JPH0414244Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はホイールにタイヤを装着したり、逆に
ホイールからタイヤを離脱させたりする装置に関
するものである。

（従来技術） タイヤ着脱装置の一般的な形態としては、ホイ
ールを、回転する主軸に固定し、タイヤ側面を押
圧するビードローラを、主軸に平行して移動する
軸に軸支したものである。したがつて、タイヤは
主軸とともに回転しながら、タイヤ側面を転がり
ながら押圧しているビードローラによつてホイー
ルから離脱し、逆に離脱しているタイヤは装着さ
れる。特公昭61−11803号に係るタイヤ着脱装置
はその代表例であり、主軸を支持台に立設させ、
上部にホイール取付盤を備え、また、上記ビード
ローラはローラ軸に軸支されていて、該ローラ軸
は支持台に立設された支持枠に沿つて上下動し、
かつ、ローラ軸は軸方向の移動も与えられてい
る。しかし、該装置はホイールを固定する主軸が
支持台に立設されているため、該主軸上部の取付
盤に止着されるホイールは水平状態（倒された状
態）にて載せなければならず、タイヤサイズが大
型化するにつれ作業が面倒であると同時に、また
危険性も高い。すなわち、車輌の車軸から取外さ
れたホイールは転がして（立てた状態で）移動
し、該装置に装着する訳で、立つた状態の大型ホ
イール及びタイヤを横倒しすることは決して容易
なことではない。立てた状態にて装置の主軸に固
定し、操作を行う方が便利であるとともに危険度
も少ない。しかし、ホイールを立てた状態にて主
軸に取着することは、このように便利であるが、
不安定な状態にあるため倒れないように常に手で
保持していることが必要であり、該装置の操作性
が重要となる。主軸に固定されるまでは両手でタ
イヤを保持しなければならず、装置の操作手段並
びに操作位置も主軸との位置関係において重大で
あり、しかもホイールと主軸の中心軸が容易に一
致し易い構造でなければならない。従来のタイヤ
着脱装置においても主軸を水平に配置し、タイヤ
を立てた状態にて該主軸取付盤に固定する方式を
採用しているものも知られているが、該装置は以
上述べた制御盤の操作性並びに両中心軸の位置決
めに問題を残し、段取りに多くの時間がかかつて
しまい作業能率が低下している。

（本考案の目的） このように、従来のタイヤ着脱装置には前記の
ごとき問題点が存在している訳で、本考案はこれ
ら問題点の解決を目的として開発された装置であ
り、極めて操作性に優れ、作業能率の高いタイヤ
着脱装置を提供するものである。

（本考案の構成） 本考案に係るタイヤ着脱装置は、上記問題点の
解決を図るため、次の特徴をもつて構成されてい
る。

(1) 主軸は水平状態を成して本体に装着され、本
体はベースに立設されている。したがつて、該
本体はベース上に固定された状態で装着され、
上記主軸のベースからの高さは不変である。

(2) ベース上にはビードローラを軸支しているロ
ーラ軸が装着されている移動台が設けられ、該
移動台は主軸と平行して配置されたガイドレー
ルに装着されている。したがつて、移動台はガ
イドレールに沿つて摺動することになり、移動
台に装着されたローラ軸及びビードローラも同
じく移動する。

(3) ローラ軸は移動台に軸支されていて、ガイド
レールと垂直を成す方向で反転可能となつてお
り、しかも該ローラ軸はその軸方向に有段階の
切り換えで伸縮可能になつている。したがつ
て、タイヤサイズに応じてビードローラの位置
を適当に調整して用いる。

(4) さらに、移動台には昇降台が装着されてい
る。該昇降台はエヤシリンダーにより上下動す
るもので、その受け台は降下した状態でベース
上に位置し、タイヤを転がり載せて上昇し、ホ
イールを主軸の取付盤に固定させる手段であ
る。したがつて、上記受け台にはタイヤを所定
の位置、すなわち、タイヤ中心が主軸を含む垂
直面内に位置するように、２本の支持ローラを
該垂直面を中心として対称に軸支している。よ
つて、支持ローラ上に転がり載せられたタイヤ
は昇降台により持ち上げられるだけで中心は互
いに一致し、かつ、両支持ローラ上で自転する
こともでき、取付ボルトの位置合わせも容易で
ある。

(5) 該装置の操作はペダル方式を採用している。
したがつて、大型タイヤであつても両手でタイ
ヤを支えることができ、しかも上記ペダルは主
軸の相対向する側に配置され、すなわち、昇降
台の受け台上に載せられたタイヤを正面から取
扱い得るように考慮されている。

以下、本考案に係るタイヤ着脱装置の実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。

（実施例） 第１図は本考案に係る装置の具体例であつて、
１はベース、２は本体、３は主軸、４は取付盤、
５は移動台、６は昇降装置、７は受け台、８はビ
ードローラ、９はガイドレール、１０はペダルを
それぞれ表わしている。そこで、ベース１上には
本体２が立設しており、上記主軸３は本体２に水
平状態にて装着されている。本体２の側面にはモ
ータ１１が取着されており、モータ１１のプーリ
ー１２にはベルト１３が巻き掛けられ、主軸３と
連結しているプーリー１４を回転させている。し
たがつて、該モータによつて主軸３は回動する訳
であり、また、該主軸３の先端には取付盤４が固
定され、取付盤４にはホイールが取着されるため
のボルト孔１５，１５……が外周部に設けられて
いる。一方、ベース１には２本のガイドレール
９，９が並設され、該ガイドレール９，９は上記
主軸３方向と一致し、ガイドレール９，９を案内
として移動台５が摺動可能に装着されている。移
動台５はガイドレール９に沿つて摺動できるよう
に軸受けにより支えられ、該移動台５の上部には
２本のローラ軸１６が一定間隔を隔てて軸１７を
介して軸支されている。

ところで、該移動台５の摺動送りは上記ガイド
レール９，９の間に配置されている送りネジ２４
によつて成され、該送りネジ２４は移動台５下部
に固定されている送りナツト（図示なし）と螺合
していて、送りネジ２４を回転させることによつ
て前後に移動できる。第１図では上記送りネジ２
４は両端に設けられた軸受２５に支えられ、モー
タ２６によつて回転駆動させられる。勿論、本考
案では該移動台５の送り手段は、このような送り
ネジ２４を用いなければならない訳ではなく、エ
アシリンダー等他の手段を用いても良い。したが
つて、ローラ軸１６は該軸１７を中心として一定
角度だけ反転可能に支持され、また、ローラ軸１
６が主軸３の中心軸の延長線方向に向くようにス
トツパー１８でその傾斜角が規制されている。ビ
ードローラ８は該ローラ軸１６に装着されてい
て、ハンドル１９の操作で軸方向への伸縮調整が
可能ならしめている。該伸縮調整は筒状のローラ
軸１６の側面に溝２０を形成し、ビードローラ８
の回転主軸をローラ軸１６の中心部空洞に挿入
し、上記ハンドル１９はビードローラ８の該回転
主軸から突出させている。したがつて、ハンドル
操作で主軸３の取付盤４に取着されたホイールの
径に応じてビードローラ８の位置を適当に調整す
る。

また、移動台５には昇降装置６が装着されてお
り、移動台５とともにガイドレール９に沿つて摺
動する訳であるが、それとともに昇降装置６に取
着された受け台７を上下方向に昇降させる。該昇
降装置６にはエアシリンダー（図示なし）を垂直
に取着し、該エアシリンダーによつて移動台５か
ら垂直に立設された支持枠２１をガイドとして昇
降する昇降枠２６を上下動させ、該昇降枠２６に
受け台７を取着している。受け台７は直接タイヤ
を載せる台であり、降下した状態ではベース１の
下面と接近している。そして、該受け台７には２
本の支持ローラ２２，２２を同じく主軸３と平行
を成す方向に回動自在に軸支しており、しかも、
第２図に示すように、該支持ローラ２２，２２は
主軸３を含む垂直面に対し対称を成している。こ
れら２本の支持ローラ２２，２２によつて受け台
７上に載せられたタイヤ２３を支えることにな
り、ホイールの中心Ｏは主軸３を通る垂直面内に
存在し、該受け台７を上昇させれば必然的に該ホ
イール中心Ｏは主軸３の中心と一致してしまう。

ところで、該昇降装置６の操作はペダル１０に
より行われ、該ペダル１０は受け台７を中間とし
て、本体２と相対向する側のベース１上に配置さ
れている。ここで、ペダル１０ａは移動台５の前
進操作用、ペダル１０ｂは移動台５の後退操作用
であり、取付盤４に取着されたホイールからタイ
ヤ２３を離脱させる場合、逆にホイールにタイヤ
２３を装着する場合に、ビードローラ８をタイヤ
２３に押圧しながら該タイヤを回転しなければな
らない。

ここで、該装置を用いてのタイヤ着脱作業の詳
しい説明は省略するが、まず、受け台７の支持ロ
ーラ２２，２２上に転がり載せられたタイヤ２３
は昇降装置６によつて所定の高さまで持上げら
れ、移動台５を取付盤４に接近させる。この場合
ホイールの高さが取付盤４に一致していない時に
は、該受け台７の高さを微調整した上で、ホイー
ルを回転させて位置合せし、ボルトで固定する。
固定されたホイールは回転させられ、そのタイヤ
側面がビードローラ８によつて押圧され、該タイ
ヤはホイールから離脱する。この場合、タイヤビ
ード部はホイールと密着しているため、ビードロ
ーラ８でもつて両ビード部の密着を解いた上で離
脱させる。

以上述べたように、本考案に係るタイヤ着脱装
置はホイールを止着する主軸３を水平に配置し、
ビードローラ８を該主軸方向に移動可能に移動台
５上に装着し、また移動台５には昇降装置６を装
着するとともに、該昇降装置６の受け台７には支
持ローラ２２，２２を設け、両支持ローラ２２，
２２は主軸３中心を通る垂直面に対称を成して配
置し、さらにベース１上の本体２と相対向する側
には操作ペダル１０を配置したもので、次のよう
な降下を得ることができる。

（効果） (1) 該装置ではホイールを固定する主軸３を水平
に装着しているため、タイヤを転がし、受け台
７に載せた状態にて取付盤４に止着することが
でき、大型タイヤであつても１人で作業するこ
とができる。また、タイヤを立てたり、倒した
りする作業が不要なことは単に作業性が良いの
みならず、危険度も低下する。

(2) タイヤを載せる受け台には２本の支持ローラ
２２，２２が主軸３の中心を通る垂直面に対称
に軸支されているため、ホイールの中心は上記
垂直面内に常に存在し、タイヤを所定の高さに
上昇させるだけで取付盤４と一致し、タイヤを
転がして中心合わせを行なう必要がなく、ま
た、取付盤４のボルト孔１５には支持ローラ２
２でもつて支持されているため、中心を狂わせ
ることなく回転させて一致し得る。

(3) また、該装置の操作はペダル操作であるた
め、タイヤを両手で支えている状態で行うこと
ができ、しかも、該ペダル１０はタイヤを正面
でもつて支えた位置に配置されているため作業
性並びに安全性が高い。

(4) ビードローラはハンドル１９により突出長さ
を調整することができるため、タイヤサイズに
応じ上記ビードローラは最適な箇所でタイヤ側
面を押圧することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るタイヤ着脱装置の具体例
であり、第２図はタイヤと受け台との相対位置を
表わしている。 １……ベース、２……本体、３……主軸、４…
…取付盤、５……移動台、６……昇降装置、７…
…受け台、８……ビードローラ、９……ガイドレ
ール、１０……ペダル、１１……モータ、１２，
１４……プーリー、１３……ベルト、１５……ボ
ルト孔、１６……ローラ軸、１７……軸、１８…
…ストツパー、１９……ハンドル、２０……溝、
２１……支持枠、２２……支持ローラ、２３……
タイヤ、２４……送りネジ、２５……軸受、２６
……昇降枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースに本体を立設し、該本体にホイールを止
   着する取付盤を先端に固定した主軸を水平状態で
   装着し、ベース上にガイドレールを上記主軸に平
   行して設け、該ガイドレールには移動台を送り装
   置を介して摺動自在に取着し、該移動台上にはハ
   ンドル操作で伸縮調整可能なビードローラを装着
   するとともに昇降装置を取着し、該昇降装置によ
   つて上下動する受け台には２本の支持ローラを主
   軸と平行を成して、しかも主軸中心を含む垂直面
   に対し対称に配置し、さらに該装置をコントロー
   ルする操作部をペダル式とし、該ペダルを上記受
   け台を中間に本体と相対向する側に配置したこと
   を特徴とするタイヤ着脱装置。