JPH0415071Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、収納キヤビネツトに関する。さらに
詳しくは、複数段に区画された収納部が設けられ
た引出しを備えた収納キヤビネツトの改良に関す
る。

（技術の背景） キツチン、ダイニング、洗面所等に設置される
収納キヤビネツトでは、引出しに複数段の収納部
を設けることにより、物品の収納効率、整理性の
向上を図ることが行なわれる。

然しながら、このような収納キヤビネツトで
は、収納部への物品の出入れを上下の収納部の間
隙から行なわなければならないため、物品の出入
れが困難となるという使用性に係る不具合があ
る。

（従来の技術とその問題点） 従来、前述の技術の背景の下で、各収納部を夫
夫別個の引出し構造としたものが提供され知られ
ている。

この従来の収納キヤビネツトは、所望の収納部
のみを引出せるようにすることで、その収納部の
上方を広く開放して物品の出入れを容易にするも
のである。

このような従来の収納キヤビネツトによると、
各収納部毎にレール等を設けて引出し構造を構成
しなけらばならず、製造コストが嵩むという問題
がある。

（考案の目的） 本考案は前述の問題点を解決するためになされ
たものであり、その目的は、物品の出入れが容易
な収納キヤビネツトを安価に提供することにあ
る。

（考案の構成） 前述の目的を達成するため、本考案に係る収納
キヤビネツトは、複数段に区画された収納部が設
けられた引出しを備えた収納キヤビネツトにおい
て、最上部以外の収納部に引出しのスライド方向
と直交する方向への回動を許容する回動部を設け
たことを特徴とする構成を採用する。

（作用） 前述の構成において、回動部は収納部を回動さ
せてその上段の収納部の底部を避けて物品の出入
れ間隙を広く確保し、物品の出入れを容易にする
という目的を達成する。

また、各収納部毎に引出し構造を構成しないこ
とは製造コストを低減し、収納キヤビネツトを安
価に提供するという目的を達成する。

（実施例） 以下、本考案に係る収納キヤビネツトの実施例
を図面に基づいて説明する。

この実施例は、キヤビネツト本体部１にスライ
ド自在に設けられた引出し２に二段の収納部３，
４を設けてなるものである。

キヤビネツト本体部１はシステムキツチン、洗
面化粧台等に用いられる型からなり、上面にはカ
ウンター等の平面部１１が設けられ、全面からは
引出し２の収納空間１２が開口されている。この
収納空間の側方の底部には、断面長穴形の一部を
切除したような長尺状のレール１３が前面から内
部に向けて固定されている。

引出し２は前板２１、後板２２、底板２３から
なり、上方、側方が開放された箱形状からなる。
前板２１には引出し２をスライド操作する把手２
４が設けられ、前板２１、後板２２の間には両者
を補強するフレーム２５が取付けられている。ま
た、底板２３には両側に補強板２６が設けられ、
この補強板２６の外側に前記レール１３に挿通さ
れるスライド部２７が固定されている。

収納部３，４は金属細棒を編成したカゴ形状か
らなり、上段の収納部３は引出し２の前板２１、
後板２２、フレーム２５に支持固定されており、
下段の収納部４は底板２３に載置されている。こ
のため、固定、載置の構造の外に、通常の複数段
の収納部３，４が設けられた引出し２と製造面で
異なることがなく、従来の技術のように各収納部
３，４毎にレール１３等の引出し構造を構成しな
いため製造コストの嵩みを避けることができる。

このような収納部３，４が設けられた引出し２
を備えた実施例において、下段の収納部４を回動
部５によつて回動自在としてある。

即ち、回動部５は、端部が開放されたＵ字形の
支持孔５１が設けられた平板な板材５２と、この
支持孔５１に挿通嵌合される円柱形の支持棒５３
とからなる。板材５２は前板２１、後板２２の片
側の底部に互いに相対するように固定されてお
り、支持棒５３は下段の収納部４の底部に固定さ
れている。従つて、下段の収納部４は、支持孔５
１、支持棒５３を中心として引出し２のスライド
方向と直交する方向（引出し２の開放された側
方）へ回動可能となる。

このため、把手２４を掴んで引出し２を手前に
引いてレール１３、スライド部２７により引出し
２をキヤビネツト本体部１から引出した状態で
は、第２図に示すように下段の収納部４を回動部
５を利用して回動すると、収納部４が引出し２の
側方へ突出して収納部４の上方の物品の出入れ側
が上段の収納部３の底部から外れるため、物品の
出入れ間隙が広く確保されて物品の出入れが容易
となる。

なお、前記フレーム２５にフツク６を取付けて
おき、回動した収納部４を傾倒保持するようにし
ておけば、手等で収納部４の回動状態を保持して
おく必要がなく、物品の出入れがより容易とな
る。

また、下段の収納部４が引出し２の底板２３に
載置され、さらに回動部５の支持孔５１の端部が
開放されているため、収納部４が引出し２に対し
着脱自在であり、物品の一括出入れでは収納部４
の引出し２に対する着脱で行なうことができ、こ
の面からも物品の出入れが容易となる。

以上、図示した実施例の外に、収納部３，４が
板材等で囲撓される箱形状とする実施例とするこ
ともできる。また、収納部３，４を三段以上の構
成とすることも可能であり、各段を引出し２の左
右両側方へ回動自在にすることも可能である。

（考案の効果） 以上のように本考案に係る収納キヤビネツト
は、レール等の引出し構造を複数構成することが
ないため、製造コストが嵩まず安価に提供できる
効果がある。

また、収納部を回動可能にすることで物品の出
入れ間隙が広く確保されるため、物品の出入れが
容易となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る収納キヤビネツトの実施
例を示す斜視図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線断面
図、第３図は第１図の要部拡大図である。 ２……引出し、３，４……収納部、５……回動
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数段に区画された収納部が設けられた引出し
   を備えた収納キヤビネツトにおいて、最上部以外
   の収納部に引出しのスライド方向と直交する方向
   への回動を許容する回動部を設けることを特徴と
   する収納キヤビネツト。