JPH0413982Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、多量の魚を料理するのに先立つてこ
れらの魚の鱗を取るのに用いられる魚の鱗取り機
の改良に関するものである。

（従来技術） この種の魚の鱗取り機は、一般に、機枠に取付
けられ鱗取りされるべき魚を挟んで搬送する上下
のコンベヤ手段とこの上下のコンベヤ手段の切れ
た部分で魚の鱗に向けて高圧の水をウオータナイ
フ状に噴射する上下の水噴射手段とを備えてい
る。従来技術の鱗取り機では上下のコンベヤ手段
はネツトコンベヤから成り、このネツトコンベヤ
はその間の魚が確実に捉えられるようにするため
に上下のネツトコンベヤの中央に無端状のクツシ
ヨン部材である圧着マツトが取付けられてい（実
公昭55−54315号公報参照）。このように従来技術
のコンベヤ手段はネツトから成つているために圧
着マツトが要求されるので構造が複雑となり、ま
たネツトコンベヤとその駆動ローラとの接触面積
を大きくして確実な駆動力を得るために駆動ロー
ラの径を大きくすると、特に下側のネツトコンベ
ヤの切れた部分の間隔が大きくなるために小さな
魚が飛び越えるのが難しく、またこの飛び越えを
確実にするために特別なガイド板を必要とし、更
にこのネツトコンベヤを洗浄するのが困難であつ
た。

（考案の目的） 本考案の目的は、コンベヤの切れた部分の間隔
を小さくして小さい魚でも確実に下側のコンベヤ
間を飛び越えることができ、また構造が簡単で洗
浄が容易なコンベヤ手段を備えた魚の鱗取り機を
提供することにある。

（考案の構成） 本考案に係る魚の鱗取り機は、機枠に取付けら
れ鱗取りされるべき魚を挟んで搬送する上下のコ
ンベヤ手段とこれらの上下のコンベヤ手段の切れ
た部分で魚の鱗に向けて高圧の水を噴射する上下
の水噴射手段とを備えているが、上下のコンベヤ
手段は１対の無端状可撓性支持フレームの間に相
互に所定の間隔をあけて取付けられた複数の短冊
状コンベヤ片から成り、これらの短冊状コンベヤ
片はばね性支持板とこのばね性支持板に取付けら
れて搬送すべき魚が接触する柔軟性部材とから成
つていることを特徴としている。

このように構成すると、各短冊状のコンベヤ片
は柔軟性部材が取付けられた板ばね性支持板から
成つているのでこの柔軟性部材がクツシヨン部材
の役割をしコンベヤに別個のクツシヨン部材を必
要としないから構造が簡単となり、また短冊状コ
ンベヤ片の隙間に外径の小さいスプロケツトを噛
み合わせることができるので下側のコンベヤの切
れた部分の隙間を小さくすることができるから特
別なガイド板を必要とすることなく小さな魚でも
確実に飛び越えることができ、更にコンベヤの隙
間にブラシを入れて容易に洗浄することができ
る。

（実施例） 本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明す
ると、第１図及び第２図は本考案に係る魚の鱗取
り機１０を示し、この魚の鱗取り機１０は、キヤ
スタ１１を有する機枠１２に取付けられ鱗取りさ
れるべき魚（図示せず）を挟んで搬送する上下の
コンベヤ手段１４，１４′とこれらの上下のコン
ベヤ手段１４，１４′の切れた部分１５，１５′で
魚の鱗に向けて高圧の水を噴射する上下の水噴射
手段１６，１６′とを備えている。

上下の水噴射手段１６，１６′は、図示の実施
例では、それぞれ魚の搬送方向にずらせて接近し
て配置されて魚の鱗の２段以上で水を続けて噴射
する２つの水噴射ノズル２０，２２から成つてい
るが、この噴射ノズルは１つまたは３つ以上でも
よい。この噴射ノズルはコンベヤの幅方向に配置
されたパイプにスリツト状の１つの噴射孔または
横並びの複数の噴射孔を設けて形成される。

上下のコンベヤ手段は１４，１４′は、第１図
から解るように、それぞれ前後の２つのコンベヤ
１４Ａ，１４Ｂ及び１４′Ａ及び１４′Ｂから成
り、これらの前後のコンベヤ１４Ａと１４Ｂ及び
１４′Ａと１４′Ｂとの間に魚の鱗が露出して水が
噴射される切れた部分１５，１５′を形成してい
る。図示のように、これらの上下の切れた部分１
５，１５′は前後にずらせているのが好ましい。
これらのコンベヤ１４Ａ，１４Ｂ，１４′Ａ，１
４′Ｂは、第３図に示すように、アタツチメント
付きチエーンの如き１対の無端状可撓性支持フレ
ーム２４，２４′の間に相互に所定の間隔をあけ
て取付けられた複数の短冊状コンベヤ片２６から
成り、これらの短冊状コンベヤ片２６は、第４図
に示すように、ばね性支持板２８とこのばね性支
持板２８に取付けられて搬送すべき魚が接触する
ゴムまたはプラスチツクの柔軟性部材３０とから
成つている。これらの短冊状コンベヤ片２６は１
対の可撓性支持フレーム２４，２４′であるチー
エンのアタツチメントにねじ止めされて取付けら
れている。柔軟性部材３０はコンベヤ手段１４，
１４′の幅方向に並行な複数の薄羽根３０ａを有
するのが好ましい。このようにすると、魚は薄羽
根３０ａによつて柔らかいタツチで接触するので
魚を傷めることがない。これらのコンベヤは、第
１図に示すように、機枠１２に搭載されたモータ
３２から減速機３４及び図示しない伝導機構を介
して駆動される。尚、図面において符号３６は剥
がされた鱗を水と共に受けるシユーであり、この
シユー３６の出口３６ａの下に網籠３８を有する
水受け４０が設置されている。従つて、水は網籠
３８で鱗が除去された後導管４２を経て下水に流
すことができる。

このように各短冊状コンベヤ片２６は柔軟性部
材３０が取付けられた板ばね性支持板２８から成
つているので、この柔軟性部材３０がクツシヨン
部材の役割をするためコンベヤに別個のクツシヨ
ン部材を必要としないから構造が簡単となり、ま
た伝導機構は短冊状コンベヤ片２６の間に噛み合
わせる外径の小さいスプロケツトとすることがで
きるので下側のコンベヤの切れた部分の間隔を小
さくするすることができるから特別なガイド板を
必要とすることなく小さな魚でも確実に飛び越え
ることができる。

（考案の効果） 本考案によれば、上記のように、コンベヤの切
れた部分の間隔を小さくすることができるので小
さい魚でも確実に下側のコンベヤ間を飛びこえる
ことができ、またコンベヤに特別のクツシヨン部
材を必要としないからコンベヤの構造が簡単であ
る上に洗浄を容易に行うことができるので取扱に
便利である実益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ本考案に係る魚の
鱗取り機の正面図及び上面図、第３図は本考案に
用いられるコンベヤの一部の上面図、第４図は１
つの短冊状コンベヤ片の断面図である。 １０……魚の鱗取り機、１２……機枠、１４，
１４′……上下のコンベヤ手段、１５，１５′……
コンベヤ手段の切れた部分、１４Ａ，１４Ｂ，１
４′Ａ，１４′Ｂ……コンベヤ片、２４，２４′…
…可撓性支持フレーム、２６……短冊状コンベヤ
片、２８……ばね性支持板、３０……柔軟性部
材、３０ａ……薄羽根。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 機枠に取付けられ鱗取りされるべき魚を挟ん
   で搬送する上下のコンベヤ手段と前記上下のコ
   ンベヤ手段の切れた部分で前記魚の鱗に向けて
   高圧の水を噴射する上下の水噴射手段とを備え
   た魚の鱗取り機において、前記上下のコンベヤ
   手段は１対の無端状可撓性支持フレームの間に
   相互に所定の間隔をあけて取付けられた複数の
   短冊状コンベヤ片から成り、前記短冊状コンベ
   ヤ片はばね性支持板と前記ばね性支持板に取付
   けられて搬送すべき魚が接触する柔軟性部材と
   から成つていることを特徴とする魚の鱗取り
   機。 (2) 前記柔軟性部材は前記コンベヤ手段の幅方向
   に並行な複数の薄羽根を有する実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の魚の鱗取り機。