JPH0413929Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、苗植機用の土付苗を仕立てる育苗施
設の播種プラントにおいて、床土を装填した苗箱
に対し種子粒を播付ける播種装置についての改良
に関する。

苗植機用の土付苗を仕立てる育苗施設における
播種プラントＡは、通常、第１図に示している如
く、苗箱１を搬送するコンベア２の上面側に、苗
箱１内に床土を供給する土詰ユニツトａとその苗
箱１内に装填した床土に対してかん水するかん水
ユニツトｂとその苗箱１内の床土に種子粒を播付
ける播種装置ｃと播き付けた種子粒の上に覆土す
る覆土装置ｄとを、該コンベア２の苗箱１の移送
方向に並列させて装架することで構成される。

本考案において対象とする播種装置は、上述の
如く構成される播種プラントＡに、苗箱１内に装
填した床土に対して種子粒を播付けていくよう組
付ける前記播種装置ｃのうちで、それの種子粒の
繰出しを振動する繰出樋によつて行ない、条播し
ていけるようにした形態のものである。

即ち、第２図および第３図の如く、ホツパー３
０の繰出口３１の下方に、種子誘導溝４０を断面
Ｖ字形に形成した繰出樋４を、基端側４ａから先
端側４ｂに傾斜下降する姿勢として配位し、それ
の傾斜上昇側となる基端側４ａを前記繰出口３１
から流出する種子粒を受継ぐように位置せしめ
て、播種装置ｃの機枠３２にゴム等の弾性資材３
３を介し揺動自在に支架せしめ、さらに、前記機
枠３２に組付け支架せしめた電動バイブレーター
などの振動装置３４に連繋しておいて、その振動
装置３４により該繰出樋４を振動させることで、
ホツパー３０内の種子粒を繰出樋４の先端４ｂか
ら連続状態として繰出し条播きが行なえるように
した形態の播種装置である。

しかし、この形態の播種装置ｃは、繰出樋４の
種子誘導溝４０が、それの振動によつて、ホツパ
ー３０の繰出口３１から基端側４ａに受継いだ種
子粒を、先端側４ｂに流動させていくときに、種
子粒Ｇ…の条列が第４図に示すよう途中で途切れ
るようになつて種子粒Ｇと種子粒Ｇとの間の間隔
Ｄがあくことで、その間隔Ｄの部位の間だけ播付
けが欠落するようになる問題がある。そして、こ
の問題は、繰出樋４の種子誘導溝４０で繰出す種
子粒の条列を、一粒づつ、または数粒づつ横に並
ぶ条列にして条播きを精密にするために、前記第
３図に示している如く、繰出樋４の断面Ｖ字形を
なす種子誘導溝４０の左右の壁面４０ａ，４０ｂ
の繰出方向（長手方向）の途中に、溝底を所定の
巾に残す切欠き孔４１…を設けておいて、種子誘
導溝４０内を繰出されてくる種子粒Ｇ…が、この
切欠き孔４１により狭められた個所を流過すると
きに、所定の粒数以上に横に並ぶ種子粒Ｇ…を切
欠き孔４１から溢出せしめて間引き、所定の粒数
で横に並ぶ種子粒Ｇ…だけが先端側４ｂに向け流
動し、その先端側４ｂから苗箱１内の床土の上面
に条播されていくようにすると、繰出樋４の種子
誘導溝４０内を繰出されていく種子粒が、間引き
用の切欠き孔４１で間引かれることで粒数を減じ
てくることにより、種子粒の条列の途中に間隔を
生ぜしめる現象が甚しくなつて、欠播を一層甚し
いものとする。

本考案は、上述の条播き用の播種装置ｃに生じ
ているこの問題を解消するためになされたもので
あつて、振動する繰出樋４で繰出す種子粒の条列
に途切れを生ぜしめることのないようにする手段
を提供することを目的とするものである。

そして、本考案においては、この目的を達成す
るための手段として、ホツパーの繰出口の下方
に、断面Ｖ字形の種子誘導溝により種子を繰出す
繰出樋を、基端側から先端側に向け傾斜下降する
姿勢として配位し、それの基端側を前記繰出口に
接続して、その繰出樋に振動装置を連繋し、か
つ、その繰出樋の種子誘導溝の途中に間引き用の
切欠き孔を装設した播種プラントにおける播種装
置において、前記繰出樋の種子誘導溝の繰出方向
の先端部付近に、該種子誘導溝の下降傾斜する角
度より小さい角度の緩傾斜部または摩擦抵抗の大
きい誘導面よりなる減速誘導部を装設したことを
特徴とする播種プラントにおける播種装置を提起
するものである。

次に実施例を図面に従い詳述する。なお図面符
号は同効の構成部材については同一の符号を用い
るものとする。

第５図は本考案を実施せる播種プラントにおけ
る播種装置の一部破断した全体側面図で、同図に
おいて１…は苗箱、２は苗箱１…を移送するコン
ベア、ｃは播種装置、３０はホツパー、３１はホ
ツパー３０の繰出口、４は繰出樋、ｗは繰出樋４
の先端側４ｂに形成した減速誘導部を示す。

苗箱１は平箱状に形成された従来公知のもので
ある。

コンベア２は、前記苗箱１を支承する巾のベル
トコンベア２０を、機枠２１にエンドレスに張架
し、そのベルトコンベア２０をモーター（図示し
ていない）により駆動するようにした通常のもの
であり、それのベルトコンベア２０の回動速度
は、前記各モーターの回転速度の制御、または適
宜設ける変速装置により所望の速度に変更調節さ
れるようにしてある。

前記播種装置ｃは、種子を収容するホツパー３
０を、コンベア２の搬送面の上方に配位して、そ
のコンベア２の機枠２１に固定装架される機枠ま
たはコンベア２の機枠２１と別に形成して設置さ
れる機枠３２に支架し、そのホツパー３０の底部
の繰出口３１の下方に、第６図に示している如
く、ジグザグに板部材を折曲げ成形して断面Ｖ字
形の種子誘導溝４０…が左右方向に多連に並列す
る形状に形成した繰出樋４を、前記第５図に示し
ているよう、先端側４ｂに向い幾分下降傾斜する
姿勢として、それの基端側４ａが該繰出口３１か
ら流出する種子粒を受継ぐようその繰出口３１の
下方に位置するように配置して、それの基端側４
ａを、播種装置ｃの機枠３２に、ゴム等の弾性資
材３３を介して揺動自在に支架せしめるとともに
前記機枠３２に組付け支架せしめた電動バイブレ
ーターなどの振動装置３４に、その振動装置３４
の作動で、主として左右方向に往復揺動するよう
に連繋して構成してあり、その振動装置３４に
は、左右方向の振り巾を所望に調節し得る調節手
段が装備されている。

そして、該播種装置ｃの繰出樋４に、多連に並
列するよう形設せるＶ字形の種子誘導溝４０…
は、多数の種子粒Ｇ…が重なつて収容されるよう
深く形成してあり、かつ、それらＶ字形の種子誘
導溝４０…の左右の溝壁４０ａ，４０ｂには、各
種子誘導溝４０の長手方向の途中で、各種子誘導
溝４０の左右の中心部を外した部位に、間引き用
の切欠き孔４１…がそれぞれ設けてあつて、これ
により、ホツパー３０の繰出口３１から流出して
くる種子粒Ｇ…を基端側４ａにおいて受け継いだ
ときには、各Ｖ字形の種子誘導溝４０…内に多数
の種子粒Ｇ…が重なつて嵌入してくるようになる
が、それら種子粒Ｇ…が繰出樋４の振動によりそ
の繰出樋４の傾斜方向に向け順次種子誘導溝４０
内を流動して切欠き孔４１を通過することで、Ｖ
字形の種子誘導溝４０の溝底部に、その溝底部に
横に並ぶだけの粒数の種子粒Ｇ…が条列となつて
長手方向に連続する状態に残して、その余の種子
粒Ｇ…を切欠き孔４１…から繰出樋４の外に溢流
排出していくようにしてある。

また、該繰出樋４の先端側４ｂに装設せる減速
誘導部ｗは、該繰出樋４の先端の種子放出口４２
から少し基端側に寄る部位に上方に向う屈曲部４
３を形成して、その屈曲部４３から先端の種子放
出口４２に至る間の先端部分の傾斜角度をそつく
り緩くして、緩傾斜部４４を形成することで装設
してあり、これにより、第７図の如く、繰出樋４
の基端側４ａから、その繰出樋４の振動により流
動して繰出されてくる種子粒Ｇ…が、この緩傾斜
部４４よりなる減速誘導部ｗに到達して流動速度
を遅くすることで、流動方向において種子粒Ｇと
種子粒Ｇとの間に形成される間隔Ｄ…を詰め、そ
の流動方向の間隔Ｄが消失した状態となつて種子
放出口４２に向け流動して繰出されていくように
してある。

次に第８図は別の実施例を示している。

この実施例は、振動する繰出樋４の先端側４ｂ
に、種子粒Ｇ…の流動速度を減速するように減速
誘導部ｗを装設するに際し、前述の実施例では種
子誘導溝４０の傾斜角度を緩くした緩傾斜部を形
成して、その緩傾斜部４４により装設しているの
に対し、種子誘導溝４０の傾斜角度は一定にして
おいて、左右の壁面４０ａ，４０ｂの先端側の部
位を、摩擦抵抗の大い粗面よりなる誘導面４５に
形成することで減速誘導部ｗに構成している点が
相違するだけで、その余の構成については前述の
実施例と変わりなく、同じ構成については、同一
の符号を付して詳しい説明は省略する。

そして、この実施例においても、振動する繰出
樋４により、それの種子誘導溝４０内を流動して
いく種子粒Ｇ…が、それら種子粒Ｇと種子粒Ｇと
の間隔Ｄを拡げた状態で繰出されても、その繰出
樋４の種子誘導溝４０の壁面４０ａ，４０ｂの先
端側４ｂに装設した摩擦抵抗の大い誘導面４５よ
りなる減速誘導部ｗに到達して、そこで流速を落
すことにより、拡げられていた間隔Ｄ…が詰り、
種子粒Ｇと種子粒Ｇとの間隔Ｄを消失せしめた状
態となつて繰出されていくようになる。

以上説明したように本考案による播種プラント
における播種装置は、ホツパー３０の繰出口３１
の下方に、断面Ｖ字形の種子誘導溝４０により種
子を繰出す繰出樋４を、基端側４ａから先端側４
ｂに向け傾斜下降する姿勢として配位し、それの
基端側４ａを前記繰出口３１に接続して、その繰
出樋４に振動装置３４を連繋し、かつ、その繰出
樋４の種子誘導溝４０の途中に間引き用の切欠き
孔４１を装設した播種プラントにおける播種装置
において、前記繰出樋４の種子誘導溝４０の繰出
方向の先端部付近に、該種子誘導溝４０の下降傾
斜する角度より小さい角度の緩傾斜部４４または
摩擦抵抗の大きい誘導面４５よりなる減速誘導部
ｗを装設しているのだから、振動する繰出樋４に
より条列に連続して繰出される種子粒Ｇ…が、繰
出方向において、種子粒Ｇと種子粒Ｇとの間隔Ｄ
…を拡げた状態となつて繰出されるようになつて
も、繰出樋４の先端側４ｂに装設した減速誘導部
ｗに到達して流速を落すことで、間隔Ｄが詰めら
れ、その間隔Ｄを消失せしめた条列となつていく
ので、欠播きのない状態に条播きしていけるよう
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従前の播種プラントの説明図、第２図
は同上の播種装置の側面図、第３図は同上の繰出
樋の斜視図、第４図は同上の作用の説明図、第５
図は本考案を実施せる播種装置の一部破断した側
面図、第６図は同上の繰出樋の斜視図、第７図は
同上の作用の説明図、第８図は別の実施例の斜視
図である。 図面符号の説明、Ａ……播種プラント、Ｇ……
種子粒、ａ……土詰ユニツト、ｂ……かん水ユニ
ツト、ｃ……播種装置、ｄ……覆土装置、１……
苗箱、２……コンベア、２０……ベルトコンベ
ア、２１……機枠、３０……ホツパー、３１……
繰出口、３２……機枠、３３……弾性資材、３４
……振動装置、４……繰出樋、４ａ……基端側、
４ｂ……先端側、４０……種子誘導溝、４０ａ，
４０ｂ……壁面、４１……切欠き孔、４２……種
子放出口、４３……屈曲部、４４……緩傾斜部、
４５……誘導面、ｗ……減速誘導部、Ｄ……間
隔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホツパー３０の繰出口３１の下方に、断面Ｖ字
   形の種子誘導溝４０により種子を繰出す繰出樋４
   を、基端側４ａから先端側４ｂに向け傾斜下降す
   る姿勢として配位し、それの基端側４ａを前記繰
   出口３１に接続して、その繰出樋４に振動装置３
   ４を連繋し、かつ、その繰出樋４の種子誘導溝４
   ０の途中に間引き用の切欠き孔４１を装設した播
   種プラントにおける播種装置において、前記繰出
   樋４の種子誘導溝４０の繰出方向の先端部付近
   に、該種子誘導溝４０の下降傾斜する角度より小
   さい角度の緩傾斜部４４たは摩擦抵抗の大きい誘
   導面４５よりなる減速誘導部ｗを装設したことを
   特徴とする播種プラントにおける播種装置。