JP2626979B2 - ヒト癌細胞に対するモノクロナール抗体4c1および該抗体を産生するハイブリドーマ - Google Patents

ヒト癌細胞に対するモノクロナール抗体4c1および該抗体を産生するハイブリドーマ

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は癌の診断、治療に有効なモノクローナル抗体
(以下McAbと略記することがある)及び該抗体を産生す
るハイブリドーマに関する。さらに詳しくは、各種悪性
腫瘍に高頻度で発現される非分泌型抗原を認識するモノ
クローナル抗体4C1および該抗体産生ハイブリドーマ4C1
に関する。
(従来技術) 1975年、ケーラー(Khler)とミルシュタイン(Mi
lstein)はマウスミエローマP3Kの誘導変異株であるP3X
63−Ag8(HGPRT欠損株)と、抗ヒツジ赤血球マウス抗体
産生細胞よりハイブリドーマを作製し、このハイブリド
ーマが自立増殖性と抗ヒツジ赤血球抗体産生能を共に有
している事を報告した。この研究で示された、単一抗原
決定基のみを認識する均一な抗体、すなわちMcAbの概念
は、免疫学、医学、薬学、生物学の分野で大いに注目を
集めた。1977年ウイスター(Wistar)研究所のコブロウ
スキー(H.Koprowski)らは、ウイルスまたは悪性腫瘍
に対するMcAbを産生するハイブリドーマを作製し、McAb
の試薬としての有効性を示すと共に治療薬としての可能
性を示唆した。特に抗悪性腫瘍抗体の作製の報告は、癌
関連抗原を認識している可能性から、これまで正常細胞
にダメージを免れなかつた癌の治療という臨床分野に大
いに注目された。すなわち、癌関連抗原を特異的に認識
する抗体によれば、たとえ同一個体から発生した癌であ
つてもその宿主細胞に対する反応性は無く、癌細胞のみ
を特異的に認識できる。従つてこの抗体に制癌剤を結び
つければ癌のみを標的とした治療ができると期待され
た。
この期待を実現すべく、各種の癌細胞に対するMcAbの
作製が試みられて来た(Proc.Natl.Acad.Sci,75,3405
(1978);Proc.Natl.Acad.Sci,76,1438(1979);Proc.N
atl.Acad.Sci.77,6841(1980);Br.J.Cancer 43,696(1
981))。しかし、得られたMcAbは必ずしも癌抗原のみ
を認識しているとは限らないなど、まだまだ実用化には
問題が多かつた。
ヒト肝細胞癌に対するモノクローナル抗体に関しては
いくつかの報告がある{例えば、肝臓、27巻 suppl.12
6−127(1986);特開昭61−15897;特開昭61−44900な
ど}。このうちH−14−2およびH−21−1はヒト肝癌
細胞HuH−7を免疫原として知られたモノクローナル抗
体である。
今日、癌の治療は主に切除術の適用が多くをしめてい
るが、切除術による治療には限界がある。また肝癌にお
いてはレクチンによる親和性の違いから区別しうるα−
フェトプロテイン亜種により早い物では画像診断のつく
3〜6ケ月以上前に癌の診断が可能となつた(第45回日
本癌学会)。このような場合確定診断後においても外科
的治療は困難で、わずかの癌細胞破壊のために抗癌剤投
与も難しい。このため肝癌細胞のみを特異的に認識し、
死滅させうるMcAbの開発が特に望まれていた。
(発明が解決しようとする問題点) HuH−7を免疫原として得られたモノクローナル抗体
としては上記のH−14−2よびH−21−1が知られてい
る。H−14−2は肝癌組織6例中2例と反応し、正常組
織の血管中膜と強く反応した。また、H−21−1は癌細
胞とのみ特異的に反応したが、組織凍結切片上での反応
性は、種々の組織と交差反応を示し、細胞レベルと組織
レベルとの反応性に大きな格差が見られた。
本発明者等は、癌細胞を認識しうるMcAbの作製とその
診断、治療薬への応用を目的とし研究を行なつた結果、
発生臓器によらず悪性腫瘍において高頻度に検出される
非分泌型の抗原を認識しうるMcAbの開発に成功し、本発
明を完成した。
(発明の構成) 本発明は、各種悪性腫瘍に高頻度で発現される非分泌
型癌関連抗原を認識するモノクローナル抗体および該抗
体を産生するハイブリドーマを提供する。
本発明の抗体は、ヒト肝癌細胞で免疫されたマウスか
ら取り出した抗体産生細胞とマウスミエローマ細胞とを
融合させ、目的抗体を産生する融合細胞をクローン化し
て得られる本発明のハイブリドーマを培養して製造され
る。
本発明のハイブリドーマを得るには、まず、ヒト肝癌
細胞でマウスを感作する。この時、抗原として用いる癌
細胞はHuH−7とし、生理的食塩液に懸濁した細胞1×1
07cell/mouseを腹腔内に接種することにより免疫する。
接種は1週間おきに数回繰り返し、最終免疫後3日な
いし4日後に脾臓を取り出し、抗体産生細胞として使用
する。同時に、抗体産生細胞と融合させてハイブリドー
マを得るための親細胞として、ヒポキサンチン−グアニ
ン−ホスホリボシルトランスフエラーゼ欠損(HGPRT-
あるいはチミジンキナーゼ欠損(TK-)の様な適切なマ
ーカーを持つミエローマ細胞株を用意し、これと抗体産
生細胞とを融合させてハイブリドーマを作製する。
ハイブリドーマ作製は、培地として、イーグルMEM、
ダルベツコ変法培地、RPMI−1640などの通常良く使用さ
れているものに、10%のFCS(fetal calf serum)を加
える。
まず、親細胞であるミエローマと脾細胞を2:5の割合
で用意する。融合剤としては、よく用いられているポリ
エチレングリコール(PEG)の50%を用いるのが融合率
が高いとされている。融合株はHAT選択法に従い選択す
る。生じるハイブリドーマのスクリーニング法は、培養
上清を用い、膜螢光抗体法、ELISA法(Enzyme Linked I
mmunosorbent Assay)、免疫組織染色法など、既知の方
法を用いて、目的の免疫グロブリンを分泌しているハイ
ブリドーマのクローンを拾い上げる。クローンは徐々に
増やし、105cell/mlに達した時点でサブクローニングを
行なう。ハイブリドーマの単一性を吟味するため、96穴
のマイクロウエルにフイーダーレイヤー(feeder laye
r)として正常な脾細胞をおよそ105cell/well蒔いた上
にハイブリドーマを1穴に1個より多くならないように
蒔き、生育してくるクローンについて再びスクリーニン
グを行なう。このサブクローニングを繰り返すことによ
り、単一性のハイブリドーマを得る。
次に、本発明の癌反応性のモノクローナル抗体を製造
するために、上記で得られたハイブリドーマを培養容器
中(in vitro)または動物体内(in vivo)で培養す
る。in vitro系で培養する場合、培地は先に述べた通常
培地にFCSを添加したものでもよく、この培地で3から
5日培養の後、培養上清からMcAbを得る。in vivo系の
培養では、ハイブリドーマを哺乳動物の腹腔に接種し、
7ないし14日後に腹水を採取し、これよりMcAbを得る。
in vivo系での培養の場合、in vitro系での培養に比べ
て遥かに大量の抗体を効率的に取得しうるので好まし
い。
こうして得られた培養上清または腹水からのMcAbの精
製は、硫安分画、DEAEセフアロースカラム等の既知の方
法を適宜組み合わせて、例えば後記実施例2に記載した
ようにして行なうことが出来る。
上記の方法に従い本発明においてはハイブリドーマ4C
1および該ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗
体4C1が得られた。モノクローナル抗体4C1は以下の実施
例に示すとおり、下記の性質を有する。
i.以下の細胞株の抽出液と反応するが、培養上清とは反
応しない。
ヒト肝癌細胞 HuH−7 PLC/PRF/5 HLE ヒト肝細胞芽種 HuH−6 ヒト子宮癌 HeLa ヒト前立腺癌 TSU ヒト大腸癌 HT−29 ヒト肺癌 HLC−2 ヒト胎児繊維芽細胞 WI−38 ii.以下の細胞株の抽出液および培養上清と反応しな
い。
ヒト肝癌細胞 S−85 ヒト正常肝細胞 Chang Liver cell iii.正常肝組織、肝硬変組織、肝細胞癌組織および転移
性肝癌(大腸癌)組織のクッパー細胞および結合組織と
僅かに反応し、肝細胞癌細胞および転移性肝癌(大腸
癌)組織の癌細胞と強く反応する。
iv.IgG1(κ)に属する。
以上から本抗体の性質は次の通り要約される。即ち、
(1)肝臓癌細胞のみならず各種の癌細胞を認識し、
(2)癌細胞株培養上清とは反応しないことから、非分
泌型の癌関連抗原を認識する、(3)癌関連抗原を特異
的に認識し、正常細胞とは殆ど反応しない。
本発明のハイブリドーマ4C1は1987年7月9日よりEur
opean Collection of Animal cell Cultures(ECACC),
PHLS Centre for Applied Microbiology & Research,P
orton Down,Salisbury.Wiltshire SP4 OJG UKに受託番
号87070901としてブタペスト条約に基づいて寄託されて
いる。
以下、実施例を示すが、これらは特に示さない限り、
下記の条件で行なつた。
培養条件:5%CO2,95%air,湿度約100%、温度37度 培地: a)RPMI−1640+10%FCS(Nippon biotest lab.社
製);ハイブリドーマ、ミエローマ系、及びHuH−7とH
uH−6を除く培養細胞 b)RPMI−1640に以下の試薬を添加した。
H2SeO3 3×10-8M (NH45Mo7O24・4H2O 3×10-9M FeSO4・7H2O 1×10-7M MnCl2・4H2O 3×10-10M NH4VO3 1×10-8M リノレン酸 3×10-9M オレイン酸 3×10-9M HEPES 5mM ;HuH−7,HuH−6用培地 動物;BALB/c系マウス(雄、8週齢、静岡県実験動物セ
ンターより購入) 細胞系:ヒト肝癌細胞 HuH−7 マウスミエローマ P3−U1 本発明で用いられる細胞系は当技術分野に於て通常用
いられる細胞系であり、下記の文献に記載されている。
HLE:Gann 66,385,1975 Chang Liver cell:Proc.Soc.Exp.Biol.Med.87,440,1954 HuH−6:Gann 67,1,1976 HuH−7:Cancer Res.42,3358,1982 HLC−2:Dokkyo J.Med.Sci.12,31,1985 HeLa:Cancer Res.12,264,1952 HT−29:J,Natl.Cancer Inst.49,887,1982 WI−38:Exp.Cell Res.25,585,1961 PLC/PRF/5:S.Afr.Med.J.50,2124,1976 S−85:Am.J.Pathol.118,203,1985 TSU:(帝京大学医学部付属病院泌尿器科飯泉達夫先生よ
り供与) 実施例1 ハイブリドーマの作製と反応性の検討 BALB/c系マウスにヒト肝癌培養細胞(HuH−7)107
/mouseを1週1回、4から24週に渡り腹腔内接種し、最
終接触後3日目に脾臓を摘出し、脾臓細胞浮遊液を調製
した。すなわち、ステンレスメツシユで圧迫濾過し、培
地に浮遊させた。融合の親細胞として、BALB/c系マウス
由来ミエローマP3−U1を融合マウス1匹につき1.5×108
個培養して準備した。
融合は、既存法(Nature,256,495(1975))に準じて
以下のように行なつた。
上記で調製したマウス脾細胞2×108個とミエローマ
細胞8×107個とを遠心分離チユーブに混合し、遠心し
た後上清を捨て、RPMI−1640で50%に調製したポリエチ
レングリコール(PEG 2000、和光純薬)1mlをペレツト
になつた細胞の上に1mlのメスピペツトを用いて1分間
かけて加えた。その際ピペツトを緩やかに撹拌し、細胞
どうしを良く接触させる。引きつづき同一ピペツトにて
1分間撹拌した後、1mlのRPMI−1640を同様にして1分
間かけて加える。更に1mlのRPMI−1640を添加した後7ml
のRPMI−1640を3分間かけて加え、1000rpmにて5分間
遠心分離し、上清を捨てた。ペレツトとなつた細胞を軽
くほぐした後、培養メデイウム(RPMI−1640に10%FCS
を添加したもの)50mlを加え、軽く懸濁した後、96穴の
マイクロプレート5枚に約100μl/wellずつ加えた。一
晩培養した後、HAT培地(RPMI−1640培地、10%FCSに最
終濃度でヒポキサンチン10-4M、アミノプリテン4×10
-7M、チミジン1.6×10-5Mを加える)100μlを加え、2
日後にHAT培地100μlを交換する。
この状態で培養するほとんどのウエル(well)にコロ
ニーが認められ、ある程度コロニーが生育した後に培養
上清を用いて膜螢光抗体法を行ない、目的のヒト肝癌細
胞(HuH−7)に対し反応性を有する抗体を分泌してい
るかどうかを検討した。
その結果19個のコロニーがHuH−7に対する抗体を分
泌していた。次のこの19個のクローンに対し凍結切片を
用いた免疫組織学的検討を行なつた。使用した切片は手
術により摘出した組織片で肝硬変及び肝細胞癌を用い
た。組織片上で癌細胞に対し反応性を持つクローンのみ
を選択した結果、4個のクローンが実際の臨床検体中に
も存在する抗原を認識していることが明らかになつた。
次にこの4個のクローンについてサブクローニングを行
なつた。すなわち、96穴マイクロタイタープレートにフ
イーダー層(feeder layer)として未処理のBALB/c系マ
ウス脾細胞105cell/wellを蒔いた上に、上記で得られた
コロニーの細胞を0.3cell/wellとなる様に加え、1週間
培養した。得られたクローンについて、先と同様のスク
リーニングを行ない、肝癌組織における癌細胞に対して
最も強い染色性を示すクローンを選出した。本クローン
は癌細胞に対し、極めて強い染色性を示すほか、正常肝
組織、肝硬変組織におけるクツパー細胞並びに結合組織
に対しわずかな染色性を示した。更に、本クローンは原
発性肝癌以外の癌である大腸癌を原発巣とする転移性肝
癌組織における癌細胞に対し強い染色性を示した。この
ハイブリドーマを4C1と命名し、それから得られるモノ
クローナル抗体を4C1ab.と命名した。
実施例2 McAbの精製 BALB/c系マウスの腹腔にあらかじめ0.5mlのプリスタ
ンを投与し、7日後に抗体産生ハイブリドーマ5×106
個を腹腔に接種し、腹水化を行なつた。接種の2から3
週間後に腹水を採取し、以下の方法でMcAbの精製を行な
つた。
まず、得られた腹水40mlをPBS(Phosphate Buffered
Saline;2.8mM NaH2PO4,7.2mM Na2HPO4,135mM NaCl,pH7.
2)にて2倍に希釈し、硫酸アンモニウムを40%になる
ように加え、室温にて30分間塩析した。10000rpmにて30
分間遠心後、沈殿物をPBS40mlに溶解し、再度塩析した
後、同様の処理を行なつた。ペレツトは再び塩析沈殿を
繰り返した後、PBS15mlに溶解し、TB(Tris−Buffer;10
mM Tris,0.1M NaCl,を1N HClにてpH7.2に合わせたも
の)3Lに対して一晩透析した。透析後、DEAEカラムにか
け、通過分画をもつて精製抗体とした。
精製された抗体は生理的食塩水5Lに一晩透析した後、
280nmにおける吸光度(▲E1% 1cm▼=15として)から抗
体量を求め、凍結乾燥して保存した。
実施例3 4C1ab.認識抗原測定用サンドイツチELISAの
確立 次に上記実施例2にて作製した4C1ab.の認識抗原測定
を目的としてサンドイツチELISA法を確立した。精製4C1
抗体1mgを1mlのPB(実施例2におけるPBSの組成よりNaC
lを除いた物)に溶解し、アルカリンフオスフアターゼ
(ベーリンガー社製)50μlを加えた後、2.5%グルタ
ルアルデヒド(和光純薬社製)30μlを撹拌しながら添
加する。
1時間室温にて反応させた後、TBS(実施例2におけ
るTBの組成に150mM NaClを加えたもの)に透析し、セフ
アクリルS−200カラムにかけフアーストピークを標本
抗体として使用した。
固相抗体としては96穴マイクロプレート(スミトモベ
ークライト社製)またはポリスチレンビーズ(セキスイ
化学社製)に100μg/mlに調整した4C1抗体を固相化し、
1%BSA(Bovine Serum Albumin)を含むPBSにて一晩ブ
ロツクし使用した。抗原及び抗体の反応時間は各1時間
とし、発色はアルカリンフオスフアターゼ発色液(シノ
テスト社製)にて発色し、510nmの吸光度を測定した。
実施例4 4C1抗体の特異性の検討 実施例2で作製した4C1ab.のいろいろな培養細胞に対
する反応性について実施例3で確立したELISA法を用い
て検討した。
抗原として次の細胞を用いた。
ヒト肝癌細胞 HuH−7 PLC/PRF/5 HLE S−85 ヒト肝細胞芽腫 HuH−6 ヒト子宮癌 HeLa ヒト前立腺癌 TSU ヒト大腸癌 HT−29 ヒト肺癌 HLC−2 ヒト正常肝細胞 Chang Liver cell ヒト胎児繊維芽細胞 WI−38 これらの細胞1×107個の細胞を1mlのPBSに懸濁し、
凍結融解した物を超音波処理し、10000rpmで10分間遠心
分離した上清を抗原として用いた。また、各細胞培養上
清を抗原液として用いた。
以上の様に4C1ab.は癌細胞株の培養上清とは反応せ
ず、細胞抽出液とのみ反応したため、4C1ab.反応性抗原
は非分泌型と思われ、起源によらず様々ながん細胞に存
在すると推定される。
実施例5 McAbのアイソタイプの決定 実施例2で得られたMcAbについて、まずELISA法にて
抗体のクラスを決定した。すなわち、96穴のマイクロタ
イタープレートPBSにて100μg/mlに調整したanti−mous
e Igs(山羊、カツペル社製)を100μlづつ加え、2時
間放置した。次に1%のBSAを含むPBSを200μlづつ加
え2時間反応させることによつて非特異的吸着をブロツ
クし、抗体プレートとした。このようにして作成した抗
体プレートに実施例2で得られたMcAbを20μg/mlに調整
し、25μlづつ加え1時間反応させた。クラス決定用の
標識抗体としてはIgG用としては、アルカリンフオスフ
アターゼ標識affinity purified anti−mouse γ chain
specific抗体(山羊、カツペル社製)を用いた。またI
gM用としては、同anti−mouse μ chain specific抗体
(山羊、カツペル社製)を用いた。各標識抗体は0.4%B
SA及び20mM MgCl2を含むPBSにて400倍に希釈して使用し
た。反応時間は1時間とし、発色は実施例3で述べたよ
うにアルカリンフオスフアターゼ発色液(シノテスト社
製)を用い発色した。この結果4C1抗体はanti IgG抗体
を入れたwellのみに強い発色を認め、本抗体がIgGクラ
スの抗体であることが判明した。
次に、免疫二重拡散法にて抗体のサブクラスとタイプ
を決定した。即ち、1.2%寒天ゲル板に直径4mmの穴を6m
m間隔であけ、周辺穴にマイルス(Miles)社製の家兎抗
マウスIgG1、家兎抗マウスIgG2、家兎抗マウスIgG2b
家兎抗マウスIgG3、家兎抗マウスL(κ)鎖、家兎抗マ
ウスL(λ)鎖を加え、中心穴に実施例2で得られたMc
AbのPBS溶液を加え、室温で1晩反応させた。その結
果、4C1抗体はマウスIgG1(κ)に属することが判っ
た。
さらにハイブリドーマが産生する抗体の単一性は、SD
Sポリアクリルアミドゲル電気泳動法により確認した。
(発明の効果) 本発明により得られるモノクロナール抗体4C1ab.は、
免疫原であるHuH−7のみならず、現在良く使われてい
る培養癌細胞株及び臨床検体中の癌細胞とも高率に反応
する。このことは癌の発生臓器によらず細胞が癌化した
際に、本抗原が普遍的に作られている可能性を示唆して
おり、癌の発生機序の解明にも役立つ可能性があること
を示している。また本抗体の認識する抗原は非分泌型で
あり正常細胞との反応性が弱いことから、ミサイル療法
における抗ガン剤の搬送体(キャリアー)として使用さ
れうる。さらに診断薬部門においても、骨髄造血幹細胞
を由来とする血球系の細胞の細胞診やバイオプシー検体
の細胞診などに用いることにより、特異性の高い診断キ
ットの作製が可能と思われ、大いに実用性が期待できる
抗体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/574 9282−4B C12N 15/00 C 33/577 5/00 B (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハイブリドーマ4C1(ECACC受託番号870709
    01)が産生するヒト肝癌細胞HuH−7に対するモノクロ
    ーナル抗体4C1。
  2. 【請求項2】請求項1記載のヒト肝癌細胞HuH−7に対
    するモノクローナル抗体4C1を産生するハイブリドーマ4
    C1(ECACC受託番号87070901)。
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