JPH04133611U - 急傾斜・垂直コンベア用ベルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送方向に所定の曲率でかつ幅方向に湾曲さ
れる搬送ベルトの引張剛性を均一にすることを可能に
し、曲率部の曲率半径を小さくすることを可能とする。 【構成】 搬送物Ａを挾んで移送する二重搬送ベルト１
２，１３を搬送方向に所定の曲率で湾曲させると共にそ
の曲率部の搬送ベルトを幅方向に湾曲させて走行させる
急傾斜・垂直コンベア１１において、上記搬送ベルト１
２，１３に幅方向中央部の引張剛性を幅方向端部より大
きくする芯体１６を設けたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は二重搬送ベルト間にバラ物を挾んで移送する急傾斜・垂直用コンベア に係り、特にバラ物の搬送方向に所定の曲率で湾曲される二重搬送コンベアの曲 率半径を小さく設定することのできる急傾斜・垂直コンベア用ベルトに関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、バラ物を移送するコンベアにあっては省スペース化を図るために、互 いに重ね合わされる二重コンベア間にバラ物を挾んで移送する急傾斜・垂直コン ベアが知られている。この種のコンベアは例えば図４に示す如き構成が採用され ている。

【０００３】 図示例は搬送物を垂直搬送するコンベアを示すものであり、このコンベア１は 互いに上下に重ね合わされる無端環状の一対の搬送ベルト２，３を有しており、 これら搬送ベルト２，３はプーリ４を介して左右に折り返されるようになってい る。これら搬送ベルト２，３は互いに引張側となる上部ベルト２ａと下部ベルト ３ａとを相対向させて突き合わせて両者の間にバラ物Ａを挾んで移送するように なっている。

【０００４】 すなわち、これら上部ベルト２ａおよび下部ベルト３ａはバラ物Ａを垂直搬送 すると共に搬送方向を水平方向から垂直方向へ方向転換するために所定の曲率で 湾曲されて走行するようになっている。垂直搬送する垂直部５には双方のベルト ２ａ，３ａの幅方向両端部を互いに重ね合わせて案内する短軸の端部ローラ６が 配置されると共に、曲率部７にはベルト２ａ，３ａの走行を案内する長軸のロー ラ８が配置されるようになっている。図５に示すように、曲率部７にあっては上 部ベルト２ａの幅方向中央部の走行を案内するローラ８ａと、幅方向両端部を搬 送方向に案内すると共にその両端部を下部ベルト３ａ側に折り返して湾曲させる ２つのサイドローラ８ａ，８ｂとが搬送方向に沿って所定間隔に配置されている 。

【０００５】 このように、曲率部７にあっては上部のベルト２ａが幅方向に湾曲されて変形 された状態で走行し、バラ物Ａが確実に保持されつつ移送されることになる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、このように曲率部７の上部搬送ベルト２ａが幅方向に湾曲されて変 形するために、ベルト２ａの幅方向中央部と幅方向両端部とは互いに異なる曲率 半径Ｒ１，Ｒ２で湾曲されるとになる。すなわち、図５に示すように、幅方向中 央部の曲率半径Ｒ１に対し、その曲率半径Ｒ１より長い曲率半径Ｒ２で幅方向両 端部が半径方向外方に湾曲している。このため、搬送ベルト２ａの幅方向両端部 は中央部より伸びることになり、幅方向の引張剛性を同一にしたのでは曲率部７ における搬送ベルト２ａの幅方向両端部の引張力が大きくなり、引張剛性が不均 一になる現象が生じる。

【０００７】 したがって、従来にあっては幅方向両端部の曲率半径Ｒ２に合わせて曲率部７ 全体の曲率が設定されており、曲率部７の曲率半径を大きくしなければならない 問題があった。

【０００８】 本考案は上記問題点を有効に解決すべく創案されたものである。

【０００９】 本考案は幅方向に湾曲される搬送ベルトが搬送方向に湾曲走行する際のベルト の引張剛性を均一にすることを可能にし、搬送方向に湾曲される曲率部の曲率半 径を大きくすることのできる急傾斜・垂直コンベア用ベルトを提供することを目 的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

バラ物を挾んで移送する二重搬送ベルトを搬送方向に所定の曲率で湾曲させる と共にその曲率部の搬送ベルトを幅方向に湾曲させて走行させる急傾斜・垂直コ ンベアにおいて、上記搬送ベルトに幅方向中央部の引張剛性を幅方向端部より大 きくする芯体を設けたものである。

【００１１】

【作用】

このように搬送ベルトの幅方向中央部の引張剛性を大きくし、幅方向両端部の 引張剛性を小さくすることで、搬送方向に所定の曲率で且つ幅方向に湾曲される 搬送ベルトの引張剛性の均一化を図ることができる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【００１３】 図１に示すように、急傾斜・垂直コンベア１１にあってはバラ物Ａを挾んで移 送する搬送ベルト１２，１３が設けられており、これらの搬送ベルト１２，１３ は幅方向両端部を互いに重ね合わせてバラ物Ａを間に挾んで走行する二重搬送ベ ルトを構成する。

【００１４】 これら搬送ベルト１２，１３はバラ物Ａの搬送方向を方向転換させて垂直搬送 あるいは急傾斜搬送するために搬送方向に所定の曲率で湾曲されており、その曲 率部１４にはローラ１５が搬送方向に沿って所定の間隔で配置されている。図示 例においては上部の搬送ベルト１２に幅方向に３つのローラ１５ａ〜１５ｃが配 置され、中央部のローラ１５ａは幅方向中央部の走行を案内すると共に、中央部 のローラ１５ａを挾んで両側に配置されたローラ１５ｂ，１５ｃはバラ物Ａを保 持するために幅方向両端部の走行を案内すると共にその両端部を相対向する下部 搬送ベルト１３側に折り返して湾曲させて変形させるようになっている。したが って、このように上部の搬送ベルト１２を幅方向に湾曲させて変形させるために 、幅方向中央部の曲率半径Ｒ１に対して幅方向両端部の曲率半径Ｒ２が長くなる ことになる。

【００１５】 なお、図示例にあっては上部の搬送ベルト１２が内側を走行する曲率部７を示 したものであり、その上部の搬送ベルト１２をローラ１５ｂ，１５ｃで幅方向に 湾曲させている。したがって、図示されないが、下部の搬送ベルト１３が内側を 走行する曲率部においてはその下部の搬送ベルト１３の幅方向両端部をローラ１ ５ｂ，１５ｃで上部の搬送ベルト１２側に折り返して湾曲させることになる。

【００１６】 特に、これら搬送ベルト１２，１３には幅方向中央部の引張剛性を幅方向両端 部より大きくする芯体１６が設けられ、図２に示すように、この芯体１６は搬送 ベルト１２，１３に埋設された補強材としての多数本のスチールコード１７によ り構成されている。このスチールコード１７は搬送面を形成するゴム材層１８内 に幅方向中央部に密に配列されると共に幅方向両端に亘って次第に粗に配列され るように所定の間隔を隔てて埋設されている。

【００１７】 したがって、幅方向に湾曲される上部の搬送ベルト１２の幅方向中央部におい てはスチールコード１７が密に配列されているために引張剛性は増大し、逆に、 搬送ベルト１２の幅方向両側においてはスチールコード１７が粗に配列されてい るために引張剛性は中央部に比べて弱められることになる。このため、搬送ベル ト１２が搬送方向に湾曲走行しても幅方向の引張剛性の均一化が図られ、曲率部 １４の曲率半径を小さくできる。

【００１８】 図３は他の実施例を示したものであり、上記実施例と同様に、搬送ベルト１２ ，１３には芯体１６が設けられる。この芯体１６は３層に重ね合わされた補強層 としての帆布１９ａ〜１９ｃにより構成されている。各帆布１９ａ〜１９ｃは互 いに異なる幅を有しており、これら帆布１９ａ〜１９ｃはゴム材層１８内にその 厚さ方向に互いに重ね合わされて埋設されると共に搬送ベルト１２，１３の幅方 向中央部から幅方向両側に亘って積層幅が順次薄くなるように積層されている。 したがって、幅方向中央部の引張剛性が幅方向両端部の引張剛性より増大し、搬 送ベルト１２，１３が搬送方向に湾曲走行する際には引張剛性を均一化すること ができる。

【００１９】 このように本考案にあっては搬送ベルト１２，１３を幅方向中央部の引張剛性 を幅方向端部より大きくしたので、搬送方向に所定の曲率でかつ幅方向に湾曲さ れる搬送ベルト１２，１３の引張剛性を均一化することが可能になり、曲率部１ ４の曲率半径を小さくできる。したがって、急傾斜・垂直コンベア１１の設置ス ペースを小さくできる。

【００２０】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、搬送ベルトの幅方向中央部の引張剛性を幅方向 端部より大きくしたので、搬送方向に所定の曲率でかつ幅方向に湾曲される搬送 ベルトの引張剛性の均一化が可能になり、曲率部の曲率半径を小さくできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のコンベアを示す斜視図である。

【図２】ベルトを示す断面図である。

【図３】ベルトの他の実施例を示す断面図である。

【図４】コンベアを示す概略図である。

【図５】従来のコンベアを示す斜視図である。

【符号の説明】

Ａ バラ物 １１ コンベア １２，１３ 二重搬送ベルト １４ 曲率部 １６ 芯体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バラ物を挾んで移送する二重搬送ベルト
   をバラ物の搬送方向に所定の曲率で湾曲させると共に該
   曲率部の搬送ベルトを幅方向に湾曲させて走行させる急
   傾斜・垂直用コンベアにおいて、上記搬送ベルトに幅方
   向中央部の引張剛性を幅方向端部より大きくする芯体を
   設けたことを特徴とする急傾斜・垂直コンベア用ベル
   ト。