JPH04138511U - 強制燃焼器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ バーナ内部の油汚れと気化器の消費電力を低
減する。 ［構成］ 燃焼ガスが通る流路の途中に直交型の熱交換
器４を設ける。熱交換器４の一方には送風機５が配設す
ると共に、他方は案内通路７が接続し、この案内通路７
はバーナ１を囲繞するボックス６に連通している。燃焼
すると熱交換器４が加熱され、送風機５からの燃焼用空
気が昇温することから、ボックス６内の温度が高くな
る。よってバーナ１温度が高くなり、気化ガスの温度低
下が防止されて結露することを防止できると共に、気化
器８の冷却が抑制される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、燃油の気化ガスを燃焼させる強制燃焼器の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来よりこの種の強制燃焼器は、ボックスで囲繞されるバーナに、送風機より 燃焼用空気が強制的に供給されると共に、気化器から気化ガスが噴出して燃焼す る構成となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで気化ガスは、噴出後に燃焼用空気と混合して温度が急激に下がり、低 温に触れたときに一部が結露することから、バーナ内部はいつも油で汚れた状況 を呈する。そして係る状況下にあって、送風機がバーナのプリパージおよび消火 後の機内冷却等のために動作するようなときは、送風がバーナ内を通過するため に、機外に臭気が排出されるものであった。また気化器はボックスに隣接する位 置に配設しており、周囲空気により冷却することから、この冷却を補う電力を必 要とするものであった。

【０００４】 この考案は前記した課題に鑑みなされたもので、その第一の目的とするところ は、バーナ内部の油汚れを解消できる強制燃焼器を提供することにある。また第 二の目的とするところは、第一の目的に加えて気化器の消費電力を低減できる強 制燃焼器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記した第一の目的を達成するために本考案は、燃油を加熱気化する気化器と 、燃焼用空気が強制的に供給されて燃焼するバーナと、燃焼ガスの流路に配設さ れた直交型の熱交換器と、この熱交換器に燃焼用空気を送出する送風機と、熱交 換器からの燃焼用空気をバーナを囲繞するボックスに導く案内通路とを有する構 成である。

【０００６】 また第二の目的を達成するために本考案は、前記した第一の構成において、気 化器はノズル側がボックス内に位置してなる構成としたものである。

【０００７】

【作用】

以上の構成とすれば、燃焼用空気は燃焼ガスと熱交換し昇温してボックスに流 入することによりバーナが加温される。このことからバーナ内部の結露は再び気 化して燃焼に供されると共に、ノズルから噴出した気化ガスも昇温した燃焼用空 気と混合するので結露しなくなる。また、燃焼用空気の流入によりボックス内の 温度も高くなり気化器が冷却しにくくなることから、消費電力が低減する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面により説明する。図１の強制燃焼器において、 １はバーナで、火口２の長手方向両側には多数の小孔が穿設された空気噴出板３ が設けられている。バーナ１の燃焼ガスが流通する流路途中には、図２に示すよ うな直交型の熱交換器４が配設されている。５は熱交換器４に燃焼用空気を送出 する送風機、６はバーナ１を囲繞するボックスで、このボックス６と熱交換器４ の燃焼用空気の出口側は、案内通路７を介して連通している。８はヒータを備え た気化器で、その先端に気化ガスが噴出するノズル９を有すると共に、送油パイ プ１０を介してポンプ１１と接続している。また、１２は燃油を貯溜する油受、 １３は被加熱体、１４はノズル９を開閉するソレノイドである。

【０００９】 上記した構成における動作を述べる。気化器８は、ヒータへの通電制御により 、燃油を加熱気化し得る略一定の温度に維持されている。そして適宜の燃焼開始 に伴ってポンプ１１が始動すると、気化器８に圧送された燃油は気化ガスとなっ てノズル９からバーナ１に噴出する。又これと相前後して送風機５も駆動するの で、その送風、即ち燃焼用空気は熱交換器４、案内通路７を介してボックス６に 至る。よって気化ガスは、バーナ１内に流入した一次空気と混合し予混合気とな って火口２より流出し、空気噴出板３より二次空気が噴出供給されて燃焼する。 そして燃焼ガスは、熱交換器４を加熱した後、被加熱体１３を経て機外に排出さ れる。

【００１０】 さて燃焼開始当初は、従来例で述べたと同様に、バーナ１に流入する一次空気 の温度が低いためにノズル９から噴出した気化ガスが急激に冷却し、バーナ１も 低温であることと相俟って、気化ガスの一部がバーナ１内で結露する。しかし乍 ら、燃焼によって効率よく熱交換器４が加熱され、ここを燃焼用空気が通過する 間に昇温することにより、気化ガスの温度低下が抑制され且つバーナ１が昇温す るので、速やかに結露を生じなくなるのである。さらにバーナ１がある程度昇温 すると、燃焼初期に生成した結露が再び気化して燃焼に供される。そのためバー ナ１内部の油汚れを完全に解消でき、このことから送風機５が機内冷却等のため に動作しても、機外に臭気が排出することを防止できるのである。

【００１１】 また、特に熱交換器４の熱交換効率が高い等により燃焼用空気が相当昇温し得 る構造においては、燃焼の継続に伴って燃焼用空気の密度がかなり小さくなるの で、赤火等の異常燃焼が発生することがある。よって係る場合は、燃焼開始以後 送風機５の送風量を漸増させていき、バーナ１がほぼ安定燃焼となるをもってそ の送風量に保持することで、前記不具合は容易に解消できる。

【００１２】 次に本考案の他の実施例を図３により説明する。なお図３において前掲の図１ と異なる点は、気化器８のノズル９側をボックス６内に挿設させたことにあり、 他は同一なので詳しい説明は省略する。

【００１３】 係る構成とすれば、昇温した燃焼用空気の流入によりボックス６内温度が高に 維持されるため、気化器８の放熱量が減じる。故に気化器８を略一定の温度に維 持するに、ほぼ燃油気化に要する熱量で足りることから、従来に比して消費電力 が低減するのである。

【００１４】

【考案の効果】

以上に説明した如く本考案の強制燃焼器は、燃油を加熱気化する気化器と、燃 焼用空気が強制的に供給されて燃焼するバーナと、燃焼ガスの流路に配設された 直交型の熱交換器と、この熱交換器に燃焼用空気を送出する送風機と、熱交換器 からの燃焼用空気をバーナを囲繞するボックスに導く案内通路とを有する構成を 備えている。従って、燃焼ガスと熱交換した燃焼用空気がボックスに流入するこ とでバーナが加温され、且つ気化ガスの温度低下も抑制されることから、結露を 防止できる。さらに燃焼初期に生じた結露は、バーナの加温に伴って再び気化し て燃焼に供されるので、バーナ内部が油で汚れることを解消できる効果を奏する 。

【００１５】 また、気化器のノズル側をボックス内に位置させた構成としたので、燃焼用空 気の流入によりボックス内温度が高く維持され、気化器が冷却しにくくなること から、上記効果と共に消費電力が低減する効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の強制燃焼器に関する構造図で
ある。

【図２】本考案の実施例に用いた熱交換器を説明する部
分拡大図である。

【図３】本考案の他の実施例の強制燃焼器に関する構造
図である。

【符号の説明】

１ バーナ ４ 熱交換器 ５ 送風機 ７ 案内通路 ８ 気化器 ９ ノズル

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】燃油を加熱気化する気化器と、燃焼用空気
   が強制的に供給されて燃焼するバーナと、燃焼ガスの流
   路に配設された直交型の熱交換器と、この熱交換器に燃
   焼用空気を送出する送風機と、熱交換器からの燃焼用空
   気をバーナを囲繞するボックスに導く案内通路とを有す
   る強制燃焼器。
2. 【請求項２】気化器はノズル側がボックス内に位置して
   なる請求項１記載の強制燃焼器。