JPH0131707Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は石油、液化ガス等を収容する大型球形
タンク内の検査、修理或は清掃等を行う場合に、
当該タンク内に組立てて設置する作業用回転足場
に関する。

従来、上述タンク内の足場は、丸太、鋼材等を
用いてタンク内に固定構築していた為、足場部材
の搬入並びに足場の構築に長期間の日数を必要と
し、特に固定足場は、タンク内壁の全球面に沿つ
て構築する必要があり、しかも作業者は足場上に
あつて、所要各部へ移動して作業を行わなければ
ならないから、その作業に多大の労力と時間とを
費していた。

そこでこれらの欠点を回避したものとし、タン
ク内で組立てる回転式の足場が開発されるに至つ
た。この足場は、タンク内直径方向に適当幅だけ
をもつた上下多段階状に構築され、かつこれが作
業の進行につれて縦軸中心にて回転する構成であ
るから、前述の従来例に比べて、作業時の労力及
び作業日数並びに足場の構成部品点数等を軽減で
きて効果的である。

ところが上記構成の足場では、回転動力源とし
てモータを用いることになり、このため当該モー
タには交流電源から導入される電源コードが接続
されることとなるから、作業員が、同モータを稼
動して作業を進めている間に、当該足場を一つの
回転方向へ何回か回動させてしまうようなことが
あると、当該電源コードを断線させてしまつた
り、また短絡状態が生じて危険を伴うなどといつ
た事故を起しかねない。

本考案はこのような点に鑑み、作業者が作業中
にあつて、足場を右回動させたなら、適時逆の左
回動をさせるようにして、電源コードの断線が生
じないよう気をくばるといつたことなしに、自動
的に同コードの切断などといつた支障の発生を、
未然に防止できるようにし、作業者が安心して本
来の作業に集中できるようにして能率を向上さ
せ、この種の事故発生を完全に阻止できるように
するのが、その目的である。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述すれ
ば、足場１は第１図に示したように、ユニツト化
された足場部材を球形タンク２内で組立て構築す
るものであり、その足場部材は、上記タンク２の
上部中心位置に設けられている上部マンホール３
と、下部の中心線より一側へ偏した位置に設けら
れている下部マンホール４からタンク２内に搬入
される。

上記足場１は、既知の如くタンク２内の底部に
敷設される環状レール５と、該環状レール５に搭
載される台車６と、該台車６上に枠組みされる枠
体７と、該枠体７から夫々左右の側方に向けて、
多段階に延設した各水平支持枠８…と、その先端
部に装設される作業床９…とから構成されてい
る。

ここで、上記環状レール５は、球型タンク２内
の底部中心に脚部５′，５′…により水平に設置し
てあり、該レール５上に搭載される台車６は、モ
ータ１０によつて自在に正転、逆転されるように
なつている。

又、上記枠体７は、台車６上にあつて、タンク
２の直径方向に適当な長さと幅を有して、所要の
高さまで枠組み形成されており、上記台車６と一
体に駆動回転されるよう台車６に固定してある。

又、上記各水平支持枠８…は、上記枠体７の左
右両側部から対称に延設されており、上下方向へ
適宜間隔をもたせて多段階に、かつ夫々を上記タ
ンク２の内壁に近接する長さに延出形成してある
と共に、その本体８ａには、床部材８ｂと、その
巾方向両側に手摺８ｃ，８ｃが立設されていて、
上記枠体７から当該床部材８ｂを作業通路とし
て、その先端側に設けた作業床９に至ることがで
きる。

もちろん、上記枠体７には、各階の作業床９…
へ通じるため、梯子段階Ｔが上記各水平支持枠８
…の基端部に連通して設けてある。

而して、この足場１は、タンク外のコントロー
ル室にあつて、又は作業者が作業床９…上で遠隔
操作することにより、タンク２の中心線を回転中
心として回転させ、所望位置で停止させた後、タ
ンク２内の所定部分の検査、修理等を行い、次い
で足場１を所望角度回転して停止させ作業を行う
といつた繰返しによつて、タンク１の内壁面が清
掃または修理等されることとなる。

さて本考案では、上記の台車６に第２図、第３
図の通り一対の走行車輪台１０，１０を下設し、
その車輪１１，１１が、内蔵の駆動モータ１２，
１２によつて駆動回転されることで、台車６が環
状レール５上を前記の通り走行するよう構成され
ており、さらに走行車輪台１０，１０から下設し
た縦車軸１３には、回転自在な台車ガイドとして
の作動子１４が軸嵌され、これが環状レール５の
内周面に凹設した案内条溝１５に係装されてい
る。

一方当該環状レール５の同上内周面には、案内
条溝１５の下位に検知スイツチ１６が設けられ、
同スイツチ１６として図示したものは、リミツト
スイツチであり、その接触作動片１６′が上向き
に突出しており、台車６が回動し、走行車輪台１
０，１０の作動子１４が到来すると、上記作動片
１６′に押当して、リミツトスイツチである検知
スイツチ１６が作動、たとえば開成作動する配置
関係となつている。

そして当該検知スイツチ１６は、第６図に示す
如く電源ACにより稼動される駆動モータ１２，
１２の前段にあつて、挿接されたコントローラ１
７に、組込み接続されており、当該コントローラ
１７は適宜の電気回路により構成すればよいが、
その正転操作スイツチ１８を作動させれば、駆動
モータ１２，１２を正転でき、また停止操作スイ
ツチ１９を操作すると同モータの回転を停止し得
ると共に、逆転操作スイツチ２０の操作で、駆動
モータ１２，１２を逆回転させることができ、し
かも前記のように作動子１４が接触作動片１６′
に押当して検知スイツチ１６が応動することによ
り、電源ACからの電流供給が断たれて駆動モー
タ１２，１２の回転が停止するようにしてある。

この際もちろん、電源コードの余裕長が充分あ
るならば、上記の如く接触作動片１６′が１回押
動されただけで駆動モータ１２，１２′を停止さ
せるのではなく、２回以上の押動をカウントした
後、同モータを停止するように、コントローラ１
７を構成してもよい。

本考案は図示の実施例によつて具現される通
り、球形タンク２内に設置された環状レール５上
には、駆動モータ１２を具備した台車６付きの枠
体７が、縦軸線を中心として、当該駆動モータ１
２の稼動により回転自在なるよう搭載され、当該
枠体７の側部に複数個の作業員が昇降できる作業
床９を多段階に設けてなる球形タンク２内の作業
用回転足場において、前記環状レール５には、台
車６に設けた作動子１４の当来により応動する検
知スイツチ１６を設けると共に、上記駆動モータ
１２を正転、停止、逆転自在とした操作スイツチ
１８，１９，２０が付設されているコントローラ
１７を設けて、前記検知スイツチ１６の応動によ
り駆動モータ１２が停止されるように、当該検知
スイツチ１６を上記コントローラ１２に組込み接
続してなるものであるから、足場の正転時にあつ
ても、また逆転時にあつても、検知スイツチ１６
の応動で足場の回転は停止するから、正転または
逆転を何回も続行させてしまい電源コードに捩れ
を生じさせたり、またこれにより断線に至るとい
つた事故の発生を完全に防止することができ、本
来の作業能率を向上できると共に保安上もよい結
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る球形タンク内の作業用回
転足場を示した全体略示斜視図、第２図は同足場
の環状レールと台車とを示した斜視説明図、第３
図は同台車の要部を示す斜視図、第４図は同レー
ルの検知スイツチ取付箇所を示す斜視図、第５図
は同検知スイツチの応動状態を示した同箇所の斜
視図、第６図は同足場の電気係を示す回路説明図
である。 ２……球形タンク、５……環状レール、６……
台車、７……枠体、９……作業床、１２……駆動
モータ、１４……作動子、１６……検知スイツ
チ、１７……コントローラ、１８……正転操作ス
イツチ、１９……停止操作スイツチ、２０……逆
転操作スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 球形タンク内に設置された環状レール上には、
   駆動モータを具備した台車付きの枠体が、縦軸線
   を中心として、当該駆動モータの稼動により回転
   自在なるよう塔載され、当該枠体の側部に複数個
   の作業員が昇降できる作業床を多段階に設けてな
   る球形タンク内の作業用回転足場において、前記
   環状レールには、台車に設けた作動子の当来によ
   り応動する検知スイツチを設けると共に、上記駆
   動モータを正転、逆転、停止自在とした操作スイ
   ツチが付設されているコントローラを設けて、前
   記検知スイツチの応動によつて駆動モータが停止
   されるように、当該検知スイツチを上記コントロ
   ーラに組込み接続してなる球形タンク内の作業用
   回転足場。