JPH0413618B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はループ型ヒートパイプ作用とヒートポ
ンプ作用とを併せもつ太陽熱温水器に関する。

従来例の構成とその問題点 従来のこの種の太陽熱集熱装置は、第１図に示
すように、集熱器１と、集熱器１の上方に設けら
れた貯湯タンク２内に内設された熱交換器３と、
往管４および戻管５とによる閉回路により、構成
されるとともに回路内部は減圧され、潜熱媒体の
作動液６が封入されていた。この構成では、日射
がある場合には集熱器１にて受けた太陽熱は、貯
湯タンク２へ熱搬送され内部の水７を温めるが、
日射がない場合、すなわち雨天のような場合はほ
とんど昇温しないため利用できないという問題を
有していた。またこれを解決するために、太陽熱
集熱とヒートポンプによる大気熱集熱とを組合せ
たシステムも既に提案されているが、太陽熱集熱
と大気熱集熱の切換え時期が適切でなかつたり、
また両者の凝縮用熱交換器の配設位置が貯湯タン
ク内で適切でないことにより、組合せシステムの
集熱効率はそれほど高いものになつていなかつ
た。

発明の目的 本発明はかかる従来の問題を解消するもので、
太陽熱集熱と大気熱集熱との作動切換え時期を最
適にするとともに貯湯タンク内の凝縮用熱交換器
位置を最適化することにより総合集熱効率を高め
ることを目的とする。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は貯湯タンク
内において、ループ型ヒートパイプでなり主とし
て太陽熱集熱した熱を熱交換する第１の熱交換器
を貯湯タンク底部に配設し、ヒートポンプ回路で
なり、主として大気熱集熱した熱を熱交換する第
２の熱交換器を第１の熱交換器の上方位置に配設
するとともに大気熱集熱を行うヒートポンプ運転
の発停制御を制御器内に設けたタイマー回路によ
り行うものである。

この構成によつて、日射が大きい場合はループ
型ヒートパイプにより太陽熱集熱が行われ、第１
の集熱器から第１の熱交換器へ熱搬送され、凝縮
液は戻管を通り第１の集熱器下部へ導かれる。こ
の場合戻管内の液レベルは、ループ型ヒートパイ
プが作動している場合は、作動していない状態に
比べ、循環力を得るために上昇することになり、
明らかな液面高さの差異を生じる。したがつて戻
管内の液面が高い場合は、太陽熱集熱が行われて
いる状態であり、浮子が上昇し信号発生器からヒ
ートポンプ運転を停止状態にさせる。一方、日射
が無い時、または貯湯タンク内の湯温が上昇しル
ープ型ヒートパイプが作動しない時は戻り管内の
液面は第１の集熱器内の液面と同等になり、その
場合には、受液タンク内の浮子が降下し、ヒート
ポンプ回路中の圧縮機を運転させるための信号を
発生させ、ヒートポンプ運転により太陽熱集熱を
行うことができる。

これにより、日射が大きい場合はランニングコ
ストを必要としない太陽熱集熱により、貯湯タン
ク内の底部に配設した第１の熱交換器により可能
な限り全容量を昇温させることができる。

またヒートポンプ運転の開始を戻管内の液面検
知だけによらないで、その時点で日射がなくても
ランニングコスト零の太陽熱集熱可能時間を可能
な限り長くし、ヒートポンプの運転開始時刻を貯
湯タンクの湯を利用する時刻から逆算し、必要最
短時間となるよう遅らせるためのタイマー回路が
制御器に内蔵されているために、ランニングコス
トを最低にすることができる。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第２図を用いて説明
する。

第２図において、１は集熱器、２は貯湯タン
ク、３は第１の熱交換器、４はループ型ヒートパ
イプの往管、５は同じく戻管、６は作動液、７は
受液タンク、８は浮子、９は制御器、１０は圧縮
機、１１はヒートポンプ回路の第２の熱交換器、
１２は同じく第２の集熱器、１３は膨脹弁であ
る。

上記構成において、日射量が大きい場合また
は、第１の集熱器の表面温度と貯湯タンクの水温
との温度差が大きい場合には、第１の集熱器にお
いて太陽熱が吸収され、内部の作動液６は蒸発
し、ガス状態となり往管４を通り、貯湯タンク２
内の第２の熱交換器へ導かれる。貯湯タンク２内
で冷却されると、第２の熱交換器のガスは凝縮液
化し一方向に傾斜した第２の熱交換器内を流下
し、戻管５および受液タンク７を通り、第１の集
熱器の下部へと導かれる。このように日射量が大
きい場合、または第１の集熱器の表面温度と貯湯
タンク内の水温との温度差が大きい場合はループ
型ヒートパイプが作動し、作動液の循環力を得る
ために戻管内の液量は、増大し、従つて戻管内の
一部に形成した受液タンク７内には日射量に応じ
て作動液の液面高さが変化することになる。本出
願の一実施例のように受液タンクの内部に浮子を
設け、一定日射量以上の日射を得た場合に、浮上
することにより信号を発する構成とすることによ
り、この信号を制御器９を介して、ヒートポンプ
回路の圧縮機１０の運転を停止させることがで
き、また日射がある場合は第１の集熱器により無
動力にて集熱することができる。また、日射がな
い場合、または第１の集熱器１の表面温度と貯湯
タンク内の水温との温度差が小さい場合は、ルー
プ型ヒートパイプ１の循環力は生じないため、戻
管内の作動液の液面高さは低くなり、したがつ
て、受液タンク７内での浮子は下方に位置した信
号を発することになる。この場合はヒートポンプ
回路の圧縮機１０の運転を始動させることによ
り、主として空気熱源により第２の集熱器１２を
利用して集熱することができる。しかしながらヒ
ートポンプ運転の開始を戻管内の液面検知だけに
よらないで、制御器内のタイマー回路と連動させ
ておくことにより、日射が小さくなると同時にヒ
ートポンプ運転を開始させずにランニングコスト
零の太陽熱集熱可能時間を可能な限り長くし、そ
れ以降日射が再開された際には、太陽熱集熱を行
わしめ、ヒートポンプの運転開始時刻を可能な限
り遅らせることにより太陽熱集熱の寄与分を大き
くし、トータルランニングコストを最低にするこ
とができる。

ここでヒートポンプの運転開始時刻は、貯湯タ
ンクの湯を利用する時刻から逆算し、太陽熱集熱
が全く無い日でも、一定湯温が得られるための必
要最短時間から設定すればよいことは当然であ
る。

次に本発明の他の実施例を第３図を用いて説明
する。

第３図において、１４はサブタンク、１５は入
口、１６は出口である。

上記構成において、第１の熱交換器３により、
貯湯タンク２内の水の可能な限り全容量を太陽熱
により加熱し、必要に応じて別設したサブタンク
１４に設けた第２の熱交換器１１により大気熱に
より加熱するものである。入口１５および出口１
６を設けたり、また無くすることにより、本発明
による太陽熱集熱装置において、大気熱集熱組合
せタイプと太陽熱専用タイプとをそれぞれ容易に
構成することができるという効果も生じる。

発明の効果 以上のように本発明の太陽熱集熱装置によれば
次の効果が得られる。

(1) ランニングコストを必要としない太陽熱集熱
により貯湯タンクの全容量に対し集熱し、不足
エネルギーに対し、必要容量のみヒートポンプ
による大気熱集熱を行うため、経済性の高い集
熱方式である。

(2) ヒートポンプ運転の発停を太陽熱集熱運転状
況からの信号と、湯使用時刻に対する逆算から
設定した時刻からの信号により決定されるた
め、最も適切に制御され、経済性の高い集熱装
置となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の太陽熱集熱装置の構成図、第２
図は本発明の太陽熱集熱装置の一実施例を示す構
成図、第３図は、本発明の太陽熱集熱装置の他の
実施例を示す構成図である。 １……第１の集熱器、２……貯湯タンク、３…
…第１の熱交換器、４……往管、５……戻管、６
……作動液、９……制御器、１０……圧縮器、１
１……第２の熱交換器、１２……第２の集熱器、
１３……膨脹弁、１４……サブタンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 潜熱媒体の作動液を蒸発させる第１の集熱器
   と、前記第１の集熱器の上方に位置し、凝縮用の
   第１の熱交換器を内設する貯湯タンクと、前記第
   １の集熱器と前記第１の熱交換器とを接続し閉回
   路を構成する往管および戻管とにより構成したル
   ープ型ヒートパイプと、主として大気熱により潜
   熱媒体の作動液を蒸発させる第２の集熱器と、前
   記貯湯タンク内に内設した凝縮用の第２の熱交換
   器と、前記第２の集熱器と前記第２の熱交換器間
   に設けた圧縮機および膨脹弁とにより構成したヒ
   ートポンプ回路と、前記圧縮機の発停をおこなう
   ための信号発生器を前記戻管内に設けた受液タン
   ク内の作動液の有無により上下動する浮子により
   構成するとともに、ヒートポンプの運転開始時刻
   を定刻以降にするためのタイマー回路を内蔵する
   制御器とからなり、前記第２の熱交換器は前記第
   １の熱交換器の上方に配設した太陽熱集熱装置。 ２ 貯湯タンクと連通したサブタンクと、前記サ
   ブタンク内に配設した第２の熱交換器とからな
   り、前記サブタンクの上側の連通口を第１の熱交
   換器位置よりも上方に配設した特許請求の範囲第
   １項記載の太陽熱集熱装置。