは無 関係に100%に発現されるグリオーマ関連抗原を認識するが、培養正常ヒト星状細 胞上に発現される抗原は認識しない。BT32/A6抗原の発現は、細胞密度、生育速 度、または培養細胞の生存活性に影響されない。この特性により、MAb BT32/A6 (およびそれとの類似性から、同様にして得られた他のHMAbも)はヒト悪性グリ オーマの治療のための補助的免疫治療剤として好適である。MAb BT32/A6の可変 領域配列に基づいて免疫毒素を構築するならば、それによって生体内において、 非増殖性の(G0/G1)グリオーマ細胞と増殖性(S,G2/M)細胞の両方を標的とす ることが可能となるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/08 9358−4B C12P 21/08 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヌクレオチド配列番号1を持つ、ヒト・モノクロナール抗体BT34/A5の重鎖 でサブグループμ(VH(μ))の可変領域をコードする単離DNA。 2.さらに、前記DNAの5'末端から延びるヌクレオチドシグナル配列を含み、か つそのシグナル配列はその3'末端においてヌクレオチド配列番号2を含む、請求 項1で請求される単離DNA。 3.ヌクレオチド配列番号5を持つ、ヒト・モノクロナール抗体BT34/A5の軽鎖 でサブグループλ(VL(λ))の可変領域をコードする単離DNA。 4.さらに、前記DNAの5'末端から延びるヌクレオチドシグナル配列を含み、か つそのシグナル配列はその3'末端においてヌクレオチド配列番号7を含む、請求 項3で請求される単離DNA。 5.ヌクレオチド配列番号13を持つ、ヒト・モノクロナール抗体BT32/A6の重鎖 でサブグループμ(VH(μ))の可変領域をコードする単離DNA。 6.ヌクレオチド配列番号9を持つ、ヒト・モノクロナール抗体BT32/A6の軽鎖 でサブグループκ(VL(κ))の可変領域をコードする単離DNA。 7.さらに前記DNAの5'末端から延びるヌクレオチドシグナル配列を含み、かつ そのシグナル配列はヌクレオチド配列番号11を持つ、請求項6で請求される単離 DNA。 8.アミノ酸配列番号3を持つ免疫グロブリンVH(μ)鎖。 9.さらにそのC-末端にアミノ酸配列番号4を持つシグナル配列を含む、請求項 8で請求されるVH(μ)鎖。 10.アミノ酸配列番号15(CDR1)、配列番号16(CDR2)、および配列番号17(CDR3)ま たはそれらにたいし少なくとも90%相同な配列を含む相補性決定領域(CDR)を持つ 免疫グロブリンVH(μ)鎖。 11.アミノ酸配列番号6を持つ免疫グロブリンVL(λ)鎖。 12.さらにそのC-末端にアミノ酸配列番号8を持つシグナル配列を含む、請求項 11で請求されるVL(λ)鎖。 13.アミノ酸配列番号18(CDR1)、配列番号19(CDR2)、および配列番号20(CD R3)または、それらにたいし少なくとも90%相同な配列を含むCDRを持つ免疫グロ ブリンVL(λ)鎖。 14.それぞれアミノ酸配列番号3と4を持つVH(μ)鎖とVL(λ)鎖を持つ免疫グ ロブリン。 15.モノクロナール抗体である、請求項14で請求される免疫グロブリン。 16.イソタイプMである、請求項15で請求される免疫グロブリン。 17.ヒト・モノクロナール抗体BT34/A5。 18.アミノ酸配列番号15(CDR1)、配列番号16(CDR2)、および、配列番号17(CDR3) 、または、それらと少なくとも90%相同な配列を持つCDRを含むVH(μ)鎖を持つ 免疫複合体あり、かつアミノ酸配列番号18(CDR1)、配列番号19(CDR2)、および、 配列番号20(CDR3)、または、それらと少なくとも90%相同な配列を持つCDRを含む VL(λ)鎖を持つ免疫複合体。 19.免疫毒素である、請求項18で請求される免疫複合体。 20.アミノ酸配列番号14を持つ免疫グロブリンVH(μ)鎖。 21.アミノ酸配列番号21(CDR1)、配列番号22(CDR2)、および、配列番号23(CDR3) または、それらにたいし少なくとも90%相同な配列、を含むCDRを持つ免疫グロブ リンVH(μ)鎖。 22.アミノ酸配列番号10を持つ免疫グロブリンVL(κ)鎖。 23.さらに、アミノ酸配列番号12を持つシグナル配列を含む、請求項22で請求さ れるVL(κ)鎖。 24.アミノ酸配列番号24(CDR1)、配列番号25(CDR2)、および、配列番号26(CDR3) または、それらにたいし少なくとも90%相同な配列、を含むCDRを持つ免疫グロブ リンVL(κ)鎖。 25.それぞれアミノ酸配列番号14と10を持つVH(μ)鎖対を持つ免疫グロブリン 。 26.モノクロナール抗体である、請求項25で請求される免疫グロブリン。 27.イソタイプMである、請求項26で請求される免疫グロブリン。 28.ヒト・モノクロナール抗体BT32/A6。 29.アミノ酸配列番号21(CDR1)、配列番号22(CDR2)、および、配列番号23 (CDR3)、または、それらと少なくとも90%相同な配列を持つCDRを含むVH(μ)鎖 を持つ免疫複合体であり、かつアミノ酸配列配列番号24(CDR1)、配列番号25(CDR 2)、および、配列番号26(CDR3)、または、それらと少なくとも90%相同な配列を 持つCDRを含むVL(κ)鎖を持つ免疫複合体。 30.免疫毒素である、請求項29で請求される免疫複合体。 31.細胞周期に依存しないグリオーマ関連細胞表面抗原であって、HMAb BT32/A6 によって特異的に結合され、かつ正常ヒト星状細胞の表面には存在しないグリオ ーマ関連細胞表面抗原。 32.細胞周期に依存しないグリオーマ関連細胞表面抗原であって、HMAb BT34/A5 によって特異的に結合され、かつ正常ヒト星状細胞の表面には存在しないグリオ ーマ関連細胞表面抗原。
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