JPH04134362U - 機械式駐車場の安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タワーパーキング等の機械式駐車場におい
て、点検、修理等の作業者が任意の位置からパレットの
移動に非常停止をかけられるようにして、安全性を向上
させる。 【構成】 ケージ１６のパレット３０上あるいは機械内
の任意の場所で安全とされる箇所に可搬式のマットスイ
ッチ３４を敷いて、作業者３２はその上で点検等の作業
を行なう。点検時のケージ１６の移動は地上の作業者の
操作で行ない、この時発信機３８からはケージ１６の移
動を許容する信号４８が出されている。この信号４８は
受信機５２で受信されて、制御盤２６を介してケージ駆
動用モータ５６を駆動可能にする。作業者３２がマット
スイッチ３４から降りると、発信機３８から信号４８が
出されなくなり、これが停止指令となって、制御盤２６
はケージ駆動用モータ５６を強制的に駆動停止させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、タワーパーキング等の機械式駐車場において、作業者が機械部分 に立入っての点検、修理あるいはパレットに乗って点検、修理等の作業をする時 の安全装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

タワーパーキング等の機械式駐車場の点検は、作業者が機械部分に立入ってい るかあるいはケージのパレット上に乗ってケージを動かしながら、機械式駐車場 内部の駆動部、動力伝達部等を目視で観測することにより行なわれる。この点検 の際、作業者は、自らケージの運転ができないため、地上の操作盤の前にいる別 の作業者にトランシーバ等で駆動、停止の指令を与えることにより、ケージの動 作を制御している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来の方法では、ケージの駆動中に点検場所で不測の事態が生じて緊急停 止させる必要が生じた場合でも作業者が地上の作業者に連絡をとれない状態であ る場合には、ケージが移動し続けて危険な状態に至るおそれがあった。 この考案は、前記従来の技術における問題点を解決して、いかなる場所での点 検においても不測の事態が生じた場合等に、パレットの動きを確実に停止させる ことができるようにして安全性を向上させた機械式駐車場の安全装置を提供しよ うとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、機械式駐車場内において、パレットの移動を停止すべき作業者の 動作を検知する検知手段と、この検知手段が前記人の動作を検知した時に、その 近傍位置から停止指令を無線で発信する発信機と、この発信機から発信された停 止指令を受信する受信機と、この受信機で前記停止指令が受信された時に、強制 的にパレットの移動を停止させる制御手段とを具備してなるものである。

【０００５】

【作用】

この考案によれば、作業者の動作でパレットの移動に緊急停止をかけられるの で、作業者が地上の人に連絡をとれなくてもパレットの移動を確実に停止でき、 安全性が向上する。

【０００６】

【実施例】

（実施例１） この考案をタワーパーキングに適用した一実施例を以下説明する。はじめに、 タワーパーキングの概要を図２に基づいて説明する。タワーパーキング１０は建 屋１２の内部にチェーンレール１４が配設され、複数のケージ１６が駆動装置１ ８の駆動によりこのチェーンレール１４に沿って上下方向に駆動される。そして 、所望のケージ１６を地上２０の入出庫口２２に位置決めして車輌２４の入出庫 を行なう。

【０００７】 駆動装置１８はモータ、減速機、スラスタブレーキ等で構成されている。制御 盤２６はケージ１６等の動作を制御するモータ盤、リレー盤等を内蔵している。 地上の操作盤２８は人の操作により制御盤２６に対し各種指令を出して、ケージ １６等の運転を行なう。

【０００８】 検知手段をマットスイッチで構成したこの考案の一実施例を図１に示す。タワ ーパーキング内部の点検、修理等を行なうとき、作業者３２は、ケージ１６のパ レット３０上に乗って、地上の作業者にトランシーバ等でケージ１６の移動、停 止等の指示を与える。このような作業においては、ケージ１６の移動中に作業者 ３２がパレット３０上の一定の場所から離れると危険な箇所が多数ある。そこで 、安全な範囲に相当する大きさや形状を有する可搬式のマットスイッチ３４を用 意して、作業者３２は作業を行なう時にこれを例えばパレット３０上中央部の安 全な場所に敷いて、その上で作業を行なう。マットスイッチ３４には、ケーブル ３６を介して可搬式の発信機３８が接続されている。

【０００９】 マットスイッチ３４および発信機３８の具体構成例を図３に示す。マットスイ ッチ３４には、その全面に多数のスイッチ４０が埋め込まれ、作業者３２がその 上に乗った状態ではいずれかがオンし、乗っていない状態ではすべてがオフする 。受信機３８には直流電源４２が内蔵され、この直流電源４２はケーブル３６を 介して各スイッチ４０に共通に接続されている。スイッチオン検出回路４４は、 直流電源４２から電流が流れることによりいずれかのスイッチ４０がオンしてい ることを検出する。送信部４６はスイッチオン検出回路４４がスイッチオンを検 出している時には、所定の信号（ケージ１６の移動を許容する信号）４８を常時 アンテナ５０から発信する。また、送信部４６はスイッチオン検出回路４４がス イッチオンを検出していない時には、信号４８を発信しない（この状態が停止指 令を発信した状態に相当する）。

【００１０】 図１において、タワーパーキングの建屋１２（図２）内の固定部分には、受信 機５２が固定配設されている。アンテナ５４は前記発信機５４からの信号４８を 受信して、制御盤２６（制御手段）に伝達する。そして、制御盤２６は受信機５ ２が信号４８を受信している時はケージ１６の移動を許容し、駆動装置１８（図 ２）のモータ５６は地上の作業者の操作により駆動可能となる。また、制御盤２ ６は受信機５２が信号４８を受信していない時は、ケージ１６の移動を禁止し（ モータ５６の駆動を停止し、ブレーキをかける）、駆動装置１８のモータ５６は 地上の作業者の操作にかかわらず強制的に駆動が停止される。

【００１１】 このような構成によれば、作業者３２がマットスイッチ３４上で安全に作業を している時はケージ１６は地上の作業者の操作により移動が可能である。また、 ケージ１６の移動中に作業者３２が不用意にまたは意識的にマットスイッチ３４ から離れた場合やパレット３０上で転倒するなどしてマットスイッチ３４から離 れた場合等には、信号４８の発信は停止されるので、ケージ１６は強制的に停止 され、事故が未然に防止される。 前記例はケージ上であったが、ケージ外の任意の場所において（機械内に立入 って）作業を行なう時も同様である。

【００１２】 （実施例２） この考案の他の実施例を図４に示す。これは、検知手段を、作業者が操作する 押ボタンスイッチで構成したものである。前記図１の実施例と共通する部分には 同一の符号を用いる。パレット３０上の作業者３２のベルト５８には、発信機６ ０が取り付けられている。発信機６０には押ボタンスイッチ６２が配設されてい る。 発信機６０の具体構成例を図５に示す。押ボタンスイッチ６２は押すごとにオ ン、オフを繰り返すものが用いられている。押ボタンスイッチ６２には直流電源 ６４が接続されている。

【００１３】 スイッチオン検出回路６６は、直流電源６４から電流が流れることにより押ボ タンスイッチ６２がオンしていることを検出する。送信部６８はスイッチオン検 出回路６６がスイッチオンを検出している時には、所定の信号（ケージ１６の移 動を許容する信号）４８を常時アンテナ７０から発信する。また、送信部６８は スイッチオン検出回路６６がスイッチオンを検出していない時には、信号４８を 発信しない（この状態が停止指令を発信した状態に相当する）。

【００１４】 図４において、タワーパーキングの建屋１２（図２）内の固定部分には、受信 機５２が固定配設されている。アンテナ５４は前記発信機６０からの信号４８を 受信して、制御盤２６（制御手段）に伝達する。そして、制御盤２６は受信機５ ２が信号４８を受信している時はケージ１６の移動を許容し、駆動装置１８（図 ２）のモータ５６は地上の作業者の操作により駆動可能となる。また、制御盤２ ６は受信機５２が信号４８を受信していない時は、ケージ１６の移動を禁止し（ モータ５６の駆動を停止し、ブレーキをかける）、駆動装置１８のモータ５６は 地上の作業者の操作にかかわらず強制的に駆動が停止される。

【００１５】 このような構成によれば、作業者３２が押ボタンスイッチ６２をオン状態にし ておけば、ケージ１６は地上の作業者の操作により移動が可能である。また、ケ ージ１６の移動中に作業者３２がパレット３０上で転倒するなどして危険な状態 に至った場合やその他の理由によりケージ１６を停止させたい場合等には、押ボ タンスイッチ６２を１度押してこれをオフ状態にすれば、信号４８の発信は停止 されるので、ケージ１６は強制的に停止され、事故が未然に防止される。 前記例はケージ上であったが、ケージ外の任意の場所において（機械内に立入 って）作業を行なう時も同様である。

【００１６】

【変更例】

前記実施例では、信号４８が発信されていない状態を停止指令を発信した状態 としたが、独自の停止指令信号を発信することにより停止指令を発信することも できる。 また、この考案はタワーパーキング以外の各種パレット式の機械式駐車場にも 適用することができる。 また、検知手段で検知する人の動作は上記実施例で示したほか各種の動作を利 用することができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によれば、作業者の動作でパレットの移動に緊 急停止をかけられるので、作業者が地上の人に連絡をとれなくてもパレットの移 動を確実に停止でき、安全性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案の一実施例を示す図である。

【図２】 タワーパーキングの概要を示す正面図であ
る。

【図３】 図１のマットスイッチ３４および発信機３８
の具体構成例を示す図である。

【図４】 この考案の他の実施例を示す図である。

【図５】 図４の発信機６０の具体構成例を示す図であ
る。

【符号の説明】

１０ タワーパーキング（機械式駐車場） ２４ マットスイッチ（検知手段） ２６ 制御盤（制御手段） ３０ パレット ３２ 作業者（人） ３８，６０ 発信機 ５２ 受信機 ６２ 押ボタンスイッチ（検知手段）

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機械式駐車場内において、パレットの移動
   を停止すべき作業者の動作を検知する検知手段と、この
   検知手段が前記人の動作を検知した時に、その近傍位置
   から停止指令を無線で発信する発信機と、この発信機か
   ら発信された停止指令を受信する受信機と、この受信機
   で前記停止指令が受信された時に、強制的にパレットの
   移動を停止させる制御手段とを具備してなる機械式駐車
   場の安全装置。
2. 【請求項２】前記検知手段が、人が上に乗って使用され
   るマットスイッチで構成されてなる請求項１記載の機械
   式駐車場の安全装置。
3. 【請求項３】前記検知手段が、人により操作される押ボ
   タンスイッチで構成されてなる請求項１記載の機械式駐
   車場の安全装置。