JPH0413006B2 - - Google Patents

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JPH0413006B2
JPH0413006B2 JP57167475A JP16747582A JPH0413006B2 JP H0413006 B2 JPH0413006 B2 JP H0413006B2 JP 57167475 A JP57167475 A JP 57167475A JP 16747582 A JP16747582 A JP 16747582A JP H0413006 B2 JPH0413006 B2 JP H0413006B2
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Japan
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membrane
air
hot
sheet
moist
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JP57167475A
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JPS5959236A (ja
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Hideki Iijima
Seiichi Manabe
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0413006B2 publication Critical patent/JPH0413006B2/ja
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  • Drying Of Gases (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は除湿及び熱回収方法に関するものであ
り、特に親水性物質のシート状物又は膜を用いて
湿熱空気を乾燥空気として再利用する方法に関す
る。 製品や試料などに含まれる水分を乾熱空気によ
り除去し、製品や試料を乾燥させる工程は広く行
なわれている。この乾燥工程より発生する廃湿熱
空気から有効に水蒸気を除き、かつ熱を回収して
再び乾熱空気を作り出すことができれば、その省
エネルギー効果は膨大なものとなる。 各種工業の製品工程などで発生する廃熱の回収
は古くから研究されている。比較的高温の廃熱は
熱交換器により有効利用することが可能である。
また、低温の廃熱から熱エネルギーをくみ出す装
置としてヒート・ポンプの活用が考えられる。 乾燥工程より発生する廃湿熱空気から熱エネル
ギーを回収する場合にも上記二方法の利用は可能
である。しかし、熱交換器を用いるには廃湿熱空
気の温度が通常80℃以下と低いため、伝熱効率が
悪く、乾燥用空気としてそのまま再使用できる程
度に高い温度の空気を得ることはできない。ま
た、ヒート・ポンプは複雑な装置を必要とする上
に、操作が繁雑でありその効率については、未だ
満足すべき段階にはなく、低廉に高温乾燥空気を
得るには不向きである。 特開昭54−152679号公報は水蒸気混合気体より
水蒸気を分離する方法を開示しており、この方法
によれば水蒸気の透過率PH2OがPH2O≧5×10-11
CC(STP)・cm/cm2・sec・cmHgであり、かつ気
体の透過率PGがPG≦20×PH2Oである膜を用いて減
圧下に水蒸気を膜透過させて水蒸気を分離させて
いる。しかしながら、このような条件を満足する
ような膜の孔径は電子顕微鏡では認められない程
度(10μm以下の直径)であり、これでは分離速
度が小さく、実用上多大の膜面積と、圧力差をも
うけるためのエネルギーが必要となる。 特公昭47−19990号公報は熱交換器を開示し、
この技術では、暖かく湿度のある一次気流を、障
子紙などの仕切り板を介して冷たい低湿度の二次
気流と接触させ、一次気流の熱及び湿度を二次気
流側に移動させて二次気流の温度及び湿度が一次
気流の温度及び湿度に近くしている。しかしなが
ら、この技術には一次気流が排出されるから熱の
回収率が80%留まりである。 本発明者らはかかる従来技術を湿熱空気からの
熱回収に利用した場合の欠点、すなわち、伝熱効
率の悪さ、装置の複雑さ、操作の繁雑さなどを改
善することを目的として鋭意検討した結果、湿熱
空気からの水蒸気の除去及び熱回収に親水性物質
よりなるシート状物又は膜を用い、親水性物質へ
の水蒸気の吸着、吸着後の水分の親水性物質中の
拡散を利用して湿熱空気を乾燥空気として再利用
する除湿及び熱回収方法を見出し、本発明に至つ
た。 即ち、本発明に従えば、親水性物質よりなるシ
ート状物又は膜の片側に湿熱空気を流し、かつ、
もう一方の側に湿熱空気よりも絶対湿度が低い乾
燥空気を流して水蒸気を含む湿熱空気から水蒸気
を除去するとともに熱回収する方法であつて、湿
熱空気と乾燥空気の流動量の合計v〔ml/min〕、
シート状物又は膜の湿熱空気流路側と乾燥空気流
路側の圧力差の絶対値|ΔP|〔mmHg〕、シート状
物又は膜の厚さd〔cm〕、シート状物又は膜の平均
孔半径a〔cm〕、シート状物又は膜の面積A〔cm2
及び空孔率Pr〔%〕が 下記(1)式の関係: |ΔP|/d≦3.0×10-5・v/Pr・ra 2・A ……(1) を満たす湿熱空気の除湿及び熱回収方法が提供さ
れる。 ここでいう親水性物質とは、溶解度パラメータ
ーの水素結合の成分δhが4.5(cal1/2cm-3/2)以上で
ある一群の物質、例えばセルロース(δh=
11.85)、ポリビニルアルコール(δh=11.68)、芳
香族ポリヒドラジド(δh=9.60)、芳香族ポリア
ミド−ヒドラジド(δh=9.44)、カルボン酸芳香
族ポリアミド(δh=9.43)、芳香族ポリアミド
(δh=9.27)、ポリ(エーテル/アミド)(δh=
8.98)、ポリアラニン(δh=8.94)、ポリセミカル
バジド(δh=8.22)、芳香族ポリイミド(δh=
8.23)、ポリベンゾイミダゾロン(δh=7.84)、ポ
リアクリル酸(δh=7.02)、酢酸セルロース(δh
=6.33〜6.59)、三酢酸セルロース(δh=5.81)、
酢酸プロピオン酸セルロース(δh=5.57〜6.62)、
酢酸酪酸セルロース(δh=4.85〜5.83)、エチル
セルロース(δh=4.93〜5.76)、三水素フタル酸
セルロース(δh=5.71)、フタル酸セルロースエ
チル(δh=4.62)、ポリウレア(δh=6.25)、スル
ホン化ポリフラン(δh=6.47)、ポリピペラジン
アミド(δh=4.50)、ナイロン6(δh=6.66)など
の物質よりなる一群の化合物群に属する化合物の
ことである。 本発明においては水蒸気のシート状物又は膜へ
の吸着が容易に起り、吸着熱の発生を促すため
に、シート状物又は膜を構成する素材が親水性物
質であつて、溶解度パラメーターの水素結合の成
分δhが4.5〔cal1/2cm-3/2〕以上である化合物を用い
る。 本発明におけるシート状物又は膜は吸着剤とし
て作用し、湿熱空気中に含まれる水は被吸着剤で
ある。吸着剤に被吸着剤が吸着したときに発生す
る吸着熱は微分吸着熱Qdiff.と積分吸着熱Qint.の
2つの表示法により示される。 シート状物又は膜へ湿熱空気中から水分子が吸
着される速度とシート状物又は膜から乾燥空気中
へ水分子が脱着される速度が平衡しており、シー
ト状物又は膜内の湿度勾配が一定であるとき、発
生している吸着熱は微分吸着熱Qdiff.で近似され
る。 微分吸着熱Qdiff.の値は雰囲気の湿度により大
きく左右されるが、セルロースの場合、相対湿度
が60%では約300KJ/Kg−セルロースである。こ
の値は多くの親水性物質の中でも最も大きな値の
一つである。 本発明においてシート状物又は膜の構成素材と
してセルロースを用いれば、大きな吸着熱を回収
することができる。更に、セルロースは最も入手
し易く、加工し易い素材であるため、最も効果的
に本発明を実施し得る素材である。 溶解度パラメーターの水素結合の成分δhが、
4.5〔cal1/2cm-3/2〕以下の物質よりなるシート状物
又は膜を使用した場合、水分除去速度は小さく、
また、水分の潜熱をほとんど回収することができ
ない。 本発明における第2の特徴はシート状物又は膜
を介して移動する2種の空気に湿度差が存在する
点である。ここで言う湿度とは体積1m3の空気中
に含まれる水蒸気量をg単位で表わした絶対湿度
である。この湿度差は、好ましくは10g/m3
上、より好ましくは100g/m3以上の差であるが、
この差は湿熱空気の流量によつて適宜選択設定さ
れる。 本発明においては、シート状物又は膜をはさん
で片側に湿熱空気を流し、反対側に湿熱空気より
も湿度が低い乾燥空気を流すことにより、湿熱空
気からの除湿並びに湿熱空気中の水分の持つ潜熱
及び顕熱の回収を行うことができる。ここで言う
シート状物とは、高分子フイルム、布帛、紙、不
織布、編物などの平面状構造体全般のことであ
る。本発明において使用する際のシート状物の形
態は基本的には該シート状物により湿熱空気流路
と乾燥空気流路を区別することができれば、どの
ような形態であつても何ら支障はない(例えば、
シート状物を筒状で用いる、スパイラル状で用い
るなど)。また、シート状物表面への水蒸気の吸
着を促進する目的で、シート状物を蛇腹状、波板
状にしたり、表面に多くの凹凸を設けたり、シワ
をつけた状態で用いることもできる。更に、布
帛、不織布、編物を用いるに際しては、布帛、不
織布、編物を溶剤処理あるいは熱処理して組織を
密にしてから用いること、あるいは該処理をせ
ず、または該処理後、他の親水性物質により表面
処理をしてから用いることも本発明に含まれる。 本発明における膜とは、ある厚みを持ち、その
厚みに比べて格段に広い表面積を有し、平面状、
チユーブ状、あるいは中空糸状などの形態を持つ
構造体のことである。本発明において使用する際
の膜の形態は基本的には膜により湿熱空気流路と
乾熱空気流路を区別することができれば、どのよ
うな形態であつても何ら支障はない。例えば、平
面状膜を筒状で用いたり、スパイラル状で用いた
りすることができる。また、膜表面への水蒸気の
吸着を促進する目的で、膜を蛇腹状、波板状にし
たり、表面に多くの凹凸を設けたり、シワを付け
た状態で用いたりすることもできる。 本発明の目的は、乾燥工程から排出されてくる
ような高温多湿の湿熱空気を高湿乾燥空気に変え
て再利用することである。第1図に本発明を具体
的に実施する上での基本的装置の代表例を示し、
以下、第1図に基づいて説明する。 第1図は平面状膜を筒状にして使用する場合の
除湿及び熱回収装置の縦断面図である。本装置は
並流運転の場合の乾燥空気入口4(向流の場合に
は乾燥空気出口)、並流運転の場合の乾燥空気出
口5(向流の場合には乾燥空気入口)、湿熱空気
入口6及び湿熱空気出口7を備えた円筒状外殻1
とらせん状に溝を切り込んだ内軸2と円筒状膜3
より成る。円筒状外殻1は内軸2とその上部、下
部において接続されている。円筒状膜3は内軸2
を包み込む様に取り付けられ、円筒状膜3はその
上端及び下端において外殻1に隙間なく接着され
ている。 乾燥空気は、並流運転の場合、乾燥空気入口4
より入り外殻1と円筒状膜3との隙間(以下、乾
燥空気流路と言う)を通つて乾燥空気出口5より
排出される。一方、湿熱空気は湿熱空気入口6よ
り入り内軸2と円筒状膜3との隙間(以下、湿熱
空気流路と言う)を内軸2に切り込まれた溝にそ
つて通り、湿熱空気出口5より出る。 湿熱空気が円筒状膜3に触れながら、らせん状
溝を通るうちに、湿熱空気に含まれる水蒸気は親
水性物質よりなる円筒状膜3に物理的に吸着さ
れ、その表面において吸着熱を発生する。吸着熱
の大きさは吸着物質の蒸発潜熱程度である。 湿熱空気中に含まれる水蒸気が円筒状膜3に吸
着され、湿熱空気の湿度が低下し、更に円筒状膜
3の表面で発生した吸着熱が湿熱空気に回収され
る。従つて、湿熱空気が円筒状膜3に触れなが
ら、らせん状溝を通るうちに湿熱空気の湿度は低
下し、温度は上昇することとなる。 円筒状膜3に吸着された水分子は、乾燥空気流
路側に拡散し、円筒状膜3の乾燥空気流路側の表
面において乾燥空気中へと蒸発する。従つて、乾
燥空気は乾燥空気流路を通るうちに円筒状膜3表
面より水蒸気を取り込み、湿度は上昇してゆく。 本発明の目的は湿熱空気中の水蒸気を除き、そ
の水蒸気の持つ蒸気潜熱を吸着熱として回収し、
その結果、湿熱空気の湿度を下げ、温度を上げる
ことで乾熱空気として再利用することにある。従
つて円筒状膜3を横切つての湿熱空気流路から乾
熱空気流路への空気の流れがあれば湿熱空気の損
失となり吸着熱回収効率を低下させる原因とな
る。また、円筒状膜3を横切つての乾熱空気流路
から湿熱空気流路への空気の流れがあると乾燥空
気に取り込まれた水蒸気が再び湿熱空気側に戻さ
れることとなり、その上、湿熱空気よりも温度の
低い乾燥空気を用いる場合には、湿熱空気の温度
を下げ熱回収効率の低下を引き起す原因となる。 このように湿熱空気からの水分除去速度及び湿
熱空気への吸着熱回収効率を維持向上させるため
に円筒状膜3を介しての空気の移動量は湿熱空気
と乾燥空気の流動量の合計の1/10以下である。 このような円筒状膜3を介して空気の移動を出
来る限り少なくするためには、湿熱空気流路の圧
力と乾燥空気流路の圧力との差の絶対値|ΔP|
〔mmHg〕は、理想的には0〔mmHg〕であることが
望ましいが、実際的には下記(1)式の関係を満たす
条件であればよい。 |ΔP|/d≦3.0×10-5・v/Pr・ra2・A ……(1) ただし、|ΔP|=湿熱空気流路の圧力と乾燥空
気流路の圧力差の絶対値〔mmHg〕、d=円筒状膜
の厚さ〔cm〕、v=湿熱空気と乾燥空気の単位時
間当りの流量の合計〔ml/min〕、Pr=円筒状膜
の空孔率〔%〕、a=円筒状膜の平均孔半径
〔cm〕、A=円筒状膜の有効膜面積〔cm2〕である。 第2図は中空糸型透析用人工腎臓を利用した除
湿及び熱回収装置の例を示す図面であり、本装置
は並流運転の場合の乾燥空気入口13(向流の場
合には乾燥空気出口)、同じく並流の場合の乾燥
空気出口14(向流の場合には乾燥空気入口)、
湿熱空気入口15及び湿熱空気出口16を備えた
外殻11と中空繊維12より成る。 シート状物や膜は、(イ)水蒸気の吸着場所とな
る、(ロ)吸着した水分子の拡散場所となる、(ハ)湿熱
空気と乾燥空気の流路を区別し、両者の混合を防
ぐ、(ニ)湿熱空気の顕熱及び発生した吸着熱の乾燥
空気への伝熱による放散を防ぐなどの作用をな
す。 シート状物又は膜に吸着した水分子の拡散速度
を増大させるには、(イ)シート状物又は膜をはさん
での湿度勾配を大きくしたり、(ロ)シート状物又は
膜の構成素材を親水性物質としたり、(ハ)シート状
物又は膜の微細構造における無定形領域を増加さ
せたりするのが効果的である。 更に、シート状物又は膜の高次な構造における
孔の存在が水分子の拡散速度を増加させるのに有
効である。すなわち、シート状物又は膜の持つ孔
の平均孔径2a(aは平均孔半径)が0.01μm
以上であれば、吸着した水分子の拡散速度を飛躍
的に増加させ、湿熱空気からの水分除去速度を高
めることができる。 孔の存在が水分子拡散速度を増大させることの
詳細な理由については必ずしも明確ではないが、
孔の内表面上における水分子の表面拡散現象に因
るのではないかと推察される。 シート状物又は膜に存在する孔の平均孔径2
aが20μmを超えると、実質的に湿熱空気と乾燥
空気の混合を防ぐことが出来ず、湿熱空気からの
水分除去速度及び湿熱空気への吸着熱回収効率を
低下させることとなり、好ましくない。 従つて、シート状物又は膜に存在する孔の平均
孔径2a(aは平均孔半径)は0.01μm以上
20μm以下であることが好ましく、そうすること
によりより高い湿熱空気からの水分除去速度及び
湿熱空気への吸着回収効率を得ることができる。 本発明において使用するシート状物又は膜の厚
さdは水分の拡散速度vwと吸着熱の乾燥空気側
への伝熱速度qとに逆比例関係にあるので、シー
ト状物又は膜の構成素材、存在する平均孔径2
aなどを考慮して最適の厚さを選定することが望
ましい。 本発明における作用効果を列挙すると以下の通
りである。 1 乾燥工程から排出されてくるような高温多湿
である湿熱空気から水分を除去し湿度を低下さ
せる。 2 湿熱空気の水分が親水性のシート状物質ある
いは膜に吸着される際に発生する吸着熱を湿熱
空気に回収することで湿熱空気の温度の低下を
抑えるか、一定に保つか、あるいは上昇させ
る。 3 湿熱空気を乾燥空気に変えることができ、乾
燥工程で必要とする乾燥空気として、そのまま
あるいは僅かの加熱により使用することができ
る。 4 乾燥工程において排出する湿熱空気のもつ熱
エネルギーを回収することで省エネルギー、省
資源が計られ、乾燥工程などの湿熱空気を排出
する過程での大幅なコストダウンが可能とな
る。 5 シート状物あるいは膜に平均孔径2aが
0.01μm以上20μm以下の孔が存在することで水
分子の拡散速度が増大し効率の良い除湿が可能
となり、装置を小型化することができる。 6 セルロースは水分子吸着により発生する吸着
熱量が最も多いものの一つであり、水分子の拡
散速度も高いので、シート状物あるいは膜の素
材としてセルロースを用いれば、熱回収効率と
除湿効率が上るうえ、装置の小型化が計れる。 7 セルロースは最も入手し易く、安定に供給さ
れ、かつ加工もし易い素材であるから、シート
状物あるい膜の素材としてセルロースを用いれ
ば、安価に、しかもあらゆる状況に応じて最適
な構造の装置を作ることができる。 8 湿熱空気が排出するあらゆる工程において熱
回収が行なえる。 以下に本発明の実施例を説明する。実施例にお
ける各物性値の測定方法は以下の通りである。 <平均孔径2a> 25℃の純水を0.2μmの孔径を持つポリカーボネ
ート多孔膜(General Electric社製、商品名
unclepore)で濾過し、微粒子の存在しない純水
を調製する。この純水を用いて一定の圧力差ΔP
〔cmHg〕でのシート状物あるいは膜の単位面積当
りの濾過速度J〔cm/sec〕を測定すれば、2a
〔cm〕は次の式で算出される。 ここでηwは純水の粘度で通常1センチポイズ
であり、dはシート状物あるいは膜の厚さ〔cm〕
でマイクロメーターで測定する。 Prは空孔率でシート状物あるいは膜の見掛け
の密度ρaの実測値から次式で算出される。 Pr=(1−ρa/ρp)×100〔%表示〕……(3) ここでρpはシート状物あるいは膜素材の密度、
ρaはシート状物あるいは膜の厚さd、重量w及
び面積Sの測定より ρa=w/S・d ……(4) で算出される。 <湿度> 温度が50℃以下の場合、相対湿度はACE
SCIENTIFIC LABORATORY CO.LTD製の
Hygro Thermometer Model AKHを用いて測
定し、絶対湿度を算出した。温度が50℃以上の場
合は、空気中の水分量を平沼産業(株)製デイジ
タル微量水分測定装置AQ−1型を用い、カール
フイツシヤー法により測定し絶対湿度を求めた。 実施例 1 セルロースリンター(粘度平均分子量2.33×
105)を公知の方法で調製した銅アンモニア溶液
中に6重量%の濃度で溶解後、該溶液中にアセト
ン(100重量%)を10重量%添加し、攪拌後その
溶液を30℃のアセトン蒸気雰囲気の濃度が飽和蒸
気圧の80%の雰囲気下に置かれたガラス板上に厚
さ300μmのアプリケーターで0.2m/分の速度で
流延し、該雰囲気下に5分間放置後、アセトン/
水との比率が33.6重量%でアンモニア/水との比
率が0.8重量%の混合溶液(20℃)に10分間浸漬
し、その後20℃2重量%硫酸水溶液中に10分間浸
漬後、水洗し、しかる後、水分を濾紙で吸い取
り、20℃のアセトン(100重量%)中に15分間浸
漬し、膜中の水分をアセトンで置換し、濾紙には
さんで30℃で風乾することにより、平均孔径2
a=3.0×10-5cm、膜の厚さd=5.0×10-3cm、空
孔率Pr=76%の再生セルロース多孔膜を調製し
た。 第1図に示した除湿及び熱回収装置に面積250
cm2(縦15cm、横18cm)の該再生セルロース膜を装
着した。乾燥空気入口4、湿熱空気入口6、湿熱
空気出口7における空気の温度及び湿度を測定し
た。乾燥空気と湿熱空気の流量をそれぞれの流路
の出入口においてフローメーターにより測定し、
流入空気量と流出空気量が同量となるように調整
し、また同時に乾燥空気流路と湿熱空気流路の圧
力を測定し、両流路間の圧力差ΔPが10mmHg以下
となるよう調整した。 第1表に示すように、出口7の湿熱空気の絶対
湿度は入口6に比較して低下し、温度は上昇して
おり、除湿及び吸着熱の回収が行なわれているこ
とがわかる。 実施例 2 特開昭55−99926号公報に記載の方法により平
均孔径2a=0.008×10-4、膜の厚さd=1.7×
10cmの再生セルロース膜を調製した。実施例1と
同様の装置及び方法にて前記再生セルロース膜を
用いて湿熱空気の温度及び湿度を測定した。 第1表に示すように湿熱空気出口7の絶対湿度
は入口6にくらべて低下し、温度は上昇してい
る。 実施例 3 濾紙、紙を用いて実施例1と同様の装置及び方
法にて湿熱空気の温度及び湿度を測定した。平均
孔径はD.O.P法により求めた。 第1表に示すように平均孔径が20μm以下では、
湿熱空気出口7の絶対湿度は入口6にくらべて低
下し、温度は上昇しており、除湿及び吸着熱の回
収が行なわれている。平均孔径が20μm以上では
乾燥空気と湿熱空気の混合が起つているものと考
えられる。 実施例 4 ゲルマン社製アセテート多孔膜MERICEL GA
−3(公称平均孔径1.2×10-4cm、厚さ1.50×10-2
cm)を用いて実施例1と同様の装置及び方法にて
湿熱空気の温度及び湿度を測定した。 第1表に示すようにアセテート多孔膜において
も湿熱空気出口7の絶対湿度は入口6にくらべて
低下し、温度は上昇しており、除湿及び吸着熱の
回収が行なわれていることがわかる。 実施例 5 旭メデイカル製透析用人工腎臓AM−10(再生
セルロース、平均孔径8×10-7cm、膜厚2.0×
10-3cm、膜面積1.1m2、中空糸)の透析液流路に
乾燥空気を流し、血液流路(中空糸内)に湿熱空
気を流した。湿熱空気と乾燥空気の流れる方向が
同じ場合(並流)と反対の場合(向流)につい
て、各々乾燥空気入口5、湿熱空気入口6、湿熱
空気出口7における空気の温度及び湿度を測定し
た。乾燥空気と湿熱空気の流量をそれぞれの流路
の出入口においてフローメーターにより測定し、
流入空気量と流出空気量が同量となるように調整
し、また同時に乾燥空気流路と湿熱空気流路の圧
力を測定し、両流路間の圧力差をΔPが0mmHgと
なるよう調整した。 第1表に示すように並流、向流のいずれにおい
ても湿熱空気の絶対湿度は低下し、温度は上昇し
ており、除湿及び吸着熱の回収が行なわれている
ことがわかる。 実施例 6 実施例1と同様な方法で、平均孔径3.2×10-5
cm、膜の厚さ5.3×10-3cm、空孔率Pr=73%の再
生セルロース膜を調整した。 実施例1と同様の装置に膜を装着し、乾燥空気
の流れる方向を変えて、乾燥空気と湿熱空気の流
れが並流と向流の場合につき比較した。各空気の
流量、圧力は実施例1と同様に調整し、並流と向
流の場合に、ほぼ等しい条件となるようにした。 第1表に示す様に、並流と向流における大きな
差はなく、いずれにおいても湿熱空気の絶対湿度
は低下し、温度は上昇しており、除湿及び吸着熱
の回収が行なわれていることがわかる。 実施例 7 公知の方法にて調製されたポリプロピレン多孔
膜(平均孔径1.1×10-4cm、厚さ2.0×10-3cm)、ポ
リ塩化ビニリデン膜(平均孔径1.0×10-6cm以下、
厚さ1.0×10-3cm)、テフロン多孔膜(平均孔径1.5
×10-4cm、厚さ2.5×10-3cm)を用いて実施例1
と同様の装置及び方法にて湿熱空気の温度及び湿
度を測定した。いずれも膜面積は250cm2であつた。 第1表に示す様に、絶対温度の僅かな低下はみ
られるが温度は同じか、または下降しており、吸
着熱の発生と回収が効率良く行なわれていないこ
とがわかる。 実施例 8 実施例1におけると同様な方法で平均孔径2
a=0.31×10-4cm、膜厚d=52×10-4cm、空孔率
Pr=75%の再生セルロース膜を調製し、有効膜
面積250cm2となるように第1図の装置に装着した。
実施例1と同様な方法で湿熱空気と乾燥空気を流
し、両空気の流量合計vが約6000ml/minとなる
ようにしながら、膜を介して圧力差ΔPを様々に
変えた。結果を第2表に示す。 圧力差ΔPは乾燥空気流路の圧力P1、湿熱空気
流路の圧力P2としたとき、ΔP=P1−P2である。
両空気は実施例1と同様に並流で流した。 第2表より明らかなように圧力差ΔPが大きく
なり式(1)を満足しなくなると、吸着熱回収の効率
も著しく低下する。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は円筒状膜を用いた除湿及び熱回収装置
の一実施態様の概略図を示す。第2図は中空糸型
透析用人工腎臓を利用した除湿及び熱回収装置の
概略図を示す。 1……外殻、2……内軸、3……円筒状膜、4
……乾燥空気入口(並流)又は出口(向流)、5
……乾燥空気出口(並流)又は入口(向流)、6
……湿熱空気入口、7……湿熱空気出口、11…
…外殻、12……中空繊維、13……乾燥空気入
口(並流)又は出口(向流)、5……乾燥空気出
口(並流)又は入口(向流)、15……湿熱空気
入口、16……湿熱空気出口。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 親水性物質よりなるシート状物又は膜の片側
    に湿熱空気を流し、かつ、もう一方の側に湿熱空
    気よりも絶対湿度が低い乾燥空気を流して水蒸気
    を含む湿熱空気から水蒸気を除去するとともに熱
    回収する方法であつて、湿熱空気と乾燥空気の流
    動量の合計v〔ml/min〕、シート状物又は膜の湿
    熱空気流路側と乾燥空気流路側の圧力差の絶対値
    |ΔP|〔mmHg〕、シート状物又は膜の厚さd
    〔cm〕、シート状物又は膜の平均孔半径a〔cm〕、
    シート状物又は膜の面積A〔cm2〕及び空孔率Pr
    〔%〕が下記(1)式の関係を満たすことを特徴とす
    る湿熱空気の除湿及び熱回収方法。 |ΔP|/d≦3.0×10-5・v/Pr・ra 2・A ……(1) 2 シート状物又は膜の持つ孔の平均孔径2a
    aは平均孔半径)が0.01μm以上20μm以下であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    湿熱空気の除湿及び熱回収方法。 3 親水性物質がセルロースであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項又は第2項記載の湿熱
    空気の除湿及び熱回収方法。
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