JPH04131043A - オメガ―３脂肪酸を多量に含有する油脂組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、高度不飽和脂肪酸のオメガ−３脂肪酸を多量
に含有する油脂組成物に関するものである。

（従来の技術及び発明が解決しようとする課題）ＥＰＡ
（エイコサペンタエン酸）は、生体調節機能性の優れた
脂肪酸として認められているが、供給源は主として魚油
であり、魚油には生臭い不快臭という致命的な欠点を持
っている。

不快臭を減する試みとして、魚油を高度に精製したり、
種々の方法でＥＰＡを濃縮し不純物を極力減少させるな
どの改良は従来から行われているが、上記の欠点を解消
するには至っていない。

また、魚油に植物油を混合してＥＰＡ配合組成物とする
試みがなされており、確かに一般的には植物油を多くす
ればするほど風味は向上するが、その分ＥＰＡ含有量は
減り、肝心の生体調節機能性は低下する。

本発明者らは、上記のｉＩＭを解決するために種々検討
した結果、本発明に到達したものである９（課題を解決
するための手段） 本発明は、精製全油２５〜７５重量部（以下単に部と略
記する）と精製えごま油又は精製しそ油７５〜２５部を
配合するものであり、これらを配合することにより、生
体調節機能性には影響がなくて、しかも魚油の不快臭を
大幅に減少し得ることを見いだすことができた。

えごま油はえごま（荏胡麻）から得られる液状油で、え
ごまはシソ科の植物で日本のしその変種だといわれ、え
ごま油としそ油とは脂肪酸組成も非常に似ていて、同じ
と見なすことができる。

えごま油（しそ油）にはα−リルン酸が多量（５０〜６
５％）に含まれていて、α−リルン酸はＥＰＡと同じオ
メガ−３系列の不飽和脂肪酸であり、体内でＥＰＡとな
り、ＤＭＡ　（ドコサヘキサエン酸）まで代謝される。

これに対して、一般の植物油りこ含まれるリノール酸、
γ−リルン酸はオメガ−６系列の不飽和脂肪酸であり、
体内の代謝でアラキドン酸になり、ＥＰＡにはならない
。

すなわち、α−リルン酸はＥＰＡの代わりになり得るの
に対し、リノール酸、γ−リルン酸はＥＰＡの代替には
なり得ない。

したがって、魚油とえごま油（しそ油）を配合した油脂
を連続して摂取すると、直ちに魚油由来のＥＰＡが直接
体内に取り込まれ、時間の経過とともにえごま油（しそ
油）由来のα−リルン酸も生体内代謝を経て、やはりＥ
ＰＡになりＥＰＡの合計量として多くなる特徴を有する
。

これに対して、魚油と他の植物油、例えばサフラワー油
〈リノール酸７０〜８０％、α−リルン酸Ｏ〜２％）と
を配合した組成物の場合は、摂取直後魚油からのＥＰＡ
は取り込まれるが、その後の増加はほとんどない。

本発明の精製魚油は、そのまま用いてもよいが、更に分
子蒸留、低温分別、低温溶剤分別等の濃縮処理を行い、
ＥＰＡ濃度を１５〜３０％としたものが好ましい。

本発明の油脂組成物は、液状油を使用する食品に、その
液状油に置き換えて使用することができる。

また、本発明の油脂組成物７５部以上に融点３８〜５２
℃の１８又は２穐以上からなる油脂２５部以下を配合し
てマーガリン類（マーガリン、ファツトスプレッド）及
びショートニングの油分とし、通常の製法により、マー
ガリン類及びショトニングを得ることができる。

（実施例） 本発明を実施例により具体的に説明する。

ＥＰＡを１８％含有する精製魚油と精製えごま油を１０
０：Ｏから５０　：　５０まで１０刻みに６種の比率で
混合した油脂を試験管に取り通気性のあるシリコ栓で栓
をした。毎時２回５分間ずつ振盪しながら４０℃に保ち
、１日毎に油脂の過酸化物価（ＰＯＶ）を測定した。第
１表に不快臭の強さとＰＯＶの測定値を示した。また、
ＰＯＶの変化のグラフを図面として添付した。

（以下余白） 不快臭はえごま油２０部以下（魚油８０部以上）では感
じられるが、３０部以上になると明らかに改良され、風
味がよくなった。安定性も同様にえごま油２０部以下で
は効果がないが、３０部以上になると効果が顕著である
。

しかし、えごま油を増量して７５部以上配合するとすれ
ば魚油は２５％以下となり、ＥＰＡ含有量は少なくなり
、生体調節機能性の速効性が期待できず、えごま油だけ
と余り変わりない。

次に動物実験の結果を示す。

第２表の油脂組成物を６％配合した飼料を調製し、マウ
スを飼育し２か月、６か月後の血中の脂質中のＥＰＡ、
ＤＨＡの含有率を測定したく第４表）。

第２表 この実験に用いた油脂の性状を第３表に示す。

（以下余白） 第３表 （以下余白〉 第４表 油脂組成物Ａは２か月後のＥＰＡの上昇が最も大きく速
効的であるが、６か月後の上昇は少ない。

Ｂは２か月後のＥＰＡの上昇がＣと余り変わらず少ない
が、６か月後にはＣよりも上昇が大きくＡの近くまで追
いついている。つまりＡはどの速効的効果はないが継続
的に摂取することによって遅効的効果があることがわが
る。

（発明の効果） 本発明は、魚油にｌごま油（しそ油）を配合することに
よって魚油の生臭い不快臭を大幅に減少することができ
、風味の改良された、また安定性の改良された油脂組成
物を得ることができた。

えごま油（しそ油）には、ＥＰＡと同じオメガ−３系列
の不飽和脂肪酸であるα−リルン酸が多量に含まれてい
る。この脂肪酸は、同じ系列であるＥＰＡ、ＤＨＡまで
体内で代謝される。したがって、えごま油（しそ油）を
配合することによってＥＰＡの生体調節機能性を高める
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、魚油とえごま油とを配合した油脂の過酸化物価
（ＰＯＶ）の変化のグラフである（条件は実施例に記載
）。 Ｍｌは魚油１００部、陽２は９０部、隘３は８０部、隘
４は７０部、陽５は６０部、隘６は５０部で、いずれも
残部はえごま油である（合計して１００部）。 横軸は日、縦軸はＰＯＶである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　精製魚油２５〜７５重量部、精製えごま油又は精製
   しそ油７５〜２５重量部を配合したオメガ−３脂肪酸を
   多量に含有する油脂組成物。 ２　精製魚油が分子蒸留、低温分別、低温溶剤分別等の
   方法により、ＥＰＡ濃度を１５〜３０％に濃縮したもの
   である請求項１記載の油脂組成物。 ３　請求項１又は２記載の油脂組成物を用いて得られる
   食品。 ４　請求項１又は２記載の油脂組成物７５重量部以上と
   融点３８〜５２℃の油脂２５重量部以下とを配合したマ
   ーガリン類及びショートニング用油脂組成物。