JPH0414984Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、揺動枠の上部に、揺動送り方向に適
宜間隔を隔ててスリツト状の漏下物通過経路を形
成する複数個の板状固定部材と、漏下物の重量に
よつて弾性回動することで各漏下物通過経路が漏
下物の重量に応じた開度になるように、経路閉塞
側に付勢されて各板状固定部材の下部に弾性回動
自在に配設された複数個の板状回動部材とからな
るチヤフシーブを備えてなる脱穀機の揺動選別装
置に関する。

〔従来の技術〕

上記揺動選別装置は、被処理物の量が多くなる
と、処理効率を上げる為に、漏下面積を大きく
し、少ない時には、漏下面積を小さくしてワラ屑
の落下を防止するように構成したものであるが、
籾の自重を利用して漏下面積を自動変更する従来
のオートチヤフシーブを備えた揺動選別装置は、
第４図に示す如く、籾の自重で回動する板状回動
部材０６ｂは、板状固定部材０６ａ，０６ａ間に
立ち姿勢で落下したワラ屑等の下端部を受止め
て、揺動枠による揺動作用を受けさせる為に板状
部材から構成され、且つ、この板状回動部材０６
ｂは、回動部材上に籾が残らないように、隣接板
状固定部材に対して比較的大きい間隔Ｌを有して
設けられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、
板状回動部材を、籾を通過させる程度の大きさの
孔をもつた多孔状体から構成すると共に、その板
状回動部材の遊端を隣接する板状固定部材の下部
に近接させてある点にある。

〔作用〕

上記構成によれば、板状固定部材間に落下した
籾は、多孔状体によつて形成された板状回動部材
の孔をくぐり抜けて下方に落下し、そして、この
多孔状体と隣接する板状固定部材とは接近されて
いるから、板状固定部材間に立ち姿勢で、あるい
は、板状固定部材に沿つた姿勢で落下したワラ屑
は、多孔状体に引つ掛かつて、あるいは、受止め
られて、揺動枠の揺動作用により、板状固定部材
にほうり上げられて、板面上を後方に移送され
る。そして、被処理物の量が増えて多孔状体上の
籾量が増えると、その自重で、多孔状体を回動さ
せて、被処理物の量に応じた適正な漏下面積に変
更される。

〔考案の効果〕

従つて、被処理物の量が少ない場合にも、ワラ
屑の落下を抑制することができたものであり、選
別処理効率を向上することができるに至つた。

〔実施例〕

以下に、図面に基づいて、本考案の実施例を説
明する。

第３図は脱穀機の概略構成を示している。脱穀
機は扱室１とこの扱室１の下方の選別室２とを備
えている。扱室１内に、フイードチエン３により
供給される穀稈に対して脱穀作用する回転扱胴４
を設けるとともに、この扱胴４の下側外周部に沿
つて、処理物漏下用の受網５を張設してある。ま
た、選別室２内に、この受網５からの漏下物を揺
動送りして比較的大きなワラ屑と籾とに選別する
チヤフシーブ６及び、受網５を漏下せず扱室終端
まで移送された後に開口１ａから落下する処理物
を揺動送りして選別する２段のストローラツク
７，７、さらに、前記チヤフシーブ６からの漏下
物の内で、籾とワラ屑とに比重選別するグレンパ
ン８、前記グレンパン８で比重選別された籾を漏
下させるグレンシーブ９を、左右一対の揺動枠１
０，１０間に架設固定した揺動選別装置Ａを設け
てある。そして、選別室２の底部に、グレンシー
ブ９からの漏下一番物を回収して搬出する一番物
回収部１１、及び、グレンシーブ９の終端部９ａ
を越えて落下する処理物とストローラツク７から
の落下物とを回収して扱室１内に還元する二番物
回収部１２を前後に配設してある。さらに、グレ
ンシーブ９及びストローラツク７と両回収部１
１，１２との間の選別室２内に、選別風を吹き込
む唐箕１３、浮遊ゴミ等を吸引して排出する吸塵
フアン１４等を設けてある。

前記チヤフシーブ６は、第１図及び第２図に示
すように、左右の揺動枠１０，１０に亘る２枚の
板状部材６ａ，６ｂを一対として、複数対の板状
部材６ａ，６ｂを、揺動送り方向に適宜間隔を隔
てて配設して構成されている。そして、一方の板
状部材６ａは傾斜状態で揺動枠１０に固定されて
おり、隣り合うこれら板状固定部材６ａどうしの
間に、受網５を通過した扱室１からの漏下物の通
過経路Ｒが形成されている。また、各板状固定部
材６ａの下端部Ｐを支点として、他方の板状回動
部材６ｂを、漏下物の通過経路Ｒを閉塞する位置
とその経路Ｒを開放する位置とに亘つて、回動自
在に取付けてある。さらに、この板状回動部材６
ｂと板状固定部材６ａとの間に、板状回動部材６
ｂを経路Ｒの閉塞側に付勢するスプリング６ｃを
設けてある。そして、前記板状回動部材６ｂは、
籾を通過させる程度の大きさの孔ａを有した網な
どの多孔状体から構成され、その遊端６b′は、隣
接する板状固定部材６ａに近接されて、両者６
ａ，６ｂの相対間隔がほとんど零に近い状態に構
成されている。

従つて、受網５を通過した扱室１からの漏下量
が多い場合には、その重量によつて回動部材６ｂ
が漏下物通過経路Ｒを開放する方向に回動される
一方、漏下量が少ない場合には、スプリング６ｃ
の付勢力によつて回動部材６ｂが漏下物通過経路
Ｒを閉塞する方向に回動され、籾は、多孔状体に
よつて形成された板状回動部材６ｂの孔ａから漏
下される。

尚、上記実施例では、板状回動部材６ｂを網に
よつて構成したものを例示したが、板面に籾を通
過させる程度の孔を有したパンチングメタルによ
つて構成しても良く、これらを多孔状体と総称す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀機の揺動選別装置の実
施例を示し、第１図は要部の縦断側面図、第２図
は要部を示す斜視図、第３図は脱穀装置の全体を
示す概略側面図、第４図は従来構造を示す要部の
縦断側面図である。 ６……チヤフシーブ、６ａ……板状固定部材、
６ｂ……板状回動部材、６b′……遊端、１０……
揺動枠、ａ……孔、Ｒ……漏下物通過経路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 揺動枠１０の上部に、揺動送り方向に適宜間隔
   を隔ててスリツト状の漏下物通過経路Ｒを形成す
   る複数個の板状固定部材６ａと、漏下物の重量に
   よつて弾性回動することで各漏下物通過経路Ｒが
   漏下物の重量に応じた開度になるように、経路閉
   塞側に付勢されて各板状固定部材６ａの下部に弾
   性回動自在に配設された複数個の板状回動部材６
   ｂとからなるチヤフシーブ６を備えてなる脱穀機
   の揺動選別装置において、前記板状回動部材６ｂ
   を、籾を通過させる程度の大きさの孔ａ…をもつ
   た多孔状体から構成すると共に、その板状回動部
   材６ｂの遊端６b′を隣接する板状回動部材６ａの
   下部に近接させてある脱穀機の揺動選別装置。