JPH04133977U - ステアリングシヤフト支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステアリングシャフトを取り付ける際の作業
性を向上させることができるステアリングシャフト支持
構造を提供する。 【構成】 セットプレート１１には、ステアリングシャ
フト１の下端部を支持するブラケット１２が取り付けら
れる。ブラケット１２は、一対の支持部１２ａを有す
る。ステアリングシャフト１の下端部には、ユニバーサ
ルジョイント２の外側に延びる２股の延長部１ａが設け
られ、この延長部１ａはブラケット１２の支持部１２ａ
に取り付けられたピン１３上に枢動自在に支持される。
セットプレート１１は３ヵ所でダストカバー９とともに
ダッシュパネル７の貫通穴８の周りにボルト止めされ
る。セットプレート１１がボルト止めされる場合にセッ
トプレート１１、ダストカバー９とともにダッシュパネ
ル７上に固定される。 【効果】 セットプレート１１およびダストカバー９の
固定作業によって同時にステアリングシャフト１を枢動
自在に車体に組み付けることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ステアリング装置のステアリングシャフトの支持構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ステアリング装置は、車室内において運転車が操作するステアリングホイール と、このステアリングホイールを支持して前方かつ下方に延びるステアリングシ ャフトとを有する。このステアリングシャフトは、ユニバーサルジョイントを介 して中間シャフトに連結され、中間シャフトは、車室とエンジンルームを仕切る ダッシュパネルを貫通して延び、車輪を操舵するギア機構に接続されている。従 来、ステアリングシャフトの前端はダッシュパネルに設けられたブラケットに取 りつけて支持されていた。

【０００３】 このような従来の支持構造の例が実開昭６２−７２８７１号公報に開示されて いる。この構造では、車体側の部材に支持ブラケットを介してステアリングシャ フトの下端を取り付けるようになっている。

【０００４】

【解決しようとする課題】

上記のような従来の構造では、ステアリングシャフトの下端部を支持するブラ ケットを予めステアリングシャフトと中間シャフトのにサブアセンブリしておき これらを車体に組み付ける際に、ブラケットを車体側部材に取り付けるようにな っている。しかし、このブラケットが取り付けられるステアリングシャフトの前 方下端部は、狭くなっているので作業性が悪いという問題があった。

【０００５】 したがって、本考案の目的は、上記のような問題点を解決し、ステアリングシ ャフトを取り付ける際の作業性を向上させることができるステアリングシャフト 支持構造を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記問題を解決するために、本考案は以下のように構成される。すなわち、本 考案のステアリングシャフト支持構造は、ステアリング装置によるダッシュパネ ル貫通部のシール機能を与えるダストカバーと、該ダストカバーを支持しダッシ ュパネルに取りつけられるセットプレートと、該セットプレートに取りつけられ ステアリングシャフトの前方下端部を支持する支持手段とを備えたことを特徴と する。

【０００７】 好ましい態様では、前記支持手段は前記ステアリングシャフトを枢動自在に支 持するようになっている。 支持手段は、セットプレートと一体でもよいし、ボルト等によって固定しても よい。

【０００８】

【作用】

エンジンルームと車室は、ダッシュパネルによって仕切られており、ステアリ ング装置は、ダッシュパネルを貫通して車室からエンジンルームに延びる。ダッ シュパネルのステアリング装置貫通部には、エンジンルームと車室との連通を遮 断するためのダストカバーが設けられ、このダストカバーは、セットプレート上 に支持されており、セットプレートはダッシュパネルに取り付けられる。セット プレート上には、支持手段が設けられこれによってステアリングシャフトの前方 下端を支持するようになっている。ステアリングシャフトを車体に組み付けるに 当たっては、ステアリングシャフトにセットプレートに取り付けられた支持手段 をサブアセンブリしておき、その状態で車体に組み込む。このようにするとセッ トプレートをダッシュパネルに取り付けることによって、支持手段を介してステ アリングシャフトがダッシュパネルに取り付けられることになる。したがって、 従来のようなステアリングシャフト組付け時にステアリングシャフトの支持部を ダッシュパネルに取り付ける作業が不要となる。

【０００９】

【実施例】 以下、図面を参照して本考案の実施例につき説明する。 図１を参照すると、本考案が適用されるステアリング装置の一部が示されてい る。 ステアリングシャフト１は、前方下端においてユニバーサルジョイント２を介 して中間シャフト３に接続される。中間シャフト３はその前端においてさらに別 のユニバーサルジョイント４によってギヤ機構（図示せず）に接続されている。 車室５とエンジンルーム６とを仕切るダッシュパネル７には、凹部が設けられこ の凹部の中心部に貫通穴８が設けられてこの部分を中間シャフト３が貫通する。 中間シャフト３と貫通穴８との間には、ダストカバー９が配置される。ダストカ バー９は、周縁部が傘状に広がった筒状を成し中心部の縮径筒部９ａに中間シャ フト３が挿入される。筒部９ａの内面と中間シャフト３の間には、含油したポリ アセタール樹脂からなるシール部材１０が配置され、両者の間をシールするよう になっている。

【００１０】 貫通穴８の周縁部の車室５側には、セットプレート１１が設けられる。セット プレート１１は、ダッシュパネル７との間にダストカバー９の周縁部を挟んで支 持する。 図２および図３を合わせて参照すると、セットプレート１１は、頂部が丸みを もった３角形状の外形を成し、中央部はダッシュパネル７の凹部に沿うように凹 部が形成されている。その凹部の中心部にはダストカバー９の内部に連通する開 口１１ａが設けられる。また、セットプレート１１の凹部の底面には、ステアリ ングシャフト１の下端部を支持するブラケット１２が取り付けられる。ブラケッ ト１２は、セットプレート１１の上記底面から垂直にかつ下方に延びる一対の支 持部１２ａを有する。

【００１１】 図４に示すように、ステアリングシャフト１の下端部には、ユニバーサルジョ イント２の外側に延びる２股の延長部１ａが設けられ、この延長部１ａはブラケ ット１２の支持部１２ａに取り付けられたピン１３上に枢動自在に支持されてい る。 図３に示すようにセットプレート１１は、コーナー部に３つの開口１４、１５ および１６を有しており、この部分にボルト（図示せず）が挿通され、３ヵ所で ダストカバー９とともにダッシュパネル７の貫通穴８の周りにボルト止めされる ようになっている。この場合、本例のブラケット１２は、支持部１２ａの外側に 延長部１２ｂをそれぞれ備えており、この延長部１２ｂには、開口１４、１５と 整合する開口が設けられている。これによってセットプレート１１がボルト止め される場合にセットプレート１１、ダストカバー９とともにダッシュパネル７上 に固定される。

【００１２】 本例の装置を車体に組み付ける場合には、組付けに先立って中間シャフト３と ステアリングシャフト１がユニバーサルジョイント２を介して結合されるととも にセットプレート１１およびダストカバー９が中間シャフト３上に装着される。 そして、このようにサブアセンブリした状態で、中間シャフト３の先端部から車 室５側から貫通穴８を介してエンジンルーム６側に挿通する。

【００１３】 そして車室５側からダストカバー９、セットプレート１１およびブラケット１ ２を、それぞれのボルト挿通用の開口が整合するように重ねて、ボルト止めして 固定する。 したがって、セットプレート１１およびダストカバー９の固定作業によって同 時にステアリングシャフト１を枢動自在に車体に組み付けることができる。

【００１４】 図５を参照すると本考案の他の実施例が示されている。本例の構造では、ブラ ケット１２は、セットプレート１１上に溶接接合されており、セットプレート１ １と一体になっている。 この構造では、ブラケット１２は支持部１２ａを連結する連結部１２ｂが比較 的大きい面積を有しており、この連結部１２ｂでセットプレート１１に結合され るので強固な結合状態を得ることができる。

【００１５】 本例の構造においてもセットプレート１１をダッシュパネル７にボルト１７に よって固定すると同時にステアリングシャフト１を車体側に組み付けることがで きる。 図６を参照すると、本例の支持部１２ａは、上記の例と異なり特別のブラケッ ト１２を導入することなく、セットプレート１１の一部を折り曲げ、これを垂直 に立ち上げて構成している。この支持部１２ａを構成する部分の大部分はもとも とダストカバー９に通じる開口１１ａを構成するために切り取る部分であるので このように構成したことによる強度の低下は殆ど生じない。

【００１６】

【効果】

本考案によれば、ダッシュパネルの貫通部をシールするためのダストカバーを 支持するために必要となるセットプレートにステアリングシャフトの支持部をも けたので、組付け時にステアリングシャフトを支持するために特別の作業が必要 なくなるので作業能率が向上する。また、セットプレートと一体化することによ って部品点数を減少することができる。さらに、セットプレートを位置決めする ことによって自動的にステアリングシャフトの支持位置が決まるので、取り付け 精度が向上する。さらに支持手段が枢動自在にステアリングシャフトを支持する ためにチルトステアリングの回動中心とすることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例にかかるステアリングシャフ
ト支持構造の断面図、

【図２】セットプレート、ブラケットおよびダストカバ
ーの側面図、

【図３】ブラケットおよびダストカバーを取りつけたセ
ットプレートの正面図

【図４】ステアリングシャフトの下端部の斜視図、

【図５】本考案の他の実施例にかかる図３と同様の図、

【図６】本考案のさらに他の実施例にかかる図３と同様
の図である。

【符号の説明】

１ ステアリングシャフト ２ ユニバーサルジョイント ３ 中間シャフト ４ ユニバーサルジョイント ５ 車室 ６ エンジンルーム ７ ダッシュパネル ８ 貫通穴 ９ ダストカバー １０ シール部材 １１ セットプレート １２ ブラケット １３ ピン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステアリング装置によるダッシュパネル
   貫通部のシール機能を与えるダストカバーと、該ダスト
   カバーを支持しダッシュパネルに取りつけられるセット
   プレートと、該セットプレートに取りつけられステアリ
   ングシャフトの前方下端部を支持する支持手段とを備え
   たことを特徴とするステアリングシャフト支持構造。
2. 【請求項２】 前記支持手段が前記ステアリングシャフ
   トを枢動自在に支持することを特徴とする請求項１記載
   のステアリングシャフト支持構造。